引退を控えるジョン・シナがコーディ・ローデス相手に王座陥落もブロック・レスナーがまさかの登場で襲撃!

38回目にして初の2Days開催となった今年の『サマースラム』がニュージャージー州イーストラザフォードにあるメットライフ・スタジアムで行われた。
Day1では53161人の観衆を集めたが、Day2ではそれを上回る60561人の観衆が集まり、2日間での合計は113722人という驚異的な数字を残した。まさに”世界最高のプロレス”の異名通りだが、今回もAbemaではPPVで生中継されている。10月の日本公演への予習としてもぜひ見てもらいたい。
その『サマースラム』の最終試合として選ばれたのはやはりジョン・シーナ対コーディ・ローデスの統一WWE王座戦であった。
『イリミネーション・チェンバー』での衝撃のヒールターンから『レッスルマニア』での17度目の王座戴冠を果たしたジョン・シーナだが、これまではベルトを凶器として使用することで防衛を重ねてきたものの、前週のRAWでの調印式の乱闘を経て、自分を見失っていた事に気が付き、スマックダウンではコーディやファンに本来のジョン・シーナに戻ることを宣言。試合形式はストリートファイト形式のままではあるものの、長きに渡ってファンから愛されてきたシーナとして最後の『サマースラム』に臨むこととなった。
挑戦者であるコーディの入場時には父・ダスティ・ローデスが1994年に発言したという「自分自身がリーダーとならなければ見える景色は変わらない」という言葉が紹介されてからいつものように会場のファンをひとつにする入場を見せた。
一方のシーナはまさに”本来のジョン・シーナ”として登場。ベルトも正しく巻き、明るい表情でリングに走り込み、ベルトを力強く掲げる姿を見せた。選手紹介時にはコーディにはまさかのブーイング。シーナはリングアナのアリシア・テイラーの肩を抱きながらコールを受けてみせる。

ゴングが鳴るとしばらくはただ対峙するふたりだが、ハグと少しの言葉をかわすとすぐにストリートファイトらしく殴り合いからスタートする。場外戦でコーディが有利になるとブーイングが飛び、シーナが観客として来ていたNBAプレイヤーのタイリス・ハリバートンの松葉杖を使って攻撃すると大歓声が起きる。シーナはスチールステップをリング内に入れると、そこにアティチュードアジャストメント(以降AA)を狙うがこれはコーディが逃れて逆にボディスラムで叩きつける。そのままコーナートップからの攻撃を狙うが、シーナは場外に落としてスチールステップを投げつける。
そのままイス攻撃合戦となるが、シーナの流れになるとショルダータックルの連打から「見えっこねぇ」のポーズからのファイブ・ナックル・シャッフル。そこからのAAをかわすとそれをさせなかったコーディに対してのブーイングが起きる。
コーディはバイオニック・エルボー、コーディ・カッター。シーナもAAで返すがコーディはムーンサルト・アタックからディザスター・キックと畳みかけていく。しかしシーナも隙をついてのエレクトリック・チェア(肩車式のバックドロップ)で反撃していく。コーディは本来ならば禁止技であるパイルドライバーを仕掛け、シーナの動きを止めるが、そのシーナも大きなダメージながらAAで叩きつける。両者ダウンから立ち上がると再び殴り合いが始まりシーナには声援が、コーディにはブーイングが起きるようになる。
場外戦になるとシーナはマイクで殴りつけると珍しいカナディアン・デストロイヤーまで繰り出し、英語実況席からスペイン語実況席に投げ捨てるAAで叩きつける。しかしコーディはリングに戻るとクロスローズを決めるがこれもシーナは3カウントを許さない。
その後のコーナートップの攻防を制したシーナはダイビング・レッグドロップからのAAを決めるがこれもコーディはキックアウト。
シーナはリング下からテーブルを持ち出し、AAを狙うがこれはDDTに切り返される。持ち込んだテーブルはコーナーに立てかけられるがこちらへの攻撃はお互いに不発。すると戦場を場外から観客席に求め、コーディがフェンスへのブレーンバスターを決めるともつれるようにステージセットの下に入っていく。
しばらくふたりの姿が見えなくなるがせり上がりからAAの体勢で姿を現す。そこから一度は花道に投げ捨てたシーナだが、続けてAAの体勢のままリングまでコーディを運び込んでいく。だがその間にコーディは蘇生して、設置されたままのテーブルに叩きつけるとクロスローズ。それでも返すシーナに歓声が集まっていく。
どうしても3カウントが奪えないコーディはサードロープの金具を外し、その金具を使ってシーナを殴打する。会場はこれまでにないブーイングでコーディを非難するが、3度目の殴打はシーナがかわしてそのロープを使ってのSTFU。これを逃れたコーディはクロスローズの3連発。それでもシーナからはどうしても3カウントは奪えないままでいる。
会場からは「スーパー・シーナ!」のチャントも起きる中、シーナはAA2連発から3発目はセカンドロープからの雪崩式AAを繰り出す。これでも決まらないと再びリング下からテーブルを持ち出し、テーブルへの雪崩式AAを狙うもこれはカッターで切り返される。コーディはシーナへの敬礼の後にクロスローズを決め、果てしなく続くかとも思われた戦いに終止符を打った。

シーナはベルトをコーディに手渡し、試合開始時と同じくハグとともに言葉をかわしてから勝者であるコーディを讃える。コーディはシーナへの敬意として先にリングを後にすると、会場からは「サンキュー、シーナ!」のチャントが鳴り響く。これに耳を傾けるシーナだが、この大団円を打ち切ったのはブロック・レスナーのテーマ曲。
リング外の問題からもう二度と復帰はないものと思われていたレスナーの登場に会場は大興奮。レスナーはゆっくりとリングに近づくとシーナを急襲。F5を決めると無言のままリングを後にした。