がん治療に専念のためプロレス活動休業の橋本友彦が涙のラストマッチ!「どんな形であれ、もう1回リングに戻ってきます」

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 プロレスリングA-TEAMが6月22日、千葉・オリエンタルホテル東京ベイで『橋本友彦休業前ラストマッチ〜Definitely Come Back〜』を開催した。がん治療のため、プロレス活動を休業する橋本友彦が涙でラストマッチを終え、リングに戻ることを約束した。

 橋本は柔道で鍛錬した後、2002年4月に木村浩一郎率いるJPWAでデビュー。2002年にDDTに入団し、KO-Dタッグ王座を3度戴冠。並行して、総合格闘技でもファイトし、2003年大みそかの『INOKI BOM-BA-YE 2003』ではアリスター・オーフレイムとも対戦。その後、TEAM MAKEHENを結成し、紫雷美央、紫雷イオ(現イヨ・スカイ)を育成。アパッチプロレス軍を経て、2017年2月にA-TEAMを旗揚げ。近年では尊敬する藤田和之と幾度となく激闘を繰り広げ、4月20日の東京・ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)大会では、タッグマッチながらピンフォール勝ちを収めた。試合後には藤田とシングルでの再戦を約束し、固い握手を交わしていた。

 そんな橋本に病魔が襲ったのが昨年2月のこと。体調の異変を覚えた橋本は病院を受診したところ、肝臓に異常が見つかった。それでも、試合には出場していたが、精密検査の結果、同9月9日に肝臓がんステージ2と告知され、同11月19日に都内の病院でラジオ波焼灼術による治療を受けた。その後の定期検査でいったんはがんが消えたこともあった。ところが、5月の定期検査の結果がかんばしくなく、同中旬に精密検査を受けた結果、肝臓の難しい部位にがんが再発していることが判明。主治医から、抗がん剤など西洋医学での治療は困難との宣告を受けた。別の病院を回ったが医師から伝えられた答えは同じだった。そのため、橋本は東洋医学、湯治、食事療法などで治療を行っていくことを決断。今後、治療に専念するため、今大会をもってプロレス活動を休業することを決めた。

 今大会のチケットは前売り段階で完売し、超満員札止めの観衆が集まった。そして、橋本の休業前ラストマッチを見守るため、髙木三四郎、KUDO、柿本大地さん、風香さん、小幡優作さん、大家健、元K-1ファイターの我龍真吾らが駆け付けた。また、飯伏幸太、ザ・グレート・サスケ、藤田愛さん、元プロボクサーで俳優の赤井英和さんからビデオメッセージが寄せられた。

 この非常事態を聞いたDDT時代の戦友である石川修司、MIKAMI、タノムサク鳥羽、そしてチーム・ベイダーでタッグを組んだ柴田正人が友情参戦を志願。この4選手がタッグを組み、橋本、雷電、櫻井匠、この日のために1日限定復帰した佐瀬昌宏のチームと激突。試合形式は60分3本勝負。

 橋本は感極まって涙でリングインし、町田達哉リングアナはこらえきれず涙ながらに橋本をコール。1本目、橋本と柴田が激しいショルダータックル合戦を繰り広げるも、MIKAMIが450°スプラッシュで櫻井を仕留めて、石川組が先取。

 2本目、雷電、櫻井、佐瀬は必死に橋本をサポート。橋本が石川にラリアット、そしてエルボーの打ち合いに。橋本が再度石川にラリアットを叩き込むと、橋本のセコンド陣が相次いでリングに入って串刺し攻撃でアシスト。橋本と石川がラリアット相打ち、橋本がフェースロック。MIKAMIがトルニージョ、鳥羽がバックハンドブローを放つと、孤立した橋本に石川がランニング・ニーリフトもカウントは2。ならばと石川はランニング・ニーリフトの追撃で橋本から3カウントを奪い、0-2で橋本組の敗退となった。現状、満足に練習もままならない橋本にとっては、これが精いっぱいの魂のこもった戦いだった。

 試合後、対戦相手の鳥羽が「橋本、もう1回このリングで、なんならシングルでもいいよ。いつまでも待ってるから、引退しないでよ。早くしてくれよ。俺は時間がねぇからな」、石川が「橋本さんとの出会いは20何年前、出会った頃は自分の一番近くで最も強くてデカい男でした。見てください。強くなったでしょ? 俺は強い橋本さんともう1回戦いたいんで、待ってます」、柴田が「橋本さん、2007年かな? 一緒にテキサス行きましたよね? あれが橋本さんとの最高の思い出です。また行きたいので、よろしくお願いします!」、MIKAMIは「ハッシー、25年シングルやってねぇから、やろうぜ」とエール。

 橋本は「MIKAMIさん、何を言ってるんですか? 何回もシングルやってるじゃないですか! 死ぬほどやってるじゃないですか! 鳥羽さん、よく試合の後、新宿のいかがわしいお店に連れて行ってくださり、ありがとうございます。修司、年上の後輩だけど、今はムチャクチャ強くて、いつか必ず戻ってきたときにやってください。柴田、3ヵ月、米国にチーム・ベイダーで一緒に合宿に行って。いい思い出です。ありがとうございました。あと、A-TEAMのみんな。こんなオレに付いてきてくれてありがとうございました。今日奈良からも、東京の応援団も来てくれてます。大学の先輩も中学の先生も同級生も来てくれてます。本当にこんな僕のことを応援してくれて、ありがとうございました。本当は引退ってしたかったけど、自分のモチベーションが下がるので、休業という形を取らせてもらいました。必ずどんな形であれ、もう一回戻ってきます。そのときは応援よろしくお願いします!」とファンに約束した。

 最後にA-TEAMが8月24日、東京・新木場1stRINGで『橋本友彦AID大会』(午前11時開始)を開催し、高額な治療費がかかる橋本を支援することを発表した。

 バックステージで橋本は「自分のなかでできないって分かってるんですけど、モチベーションを下げたくないんで、復活するんだっ気持ちで、こういう形でやらせてもらって、休業にしました。急なことなんですけど、選手もいっぱい出てくれて。感無量というかやっててよかったと思いました。いっぱい昔の仲間が来てくれてうれしかった。試合は全然覚えてないです。動けなくて、息は苦しいしわ。でも修司も柴田も強いなって。うちの選手たちもたくましくなってるし。必ず、もう1回どんな形であれ、リングに立てるように頑張るんで。(藤田選手へのシングルでのリベンジも残ってるが?)必ず、藤田さんだけはもう1回。今回試合がかぶってたので、“日にちずらせないか?”とまで言ってくれたんですけど、もう決まってた興行だし、急だったんで。でも必ずやりたいですね。藤田さんとやれるまで体をもっていけるよう頑張ります。(橋本AID大会には?)顔は出したいと思ってるんですけど、まだ治療が決まってないんで、どうなるか分からないですけど」と再起をあきらめない姿勢を見せた。

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