「貴婦人旋風を巻き起こしていきます」桜井麻衣が青野未来を下して悲願の純白のベルト奪取!

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 3日、東京都・大田区総合体育館にてマリーゴールド『MARIGOLD FIRST DREAM2025〜初夢〜』が開催。桜井麻衣が青野未来を破ってマリーゴールド・ユナイテッド・ナショナル王座戴冠を果たした。

 青野は新生アクトレスガールズの絶対的エースとして君臨してきた実績もあり、マリーゴールド移籍後もトップ戦線で活躍。純白のベルト(ユナイテッド・ナショナル王座=UN王座)の初代王座を巡るトーナメントでの相次ぐ死闘で団体旗揚げ直後のスタートダッシュに貢献し、劇的な王座戴冠を果たして見せた。
 美人で実力も高いという一見完璧な青野だが、良く言えば品行方正、悪く言えば真面目すぎて面白味が無いことが欠点として長年挙げられてきた。しかし、マリーゴールドに来てからは“未亡人”とイジられたり、高橋奈七永のパッションに呼応して熱血モードを身に着けたりと優等生の殻を破りつつある。

 桜井はアクトレスガールズからスターダムへと移籍したばかりの頃には、チャレンジマッチとして試合が組まれるなど半人前の扱いを受けていた。
 しかし、桜井は中野たむやジュリアに師事して猛練習を重ねた結果、堂々とタイトルに絡んでいける選手に成長。スターダムでのキャリア終盤にはシングルトーナメントでなみいる強豪を抑えて準優勝を果たしたり、“貴婦人”キャラを確立し他業種コラボを実現したりとリング内外での実力を高めた。マリーゴールド初のシングルリーグ戦『DREAM✴STAR GP』でも準優勝を果たしており、団体の主軸として活躍している。

 桜井は、自らのデビュー戦の相手を務めてもらった過去を持つ青野を強く意識。昨年夏に行われたDREAM✴STAR GPで両者の対戦では引き分けに終わっているため、王座をかけての完全決着戦を求めた形。しかし、2人の間には単にベルトをかけて争う以上の意味がこの試合にはあるようだ。

 戦前の記者会見では、青野が「いろんな選手がアクトレスガールズを辞めて外で活躍してました。それを私は……見たくなくても見えちゃう。その中で、一番悔しいのは桜井麻衣なんですよね。デビュー戦の相手をしたからなのか、当時仲が良かったからなのか、分かんないけど。桜井麻衣の活躍は、ホントにカッコ悪いけど、私は悔しかった!悔しくて悔しくてたまらなかった!」と後輩に追い抜かれたと感じた悔しさを思い起こして感情を爆発。
 青野がベルトを桜井の眼前に突き付けると桜井がビンタ。青野もビンタで返すと、桜井が青野の首をベルトで絞め上げながら「お前ら見とけよ!1・3で青野未来の顔をグチャグチャにしてやるから!どん底に突き落としてやる!」と咆えた。


 試合は早々に場外戦となり、桜井が花道に連れ込むも青野がサッカーボールキックで反撃。桜井は池田屋事件のごとく花道の傾斜を転げ落ちていくという憂き目にあう。
 この日の青野は普段の気迫が前に出たファイトではなく、冷酷に桜井の足を潰していく“怖い青野”を見せていく。雪崩式スタイルズ・クラッシュ、スイング式サソリ固めなど普段は見せない引き出しを開けて桜井を追い込んでいく。
 それでも桜井は心折れること無く突貫。青野のスタイルズ・クラッシュを切り返して蝶野正洋直伝STFに捕らえ、さらに裏STF。逃れた青野が怒涛のバズソーキック連打を見せるも、耐え抜いた桜井がSTOからSTFに繋いでギブアップを奪った。

 悲願の純白のベルト獲得、そして青野超えを果たした桜井だったが、気を抜くことなく次を見据える。
 桜井は、今まで1度も勝ったことがない因縁の野崎渚をリング上に呼びつけて挑戦者に指名。野崎も受けて立つ姿勢を見せたことから、1月19日の後楽園ホール大会での初防衛戦が決まった。

 バックステージに戻った桜井は「マリーゴールドに来て前半、ずっと自分のことが嫌いで、お客さんの前に立つのもダメなんじゃないかなってすごい悩んで悩んで悩んで来ました。でも、このマリーゴールドに来たっていう覚悟は本当に私はしてきたので、絶対に『ここに来てよかったね』ってみんなに思ってもらえる、そんな結果を絶対に出したかった。だから今日はそれを証明できたのはすごく嬉しいです。私はこのベルトとともに!私はもっともっともっと!変わって強くなってマリーゴールドをかき乱して貴婦人旋風を巻き起こしていきますので、よろしくお願いします!」と晴れやかな笑み。

 対する青野は泣きながらうなだれ「これが、どん底かと。ホントにどん底に突き落とされた気分で、ベルトを失ったことも、桜井麻衣に負けたという事実も、なにが悔しいのか分からないくらい悔しくて。なにより悔しかったのは、試合中桜井コールばっかり自分の耳に聞こえてきて……。私が応援されてないのか、桜井が応援されてるのか分からないけど、ホントに悔しかった。色んな意味で本当にどん底なので、這い上がるしか無いんですけど、今はちょっとあんまり前向きなことを考えられないです」と失意の底に沈んだ。


 旧体制アクトレスを辞めた桜井はプロレス界のスターの1人に。新体制アクトレスに残った青野はリング上でどんなに頑張ってもプロレスファンからは“お芝居”というレッテルを貼られ、マトモなプロレスメディアからは約2年半無視される存在となってしまっていた。環境の違いによって生まれてしまった2人の格差はあまりにも大きい。
 殻を破った桜井がマリーゴールドの新たな光景を作り出す姿、そして青野が悔しさをバネに復活してくる姿のどちらにも期待したい。

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