SOG世界王者・石井慧介、商店街プロレスに降臨した永田裕志に惜敗も再戦熱望!「強くなって永田さんの前に立ちたいんで、また勝負受けてください」
ガンバレ☆プロレスが9月7日、埼玉・所沢パークタウン商店街特設リングで毎年恒例の『所沢パークタウン商店街プロレス』を開催した。スピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別級王者の石井慧介が“ミスターIWGP”永田裕志との一騎打ちで惜敗するも、再戦を熱望した。
埼玉・入間市出身の石井は“第2の故郷”と称する所沢で例年、同大会を実施してきた。CyberFightから独立し新体制になっても、所沢パークタウン商店街のガンプロへの信望は厚く、今年も例年通り開催されることになった。
イベントでは全3試合が行われ、ガンプロのメンバーはふだん通り熱いファイトを繰り広げた。メインイベントで主役の石井に対峙したのは、まさかの永田だ。永田はIWGPヘビー級、GHCヘビー級、三冠ヘビー級を戴冠しグランドスラムを達成したほか、「G1 CLIMAX」「チャンピオン・カーニバル」「グローバル・リーグ戦」とメジャー3団体のリーグ戦を制した、まさしく現役の“ミスター・プロレス”だ。そんな永田がインディペンデント団体の小さな商店街のイベントプロレスに降臨するなど、まさに画期的な出来事といえる。
メインイベントの入場時、石井コールに負けず劣らず、永田も“大永田コール”を受けてリングイン。序盤レスリングの攻防でスタートすると場外戦に発展し、試合会場に隣接する青果店内でよもやの乱闘。リングに戻り、永田がニーリフトを見舞えば、石井はフロント・ハイキックで応戦。永田のナガタロックを石井が脱出すると、エルボーの応酬。石井が掟破りのナガタロックⅡに入ると、抜け出した永田はナガタロックⅢで逆襲。石井が両腕極めドライバーもカウントは2。永田がエクスプロイダーを放てば、石井はニールキックで返し、両者ダウン。起き上がると、再びエルボー合戦から、永田が延髄斬り、エクスプロイダー、ナガタロックⅡからナガタロック54で絞り上げてギブアップを奪った。
試合後、石井と握手を交わしてマイクを持った永田は「今日は暑いね。夏の暑さが続いて欲しいと思うんですが、夏の暑さに負けないくらい、ガンプロの選手たちの熱さを感じました。小さなところですけど、これだけたくさんの人が集まって、東京ドームのメインにも負けない声援を送ってくれたことは忘れません。現役生活32年やって、東京ドームとか、いろんなとこでメインを張ってきましたけど、今日のお客さんの熱はそれに負けないくらい熱かった。いや、その熱を作り出したのは、やっぱりガンプロの選手の皆さんのおかげ。またここに戻ってきたいと思いました」と最大の賛辞。
永田からマイクを渡された石井は「1998年9月23日、永田裕志vsスコット・ノートンのIWGPヘビー級王座決定戦を見てからファンです。14歳の時からファンだった永田さんと30代最後の夏に第2の故郷の所沢パークタウン商店街でシングルができるなんて、プロレスラーになってよかったです。ただ、自分はガンバレ☆プロレスのチャンピオン。チャンピオンが負けて感動してちゃダメだと思うんで、次は勝って感動します。永田さんに勝つという目標を増やして、また強くなって永田さんの前に立ちたいんで、また勝負受けてください」とリベンジ戦を希望した。
最後はガンプロ全選手がリングに上がり、「バッド・コミュニケーション」の曲で、永田とともに「ウィーアー・ガンバレ☆プロレス!」で大団円となり、熱狂の渦で大会は幕を閉じた。
バックステージで石井は「プロレスラーを長くやってれば、本当に幸せなことがあった。ただ、チャンピオンとして負けて感動しちゃいけない。屈辱と思わなきゃ。チャンピオンとして負けたのは許されないと思うんで、これを機にもっと強くなって、これからのプロレス人生も頑張っていきます」と話した。9・23横浜ラジアントホールでは、和田拓也との防衛戦が控えるが「明日から切り替えます。試合中に力になることがたくさんあったので、また強くなって、次の防衛戦に生かせるんじゃないかと思います」と意気込んだ。
一方、永田は「32年戦ってきて、味わえなかったことが今日経験できた。こういうプロレスもあるんだなと。すごく新鮮でした。こんな商店街の試合であれだけの熱量があるとは思わなかった。そこには選手たちの頑張り、地域のお客さま、やっぱりプロレスが好きなんですね。東京ドームのメインで感じた熱量と変わらないと思いました。たくさんの団体ができて、団体ごとに特色があって。日本のプロレスファン、分け隔てなく楽しんでる。新しい発見でした」と熱く語った。そして「(またオファーが来たら?)いいお話を期待してます。今日彼らの熱量とかを感じさせてもらった。永田裕志を見たことがないガンプロのファンに見せてあげる。それでまた違った熱が生まれていいかなと思います。(再戦要求は?)お話があれば大丈夫です」とガンプロへの再参戦、石井との再戦にも前向きだった。
また、第2試合(大家健&勝村周一朗&今成夢人vs渡瀬瑞基&中村宗達&川上翔大)は場内外で25分超えの大熱闘となり、若手の中村は会場の2階からムーンサルト・アタックを敢行するなど奮闘したが、最後は今成がラリアットで川上を仕留めた。この日、FREEDOMS佐々木貴代表が中村の呼び掛けで視察に訪れ、試合後ガッチリ握手を交わした。果たして、中村の参戦希望は実現するか?