髙木三四郎、奮戦するもKO-D無差別級王座獲りはならず!7・21両国のメインは上野勇希vs MAOの新世代対決に決定
DDTプロレスが6月5日、東京・新宿FACEで『What are you doing 2024 TOUR in SHINJUKU』を開催した。7月21日の両国国技館大会をもって、プロレスラーとしての無期限休養を宣言している髙木三四郎が上野勇希が保持するKO-D無差別級王座に挑むも、奮戦及ばず敗退。これにより、同大会のメインイベントが上野vs MAOの新世代による同王座戦になることが決まった。
髙木はシングル最強決定トーナメント『KING OF DDT』1回戦で上野を撃破。2回戦で佐々木大輔に敗れたが、上野からタイトルをかけての再戦を求められ受諾。同トーナメントを制覇したMAOが7・21両国で同王座に挑むことが決定済みで、上野vs髙木の勝者がMAOの挑戦を受けることになる。髙木は王座を奪取し、両国でMAOの挑戦を退けた場合、王者の責務として、休養を一時“凍結”することを明言していた。
序盤、レスリングの攻防からショルダータックル合戦。髙木は中村圭吾にプラスチックケースを持ってこさせるも、松井幸則レフェリーが厳格に反則のカウントを数えて使えず。戦場が場外に移ると、ロビーで乱闘。さらにカウンター席でエルボー合戦。上野は髙木の体にイスを置いてダブルニーも、自身もダメージを負い、両者ともカウント19ギリギリでリングに戻る。上野が場外めがけてムーンサルトアタックを敢行。リングインしてフロッグスプラッシュも髙木が剣山で阻止。上野は髙木の背部にフロッグスプラッシュ。死んだふりをしていた髙木は蘇生してラリアットで再び場外へ。今度はステージ席のフロアに移動し、髙木がブレーンバスター。戦闘用チャリンコ・ドラマティックドリーム号を投入した高木だが、誤って松井レフェリーをひいてしまい失神。レフェリー不在の無法地帯のリングに髙木はチャリンコを持ち込み、ひこうとするも上野がかわす。ここで木曽大介サブレフェリーが入って制止するも、髙木は木曽レフェリーをチャリンコに乗せて上野をひかせる。勢い余って木曽レフェリーは場外転落。
またまた無法地帯となり、髙木がプラスチックケースで殴打。上野もやり返し、次はプラスチックケース・チャンバラ、ラリアット相打ちで両者ダウン。ここでようやく松井レフェリーが復活。上野はシャイニング・ウィザード、フロッグスプラッシュとたたみかけるも、髙木は投げ捨てひまわりボムからストーンコールド・スタナー4連発。さらに雪崩式でストーンコールド・スタナー、ラリアット連発で追い込む。上野は背中にドロップキックを見舞うと、ラリアット、掟破りのシットダウンひまわりボム、そしてBMEを決めて勝負を決め、5度目の防衛に成功した。
上野は「僕はDDTが大好きです。髙木さん、DDTと出会えて人生が変わりました。髙木さんとこうやってボロボロになるまでタイトルマッチできて、また一つKO-D無差別級チャンピオンとして人生が変わりました。僕がKO-D無差別級チャンピオンとして、みんなにもっと夢見せていきますから、いつか東京ドームやりましょう!」とマイク。髙木は「上野、ホントに強くなったよ。今日MAXで挑んだけど、ダメだった。また必ずやってやるから。何度でも。休養して這い上がってやる」と返した。
ここで、髙木はMAOをリングに上げると、「2009年からDDTは両国で新時代を迎えた。そこから15年だよ。両国から武道館、武道館からステップアップして東京ドームまで行くって言った。でも、その夢はまだ叶えられそうにない。でも15年経って、オマエたちなら世間に届けられるすげぇ戦いを両国のメインでできるはずだ。だから新しいDDTを見せてくれ。あとは任せた」と言うと、上野、MAOと握手を交わして退場した。
初の両国でのメインの舞台に立つMAOは「髙木三四郎があまりにも斬新な試合をしていたせいで、DDTのプロレスラーになって、こんな面白いことをやり続ける大人になりたいと思って、ここにいます。ほどほどに楽しく頑張ってきたMAOですが、上野勇希がこのベルトを巻いて、一番近くで大変な思いをしながらDDT引っ張り続けて。こんな頼りになるチャンピオンになる過程を見て、俺の意識は変わって、今ここにいるんだよ。上野勇希が頑張ってくれたから、俺も頑張ろうと思って。(DDT)UNIVERSAL、KING OF DDT頑張って、ここにたどり着いた。俺は髙木三四郎と上野勇希のおかげで、ここに立ってるんだよ。こんな楽しい人生を歩ませてくれてるのは、この2人のおかげ。髙木さん、じっくり体を休めてください。俺たちがステップアップして、両国。DDTで武道館も立ちたいな。そして最後はもちろん東京ドームの駐車場で髙木三四郎をひくんだよ。元気に帰って来てください。今年の両国のメインは俺たちに任せてください」と思いの丈を吐露した。
この日の結果を受けて、両国でのビッグマッチのメインは上野とMAOによるサウナカミーナ同門対決となった。上野は「KING OF DDTトーナメント優勝者に対する上野勇希の挑戦でもあるから。MAOちゃんから始まったものもいっぱいある。負けへんよ」と王座死守を誓った。MAOは「上野勇希がデビューして2戦目の相手が俺。ここ新宿でシングルやったのをすごく覚えてる。時を経て、両国のメインで2人で立つなんて、あのときは想像もつかなかった。俺にとって両国のメインは一つの夢の集大成。その相手が上野勇希。あんな素晴らしいチャンピオンは、俺が見てきたなかでいない。そんな上野勇希に両国のメインで挑めるのはすごく夢がある。俺のドラマティックドリームをやりまくる!」と武者震い。
王座奪取ならなかった髙木は「勝機は2回あったのに。絶対勝ったと思ったのに、あの野郎、返しやがった。でも、なんか清々しい気分です。いろんなことがオーバーラップして。2009年の両国でHARASHIMAがチャンピオンで。飯伏(幸太)とワンマッチ興行で新木場でやって、勝ったほうが両国メインという。なんかアレと似たものを感じてて。飯伏幸太とは全然違う上野勇希だった。MAOはKING OF DDTを勝ち上がったし。2009年の俺と(ザ・グレート)サスケさんの両国の試合を見て、彼はDDTに入ろうと志願したわけで。俺のなかでは勝手にいろんなドラマを作って、勝手に俺のなかでやってるから。あとはお客さんに勝手にあの2人に感情移入して、それをもっと広げてもらえれば…」と両国のメインを託す上野とMAOに期待を寄せていた。
なお、6月30日の後楽園ホールでは、上野&勝俣瞬馬vs MAO&To-yの前哨戦が組まれることになった。