DDT4.19春日部大会 彰人vs.佐々木のEXTREME級選手権60分アイアンマンマッチ、BOYZ軍vs.野郎Z軍全面対抗戦
さいたまースラム!VOL.1
日時:2015年4月19日(日)
開場:12:30 開始:13:00
会場:埼玉・春日部ふれあいキューブ
観衆:399人(超満員)
▼ダークマッチ キング・オブ・ダーク選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●伊橋剛太
3分47秒 ヘッドロック
[挑戦者]○ヤス・ウラノ
※初代王者が5度目の防衛に成功
▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○樋口和貞
4分39秒 変形カナディアンバックブリーカー
●岩崎孝樹
▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○坂口征夫
4分46秒 串刺し式ジャンピングニー→片エビ固め
●宮武俊
▼第3試合 4WAYマッチ 30分1本勝負
●MIKAMI
7分18秒 念仏男色ドライバー→拝み式漢固め
○男色ディーノ
※あとの二人はアントーニオ本多、赤井沙希
▼第4試合 平田一喜東京GO!番勝負第3戦 30分1本勝負
●平田一喜
7分13秒 バックスピンキック→体固め
○KUDO
▼第5試合 BOYZ軍vs野郎Z軍全面対抗戦 30分1本勝負
[BOYZ軍]飯伏幸太/○大石真翔/竹下幸之介/勝俣瞬馬
8分33秒 横入り式エビ固め
[野郎Z軍]高木三四郎/大鷲透/入江茂弘/●ブラザートミー
▼第6試合 タッグマッチ 30分1本勝負
HARASHIMA/○ヤス・ウラノ
10分18秒 HARASHIMAの蒼魔刀→エビ固め
石井慧介/●高尾蒼馬
▼第7試合 DDT EXTREME級選手権試合 60分アイアンマンマッチ
[王 者]▲彰人
60分00秒 2-2引き分け
[挑戦者]▲佐々木大輔
<試合経過>
①●彰人(16分1秒 佐々木式ウラカン・ラナ)佐々木○
②○彰人(19分28秒 腕サソリ)佐々木●
③●彰人(36分30秒 ミスティカ式クロス・フェースロック)佐々木○
④○彰人(45分22秒 キン肉大移動→エビ固め)佐々木●
▼延長戦 サドンデスマッチ 時間無制限1本勝負
[王 者]○彰人
6分48秒 完璧足4の字固め
[挑戦者]●佐々木大輔
※第32代王者の彰人が初防衛に成功
60分アイアンマッチでも決着がつかずサドンデスの延長戦で佐々木を撃破した彰人!
名古屋でのEXTREME防衛戦の相手に入江を指名!BOYZ軍と野郎Z軍の対抗戦は再戦へ
ダークマッチ
当初は遠藤哲哉がいつでもどこでもキングオブダーク挑戦権を獲得したのだが、足を骨折したため、バトルロイヤルの際に遠藤の獲得した封筒と入れ替えたヤス・ウラノが遠藤の代わりにキングオブダークに挑戦することに。
伊橋が入場ゲートの横で待ち伏せし、登場したヤスを背後から急襲。そのままヤスをリングにあげた伊橋はジャンピング・ボディプレスを連続投下。何とかカウント2で返したヤスに対し、伊橋はベルトで殴りかかろうとするが、ヤスはベルトを奪い取ってセコンドの中津に「はい、プレゼント」と渡す。
ヤスは伊橋をヘッドロックに捉えると、伊橋は落ちそうになるが、どうにか堪えて「イエイ、カモン」コールを煽るが、観客は誰もコールしない。それでも反撃しようと突進していった伊橋だが、レフェリーを盾にしてストップさせたヤス。
「邪魔!」とレフェリーをどかした伊橋だが、そこにヤスは延髄斬り。ヤスもレフェリーを「邪魔!」とどかすとロープに飛ぶが、伊橋はカウンターのレッグラリアットからジャンピング・ボディプレスを投下。カウント2で返したヤスに対し、伊橋はムーンサルトプレスを投下するが、かわして自爆させたヤスはもう一度ヘッドロック。ここで伊橋がギブアップしたため、ヤスが勝利して伊橋はキングオブダーク王座を防衛した。
オープニング
そこに鶴見亜門GMが入ってきて、伊橋に「伊橋、お前すごいな。絶対王者の風格出てきてるわ。誰一人イエイカモン言ってくれなかったもんな。お疲れさん」と声をかける。ダークマッチ出場は珍しいヤスは「このタイミングで試合するって割と馴れてないから何か…結構(伊橋が)降ってくると、重くて背骨折れるんじゃないかって。一度受けてみて」と遠藤の代わりにヤスを指名したGMに伊橋のボディプレスを受けるように言うが、GMは当然拒絶。
そして前説をするからヤスに残ってと言うと、ヤスは「さいたまースラム、スター……」といきなりオープニングコールをしようとする。慌てて止めたGMは改めて遠藤の欠場のアナウンスをすると、今後の大会スケジュールや本日の20時より前回のDNA北沢大会をYouTubeに無料公開することを告知。
4.29後楽園大会で1つ残っていたいつでもどこでも挑戦権争奪バトルロイヤルを行うとアナウンスしたあと、いつどこ権を持っているヤスにいつ使うか尋ねると、ヤスは「これ宣言をしてその前に負けちゃったらどうなるんですか?」と逆質問。GMが「宣言はなかったことになりますね」と応えると、ヤスは「じゃあ(いつ使うかの宣言は)しないです」。
樋口は5月の北海道で使うと宣言しているが、GMが「それはそれで格好いい」と称えてもヤスは「僕は格好悪くてもいい。しないです!」と断った上で「皆さん、お待たせしました! さいたまースラム、スタート!」とオープニングコール。
第1試合
いつどこ権を持っている樋口。岩﨑はローキックを入れながらタックルのフェイントを見せる。ロックアップした樋口はロープまで押し込むがクリーンブレイク。岩﨑がエルボーを打っていくと、樋口は逆水平チョップで応戦。ヘッドロックに捉えた岩﨑はロープに飛ばした樋口にショルダータックルでぶつかっていくと、逆に走り込んできて樋口にミドルキック。
だが、樋口は走り込んできた岩﨑をショルダータックルでなぎ倒すと、ジャンピング・ボディプレスを投下してから首を両手で鷲掴みにしてひねりあげる。ロープに逃れた岩﨑はチョップを打っていくが、樋口は逆水平チョップ。
ロープに飛んだ樋口に追走してキチンシンクを見舞った岩﨑はランニングエルボーでなぎ倒すと、ニーリフトから串刺しランニングエルボー。さらにコブラツイストに捕らえる。だが、腕のフックを外した樋口は岩﨑を肩口まで担ぎ上げると、そこからコーナーにぶつけてからのオクラホマスタンピート。
さらに立ち上がってきた岩﨑を相撲タックルで吹っ飛ばした樋口は、一気にカナディアンバックブリーカーで担ぎ上げると、岩﨑の腕を足もフックしていきギブアップを奪った。
第2試合
前に出ようとする宮武にローキックを入れた坂口だが、正面から組んでいった宮武はテイクダウン。ガブっていった宮武をガブり返した坂口はワキ固めに捉える。前転して逃れた宮武だが、坂口は腹パンを叩き込む。
マットを叩いて悔しがる宮武に再び腹パンを入れた坂口は蹴り飛ばしてからキチンシンク。さらに顔面を足蹴にしていった坂口に対し、「なんだよ、チクショウ」と逆水平チョップを叩き込んだ宮武。
坂口もミドルキックで応戦していくが、宮武はダブルチョップからジャンピングバックエルボー。さらにブレーンバスターで投げた宮武はロープに飛ぶが、坂口はカウンターのニーリフトからPK。
カウント2で返した宮武をスリーパーに捉えた坂口だが、宮武は坂口をオンブするように立ち上がると、そのままファイアーマンキャリーで担ぎ上げ、シットダウン式バーディクトで叩き付ける。そこから串刺し式スピアーを狙ったが、かわしてコーナーに自爆させた坂口は串刺しランニングニーを叩き込んで3カウント。
<試合後コメント>
坂口征夫
ーーユニオン後楽園大会の木高イサミ戦がインディペンデントワールドジュニアのタイトルマッチとなりましたが。
「そうっすね、何かまあ知らないところであの人が勝手に言ってて、そういうふうになったっていうカタチで。まああの人をぶっ倒して、心もヘシ折って、ついでにベルトももらっていく。まあ(イサミの)コメントをちょろっと見たけど、あの人が言うにはベルトが闘いたがってる? だったらそのベルトは俺の腰に巻かれたがってる、そう思っているんで4.29お前の心をへし折って、ついでにベルトももらっていくよ。完全に叩き潰してやるからな!」
第3試合
今回も新崎人生のテーマ曲で登場した男色人生。例によって拝みながら男性客にキスしている間にMIKAMIと赤井がアントンに襲いかかって試合開始。ようやくリングインした男色人生はお遍路の衣装を脱ぐと、ようやく試合に参加。
赤井と合体攻撃かと思われたが、拝んだだけ。そんな赤井、男色人生、MIKAMIを場外に追いやったアントンはケブラーダの体勢に入るが、足を滑らせて失敗。リングに戻った男色人生がMIKAMIに地獄突きを見舞うと、MIKAMIは赤井にガットショット、すると赤井は男色人生に急所蹴り。
これに怒った男色人生は赤井にサミングを見舞うと、赤井は「顔はやめて!」。さらにMIKAMIの股間を鷲掴みにした男色人生だが、そこに赤井がダイビング・クロスボディーを見舞って2人まとめて倒す。そこにアントンが戻ってくると、赤井はセクシーポーズをしてみせて「か、かわいい!」とアントンの動きを止めていき、そこを攻撃。
すると男色人生はおもむろに拝んでから自らタイツを下げてコーナーの上に。赤井とMIKAMIはお互いに男色人生のケツに相手をぶつけようとするが、どうにか回避。その間にコーナーに登ったアントンだが、四つん這いになった赤井を見て「め、女豹だ〜! か、かわいい!」と動揺。
そこに赤井がビッグブーツを叩き込んで場外に蹴落とすと、MIKAMIが赤井がスレッジハンマー。「顔はやめて!」と訴える赤井にミッキーブーメランを叩き込んだMIKAMIはコーナーに。しかし、ここでずっと無視されていたディーノがコーナーに追いかけていく。MIKAMIが男色人生を叩き落とすと、故意か偶然か男色の尻が座り込んでいた赤井の顔面にめり込む。
これで赤井が戦闘不能になると、逃げ場のないMIKAMIに対し、もう一度コーナーに登った男色人生がリップロック。 MIKAMIは朦朧としながらコーナーから降りてくると、そこにタイツを開けていた男色人生が待ち構えていて、そのまま念仏式男色ドライバーで叩き付けての漢固めで3カウントを奪った。
第4試合
スクリーンでは坂口から平田GOサングラスをかけるように言われるKUDOが映し出されるが、KUDOは「そんなのいらない。俺はこっちで勝負するから」と拳を突き出す。それでも坂口は「俺、これかけたらスゲーヤバかったっすよ」と薦めるが、KUDOは頑なに拒否して入場。
続いて平田の控室が映し出されると、またもサングラスが盗まれたことを嘆く平田。だが、こんなこともあろうかと予備を用意してきたとほくそ笑んだ平田は「どうせ今頃(サングラスを)獲って、『兄貴、殺ってやりましょうよ』『酒盛りだ〜』とかやってんでしょ。間抜けですな、ホント。あんなのただの馬鹿飲んべえですよ」と陰口を叩く。だが、そこに坂口が入ってきてまるでカツアゲをするかのように「何か隠してるだろ? 万歳しろ!」と一喝し、平田から予備のサングラスも奪い取っていった。
泣きそうな表情で入場した平田を見てニヤリと笑った坂口。どうにか折れそうな心を支えながら試合に挑んだ平田だが、KUDOがショルダータックル。しかし平田もアームドラッグで投げるとドロップキック。「メガネ返してもらうぞ!」と叫んだ平田だが、坂口が立ちはだかると一気に萎縮する平田。
すかさずサッカーボールキックを叩き込んだKUDOは、エルボー合戦を仕掛けていく。そこからチンロックに捉えたKUDOだが、平田はロープに脱出。「来いよ」と挑発したKUDOにエルボーで向かっていった平田だが、KUDOはミドルキックで蹴り倒すとニードロップを落とす。
平田も蹴り脚をキャッチしてヒジを落とすとコルバタで投げてからサングラスを奪い返しにいくが、坂口がサングラスを投げ捨てる。だが、突進してきたKUDOをかわして坂口に誤爆させた隙にサングラスを奪い返した平田は「覚醒してこれで終わりだー!」と叫ぶが、そこに予備のサングラスを手にしたKUDOが近づいていく。
すると平田は「KUDO、電球をつけろー!」と要求。お互いにサングラスの電飾のスイッチをオンすると、サングラスをかけて、あの曲に合わせてラリアットの相打ちを連発。そのままダブルダウンとなったが、平田は「まだだー! さすがKUDO、伊達にヌンチャク振り回してないな。電球をつけろー!」ともう一度電飾のスイッチを入れるように要求。
しかしサングラスを投げ捨てたKUDOは「平田! 男ならこれで勝負だ!」と拳を突き出す。その瞬間、『語れ!涙!』が流れるが、平田は熟考の末、サングラスを投げ捨て……ずに装着! 思わずKUDOもビックリして尻餅をつく。そんなKUDOに顔を近づけて威嚇した平田はあの曲に合わせて攻撃していくと、ダンスを披露。
だが、その隙に立ち上がったKUDOは振り返った平田にバックスピンキックを叩き込み、サングラスを吹っ飛ばす。大の字に倒れた平田は3カウント。
第5試合
松永智充が一身上の都合により今大会を欠場。代わりに野郎ZのMCとしておなじみのブラザートミーが急遽参戦することになった。ノリノリで入場してきた野郎Z軍。とくにトミーが観客に向かって「乗ってるかーい?」と煽ると、BOYZ軍も「乗ってるかーい」とやってみるが、観客の反応はイマイチ。
先手を取って野郎Z軍はさらに高木が竹下とショルダータックルでぶつかり合うが、竹下はカウンターのゼロ戦キックを叩き込んで飯伏にタッチ。すかさずBOYZに並々ならぬ敵対心を抱いている入江が入ってきてショルダータックル。
だが、飯伏がミドルキックで蹴り倒すと、BOYZ軍が4人全員で攻撃していく。さらに倒れたところに飯伏がフットスタンプを落とすと、勝俣がサマーソルトキックから三角跳び式ミサイルキック。さらに野郎Z軍の4人をロープに張り付けて鼻フックをしてみせたBOYZ軍。
トミーが何とか「レッツゴー、イリエ!」と檄を飛ばすと、入江は突進してきた竹下にカウンターのエルボー。だが、入江がブレーンバスターを狙ったところを逆に投げた竹下はロープに飛ぶ。入江は真横のロープに飛ぶとショルダータックルで吹っ飛ばして大鷲にタッチ。竹下が羽交い締めにするが、大鷲は大石にヘッドシザースを決めながら竹下も投げていく。
そこに高木がドラゴンリングイン。だが、飯伏がミドルキックを叩き込むと、コーナー二段目に飛び乗ってムーンサルトプレス。さらにBOYZ軍はトレイン攻撃を狙うが、高木は飯伏と勝俣をまとめてファイアーマンキャリーで担ぎ上げると、バックフリップで投げ捨てる。
大石が入江にスタナーを決めると、飯伏のアシストを受けて勝俣が450°スプラッシュ。そして大石がトドメを刺そうとするが、入江がブレーンバスターで投げていくと、トミーがエルボードロップを投下。
すると、ここで野郎Z軍のセコンドについていた伊橋らしき謎のブラザーが乱入。トミーとダブルの空手チョップを叩き込むと、揃って空手ポーズ。そしてトミーが大石を羽交い締めにすると、伊橋らしきブラザーがジャンパーを脱いで、ジャイアント・キマラばりにペイントされたぽってり腹を揺らしながら突進。
だが、大石がかわしてトミーに誤爆させたところを横入り式エビ固めで丸め込んで3カウント。BOYZ軍の勝利に終わったのだが、結果的に野郎Z軍の敗因の原因を作った伊橋らしきブラザーに向かって高木が「お前何なんだよ! 関係ないじゃないかよ、デブ!」と言い放つ。
さらに高木が「松っちゃん! いやトミー! こんなの負けたうちに入らないんだよ! こんなのはどう考えても負けていない。第三者の乱入により無効試合だ、こんなの! GM、そうですよね? 第三者ですよね?」と訴えると、GMも「僕もまったく見たことないですね」とキッパリ。
そこで高木が「だから再戦組んでください!」と訴えると、GMは「じゃあ29日の後楽園で」と即答。高木が「次は第三者の乱入のない完全決着ルールで」と要求すると、4.29後楽園でBOYZ軍vs.野郎Z軍の最終決着戦を行うことを決定。大石は「BOYZ軍、いつ誰がかかってこようと正々堂々、爽やかに倒します」と受けて立つ。それを聞いた高木は「オイ、あまり歓声がねぇな。野郎Z軍はいつ何時でも第三者の乱入があれど勝ちます!」と宣言した。
だが、4.29後楽園で飯伏はKO-D無差別級の防衛戦があるためBOYZ軍として試合は出来ないということで、GMは大石をチームリーダーに任命。「これぞというBOYZのメンバーを選んでおいてください」と言うと、大石は「わ、分かりました。僕が勝手に選んでいいんですね。BOYZ軍のリーダーとして4月29日、後楽園で絶対に野郎Z軍を倒します!」と宣言した。
<試合後コメント>
野郎Z軍
高木「ふざけるなよ、オイ! どうなってるんだお前? DDTのタイトルマッチ実行委員会はどうなってるんだ? おかしいだろオイ! 第三者が乱入してきただろオイ! ああいうの普通、警備員か誰かが……なあ松っちゃん、あ、ブラザートミー」
トミー「最後のレフェリーのカウントも早かった」
高木「早かったよ! 早かったし、第三者の乱入、すべてが加わって俺たちが…これは負けじゃない! これは無効試合だ! オイ、いいか? (週刊プロレスの)加藤! いいか? これ無効試合って書いておけよ! 無効試合だ」
加藤記者「……はい」
トミー「こんなの俺たちは認めないよ」
高木「無効試合という決まり手の……勝敗ってちょっと付けておけ。分かったな? 無効試合っていう決まり手だ。どうしてもそうせざるを得ないんだったら、無効試合っていう決まり手にしてしておいてくれ。納得いかないから俺たちは!」
トミー「悔しくて今夜眠れないよ!」
高木「何がBOYZだ、どう考えても松っちゃん…松っちゃじゃないや、ブラザートミー。会場中のオーディエンスは俺たちに味方してただろうがエー、オラ!」
トミー「これは紛れもない事実なんだ」
高木「そうだ。一度よ、女性客限定の野郎Z興行やってもいいと思ったよな?」
トミー「おお! そしたらな、お客さん20人くらいしか入らないかもしれないけど、それでも……いいんじゃないか?(笑)ヘイッ!」
高木「ヘイッ!」
大鷲「ヘ、ヘイッ!(苦笑)オイ、坊主記者。お前が一番野郎Zっぽいよ」
※加藤記者を引っ張り込む
高木「でもコイツは前回BOYZに……」
大鷲「どっか消え去れ!」
※突き飛ばされる加藤記者
高木「俺たちは(週刊プロレスの)奈良(記者)しか認めていない! 奈良だ! 俺たちは奈良だけだ!」
大鷲「マ、マタローも入れてやってくれ(苦笑)」
高木「ああ、マタローも入れてやるよ。俺たちは奈良とマタローしか認めてねぇからな! 俺たちの公式コメンテーターは奈良とマタローだ!」
いつどこ権を持つ福田洋現る
第5試合が終わってBOYZ軍が引き上げようとすると、突然『学園天国』が『ミスターパーフェクトのテーマ』に変わり、星条旗を振り回しながら福田洋が登場。「USA」コールの中、リングに上がった福田は「センキューソーマッチ。レディース・エンド・ジェントルメン。ボーイズ・エンド・ガールズ。私がいつでもどこでも! エニータイム・エニーウェア! 挑戦権保持者の“ミスターパーフェクト”福田洋です。どうも、どうも。ところでチャンピオンの飯伏幸太、この絶望的な状況を前にして、今ユーは一体どんな気持ちだい? ホワット・ドゥユーシンク・アバウトイット! アーハー? なるほど、なるほど。怖いだろう? そうだろう! まあな、今の激闘で虫の息のユーに挑戦権を使うのは、この私とて気が引ける。この状況で挑戦してしまったら、この私が圧勝してしまうというのは、火を見るより明らかだからだー! そうだろ? だが、私は勝利を得るためには手段を選ばない。それがアメリカだ! それが資本主義社会だ! それが先進国・アメリカ人と貴様らイエローモンキーとの違いだー!」と言いたい放題。
だが、息も切れていないし、さほど汗もかいていない飯伏はKO-Dのベルトをコーナーに置くと、軽くシャドーをはじめて臨戦態勢。そんな飯伏の様子に気付いていない福田は「さあ傷だらけのチャンピオンよ、すべてを失う準備は出来ているか? 鶴見亜門ゼネラル・マネージャー! 闘いのゴングを鳴ら……」と言ったところで振り返るが、飯伏は虫の息どころかやる気満々。
そんな飯伏を見た福田は「GM、私のコンタクトをして1.0の視力で見ると全然疲れていないように見えるんですけど」と確認。GMが「疲れてはいないだろうな。大した闘いじゃなかったんで(苦笑)。飯伏君、疲れてる?」と飯伏に尋ねる。
「全然疲れていません!」と飯伏が応えると、思わず「話が違う」と漏らした福田。GMが「やるんだな? よーし……」とKO-D無差別級選手権試合をはじめようとするが、福田は「あー、ちょっと待って! 気が変わりました。ドロップキックに出勤しなくちゃいけないし、今日は帰ります」と180度方向転換。
「せっかく来たんだからやっていけよ」というGMに「ちょっと観に来たんですよ。今日は使いません! 私だって用事があるんだ。ドロップキックに行かないと。バイトがあるんだ(苦笑)。ちなみに近々、チャンピオンがボロボロになりそうな激闘が繰り広げられそうな場所ってありますかね?」と尋ねる。
GMが4.29後楽園大会はHARASHIMAとの防衛戦だし、どっちが勝っても終わったあとチャンピオンはヘトヘトで虫の息だろうと言うと、福田は「ほ〜。それは昼? 夜? 昼! 空いてるなぁ。ということは夜のユニオンではチャンピオンとして凱旋ということか」と言い残すと、そのままリングを降りていった。
GMは「何にしに来たんだよ!(笑)飯伏君、まあこういうこともあるので、常に気を抜かないでくださいね」と言うと、飯伏が「じゃあ行きますよ。休憩スタート!」とコールした。
第6試合
ダークマッチで勝ったヤスはこれがこの日2試合目。KO-D6人タッグ王者に返り咲いたチーム・ドリフはベルトを持って入場。セコンドには入江がつく。HARASHIMAが握手を求めるが、ドリフは拒否。するとドリフはいきなりHARASHIMAにダブルのドロップキックを見舞って奇襲攻撃。
分断したドリフはヤスにダブルのフェースクラッシャーからダブルのドロップキック。さらに合体式変形バックドロップで投げる。HARASHIMAがカットに入るが、石井が場外に追いやってプランチャ。
その間に高尾はジントニックを狙うが、こおれはヤスがエビ固めで切り返す。すると石井が入ってきてダブルアームの体勢に。踏ん張ったヤスはロープに振られたところで場外にエスケープ。しかしリングに戻ろうとしたところに襲いかかってDDTを決めた石井はドロップキック。
高尾のダブルチョップから石井の投球フォームからのチョップ、さらに欽ちゃんジャンプ式のキックを食らったヤス。高尾が執拗にカバーするが、ヤスは必死で肩を上げていく。だが、石井がヘッドシザースで飛び付いてのクルックヘッドシザースで捕獲。
何とかロープに逃れたヤスは石井のサマーソルトドロップをかわすと、ようやくHARASHIMAにタッチ。ダイビング・カンフーキックを叩き込んだHARASHIMAは石井をコーナーい乗せると雪崩式ブレーンバスターを狙う。だが、エルボーで叩き落とした石井。ならばと下から蹴り上げたHARASHIMAはもう一度コーナーに登ると、「シャキーン!」と叫んでから雪崩式ブレーンバスター。
さらにミドルキックを連打するが、蹴り脚をキャッチし、さらに腕を掴んでニーリフトでカチあげた石井は高尾にタッチ。HARASHIMAの背中にダイビング・フットスタンプを落とし、頭部に低空ドロップキックを発射した高尾はミサイルキック。だが、トラースキックを水面蹴りで迎撃したHARASHIMAは高尾の顔面にジャンピングキック。
タッチを受けたヤスとトレイン攻撃を決めると、HARASHIMAはスワンダイブ式ボディプレス。さらにヤスがダイビング・ボディプレスを投下。ヤスが高尾のバックを取ると、高尾は木曽レフェリーを掴む。そのまま強引に投げようとしたヤスだが、木曽レフェリーが脱出すると、ヤスは木曽レフェリーを盾にして高尾の反撃を阻止。
しかし延髄斬りをかわした高尾はバッククラッカー。そこに石井がダブルニードロップを落とすと、高尾はみちのくドライバーII。カウント2で返されるとトラースキックからカバーするが、HARASHIMAがカット。石井がHARASHIMAを場外に連れ出す間に高尾はジントニックを狙う。
しかしヤスはこれをダイヤル固めで切り返す。半回転したところでヤスがストップすると、HARASHIMAが戻ってきて高尾に蒼魔刀を発射。そのままヤスはもう半回転してエビ固めで抑え込んで3カウント。
試合後、勝ったHARASHIMAとヤスはドリフが持っている6人タッグのベルトを指差しながら何やらアピールした。
<試合後コメント>
石井慧介&高尾蒼馬
石井「まあ確かにチームとして試合負けて、試合後にあっちのチームが(6人タッグの)ベルトを指差して『このベルト格好いい』とか言ってたけど、まあまあ負けたのは事実なんで。なんだったらどこでも場所はいいんで、KO-D6人タッグをかけてスマイルスカッシュとやってやろうと思ってます」
高尾「今日ちょっと自分がフォール取られて、ベルトのことを指してきましたらから。もちろん自分たちもいつどこをヤス・ウラノから狙って、最初から仕掛けていたんですけど、まあ(3カウントを)取られたんで。で、ベルトも欲しいって言ってるんで、ベルトを防衛していつどこも取ってやりたいですね」
石井「もちろん自分、今度の後楽園でKO-Dタッグの関本&岡林戦も必ず勝って、KO-Dタッグも獲るし、入江君にはEXTREMEっていうチャンスも来ているんで、ドリフが全部ベルトを獲って、これからドリフ革命がスタートします。よろしくお願いします」
HARASHIMA&ヤス・ウラノ
HARSHIMA「とりあえず彰人君がいい試合をして、僕らその余韻に浸って(いたんだけど)。彰人君、ベルト獲って防衛してよかったな。タフな試合を……」
ヤス「いや〜、しんどかったですね」
HARAHSIMA「うん。でも彰人君、ベルトを防衛したんで、僕が次4月29日に飯伏からKO-D無差別級のベルトを獲り返したいと思います」
ーーセミのタッグの試合後、ドリフの6人タッグのベルトを狙うような仕草をしていましたが。
ヤス「いやね、格好いいんですよあのベルト。ちょっと入江君、くれないかなと」
ーーそれはドリフに挑戦して奪い取りたい?
ヤス「いや別に。くれるんだったら挑戦しなくても」
ーードリフは「いつでもやってやる」と言ってましたが……
ヤス「あの3って書いてあるベルトがスマイルスカッシュには絶対に必要なベルトだと思うんで」
HARASHIMA「そうだね。僕ら獲ってないのってあのベルトなんだよね。他のは獲ったことがあるんだけども、実はユニットで獲ったことないね3人のベルト」
ヤス「ユニットとしての力で負けているとは思えないんで」
HARASHIMA「思えないんだけどね!」
ヤス「一度も獲れない」
HARASHIMA「ユニットの選挙でも1位獲ったのに、実はベルトは獲っていないという。今回2人組のタッグで勝ったんだから、全然挑戦する資格はあると思うんで、タイミングが合えば狙っていきたいよね」
ヤス「うん。タイミングくれるんですかねGM?」
HARASHIMA「あと普通にタッグのベルトもさ、今度防衛戦あるじゃん。関本、岡林、入江、石井? 勝ったほうに挑戦していってさ、ベルト総取りみたいな」
ヤス「そんな(苦笑)急に欲張りに……」
HARASHIMA「欲張りになっちゃった?(笑)いや、いい流れ来てると思うよ。今日の彰人も」
ヤス「そうだね、ちょっと興奮したね」
HARASHIMA「うん。いや〜、ちょっとね、いろんなものがアガってきましたね。自分の中で。もうね狙えるベルトは狙っていきましょう!」
ヤス「そうだね。すごいね、急に。6人のことしか考えてなかったら(苦笑)」
HARASHIMA「いや、だってあんな60分やって延長戦もやっての彰人を目の前で見るとさ、もっとさ…キタよね! アガってきたよ。うん」
ヤス「(笑)、い、いいことですね」
HARASHIMA「いい! いい! うん」
ヤス「狙いましょう、何でも。ね!」
第7試合
この試合は60分の間に相手からいくつ3カウントフォール、ギブアップを取れるかその総数を競う60分アイアンマンマッチで行われる。佐々木のセコンドにはゴールデン☆ストームライダーズの飯伏と宮武、彰人のセコンドにはスマイルスカッシュのHARASHIMAとヤスがつく。
静かな立ち上がりからまずは腕の取り合いに。そこからヘッドロックに捉えた佐々木をロープに振った彰人だが、佐々木はショルダータックルで倒すと早くもクロスフェース。彰人はアンクルホールドで切り返そうとするが、お互いに決めさせない。
佐々木の左腕を取った彰人だが、投げて形勢逆転した佐々木はロープに飛ばしてリープフロッグを狙ったが、キャッチした彰人は水車落とし。5分が経過し、場外にエスケープした佐々木はセコンドの宮武をリングに投げ入れる。反射的に彰人に向かって身構えた宮武だが、彰人はガットショットを見舞って場外に投げ捨てる。
だが、背後から佐々木はヒザ裏に低空ドロップキック。さらにロープに張り付けての低空ドロップキックで場外に出すと、ニークラッシャーの体勢で持ち上げてそのまま鉄柱に彰人のヒザを叩き付ける。先にリングに戻った佐々木はリングに戻ろうとする彰人の左ヒザに低空ドロップキックを連発。
レッグロックに捉えるが、彰人はロープに脱出。足4の字固めを狙った佐々木だが、彰人は下からのエルボーで防御。しかし佐々木は左ヒザへの低空ドロップキックから頬を突き出して「殴ってこい」と挑発。彰人のエルボーをかわしたり受け止めたりした佐々木だが、ボディスラムで叩き付けていった彰人。
だが、佐々木は下からヒザ十字固めで捕獲。これもロープに逃れたところで10分経過。佐々木はコーナーポストを外すと、彰人の左足にローキックを叩き込んでから走り込むが、彰人は上空にトスすると、落ちてきた佐々木のヒザに低空ドロップキック。さらにドラゴンスクリューから左足へのDDT。
佐々木の左足をロープに巻きつけ、そこに低空ドロップキックを叩き込んだ彰人はアキレス腱固め。ロープに逃れた佐々木だが、彰人は左ヒザにリバーススプラッシュを投下するとレッグロック。ロープに逃れた佐々木だが、彰人は場外に出て佐々木の足を鉄柱に巻き付けて痛めつける。さらにリングに戻ると密かに口の中に含んでいた水を吹きかけてからファイアーマンキャリーで担いで、逆に落とすデスバレーボムで佐々木のヒザをマットに叩き付ける。
15分が経過し、さらにシットダウン式のショルダーレッグブリーカーや前に落とすフィッシャーマンバスターで佐々木のヒザをマットに叩き付けた彰人は足4の字固めを狙う。これを首固めで切り返した佐々木はNOW OR NEVER(=カナディアンバックブリーカーの体勢からのリバースDDT)の体勢に。
これを背後に逃れた彰人はジャーマンで投げするが、着地した佐々木はウラカン・ラナで丸め込んで3カウント。1ポイント取った佐々木は足関節を狙った彰人を強引に場外に引きずり落とすと、素早くリングに戻ってトペを発射。さらに彰人がリングに戻ったところにダイビング・ラリアット。ショルダーネックブリーカーの体勢から前に回転していった佐々木は、続いてショルダーネックブリーカーを決めてからのスリーパー。
ここで20分が経過。彰人がグッタリしたところでコーナーに登ろうとした佐々木だが、彰人はエプロンに出るとコーナーを挟んで佐々木とエプロンでエルボー合戦。さらに佐々木の左腕を取ってコーナーの金具に叩き付けた彰人は、鉄柱に佐々木の左腕を叩き付ける。佐々木をリングに戻した彰人は佐々木の左腕を蹴っていくと、金具が剥き出しになったコーナーに投げつける。
左腕を折り曲げた状態で上から踏みつけた彰人は、左腕を手四つの状態から持ち上げてのニーリフト。さらに左腕への低空ドロップキックからショルダーをぶつけたり、左腕を固定した状態でボディスラム。25分が経過し、佐々木は場外にエスケープ。「上がってこい」と
挑発した彰人は変形の河津落としから変形のグラウンド卍。ロープに逃れた佐々木だが、彰人はショルダーアームブリーカー。
これをスリーパーで切り返した佐々木はロープに押し込んで回転足折り固め。カウント2で返した彰人はワキ固めから腕サソリ。何とかロープに逃れた佐々木は「来いよ、俺の腕折ってみろ」と挑発。佐々木の左腕にエルボーを叩き込んでいった彰人だが、佐々木は空いている右腕でショートレンジラリアットを2連発で叩き込むとDDTからダイビング・エルボードロップを投下。
だが、これをかわして腕サソリに彰人が捉えると、佐々木はギブアップ。これで彰人も1ポイント。30分が経過し、彰人は俵返しからダブルアーム・スープレックスで投げていくが、佐々木も回転足折り固め。カウント2で返した彰人はジャーマンで投げるとレッグクラッチ式バックドロップ。大きなダメージで立ち上がれない佐々木を見て、松井レフェリーはダウンカウントを数える。
カウント8で立ち上がった佐々木だが、彰人は串刺し式スピアーからキン肉大移動を狙うが、佐々木は辛くも逃れるとクロスフェースに捉える。しかし彰人はロープに脱出。人差し指を突き上げた佐々木はNOW OR NEVERを狙うが、背後に逃れた彰人。サムソンクラッチで丸め込んだ佐々木は、キックアウトしてロープに飛んだ彰人にドロップキック。
さらにトラースキックからハリケーンドライバーで叩き付けた佐々木は彰人のお株を奪うアンクルホールド。そこから得意技のクロスフェースにスイッチすると、後転してポジションをリング中央に戻すが、その瞬間に彰人はアンクルホールドに捉える。佐々木もアンクルホールドで切り返すが、彰人はシーソーホイップで金具剥き出しのコーナーに投げつける。
しかし佐々木はラ・ミスティカ式のクロスフェースに捉えてギブアップを奪い2ポイント目をゲット。彰人をトップロープに逆吊りにした佐々木は顔面への低空ドロップキックで場外に落とすと、鉄柱越えのトペ・アトミコを発射。
そこから佐々木は彰人をエプロンに叩き付けてから最前列のイスに座らせると、コーナーに登ってバックエルボーで彰人に向かってダイブ。客席に吹っ飛んだ両者はそのまま場外カウント20を聞いて両者リングアウト。この場合、両選手にポイントは入らないとアナウンス。リングに戻った両者はエルボー合戦からラリアット合戦へ。相打ちになってダブルダウンになるが、カウント8で佐々木がスクッと立ち上がりグルグルパンチを狙う。
これをかわしてゴリースペシャルの体勢で担ぎ上げた彰人はそのままシットダウンして佐々木の両ヒザをマットに叩き付けると、佐々木をコーナーに乗せていく。しかし回転エビ固めの要領でマットに着地した佐々木は彰人をターンバックル・パワーボムでポストが外されて金具剥き出しのコーナーに投げつける。
45分が経過してコーナーに登った佐々木だが、彰人は足元へのラリアット。エプロンに転落した佐々木をコーナーに乗せた彰人はそこからキン肉大移動を決めて3カウント。これで彰人も2ポイント目。佐々木はたまらず場外にエスケープ。彰人は佐々木をりんぐに戻すが、逆に佐々木がグラウンド・ドラゴンスクリュー。
彰人は下からアームロックを仕掛けるが、佐々木は裏足4の字固めで切り返す。彰人はロープに脱出するが、佐々木は左ヒザにエルボーを叩き込む。佐々木は飛び付き式のビクトルヒザ十字を狙うが、彰人は回転させずに強引にジャーマンで投げ捨てる。
彰人は足横須賀から変形のリバースバイパーホールドに捉えるが、佐々木はロープに脱出。50分が経過し、お互いに座り込んだまま握手をすると、そのまま相手の手首を掴んだ状態でエルボー合戦。そのまま立ち上がるが、それでもお互いに相手の腕を掴んだままエルボー。さらにヘッドバットを打ち合う。朦朧とする佐々木だが、走り込んできた彰人にカウンターでドロップキックを顔面に叩き込むとクロスフェース。
かなりガッチリと決まったが、どうにかロープに逃れた彰人。しかし勝負所と判断した佐々木は奥の手であるペディグリー。だが、彰人もブレーンバスターを返すとC.T.B.(=クラッシュ・サンダー・バスター)の状態から顔面ではなく佐々木の両ヒザをマットに叩き付ける。
残り時間5分となり、佐々木はトラースキック3連発を叩き込むが、彰人はアブドミナルストレッチ→変形グラウンド卍→ボウ・バックブリーカーと流れるように決めていく。佐々木がロープに逃れると、お互いにアッパーカットで殴り合う。そこから佐々木は彰人を肩口に担ぎ上げると、飯伏の得意技であるやり投げ(=相手を担ぎ上げてコーナーへダッシュし、ターンバックルへ投げるようにぶつける)を披露。
そこから彰人の両足をフックする変形のグラウンド卍に捉えた佐々木だが、彰人は反転しするとストレッチマフラーで切り返す。佐々木も前転してアンクルホールドで切り返すが、彰人はロープに脱出。お互いフラフラになりながらも立ち上がり、エルボー合戦を展開。そこから彰人が丸め込むが、佐々木はディックキラーで切り返す。しかし、ここで60分時間切れのゴング。
延長戦
両者大の字に倒れる中、ポイントは2-2でドロー。GMが引き分け防衛をした彰人にベルトを渡そうとするが、手で払った彰人は「GM、ふざけるなよ! まだ決着ついてないんだよ! 俺は勝ってないんだよ! 勝ってなかったら防衛じゃないよ!」と訴える。GMが「ルール上引き分けでも王者の防衛なんだよ」と言うが、彰人は「だったら延長やればいいだろ! 決着がつくまでやってやるよ!」と退かない。
すると佐々木がベルトを持ち、彰人の腰に巻いてやろうとする。彰人が「(ベルトを腰に巻く)権利ないから、やる! まだやる!」と叫ぶと、背後から佐々木がベルトで彰人を殴っていったため、サドンデスの延長戦に突入。
佐々木はダイビング・エルボードロップからドラゴンスープレックスで投げるが、彰人も佐々木をイグチボムで叩き付けてからアンクルホールドに捉える。前転してアンクルホールドで切り返した佐々木だが、彰人はさらに前転してアンクルホールドへ。佐々木は彰人を抱え込むようにして丸め込むと、続けて首固め。
カウント2で返した彰人をラ・マヒストラルで丸め込むが、彰人もエビ固めで切り返して丸め込みの応酬に。だが、どちらもカウント3は許さない。佐々木はコルバタを狙ったが、スッポ抜けさせた彰人はリバースフルネルソンからシットダウンして両ヒザをマットに叩き付ける。だが、返す刀でトラースキックを叩き込んだ佐々木は串刺しドロップキックからNOW OR NEVER。
カウント2で返した彰人だが、5分が経過。佐々木は彰人をコーナーに乗せると雪崩式ダブルアームの体勢に。しかし投げさせず、ヘッドバットを連発で叩き込んだ彰人は雪崩式ドラゴンスクリュー。さらにそのまま下から足を絡ませていき、佐々木を倒すと足4の字固めへ。
佐々木はもがき苦しみながらロープに手を伸ばそうとするが、彰人はその佐々木の両腕を掴んで引っ張り、脱出不可能な完璧足4の字固めへ。これで佐々木はついにギブアップ。サドンデスを制して彰人が初防衛に成功した。
エンディング
コーナー下で座り込む佐々木の前に座った彰人が「佐々木さん、僕が一番最初に(東京に)出てきたときの試合が佐々木さんだったのは覚えていますか?」と尋ねると、佐々木が「うん。若通ね」と答える。
彰人「そう、第2回目の若手通信であなたとタッグで当たりました。その時から見て僕はどうですか?」
佐々木「あの時はね、何も技術もなかったよ。本当にただの暴れん坊でね。彰人君……つーえな! またやろうよ」
彰人「佐々木さん、何回でも、何回でもやりましょう。佐々木さん、今日はありがとうございました」
そう会話を交わすと、マットにお互い片膝をついたまま握手をして頭を下げた。そして佐々木が「全部痛い」と言いながら宮武の肩を借りて引き上げていくと、彰人は「GM、僕がこのベルトを失っている間に佐々木さんに負けて、今日その借りを返すことが出来ました。その僕からちょっとワガママを聞いてもらっていいですか? 次の5月、名古屋の国際会議場で試合あるでしょ? そこで僕は闘いたい相手がいるんです」と告げる。
GMから「誰ですか?」と聞かれた彰人は「もちろん決まっているでしょ。入江さんですよ。入江さん! いるでしょ? 入江さん!」と入江を呼び込む。記者席から試合を見ていた入江はリングに上がってくると、満面の笑みで彰人と向かい合う。王者・彰人から挑戦者に指名された入江は「エヘヘ……名古屋で僕を挑戦者に選んでくれて、本当にありがとうございます。すごい嬉しいです! 当日は僕は全力で挑みますのでよろしくお願いします」と言って彰人と握手。
彰人も入江に釣られるように満面の笑み。それを見たGMは「この二人が名古屋でタイトルマッチをやるなら、もうメインでやらなきゃダメでしょ! 5月17日、名古屋国際会議場、DDT EXTREME級選手権試合、チャンピオン彰人vs.挑戦者・入江茂弘決定致します!」とその場で両者のタイトル戦を決定した。
入江がリングから降りると、最後に彰人が「やっと、やっと1つ目をクリアしました。僕は必ずこのベルトを持って両国まで突っ走ります! なぜならこのベルトは俺のものだからー!」と絶叫して春日部大会を締めくくった。
<試合後コメント>
彰人
「60分アイアンマン、引き分けで延長入れて66分! いや、やるもんじゃないですね(苦笑)。やるもんじゃないですね。僕らも疲れるし、見ているお客さんも絶対疲れちゃいますよ(苦笑)。もうあんな試合は、あんなアイアンマンマッチは僕はしばらくやりません。そうですね次、次、入江さん。うん。僕にとって入江さんってデビュー前から練習見てくれたり、いろいろ面倒みてくれる一番プロレス界で身近な先輩だったんですよ。うん。今まで1回も超えたことがない。1回も超えたことがない。僕から見たらもう…なんだろうな。先を走っている人間で。僕はずっと入江さんにジェラシーを抱いていて、先を走っていて、僕よりも先にKO-D無差別級のベルトを巻いて、光を浴びてて、スポットライトを浴びてて。なんだろうな、名古屋のお客さんとかから見たら、僕はすごい名古屋でプッシュをしてもらっていて。けど僕からしたら、ずっとずっと入江さんは太陽、僕は月みたいな感じで。僕はずっと、ずーっと下から這い上がってきて、今はこのベルトを持っているという自負があるんですよ。そんな僕がね、入江を指名して、チャンピオンとして逆に指名して、名古屋で、自分が生まれ育った名古屋で入江超えをしたいなと思います」
ーーEXTREMEは王者がルールを決めることが出来ますが、入江戦のルールで何か考えているルールはありますか?
「正直、やりたいと思って指名しただけで、まだないんですよ。けど、何だろうな。ルールで左右されるような試合にはしたくないかなと。何かちょっと特殊な形式でとか、ルールで逃げるようなことはしたくない。けど、通常ルールでも嫌なんですよ。入江さんと真っ向から立ち向かえるルールで闘いたいなと思います」
週刊プロレス加藤記者 入江選手の弱点というと、やはり頭だと思うんですけど。
「それは頭の中の意味ですか? 能が弱いとかそういう意味ですか?」
加藤記者 えっと知力という意味です。
「知力!? けど、あの人正直バカですけど、勉強出来ないですけど、プロレス上のプロレス頭はありますよ。リング上のプロレス頭はすごいある。絶対僕よりもあるんですよ。だからね、あんた頭悪いとか言っちゃダメですよ(苦笑)。あの子は頭いいんですよ」
ーー過去にシングルで対戦したことはあるんですか?
あります。3回? 4回かな? 4回やって僕の2敗2分けくらいだった気がしますね。正直、ちゃんとは覚えてないですけど、ここ最近は引き分けが……いや、若手通信で引き分けがあって。大阪でKO-D次期挑戦権をかけてやって負けて、で高井AIDで引き分けをやってる……その高井AIDが最後ですね。ここ最近だと」
ーー今日とは真逆のタイプのファイターですけど。
「うん。けど、入江さんのことはよく知っているんで。あんまり不安はないですね」
加藤記者 次の入江選手とはアイアンマンマッチでやるんでしょうか?
「あんた…あなたバカですか?(笑)しばらくやらないって言ったでしょ! もうこのルール、しばらくやらないですよ! 分かった?」
加藤記者 はい。
佐々木大輔
ーー60分アイアンマッチでのEXTREME挑戦でしたが。
「アイアンマン、60分なんてやるもんじゃないなっていう」
ーー奇しくも王者の彰人選手も同じようなことを言ってました。
「本当ですか? しかも延長しちゃったから。何分でした延長?」
ーー6分。
「66分……やるもんじゃないっすね(苦笑)。ゲームは1日1時間ですよ。プロレスも1日1時間(苦笑)……いや、プロレスは1日1時間もやっちゃダメです」
ーー改めて彰人選手の成長というか強さは感じましたか?
「そうですね。昔は本当に荒かったんですよ。なんだろう……お兄ちゃんのプロレスやっているみたいな。ちょっとイキってる感じだったんですけど、今は言ったらいいんだろうな。やっぱ決めるところ決めてくるというか……ちゃんとした、ちゃんとプロレスラーになってますね。何か嬉しいですね」
ーーお互い一点集中攻撃というか、60分かけて相手を倒そうというか潰そうというか、途中佐々木選手が「俺の腕を折ってみろ」と挑発する場面もありました。
「まあやっぱり60分あったし、彰人君と言えば足殺し。だったら俺も足を殺してやろうと。で、腕を攻めてきたんで、じゃあ腕折れよと。そういう感じですよ。腕ぐらいくれてやると」
ーーEXTREMEは王座奪取となりませんでしたが、次に何か目標とか狙うものは?
「いやー、でもどうでしょう? 改めてEXTREME、また機会があれば。また自分の中でね……まあ普段から脳内はEXTREMEしてますんでね(苦笑)。その辺が高まったら挑戦しにいくかもしれない。指名されたらまたいくし、高まったらね今度は自分から名乗りをあげてもいいかもしれない。どっちがEXTREMEっていうのをね。ベルトは向こうだけど(苦笑)、脳内はどっちだっていう……ヘヘヘヘヘ! はい、そんな感じです」
加藤記者 今一番何がしたいですか?
「今一番したいこと……今一番したいこと? う〜ん……何がしたいかな? 酒は飲みたくないねぇ。へへへへ! 酒も飲みたくないねぇ。あ、アメリカンポルノが見たいかなぁ(笑)。アメリカンポルノが見たいです! はい。ここちゃんと使ってくださいね(笑)」
入江茂弘
ーー彰人選手からEXTREMEの挑戦者として指名されて、名古屋大会のメインに決まりましたが。
「やっぱり名古屋でやるタイトルマッチの挑戦者に僕を選んでもらったっていうのが、リング上でも言った通り、本当に嬉しいことですし、もう挑戦者として全力でベルトを獲りにいくだけなので」
ーー今日の試合、ご覧になったと思うんですが、彰人選手のEXTREME王者になったからの闘いっぷりをどう評価していますか?
「頭がいいなと思いますよね。僕には本当、あんなにいろんな技もないですし、あの体勢担ったとき、自分はどう出来るかとか、そういうのもまったく分からないのですごいなって思いますね。あと、次(4.29の)後楽園でKO-Dタッグの挑戦が決まっているんですけど、まあEXTREMEももちろん本気で獲りにいくんですけど、KO-Dタッグも石井さんと組んで…石井さんのデータによると何かしばらく僕たちは挑戦はしてるけど、ずっと獲れてないらしいんですよ。そろそろ僕たちは全日本プロレスでアジアタッグ王者になったっていう自信もありますので、2人の絆でベルトを獲りたいなと思ってます。そしてですね、まだもう1個あるんですよ! KO-D6人タッグのベルトなんですけど、3人で話して次の挑戦者をスマイルスカッシュと。これは決まったんですね。決まったんですよ。なので、それもちゃんと守って、KO-Dタッグを獲って、EXTREMEも獲って、僕が三冠王者になります」
加藤記者 EXTREMEはどんなルールで闘いたいですか?
「闘いたい?……でも僕が選ぶアレはないので、どんなルールでも僕は本当に……向こうが有利であっても全然。僕はタチムカウ、それだけなんで」
加藤記者 アイアンマンマッチをやってみたい気持ちは?
「アイアンマン……はね……アイアンマンになってみたいですね。アイアンマン一度やったことがあるんですよ名古屋でね。もうやらないですね〜」