【インタビュー】“ゴールデンロッカーズ”矢口壹琅&山本SANが クリスマスに浅草花やしき花劇場でライブを開催!プロレスラー兼プロミュージシャン同士の異色コンビが 思い描くプロレスと音楽の融合の完成形とは?

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 金髪、音楽経験、格闘技出身など共通点が数多くある矢口壹琅(浅草プロレス)と山本SAN(COMBO)が合体し、リアルジャパンプロレスの6月大会から始動したタッグチーム“ゴールデンロッカーズ”。これまではリング上での活動のみだったが、12月25日(水)に東京・浅草花やしき花劇場で、ライブイベント『プロレステーマ曲祭 王道Xmas』を開催することになった。コマンド・ボリショイ、リッキー・フジ、松永光弘と共演。COMBOの荒川GMもギタリストとしてサポートする。

 プロレスラー兼プロミュージシャンという異色の経歴を持つ2人は、音楽のジャンルでもタッグを組み、何をしようとしているのか。荒川GMにも同席してもらった上で、イベントの気になる内容やその裏側にある思いを聞いた。

世界でプロレスラー兼プロミュージシャンは3人しかいない

――そもそも矢口さんと山本さんのタッグチーム“ゴールデンロッカーズ”はどういう経緯で生まれたんでしょう?

矢口 前から「ベーシストでプロレスをやっている」という山本SANの存在は知っていたんです。ずっと接点はなかったけれど、ここ数年、リアルジャパンの興行で顔を合わせるようになって。試合では絡まなかったんですけど、この大きい身体と身体能力は凄いなと感じて、いつか組みたいと思うようになったんです。それで6月に初タッグが決まって。組むにあたって、せっかくミュージシャンとプロレスラーの両方をやっている2人なんだから、タッグチーム名を付けようじゃないかと話して。それで金髪のロッカー軍団……“ゴールデンロッカーズ”と名前がついたんです。実はプロレス界広しと言えど、本格的にプロのミュージシャンとして活動したことがあるのは世界に3人しかいないんですよ。

――たった3人!

矢口 その2人がここにいる僕と山本SANで、もう1人がハルク・ホーガンなんですね。ホーガンは元ベーシストですから。それだけ貴重な存在なので、せっかく同時期に日本という場所でこの2人が出会ったんであれば、それを最大限に利用して、プロレスでも音楽でも暴れ回ろうと。

山本 組む前に矢口さんのライブを観客として1回観に行かせてもらったことがあって。音楽のほうでも一緒にできることはないかなと考えていた時に、ちょうどいいタイミングでこの話が来たんです。だから、矢口さんと同じ意見で、「組むんであればバンドも絡めて、ライブをやりながら、プロレスでも暴れ回ろう」という話をしました。

矢口 プロレス団体の数がこれほどあるのに、今は個々の選手がその場その場でタッグを組むことが多いじゃないですか。でも、僕らがファンとしてプロレスを観ていた時代は、ザ・ファンクス、スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディ組、テリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムス組など名タッグが活躍してたんですよね。だから、ここで僕らが組めば、タッグチームとしてのカラー打ち出せるんじゃないかと。

リング上でのタッグに手応え 名曲の名前を付けた新技も構想中

――リアルジャパンで2試合経験しましたが、実際に組んでみた感覚はどうでしたか?

矢口 山本SANはキックに加えて、空中殺法もできるし、自分には投げと関節がある。2人の違う部分が上手くかみ合って、想像以上に手が合うなと。2人の連携技をその場その場で考えてやったんですが、その技1つとっても、味のあるタッグチームになってきているんじゃないかなって。ロックミュージシャンの名曲を技名にしたいなんて話してるんですよ。『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』(ローリング・ストーンズ)とか、『スモーク・オン・ザ・ウォーター』(ディープ・パープル)とか。

山本 9月の試合では自分が不覚を取ってしまったんですけど、まだまだ出してない部分があるんで。それを試合で活きてくれば、タッグチームとしての存在感が出てくるんじゃないかという手応えがあります。

荒川 僕は山本と団体を一緒にやっているんですけど、2、3年前から矢口選手と一緒にやりたいという構想があったんです。リアルジャパンさんでご縁があって、それが実現して。僕はプロデュース的な部分で、影になって力になれればと考えています。来年に向けて、今は土台固めをしている感じですね。

――プロレスのタッグチームでもそうですが、バンド内での仲違いってよくあるじゃないですか。お二人の音楽観は合うんでしょうか?

矢口 山本SANはヘビーメタル、俺はブルースロック。ジャンルは違うんですけど、音楽ってジャンルじゃないんです。プロレスでもストロングスタイルやアメリカンスタイル、デスマッチスタイルなんて言いますけど、あくまでプロレスという1つのくくりであって、それだけ許容範囲が広いジャンルなんですよ。音楽も同じ。いろんなスタイルがあるんですけど、それを全部包括して、音楽は音楽だと考えているので。僕がゴリゴリのヘビーメタルだったらぶつかるかもしれないですけど、また違うものをやっているし、お互い新鮮に感じていますよ。

山本 ライブを観て、どういう音楽をやっているか知った上でタッグを組みましたからね。ジャンルは違うかもしれませんけど、音楽面でも自分は矢口さんをリスペクトしているので、そこに問題はないと思います。

矢口 大事なのは心の中にある熱いハートであって。山本SANも心の中に熱いものを持っている人間なので、プロレスでも音楽でもそういう感情を一緒に表に出すのは面白いんじゃないかと。

テーマ曲で全日本プロレス中継を現代に蘇らせる

――そういう流れもあって、クリスマスに浅草でライブをやることになったわけですね。

矢口 「この2人だからこそできること」、あるいは「この2人じゃなきゃできないこと」を突きつめてみると、ライブをやることになるんですけど、ただやってもつまらないじゃないですか。だから、今回はプロレスのテーマ曲を生演奏しようと思いついて。第1弾として、ゴールデンタイムに放送されていた全日本プロレス中継をもう1回音楽で蘇らせようと思ってます。当時の選手たちのテーマ曲を僕らが生演奏して、木原文人リングアナウンサーが選手コールをし、若林健治アナウンサーが演奏している間に実況するという試みなんです。MCはお笑い界一のプロレスマニアでもあるユリオカ超特急さんで。

――レスラーが出場するけれど、試合は一切ないという実験的な試みですね。

矢口 音楽ファンもミュージシャンもプロレスが大好きなんですよ。でも、プロレスファンはなかなか音楽を聴きに来ない。みんな好きなんだけど、ライブに聴きに来るキッカケがないという。ならば、みんなが知っているプロレスのテーマ曲を俺らが演奏したら、プロレスファンも音楽ファンも楽しめるイベントができるんじゃないかって。

山本 自分は今、『COMBO』という団体をやっているんですが、最初の趣旨として考えていたのが、「音楽とプロレスの融合」なんです。例えば、入場曲を弾きながら登場するとか、試合の途中でプチライブを入れるとか、実験的に興行をしたことがあるんですけど、それの完成形に近いことを矢口さんと一緒に今回はやれるんじゃないかと。

矢口 荒川GMは音楽畑の人間なんでご存知だと思うんですけど、プロレスと音楽の合同イベントって過去にいくつもあったんですよ。コンサート会場にリングを組んで、試合とライブを交互にやったり。でも、一緒の会場でやっているんだけれど、融合するのはなかなか難しかったと思うんです。

荒川 不思議と1つにはならないんですよね。

矢口 これは簡単な話で、ミュージシャンであり、プロレスラーである人間がそれをやればいいんですよ。この2人がやることによって、上手く融合すると。先ほどプロとしてやっているのは我々とホーガンしかいないという話をしましたが、音楽をやっているプロレスラーは何人かおりまして。今は亡き僕の盟友だったハヤブサが「シンガーソングレスラーズ」という名前を付けて、その輪を僕も一緒に広げていたんですけど、その中から、コマンド・ボリショイさん、リッキー・フジさんが出演してライブをしてくれることになりました。あと松永光弘さん。自作の楽器をお持ちで、去年の『R-1アマチュア動画ぐらんぷり』で優勝しているんですよ。今回は自作楽器のライブとトークショーをやってもらえると。そして、メインイベントとして、ゴールデンロッカーズがテーマ曲の演奏をやるんです。

原体験を蘇らせてくれる入場テーマ曲

――ちなみに、お二人が好きな入場テーマ曲は何ですか?

矢口 選手で一番好きなのがブルーザー・ブロディで、入場曲も一番好きなのがレッド・ツェッペリンの『移民の歌』ですね。曲のインパクトと選手の個性がバッチリと合っている。新日本も全日本も含めてなんですけど、昔のテーマ曲って凄いなって思うんですよ。それぞれオリジナルなんだけれど、それがかかると誰でも「ブロディのテーマ曲だ」ってすぐに思い浮かぶ。それだけ昔のテーマ曲のインパクトは心と身体に染みこんでいるんだなって思うんですね。僕らはプロレスラーとして入場する際に自分のテーマ曲がかかりますけど、そこでグッと気持ちを集中してリングに上がるんです。わずか1分~2分ですよ。その短い時間で集中するから、お客さんもそこにワクワクを感じて、気持ちを込めて応援するわけで。プロレスのテーマ曲が持つパワーはリング上にギュッと集約されるんじゃないかなって思うんですよね。

――今回のイベントでは、入場テーマ曲の意味合いを理解しているレスラーが演奏するとうのも重要な点ですね。

矢口 そうなんですよ。一般のアーティストには理解できないでしょうから。まさしく、この2人がやらないで誰がやるんだと。

――山本さんが好きな曲は?

山本 自分は小さい頃にいちファンとしてプロレスをよく観に行ってたんですけど、一番印象に残っているのはブロディと組んでいた頃のスタン・ハンセンなんです。『サンライズ』が流れると、その瞬間、会場が沸く。当時の自分にとって、ブルロープを振り回しながら入ってくるハンセンは凄く怖い存在で。だけど、近づきたい気持ちもある。でも、危ないから親が行かせてくれない。あの曲を聴くだけで、身体に染みついている当時のイメージが蘇ってくるんですよね。

矢口 ハンセンのテーマ曲を聴くと、ブルロープを振り回している光景が頭に浮かぶもんね。映像がなくても脳内で再現されるというか。

山本 小さい頃に味わった一番深いところにある記憶なんで。子供の頃に集中して聴いたものは、大きくなっても思い出深いままじゃないですか。今回も観に来てくれた方の子供の頃の気持ちを呼び起こすようなイベントになったらいいなと思います。

目指すは他団体出陣とテーマ曲オールスター戦

――ゴールデンロッカーズとして、今後の野望を聞かせてください。

矢口 リアルジャパンも含めて、いろんな団体に打って出ようと思ってます。山本SANがやている『COMBO』、僕がやっている『浅草プロレス』やご当地プロレスはもちろん、他の団体にもこのチームで出ていこうかなと。

山本 ゴールデンロッカーズが結成されたことをもっと広めていきたいですね。ドンドン広めて、面白いことをやっていきたいというのが本音です。あとは、ゴールデンロッカーズの入場テーマ曲も作らないと。

矢口 音楽とプロレスを融合したゴールデンロッカーズ興行というのも面白いなって。

荒川 音楽のほうでもいい意味で2人のぶつかり合いがあると思うんですよね。ただ、若手で出てきているわけじゃなく、キャリアを積んでから知り合ったので、お互いの良さを理解した上で1つのものを作れると思います。可能性は物凄くありますよ。最初に矢口選手からイベントの提案を受けた時に、僕も山本もすぐに「間違いなく面白くなる」って同じ意見になりましたから。

――イベントのお話を聞いていると、日本武道館で入場テーマ曲のイベントをやったら、凄いことになりそうだなと想像してしまいました。曲中心なら、オールタイムのオールスター戦も実現できますもんね。

矢口 それいいアイディアですね!(笑)。目標はそれにしましょうか。プロレステーマ曲オールスター戦!

――まずは25日のイベントが大切ですね。

矢口 今から目に浮かぶんですが、テーマ曲が流れると、客席のみんながコールすると思うんですよ。「馬場! 馬場!」とか、「鶴田、オー!」とか。馬場さんや鶴田さん、三沢選手など亡くなられた選手も多いですが、そういう選手たちのテーマ曲が聴けて、コールができるのはこのイベントしかないと思うんです。それで心を温かくしてもらって、クリスマスをより一層楽しんでいただけたら嬉しいなと。第2回は闘魂編を考えていますし、UWFだったり、FMWだったり、まだまだネタは尽きませんので、ぜひ第1回を聴きに来ていただきたいですね。

荒川 どれも素晴らしいミュージシャンの楽曲じゃないですか。それを全部生で聴けるというのは、ライブとして考えても、ありそうでないことですからね。あと、面白いことに音楽では洋楽と邦楽に大きな違いを感じるものなんですけど、プロレスのテーマ曲に関してはそこを感じさせないんですよ。音楽やスポーツは国境を越えるって言いますけど、そういう括りを意識せずに楽しんでもらえるんじゃないかなって。

山本 大人のお客さんたちには選手のコールから子供の頃の思い出を呼び起こしてほしいですね。さらに、お子さんたちを連れてきていただけたら、その子供たちには僕らレスラーが演奏している姿を目に焼き付けられたらと思っています。世代を超えて、今の子供たちにもゴールデンタイムで放送していた黄金時代をそのまま伝えたいなと。

矢口 令和の時代に、あえて昭和のパワーであったり、温かさであったり、人情味であったり、そういったものを表現したいなって思いますね。

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