PANCRASE297に出場の佐藤天、若松佑弥、小川徹、ライカが公開練習!長南亮の指導を受け各々が戦いに向けての覚悟を語る!

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 都内練馬区のTRIBE TOKYO M.M.Aにて、「PANCRASE 297」(7月1日、スタジオコースト)に出場する佐藤天、若松佑弥、小川徹、ライカの4選手が公開練習を行った。
 この日はプロ選手が集まってのプロ練習。長南亮の指導のもと、清水清隆ら所属のプロ選手が集まってのスパーリングを、パートナーを変えながら行った。

 ライカが闘うのはクセニヤ・グーセヴァ(FIGHT SPRIT TEAM)だ。
 ライカは女子プロボクシングのパイオニア的存在。2014年から総合格闘技に転向し、2015年にパンクラス初参戦。翌2016年7月の中井りん戦後にパンクラスからは遠ざかっていたが、総合のスキルを磨き続け、6連勝している。なかでも昨年10月のTTFではチョークスリーパーで自身初の1本勝ちを挙げた。さらに今年3月のGLANDSLAMで判定勝ちを挙げ、波に乗っている。約2年ぶりのパンクラスで、さらに上を目指しアピールしたい1戦だ。

 小川は逆輸入ファイター タテキ・マツダ(Team Sityodtong Boston)との対戦。
 2014年からパンクラスに参戦している小川は、2015年ネオブラッド・トーナメント スーパーフライ級で優勝を飾っている。順調に7連勝を重ねてきたが、昨年8月、上田将竜に敗れ連勝がストップ。続く10月には山本篤に勝利しているが、今年2月、翔兵に破れた。連敗は避けたい小川。また、今後に向けても必ず勝ちたいところだ。

 今年2月、仙三の持つフライ級タイトルに挑戦し、激闘を繰り広げた若松が約5ヶ月ぶりにパンクラスに帰ってくる。
 若松は2016年ネオブラッド・トーナメント フライ級優勝ならびにMVPを獲得。デビュー以来8連勝していたが、タイトルマッチでパンクラス初黒星を喫した。しかし、試合は両者ともに決して諦めない姿勢と、お互いの逆転劇で会場を沸かせ、2018年最初の大会にも関わらず「今年のベストバウト」と言われるほどの熱い死闘となった。
 満を持しての復帰戦の相手は難敵・マモル(シューティングジム横浜)だ。マモルのムエタイ式打撃と、若松の打撃、異なるスタイルのぶつかり合いが期待される。

 佐藤はメインでグライコ・フランサ(ASTRA FUGHT TEAM)と第12代ウェルター級王座をかけて闘う。
 ウェルター級王座は昨年7月、阿部大治が三浦広光を破り手にしたが、阿部は同年9月、UFCに参戦。引き続きUFCに参戦するため返上した。空位となった王座をかけたタイトルマッチとなる。
 佐藤は2013年よりパンクラスに参戦している。2014年にはネオブラッド・トーナメントで優勝。2015年12月のエリック・マイケル・フォート戦のあと、負傷のため1年半戦線離脱したが、2017年4月、アントン・ラッドマン戦で復帰。その後は高木健太にリベンジを果たし、また、元同級王者の村山暁洋も破っている。さらに、今年3月にはGLANDSLAMで元ZST王者・濱岸正幸を破り、4試合連続で1ラウンドTKO勝ちと快進撃を見せている。
 今年は約1ヶ月半、2度目のアメリカ修行も経験し、絶好調だ。

各選手のコメントは以下。

[ライカ]
「久しぶりなので緊張していますけど、パンクラスに戻って来られて嬉しいです。
 MMAを楽しみながらずっと練習してきて、それが今年になって結果として出てきています。試合のたびにいろんなことが出来るようになってきている自分が嬉しいです。
 今は打撃だけでやる方が逆に難しいくらいです。テイクダウンを取ってパウンドを打って、極められる流れなら極めるという風に、状況に応じて対応していくようになってきています。
 練習は、所属を離れても、ここで一緒にプロ練習に呼んでいただけて感謝しています。同じ仲間と思っていただけているのかなと思いますし、自分はもちろんそういう気持ちです。
 ほかには体のメンテナンスにも重点をおくようになりました。今まで散々やってきた(※ボクシング歴15年)ので、フィジカルを重視しています。いま本当にいい環境でやらせてもらっていると思います。

 相手の映像は、勝った試合とドローのものを見ました。蹴りが得意な選手なんだなと思います。しかも自分の苦手なサウスポーで、身長も高いなという印象です。とりあえず、得意の打撃で勝負して、テイクダウンできる時にはして、その状況によっていろんな展開を作っていきたいです。
 相手を見たとき、すごく強い、どうしようと思いましたけど、でも、ここをクリアしないと上に行けないので。
 理想の勝ち方は、得意のパンチでしっかりKOしてスカッとぶっ倒す勝ち方ですね。それが理想です。

 今後は、もちろん(パンクラスの)ベルトを狙っていきたいです。中井戦ですごい負け方をしてしまったので、いつかパンクラスに戻って来たいという思いがありました。レベルアップして強くなって、パンクラスのリングに立てる選手になって戻って来るんだという気持ちを持って、1戦1戦やってきました。この先どこでやりたいとか考えているときに、こうして試合を組んでいただいたので、勝たなくてはと思います。
 ようやく、少しずつ自分に自信ができてきて、大きい舞台で思い切り闘って、たくさんの人に見ていただきたいと思います」

[小川徹]
「コンディションはいい感じに調整できています。体重もバッチリです。

 いま、自分の実力は、ちょうどいまのランクのところなんだなと思います。安定していないのは分かっていますし、上に上がるためにもこの試合は負けられません。相手は長くやっている選手なので、安定した内容で勝ちたいです。
 相手は総合的に強い選手だと思います。打撃も寝技もできて、その中間も上手で、試合運びもうまいなという印象を持っています。
 自分は打撃中心にやりたいです。去年の8月と今年の2月に負けたのは、スタンドにこだわり過ぎてMMAができなかったのが原因だったと思っています。打撃を中心にしながら、寝技に行ったりとか、自分で展開を作りたいですね。
 試合の映像を繰り返し見て、自分の心理状態と技術について考えました。5ヶ月で全てをガラッと帰るのは無理ですけど、できるなかで最善を尽くしたいと思います。

 前回の試合のあと、格闘技1本にしぼることにしました。仕事にもやりがいを感じていましたけど、格闘技により集中するために、仕事は極力しないことにしました。格闘技の方が圧倒的にやりたいし、成果を残したい。格闘技はいましかできないことです。あとで後悔したくないので。負けた後ということもありますが、前回の試合は改めて覚悟を決めた試合でもあります。仕事も辞めて迷惑をかけているので、結果を出したいです。

 自分の試合は熱いって言われますけど、普段はそんなに真面目じゃないかもしれません(笑)。空手の方(子供たちの指導)は、ご縁があってやらせていただきました。格闘技を広めるために、できることはやっていきたいと思います。格闘技をたくさんの人に見てもらいたいですし、僕は子供のころ格闘技に憧れたので、子供たちにも格闘技を好きになって欲しいなと思っています。

 2月は僕が負けて(若松)佑弥に渡せず申し訳ない気持ちでした。同門が勝って帰って来るのと負けて帰って来るのでは全然違います。前回は佑弥に声をかけられませんでした。今回は勝って渡したいと思います」

[若松佑弥]
 次は絶対に負けられないと思っています。もう国内で負けることは考えられません。絶対に勝ちます。

 前回は、鹿児島からたくさん応援に来てくれていたので、死んでも負けられないという気持ちで闘いました。でも、最後の方は酸欠状態で意識がなくて、夢の中で闘っているみたいでした。
 けっこう絶望的な気持ちでしたね。担架で運ばれながら天井を見て『終わった……』と思いました。でも、みんなが良かったと言ってくれたり、長南さんが『出し切れたから良かった』と言ってくれたので、終わりじゃないんだなと思えました。学んだこともありましたし、あの試合を糧にして頑張りたいです。

 あの試合を経て、自分に負けない、ということを意識するようになりました。結局、相手じゃなくて自分との闘いなんだなと。毎回、全力でやっているつもりですけど、前回には本当に懸けていたので。
 前回は100%勝って次に行くものという自信しかありませんでした。でも、負けて、まだまだ甘かったというところに気づくことができました。もし、あそこで勝っていても、あのままだったらどこかでつまづいていただろうと思います。あの試合があったから今があると思います。ターニングポイントになった試合ですね。

 今回の試合が決まった時は、覚悟を決めてやってやろうと思いました。マモル選手のキャリアは、自分の年齢と同じくらいです。とてつもないだろうなと思います。過去最強の相手じゃないでしょうか。
 前回より小さい相手なので、また違う闘い方になると思います。噛み合うんじゃないかなと思います。自信はもちろんあります。油断しないこと、そして全力でやること。とりあえず、戦略はあります。
 練習は、全部やって来ました。前回よりも、全てをおろそかにしないでやりました。
 KOですか? 期待していてください。もしかしたら、極めたりするかも。サブミッションもあるかもしれないですよ。当日を楽しみにしていてください。 
 断言しますけど、TRIBEが全部勝つと思います。それぞれ真価が問われる試合だと思っているので」

[佐藤天]
「タイトルマッチですけど、いつも通りに。気合いは入れるけど、気負わないようにしています。
 GLANDSLAMの試合は負けられないプレッシャーを特に感じました。タイトルマッチの前にそういう経験ができて良かったと思っています。
 海外での練習は、まずシンガポールのイヴォルブに2週間行きました。イヴォルブでは那須川天心選手とたまたまタイミングが合って一緒になりました。組んだりはしてないですけど、話したり、一緒に食事をしたりして、今度のRISEにも応援に行きます。
 それからいったん戻ってきて、今度はフロリダのハードノックス365で1ヶ月半練習しました。
 ハードノックスにお世話になったのは2回目です。今度の試合は外国人選手が相手なので、大きい選手と練習するのが目的でした。近い選手と組んだほうが試合のイメージをしやすいので。
 向こうでは、カマル・ウスマン選手(UFCウェルター級6位)やルーク・ロックホールド(UFCミドル級2位)選手とかすごくレベルの高い人たちとしっかり練習できました。ハードノックスにはUFCファイターだけでも20人ぐらいいて、組めばUFCファイターかBellatorファイターって感じなんです。そういう選手たちと共同生活しながら練習しました。もちろん自分はまだまだですけど、ここが通用するんだなとか、明確に見えて来て、いい練習をさせてもらいました。

 相手は、レベルの高い選手だと思います。パンクラスの時は、丁寧に作ってるなという印象がありましたが、UFCの時はけっこう荒い部分もあったので、どちらも想定してやって来ています。今後、UFCを目指している自分にとってはいい相手だと思います。ここで負けていたら、UFCに出たって勝てない。だから、こういう選手と試合ができて嬉しいです。勝ってUFCに行きたいですね。」

 自分は常に崖っぷちだと思って積み重ねてきました。特に復帰後はいい積み重ねができていると思います。当日は、できれば圧倒したいですけど、苦しい展開になっても粘り強い試合をして勝ちたいです。
 特に、タイトルマッチは5分5Rなので苦しいだろうなと思います。でも、嫌な練習、やりたくないなと思うような練習でも逃げずにやって来たのは試合で勝つためです。1Rだったらいいなと思いますけど(笑)、5Rを闘い切れる練習はして来ています。

 自分は長南さんの引退試合の大会でデビューしたので、この階級には特別なものを感じています。うちでは白井(裕矢)さんもこの階級のベルトを持っていて、でも最近はTRIBEにベルトを持って帰れていないので、ここで勢いをつけたいですね。自分の前の選手に勝ってもらって、いいプレッシャーをもらって、勝ちたいです。全部勝ちます!」

(写真・文/佐佐木 澪)

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