【試合結果】5・24 全日本プロレス後楽園ホール大会 【三冠ヘビー級】宮原健斗vs丸藤正道 野村直矢&ヨシタツvsジェイク・リー&岩本煌史 秋山準&西村修vs大森隆男&渕正信
『2018 SUPER POWER SERIES』
日時:2018年5月24日(木)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1680名(超満員)
▼シングルマッチ 20分1本勝負
○中島洋平
6分8秒 跳後廻蹴→片エビ固め
●石切(ランズエンド)
▼ジャンボ鶴田メモリアルマッチ 30分1本勝負
○秋山準/西村修(フリー)
10分38秒 首固め
大森隆男/●渕正信
▼8人タッグマッチ 30分1本勝負
○諏訪魔/石川修司(フリー)/青木篤志/佐藤光留(パンクラスMISSION)
13分29秒 ラストマウンテン→体固め
ゼウス/ジョー・ドーリング/●丸山敦/ブラック・タイガーⅦ
▼世界タッグ選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負
崔領二(ランズエンド)/ディラン・ジェイムス(フリー)/●佐藤恵一(フリー)
14分10秒 ブルーディスティニー→片エビ固め
TAJIRI(フリー)/KAI(フリー)/○鈴木鼓太郎(フリー)
▼ジェイク・リー復帰戦 タッグマッチ 30分1本勝負
●野村直矢/ヨシタツ(フリー)
12分24秒 バックドロップ→片エビ固め
○ジェイク・リー/岩本煌史
▼三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第60代王者】○宮原健斗
25分52秒 シャットダウン・スープレックスホールド
【挑戦者/2018 チャンピオン・カーニバル優勝者】●丸藤正道(NOAH)
※宮原が初防衛に成功
宮原が丸藤との“最高vs天才”対決を制し三冠王座防衛!ジェイク・リーが待望の復帰戦を勝利で飾る!ジャンボ鶴田メモリアルマッチが実施!
第1試合
ゴングが鳴ると両者リングを回り、ロックアップ。中島が押し込みクリーンブレイク。
再び組み合い、腕を取り合い、グラウンド戦を展開しブレイク。続いて手4つから中島がヘッドロック、すると石切がロープに振るも中島がショルダータックルで倒していく。
さらに中島がコーナーに振るが、石切が飛び越えてアームホイップを連発して場外に出すと、セカンドロープ下をすり抜けて場外へドロップキック。そのまま場外戦へ突入し。観客席になだれ込む。
これを優位に終えた中島はリングに戻ると石切にエルボー、これを石切も返していくが、中島はカニバサミから顔面に低空ドロップキック。さらにサーフボードストレッチで痛めつけ、背中にドロップキック。さらに中島は石切をコーナーに振っていくが、石切は突撃してくる中島をブートで止め、ミサイルキック。続けてカミカゼからその場飛びでムーンサルトプレス。フォールも2。
さらに石切はコーナーに上るが、中島が起き上がって雪崩式の飛びつき式フランケンシュタイナー。石切の起き上がりを狙って顔面にトラースキック。フォールも2。さらに中島はダイビングフットスタンプを狙うが、これは石切が回避。石切はスクールボーイ、ラ・マヒストラルと続けて押さえ込みを狙っていき、さらに延髄斬り。続けてロープに走るが、待ち受けていた中島がミドルキック。さらにトラースキックを打ち込み、ふらつく石切の顔面に跳後廻蹴を打ち込むと、これでカウント3。
第2試合
秋山&西村は『ローリングドリーマー』、大森&渕は『チャイニーズ・カンフー』と、両軍ともにジャンボ鶴田のテーマ曲で入場。
全員クリーンに握手してからゴング。秋山は渕を指さして挑発すると、会場からは渕コール。その流れで秋山と渕のマッチアップで試合開始。
ロックアップから秋山がロープに押し込み、クリーンブレイク。再びロックアップ、今度は渕が押し込むが渕はヘッドロック。秋山は振っていくと渕はタックルも、秋山は倒れず会場からはブーイング。秋山がヘッドロックで返し、グーパンチを入れると会場はさらにブーイング。渕は「グーは反則だ」としきりにアピール。しかし、秋山は続けてヘッドロックからグーパンチ。会場からの「グー!」の声に秋山は不満顔。
両者タッチ。大森と西村もマッチアップ。両者ヨーロピアンエルボーを打ち合い、これは西村が制する。大森は組み付いてテイクダウンを取るも、西村は倒立で脱出。秋山にタッチ。
秋山は大森をロープに振ると、ジャンピングニー。そして観客席に身を乗り出し、拳を突き上げて「オー!」と叫び、ジャンボ鶴田へのリスペクトを表す。
西村と渕のマッチアップとなり、渕は西村にヘッドロックからグーパンチ、ボディスラム。これに怒った秋山が乱入するも、渕は秋山にもグーパンチからボディスラム。渕は西村を起こそうとするが、西村はヨーロピアンエルボーから渕をコーナーへ振って串刺し攻撃を狙う。しかし渕はドロップキックでカウンター、さらにバックドロップ。フォールも秋山がカット。西村は渕にエルボーを打ち込んでから秋山にタッチ。
秋山は節をコーナーに振って座らせ、串刺しのランニングニーバッドを二連発。渕も秋山をロープに振ってドロップキックを狙うが、秋山が悠々とかわすと場内は大ブーイング。自爆した渕を秋山がフォールも、これは大森がカット。
大森はグロッキー状態の渕に「俺が決めちゃっていいですか?!いいですね?!」と叫ぶと、渕はジェスチャーで「どうぞ」と表し大森に譲る。大森が秋山をロープに振ると、渕が起き上がってドロップキックを狙うも、再び秋山にかわされてしまう。西村が大森を排除し、秋山は渕にランニングニー。フォールを返されると、秋山はスモールパッケージ、スクールボーイと連続して丸め込み、カウント3を奪った。
試合後、ジャンボ鶴田のテーマ曲の一つである『J』が鳴り響く中、同氏の写真がリングに持ち込まれ、4人は全員で手を掲げる。
そして、ジャンボ鶴田の写真を持った渕が四方のコーナーに登り、観客とともに拳を突き上げて「オー!」と叫んだ。
<試合後コメント>
秋山準
「鶴田さんも少しは喜んでくれたのかなって」
――試合中、ジャンピング・ニーからの「オー!」がありました
「まあ、やらないとね(笑)」
――渕さんとやり合う場面が多かったように見えます
「ホントね、ずっと元気でやってもらいたいなって……鶴田さん、馬場さんの域に来てると思うんで。元気でやってもらいたいですね」
第3試合
誰が最初に行くか両軍揉めるも、最初のマッチアップは石川とゼウスでゴング。石川が「修司コール」を煽っていくと、ゼウスは不満顔。ロックアップで組み合い、互角と見るや石川は手を高く掲げ上げ手4つを仕掛ける。ゼウスがこれに応じ、互角の力比べを繰り広げるが、ゼウスがロープに押し込んでブレイク。しかしゼウスは離れ際にヘッドロック、さらにロープに振るが、石川はショルダータックル。ゼウスはすぐに起き上がってボディスラム。両者タッチ。
青木とブラックⅦのマッチアップ。会場からの「論外!」という掛け声にブラックⅦは過剰に反応。青木はそんなブラックⅦをロープに振るが、ブラックⅦは華麗にかわし、青木もこれに追随したジュニアの軽やかなムーブを見せる。するとブラックⅦは青木に握手を求め、青木がこれに応じると、クリーンに握手。会場からはどよめき。再びブラックⅦが握手を求め、青木がこれに応じるもブラックⅦはヘッドロック。会場のブーイングの中、青木がロープに振ってドロップキックで反撃すると会場は大歓声。
丸山と光留のマッチアップへ。両者ともMMAのような構えでジリジリと距離を詰める二人だったが、丸山の構えが拳法のように奇っ怪なものになっていくと、光留がチョップ。丸山も打っていき、ショルダータックルからフォールを狙うも、光留はスモールパッケージ。クリーンブレイク。丸山は光留をコーナーに振り、、串刺し延髄斬り、トラースキックと続けていくが、光留がトラースキックをキャッチしてアンクルホールドへ。ここへジョーが入ってきてラリアットでカットへ。そのままジョーに任せ、タッチ。
ここから青コーナー側は軽いタッチワークで回していき、ジョーがドロップキック、ゼウスがリフトアップスラム、ブラックⅦと丸山がカニバサミ→キャメルクラッチ→低空ドロップキック→両者片足ずつを持ってコーナーへ股間を打ち付けるというコンビネーション攻撃。
ジョーと光留のマッチアップになると、光留はミドルキックを連発しジョーに猛攻。しかしジョーはチョップ一発で黙らせ、光留をコーナーに振って突撃するが、光留はこれをかわせいて背後から延髄斬り。一矢報いた光留は石川にタッチ。
石川はジョーに串刺しラリアットからDDT、さらにコーナーへ振っていくが、ジョーはフライングクロスボディでカウンター。
ゼウスと石川のマッチアップとなり、ゼウスは石川に串刺しラリアットから逆水平チョップ。石川がこれを真正面から受け止めていくと、両者ラリアットの打ち合いへ。これも互角の打ち合いが展開されるが、石川のラリアットをダッグしたゼウスがカウンターのラリアットを決め、ブレーンバスターを狙うが、これは石川が逆に投げ返し、諏訪魔にタッチ。
諏訪魔は「ようやく出番だァ!」と叫んでロープチャージし、ゼウスにフライングショルダー。さらに「投げるぞオイ!」からパワーボムを狙っていくが、ゼウスがショルダースルーで切り返し、スパインバスターを見舞ってチョークスラムを狙っていくが、ここでコーナーから丸山が猛アピール。ゼウスは顔をしかめるが、仕方なしと言った様子で丸山に代わる。
丸山は元気よく飛び出していくが、諏訪魔のラリアット一発で沈む。諏訪魔がフォールに
入るも、ブラックⅦがカット。ブラックⅦは丸山にストンピングを入れ、叱咤。そのままブラックⅦをゼウスの二人で諏訪魔を集中攻撃するが、諏訪魔は二人にチョップを入れていき、両者にラリアット。復活し、元気よく飛び出していった丸山にもラリアット。諏訪魔は丸山をフォールも、ブラックⅦがカット。ブラックⅦは丸山にストンピングを入れ、叱咤。
ブラックⅦとゼウスは諏訪魔をコーナーに振って串刺しのラリアット、丸山も続くが、溜めと煽りが長すぎて諏訪魔にカウンターのラリアットを食らってしまう。フォールに入るも、またブラックⅦがカット。ブラックⅦを排除し、丸山へ青木、光留がトレイン攻撃。さらに光留は水車落とし、青木がフィストドロップ、諏訪魔がエルボードロップと畳み掛け、最後は諏訪魔と石川がラストマウンテンで叩きつけカウント3を奪った。
<試合後コメント>
諏訪魔&石川修司&佐藤光留
佐藤「Evolution!佐藤光留、青木篤志、そして暴走大巨人の石川修司が……投げるぞ、オイ!。三人が、投げるぞ、オイ!」
諏訪魔「なに投げてるんだよ!オレが投げてないんだよ!
佐藤「いっつも投げるって言って投げないじゃん!」
諏訪魔「オレより先に投げてるじゃないか!」
佐藤「だからいつも投げてないじゃないですか。変態暴走大巨人は佐藤光留、青木篤、石川修司のこの三人が……投げるぞ、オイ!」
石川「……今日、新型のラストマウンテン決めました。そろそろタッグベルト、証がほしいんで、ちょっと上半期なんもしていないんで。ここからもう一回上がっていきますんで」
第4試合
世界タッグ王者・崔&ディランに挑戦が決まったTAJIRI&KAIの前哨戦となるこの試合。
先発を誰にするか話し合う崔組に、TAJIRIが奇襲しようとして止めるムーブを繰り返し会場を温める。
鼓太郎と佐藤のマッチアップでゴング。ロックアップから鼓太郎がロープに押し込み、両者技術を尽くして腕を取り合っていく。軽やかなジュニアムーブの連続から佐藤がアームホイップで制し、クリーンブレイク。鼓太郎は佐藤のバックを取り、自軍コーナーに押し込んでTAJIRIにタッチ。
TAJIRIは佐藤にチンロック。そのまま場外に引きずっていき、エプロンを利用した断崖式チンロックへ。TAJIRIはフロントネックロックに捕らえると佐藤はコーナーに押し込もうとするが、TAJIRIはそれを許さず、自軍コーナーへ持っていき、KAIにタッチ。
KAIは佐藤にエルボーを入れると、佐藤もこれに応じて打ち返していく。佐藤は自軍コーナーへ戻ろうとするもKAIはこれを許さず、ロープに振ってバックエルボー。フォールも2。さらにKAIはコーナーに振ってエルボーを狙うが、これを回避した佐藤がドロップキック。ディランにタッチ。
KAIとディランのマッチアップ。睨み合いながらじっくりとリングを回るが、TAJIRIが隙を突いて乱入。しかしディランは逆水平でふたりとも蹴散らし、ダブルラリアットでなぎ倒す。しかしKAIはすぐに起き上がり、ディランと崔を場外に落とすと、ブランチャ。
ディランをリングに戻した二人は、合体攻撃を狙うが、TAJIRIを振り切り、コーナーに上ったKAIをディランがデッドリードライブ。場外へ出た二人を追って場外戦へ突入し、観客席で乱闘。残された鼓太郎と佐藤は付き合っていられないという様子でリングに残り、対角線で見つめ合って苦笑い。
リングに戻った崔はKAIをヘッドロックで絞め上げていくが、KAIは振りほどいてエルボー。崔はチョップで打ち合っていく。KAIがエルボー連打で優位に進めるも、ロープへ走ったところへ崔がビッグブート、さらにブレーンバスターで投げ捨てフォールもTAJIRIがカット。これに怒ってディランが飛び出してくると、TAJIRIはディランを挑発しながら場外へ逃げていく。ディランはこれを追いかけて場外へ。
崔はKAIをコーナーに振って串刺しラリアットを狙うが、KAIはトラースキックでカウンター。さらにトラースキック、ハイキックと続けコーナーに上るが、崔はジャンピングミドルでこれを阻止するとコーナートップから雪崩式ブレーンバスター。ダブルダウンから両者タッチ。
鼓太郎と佐藤のマッチアップ。佐藤はニールキックや串刺しのバックエルボーで攻めていくが、ロープに振られ鼓太郎はハンドスプリングエルボー。佐藤をコーナーに振ってジャンピングニー、619と攻め立てていく。
ここで、追いかけっこをしていたTAJIRI&KAIとディランがリング上を何度も駆け抜けていく。
そのディランを鼓太郎が捕縛し、TAJIRIもこれをアシスト。KAIがコーナートップからダブルアックスハンドルのスリープラトン。これをカットに来た崔にKAIが延髄斬り、TAJIRIがグリーンミストからのバズソーキックで排除し、鼓太郎が佐藤をブルーディスティニーで沈めた。
試合後、TAJIRIとKAIは本部席に乱入し、崔とディランが持つベルトを奪って自らのもののように高く掲げる挑発行為。
崔とディランがこれに怒り狂うと、TAJIRIは本部席にそっとベルトを置いて返すものの、ニヤつきながらゴングを何度も鳴らしてさらに挑発。掴みかからんとする崔とディランをセコンド陣が総出で止め、KAIとTAJIRIを睨みつけながら退場していった。
その後、TAJIRIとKAIはリングに上がり、ベルトをアピールするポーズを決めてから逃げるように退場していった。
<試合後コメント>
鈴木鼓太郎&KAI&TAJIRI
鈴木「俺が勝とうが負けようが必要なら呼ばれるし、必要じゃなければ呼ばれない。それを決めるのは全日本の社長である秋山さん。それが今の俺の立場だから。そんな事より、俺は全日本ジュニアを盛り上げたい。青木は強い全日本ジュニアを見せたい。だったら俺とやろうじゃんって話ですよ。ディファ有明で生まれ落ちたふたりのグリーンボーイが、力を付けて紆余曲折を経てディファ有明でシングルでぶつかる。ディファ有明の最終興行ですよ。そこに世界ジュニアがかかってる。こんなドラマ、もう二度と作れないよ。チャンピオンの器量に期待してます」
KAI「もろ刃の剣じゃないですか?」
TAJIRI「とりあえず今日はこれまでの戦いからディラン・ジェイムスが鉄人28号で、崔領二が正太郎君ということがわかったんで、コントローラー、頭をぶっこわしてきました。本番に向けて」
KAI「司令塔が怒れば怒るほど、コントロールされる方は従うしかないんで、冷静さを失った・・・」
TAJIRI「本番まで(前哨戦は)何回あるの?それまでにコントローラーをぶっ壊して、28号をこっちのモノにしようぜ。よくあるじゃん、マンガでそのパターン。マンガでは悪者に操作されてるけど、こっちがいいもんだから。今は悪いヤツらにコントロールされてるんだよ。俺たちがいい28号に戻そう。正義の28号に」
KAI「心もきれいそうなんで」
TAJIRI「リング上ではああやってこばかにしたようなことをやってるけど、凄いレスラーだと思ってるよ。あの2人は凄いよ。あんな凄いヤツらに俺たちが対抗するにはこういう手しかないんだよ。俺が小さくてKAIには迷惑かけてるから」
KAI「ボクもヘビーでは小さい方なんで」
TAJIRI「勝てるわけないんだもん。どんなに策を立てても勝てないんじゃないかって思う瞬間はあるね」
KAI「それを乗り越えるパワーはとてつもないですね。まぁ6月3日まで時間があるんで」
TAJIRI「うん、酒を飲んでがんばろう!」
第5試合
ヒザを負傷し、約9ヶ月の間欠場していたジェイク・リーの復帰戦。復帰宣言時にNEXTREMEを脱退を宣言し、新たなスタートを切る復帰戦となった。
野村とジェイクのマッチアップでゴング。ゴングが鳴ってからしばらく二人は睨み合い、手4つから腕の取り合いに。野村が足を刈って倒すもジェクはすぐにヘッドシザースで切り返し、クリーンブレイク。続けてロックアップからヘッドロック、ジェイクがロープにフルも野村がショルダータックル、しかしジェイクもヒップトスで切り返し、互角。
野村はヨシタツにタッチ。ヨシタツとジェイクも睨み合い。ジェイクはハイキックを打ち込むも、ヨシタツはスウェーでかわし、コーナーに押し込んで岩本を呼び出す。
ヨシタツと岩本はバックの取り合いからヘッドロックの取り合い、ショルダータックルの打ち合いと互角の勝負を進めていくが、ヨシタツが走り込んでのタックルでこれを制し、野村を呼び込んで岩本にダブルのバックエルボー。
野村と岩本のマッチアップに。野村は岩本にフロントネックロックからDDTもカウントは2。ヨシタツにタッチ。
ヨシタツは岩本にストンピングからフライング・メイヤー、ゆるいサッカーボールキックで挑発し、野村にタッチ。
野村はヨシタツと共にガットショットを打ち込むと、岩本は野村にエルボー。野村もやり返しゴツゴツとしたエルボー合戦に。野村がバックエルボーで制止、ニードロップもカウントは2。ヨシタツにタッチ。
ヨシタツは岩本にエルボースタンプからフライング・メイヤー、サーフボードストレッチで痛めつけていく。岩本が立ち上がり、反転を狙うが、ヨシタツはこれを許さず。そのまま腕を取ってフォールも2。野村にタッチ。
野村はジェイクを落とし、岩本にエルボー、さらにロープに振って串刺しのジャンピングエルボー、さらにランニングエルボーもカウントは2。続けて野村はブレーンバスターを狙うが、ジェイクが抜け出して野村をコーナーに振り、串刺しのバックエルボーからサイドスープレックス。さらにビッグブートからDDT。ジェイクは首を掻っ切るポーズでアピールしてからバックドロップを狙うが、身体を反転させた野村がプレスしてヨシタツにタッチ。
タッチを受けたヨシタツはその場でスワンダイブ式ミサイルキックを見舞い、コーナーに振ってスイングDDT。さらに組み付いてヨシロックを狙っていくが、これを突き飛ばして回避したジェイクがキチンシンク。岩本へ繋ぐ。
岩本はヨシタツに串刺しバックエルボー、ランニングエルボー、ブレーンバスターと畳み掛け、コブラツイストでギブアップを迫る。しかし、ヨシタツはこれを抜け出しヒップトス、岩本の起き上がりにニールキックを入れ、両者タッチ。
ジェイクと野村は同時にタッチを受けると突撃していくが、ジェイクがビッグブートで先制するも、野村は倒れずエルボーを連打しノーザンライトスープレックス。ここでヨシタツがアシストしてジェイクを野村の方にハンマースローすると、野村はスピアーを合わせる。フォールも岩本がカット。ヨシタツは場外へ岩本を排除。
野村はコーナートップからフロッグスプラッシュを投下。これを返されると野村がトドメを狙って走り込んだところへヨシタツを振り切った岩本が入ってきて孤高の芸術でアシスト。ここへジェイクがPKからのバックドロップで試合を決めた。
<試合後コメント>
岩本煌史&ジェイク・リー
岩本「まずは復帰、おめでとうございます」
ジェイク「ありがとうございます。」
――9ヶ月ぶりの実戦でしたが?
ジェイク「正確には10カ月ですけど、まだまだ武術との融合を組み合わせきれていない自分がいます。一発で相手を仕留めると言う緊張感がまだ僕には足りない」
岩本「10カ月のブランクというか、大丈夫かなという不安が全然出ていない。むしろ海外に行ってたんじゃないかっていうくらい強くなって帰ってきた。そんなワクワク感もお客さんにはあるし、それでもまだ納得していないジェイク・リーがいる。今後まだまだ伸びて来て、恐ろしくなるよ。NEXTREME、抜けて正解だったと思うよ。こっちの方が合ってるし、のびのびしてる。客に媚びてる試合をNEXTREMEでやってちゃダメだよ。やらされてるよ、野村は。青柳も」
ジェイク「あさって、しあさって。そしてこれからもNEXTREMEと組まれてるカードが多いです。その中で岩本選手と組むことも多くなる。俺は自分の可能性と岩本選手の可能性を導いていきたい。もちろん自分の可能性が一番だけど」
岩本「初めて組んだのにやりにくさを感じていない。これが一番でしょう。組んだ感じで『なんかいいな』っていうフィーリング。これが一番だと思う。ああしようこうしようじゃなくて、今日久し振りに会って、久し振りにリング上で組んでやって心地いい戦いができた。これが一番でしょう。今後も一緒にやっていきたいって俺は思います。あとはジェイク選手がどう思うか」
※ジェイクは無言で手をあげてハイファイブ
岩本「あと一個。世界ジュニアも俺は忘れていないから。沖縄終わってからの青木さんを見ているとどこかさみしそうな感じが。やっぱり青木さん、近藤修司からベルトを防衛した時に『次は岩本だな』って言ってたでしょ?俺も整えてきてる。青木さんのさみしさを俺が消してあげます。以上です」
第6試合
三冠王者・宮原健斗と、2018チャンピオン・カーニバル優勝者の丸藤正道の対戦。
先月のチャンピオン・カーニバルの決勝戦で二人は対決。その際には丸藤が宮原を撃破し優勝を果たしていた。
丸藤が宮原に握手を求めるが、宮原はこれを睨みつけ応じることなくゴング。
両者はゆっくりとリングを回り、ロックアップ。これを宮原がロープに押し込みクリーンブレイクするも、丸藤が反転して押し込み、離れ際に攻撃を狙うも、これを読んでいた宮原はかわして反撃。丸藤もこれを回避し、クリーンブレイク。
再び両者リングを回り、手4つから腕取り合戦へ。いくつもの攻防の果に宮原がヘッドロック、丸藤はロープに振っていき、ドロップキックを狙うが、これを読んだ宮原がブートからショルダースルー。丸藤は一旦場外にエスケープ。宮原はゆっくりとこれを追っていき、丸藤にヘッドバッドを三連発。ふらつく丸藤を起こし、コーナーポストに頭をゴリゴリを押し付けていくが、これを抜け出した丸藤が、ポール回し式トラースキックで宮原の顔面を痛打。
これで形勢逆転し、先にリングに戻ったのは丸藤。しかし、宮原がリングに上ってこないと見るや再び場外に戻って追っていき、四方のコーナーポストに押し付けて周り強烈な逆水平を見舞っていく。
再び先にリングに戻った丸藤は、宮原が戻るとストンピング、起こしてヘッドロック。宮原がこれを腕力で外そうとするも、丸藤は離さず、グラウンドヘッドロックへ切り替え絞り上げ、脱出を許さない。すると宮原は丸藤の髪を掴んでロープにふろうとするも、なおも丸藤は離さず。これを宮原はバックドロップで返そうとするが、後ろ着地した丸藤が再びヘッドロックへ。テイクダウンしてフォールに入るもカウントは2。さらに離さず起き上がり、腕を決めてクロスアーム式スリーパーへ。宮原は腕力でこれを外し、逆にクロスアーム式スリーパー。丸藤はこれを頭からくぐる形で足から外すと、再び同じ形で取り返す。宮原はコーナーに押し付けフライング・メイヤーから低空ドロップキックを狙うが、これをかわした丸藤が再びグラウンドヘッドロック。宮原はようやくロープに辿り着く。
丸藤は、宮原をコーナーに押し付け、観客を煽ってから串刺しの逆水平。さらに対角コーナーから走り込み、ジャンピングエルボー。二発目を宮原がかわし、低空ドロップキックに連発で一矢報い、ダブルダウン。
先に起きたのは宮原。コーナーに捕まって立ち上がった丸藤に串刺しブラックアウト。エプロンに転がってエスケープする丸藤に、宮原はおきあがりをねらったてフロントハイキックで場外に叩き落とし、自らもエプロンから飛びついて断崖式フェイスクラッシャー。
リングに戻し、宮原は串刺しブラックアウトを狙うが、丸藤はブートで止め、掌底、ソバット、トラースキックなどのコンビネーション打撃。さらにドロップキックで宮原をエプロンまで追いやると、エプロン上で逆水平を連発し、ステップキック。さらにパイルドライバーで宮原をエプロンに突き刺した。
場外カウントが進む中、宮原がよろよろと這いながらリングに戻ると待ち受けていた丸藤がコーナーtoコーナーのミサイルキックで追い討ちをかけ、さらにトラースキック。
丸藤は宮原を起こして逆水平を入れると、宮原もエルボーで反撃。宮原が打ち負けてヒザを着くも、丸藤は宮原を引き起こしてさらに打撃合戦へ。丸藤がロープチャージしたところで宮原が息を吹き返し、フロントハイキック、さらにブレーンバスターで投げ捨て、ブラックアウト、ジャーマン・スープレックスとラッシュをかける。
宮原は満を持してシャットダウン・スープレックスホールドを狙うが、丸藤はクラッチを切ってコブラクラッチ式三角絞めへ。宮原が起き上がって潰しに行くが、丸藤はもう一度飛びついてコブラクラッチ式三角絞めと逃さない。
これをロープブレイクし、よろよろと立ち上がった宮原の顔面に虎王、コーナーにもたれかかった宮原に串刺しの虎王と畳み掛けてフォールも2。ならばと不知火で叩きつけてフォールも2。
丸藤は両手を組み、フィニッシュ宣言。チャンピオン・カーニバル決勝で宮原を破ったポールシフト式エメラルド・フロウジョンを狙うが、宮原はクラッチを切ってロープに走り、後頭部にブラックアウト。続けてシャットダウン・スープレックスホールドを狙うが、これを振りほどいた丸藤がトラースキック、虎王、トラースキック、虎王と畳み掛けるが、これをキャッチした宮原がジャーマン。丸藤はこれを後ろに着地し再び虎王も、宮原もブラックアウトでぶつかっていき、ヒザとヒザが激突。ここで丸藤が怯んだのを見逃さず、宮原はブラックアウトを三連発、息もつかせずシャットダウン・スープレックスホールドで叩きつけ、3カウント。
宮原がチャンピオン・カーニバル決勝で丸藤に敗れた雪辱を晴らし、初防衛を達成した。
<試合後コメント>
丸藤正道
「最後は受け身取れなかったなぁ。受け身を取りようなかったし。まだ冷静に分析できる自分がいるから。ヒザの合いうちで先に俺が入れたら勝ってたよ。うん。でも負けだな。強かった。そうだな、俺がチャンピオン・カーニバルに出て、この三冠に挑戦するのにいろいろ思う人間はたくさんいたと思うけど、今のNOAHにはひとりでもふたりでも多くの人に見てもらわなきゃいけないし、ひとりでもふたりでも多くの人に丸藤正道、プロレスリングNOAHを知ってもらいたかったんだよ。だから俺は決して間違っていたとは思わないし、これで落ちるようなことはないし、来週はGHC(挑戦)が待っているから。今日、なにも見ないで語るヤツがいれば勝手に語ればいい。そいつの方がよっぽど間抜けだ。俺の目はもうGHCそして、おいこれだけは言わせてくれ。全日本プロレス、to be continued だ」
エンディング
試合後、二人はしばらく倒れたままだったが、先に起きたのは丸藤。軽く頭を下げ、足早に退場していく。
起き上がった宮原にベルトが授与されると、ディラン・ジェイムスがリング上に登場し、宮原に挑戦表明。
宮原は「いいでしょう。なら日付を指定させてもらう!6月12日の後楽園ホール大会だ!」と宣言し、これを受け入れた。
宮原「初防衛、成功ォオオッ!!次の挑戦者は、ディラン・ジェイムス!6月12日……早いよ!(笑)ただ!俺には休みなんかいらないんだ。なぜなら、プロレス界で超最高の男だから!今日、ジェイク・リーがこのリングに戻ってきた!俺は2年半前、忘れもしない。最強タッグの決勝戦終わりで、『俺らの時代で新しい道を作る』と言った。紛れもなく、新しい時代の先頭はこの俺だ!ジェイク・リー!野村直矢!青柳優馬!早く俺のところまで来いよ!ここで、プロレス界で最も最高のチャンピオンは、後楽園ホールの皆さんは誰だと思いますか?!後楽園ホールの皆さんの正直な声を聞かせてくれ!正直な声を聞かせてくれ!満場一致で宮原健斗で~す!後楽園ホールの皆さんに聞きたい!全日本プロレス……最高ですか?!……聞こえないなぁ。全日本プロレス、最高ですか~?!×3後楽園ホール……最高っ!!」
<試合後コメント>
宮原健斗
「初防衛は遠かった。遠い遠い初防衛だった。ここまでの道のり、チャンピオン・カーニバル決勝戦で負けて、長かった。こんな長い1カ月はなかった。それだけ毎日夢に丸藤正道さんが出てきた。それくらい長かった」
――改めて丸藤選手との戦いを振り返っていかがでしたか?
「さすがのひとことです。懐かしい感じもしつつ、新しい感じもしつつ。宮原健斗が次に行くにあたって、必然の相手だったかなと思います」
――ディラン・ジェイムス選手の挑戦にOKと答えていましたが、6月の後楽園で決定ですか?
「そうですね。チャンピオンの権限で決定します。もう6月21日。後楽園ホールの皆さんの前で言いたかった。6月12日、俺の権利で決定。彼も全日本プロレスでジャパニーズ・ドリームをつかみに来てるんだろう。そういう意思がひしひしと挑戦表明から伝わってきました。ジャパニーズ・ドリームをつかもうとしている」
――今日は王者である宮原選手が先に入場していましたが、それは宮原選手自身の希望だったのでしょうか?
「俺のプロデュース能力。今までチャンピオンで先に入場した人いないでしょう?俺、新しいもの好きだから。俺のプロデュース能力だよ。宮原健斗は先入場だ」
――ジェイク・リー選手の復帰については?
「ようやく来たかと。ファンの人も待ってたろうし、もしかしたら俺が一番待ってたかも知れない。いろんなところで言われるんですよね。「宮原健斗さん、ライバル欲しいですね。同世代のライバル欲しいですね」って。それが一番最初にジェイク・リーが来るかと思ったら、野村直矢、青柳優馬も出てきた。リング上で言った通り。早く俺の所まで来いよ。プロレス界最前線。俺が突っ走ってるところへ早く来いよ」
――自分でも三冠ベルトが似合うとおっしゃっていました。改めて巻いてみていかがですか?
「こんなに三冠ベルトが似合う人は歴史上いないでしょう。俺の中でも2人目くらい。2人目。全日本プロレスって俺みたいにしゃべってしゃべってという人間っていなかったと思うんですよ。そうやって俺は引っ張っていくから。全日本プロレスらしくないでしょう?それが俺のやり方です。まだまだ新しい道はスタートしたばっかりですから。ただ道はできてる。道はできてる。俺が先頭切ってる。早くジェイク・リー、野村直矢、青柳優馬。早く来てくれよ」
――ちなみにベルトが似合う一人目は?
「……三沢光晴さん。……俺の中でそれくらい、今の俺の立場はそれくらいって思ってるから。それくらいの気持ちで引っ張ってます。ただ俺は過去を振り返るようなことはしない。ただリスペクトはしてるから。このベルトを巻いてるんだ。嫌でも感じるよ。早くジェイク・リー、野村直矢、青柳優馬。俺の所まで来いや」