新日本6.5後楽園大会 BEST OF SUPER Jr. XXII、田口vs.オーエンズ、外道vs.オライリー
BEST OF SUPER Jr. XXII
日時:2015年6月5日(金)
開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール
▼第1試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Aブロック公式戦 30分1本勝負
●小松洋平【0勝7敗=0点】
10分20秒 デュードバスター→エビ固め
○バレッタ【4勝3敗=8点】
▼第2試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Bブロック公式戦 30分1本勝負
○タイガーマスク【4勝3敗=8点】
7分21秒 リバースダブルアームバー
●デビッド・フィンレー【0勝7敗=0点】
▼第3試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Aブロック公式戦 30分1本勝負
○獣神サンダー・ライガー【4勝3敗=8点】
6分11秒 垂直落下式ブレーンバスター→体固め
●バルバロ・カベルナリオ【3勝4敗=6点】
▼第4試合 10人タッグマッチ 30分1本勝負
後藤洋央紀/真壁刀義/棚橋弘至/柴田勝頼/●本間朋晃
16分55秒 ボマイェ→片エビ固め
○中邑真輔/石井智宏/矢野通/桜庭和志/YOSHI-HASHI
▼第5試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Bブロック公式戦 30分1本勝負
○マスカラ・ドラダ【5勝2敗=10点】
10分19秒 ドラダスクリュードライバー→片エビ固め
●ロッキー・ロメロ【4勝3敗=8点】
▼第6試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Bブロック公式戦 30分1本勝負
○ボビー・フィッシュ【5勝2敗=10点】
11分31秒 ファルコンアロー→片エビ固め
●ニック・ジャクソン【3勝4敗=6点】
▼第7試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Aブロック公式戦 30分1本勝負
●外道【2勝5敗=4点】
14分15秒 アルマゲドン
○カイル・オライリー【6勝1敗=12点】
▼第8試合「BEST OF SUPER Jr. XXII」Aブロック公式戦 30分1本勝負
●田口隆祐【5勝2敗=10点】
18分27秒 パッケージドライバー→体固め
○チェーズ・オーエンズ【4勝3敗=8点】
※田口が敗戦となりオライリーがAブロック首位となり、決勝進出が決定
オライリーが外道に勝ち、田口がオーエンズに敗れたためAブロック1位はオライリー!
先に決勝進出を決めたKUSHIDA「代々木の先、もっと大きな会場に僕がお連れします」
第1試合
小松の特製うちわを振った応援団の後押しを受けた小松は、いきなりコルバタからのドロップキック。しかし串刺し攻撃を狙った小松に対し、両足をあげてかわしたバレッタはそのままフットスタンプを落とす。悶絶する小松に逆水平チョップから串刺しジャンピングニーを叩き込んだバレッタはジャンピングラリアット。
エプロンに出た小松はロープ越しにフロントネックロックに捉えるが、バレッタはそのままノーザンライト・スープレックスでリング内に投げ込む。しかし小松も突進してきたバレッタを後方にブン投げてコーナーに叩き付けると、ジャンピングエルボーアタック。
さらにウルトラタイガードロップからハーフハッチスープレックスで投げた小松。カウント2で返したバレッタは突進するが、足に絡みついてそのまま逆片エビ固め。さらにbar選ったがロープに逃れようとするとSTFにスイッチ。どうにかロープに逃れたバレッタは、小松の串刺し攻撃をかわしてデュードバスターDDT(=変則型トルネードDDT)。
さらに立ち上がろうとする小松の背中にダイビング・フットスタンプを投下。エプロンにエスケープした小松を追いかけていったバレッタにエルボーで向かっていった小松だが、バレッタは肩口まで担ぎ上げると、何と断崖式デスバレーボムで叩き付ける。
場外カウント19でどうにか戻った小松だが、バレッタは逆水平チョップから小松をコーナーの上に座らせる。しかしどうにか叩き落とした小松。だが、そこに飛び乗ったバレッタは雪崩式ハーフハッチで投げていくとスラディングキック。カウント2で返した小松は一瞬の隙を突いて逆さ押さえ込み。
キックアウトされると、今度はファルコンアローで叩き付ける。ローリングエルボーを叩き込んだ小松に延髄斬りを返したバレッタはロープへ。10分が経過し、追走した小松はエルボーを叩き込むが、バレッタはジャンピングニーを返すとディードバスター(=インプラント)で叩き付けて3カウント。小松は健闘空しくリーグ戦全敗で終了した。
<試合後コメント>
小松洋平
「……今は、今は負け犬の遠吠えでいい。そう受け取ってくれてかまわない。新日本プロレスを引っ張るのは俺なんだ。今は負け犬の遠吠えでいいよ」
第2試合
片足タックルから押し倒してテイクダウンを取ったフィンレーは、腕を取りに来たタイガーをハンマーロックでねじ伏せる。うまく脱出したタイガーはショルダータックルからロープに飛ぶが、サイドバスターで叩き付けたフィンレーはエルボードロップ。
さらに走り込んできたタイガーにカウンターエルボーを叩き込んだフィンレーはスリーパーに捉えていく。そこからエルボースマッシュでカチあげていったフィンレーは、串刺し式エルボースマッシュからカナディアンロッキーバスター。
コーナー二段目からミサイルキックを放ったフィンレーだが、両足をキャッチしたタイガーはそのまま逆エビ固めを狙うが、これは失敗。ならばとタイガードライバーを狙うが、踏ん張ったフィンレーはトルネード・クラッチで丸め込む。カウント2で返したタイガーあ飛び付きヒザ十字固め。
どうにかロープに逃れたフィンレーだが、タイガーはなおも右足を蹴って行く。フィンレーもエルボースマッシュを返すが、タイガーは腕をキャッチして羽根折り固め。ロープに逃れたフィンレーをなおも蹴っていったタイガーだが、蹴り脚をキャッチしたフィンレー。
エルボーを叩き込んだフィンレーはタイガーのハイキックをかわしてアッパー気味のエルボースマッシュ。しかしタイガーもカウンターのソバットからタイガードライバーで叩き付けると、腕十字に捉えてから羽根折り固めにスイッチ。動けなくなったフィンレーはここでギブアップ。
<試合後コメント>
タイガーマスク
「スーパージュニアのね、何戦目かは忘れたけど、左ヒジを痛めてね。今、水がたまっちゃってるんですよね。だから今は入場の時にコーナーにも上がれないんですよね、痛くて(苦笑)。上がりたいけど、支えることができなくて。そこをフィンレーが知ってたかどうかは分からないけれど、あいつも腕を攻めてきたし。フィンレーとはシングルでは初めてだけど、ものすごくアグレッシブに来たけど、その分詰めが甘い。やっぱりもっと落ち着いてやった方がいいんじゃないかな、彼に関してはね(笑)。別に上から目線じゃないけれど、今日は相手を見ながらやったという部分が出たかな。確かにトーナメントに関しては今日は消化試合みたいになってしまったけれどね。俺はまだまだ点を取らないと、スーパージュニアは最後まで何があるか分からないから。KUSHIDAがBブロックから決勝に上がったけれど、何があるか分からない。しっかり点を取らないと。最後まで俺はあきらめないというか、そこまでスーパージュニアを全うしたいし、タイガーマスクとしての試合を全うしたい。今日はフィンレーだから、ヨーロッパの選手だからああいう試合ができたと思うし。あいつのエルボースマッシュは強烈だよ。さすがヨーロッパ。でもあれひとつじゃ勝てない」
――これからが楽しみという感じですか?
「そうですね。これから新日本でやっていくにはものすごいいいんじゃないですか。これから小松や田中、ジェイと4人で争わせたら面白いんじゃないですか。もちろん僕もその中に入って、彼らみたいなアグレッシブな試合をどんどんしたいし、またそういうのとは別の試合もしたいと思っていますんでね」
――フィンレー選手からするとタイガー選手、ライガー選手は本当に子供のころからの憧れの存在なのではないでしょうか?
「いやいやいや僕なんか(苦笑)。フィンレー選手のお父さんはそれこそ初代タイガーマスクの佐山さんとやってるわけだし、そういう部分で考えたら僕は息子ではないけど、佐山さんのことを親父と思っているから、二世同士でやるっていうか、そういう部分では感慨深いというか。そういう風になってきたのかなと改めて……思わせないでくださいよ!」
――今年の夏で20周年を迎えられるわけですが?
「そうですね。7月で丸20年になるんですけど、僕は別に派手なことをやりたいっていう人間じゃないんで、地味に普通に試合をして過ごす感じかな(笑)。会社も知らないから!」
――ではここでアピールして……
「いやそんなのする必要もないですよ。まぁとにかく自分のタイガーマスクとしての試合はね、どんどん自分なりの強さを出していきたいし、これからもこの新日本プロレスでタイガーマスクあり! という試合をしていきたいなと思っています。そして今年のスーパージュニアは僕自身はこの成績で終わってしまったけれど、まだ何があるか分からない。最後まで代々木の日を待ちたいなと思っています。そして何もない場合は、同じ日本人のKUSHIDAを応援したいし、田口も(可能性が)あるんなら応援したいと思っているし」
第3試合
足をすくって倒したライガーはシットダウン式のカンパーナからそのままカベルナリオの背中を反らして変形のカベルナリア。しかし横回転したカベルナリオもカンパーナを狙う。だが、さらに横回転したライガーはロメロスペシャルで吊り上げると、カベルナリアへ。
指に噛みついて脱出したカベルナリオはリープフロッグから伏せかわしを狙ったが、ストップしたライガーはストンピング。しかし、ライガーを場外に追いやったカベルナリオはエプロンをダッシュすると、コーナー飛び越し式のトペ・コンヒーロ。
さらに場外でライガーをボディスラムで叩き付けたカベルナリオはコーナーに登って場外へのダイビング・ヘッドバット。モロに食らったライガーだが、場外カウント19でどうにか戻るとカウンターの掌底を叩き込む。さらに投げ捨て式のライガーボムで叩き付けると、カベルナリオをコーナーに乗せてから雪崩式フランケン。
これを踏ん張ってスッポ抜けさせたカベルナリオはライダーキックを放っていく。だが、ライガーも走り込んできたカベルナリオをケブラドーラ・コンヒーロで叩き付けると、ブレーンバスターの体勢に。背後に逃れたカベルナリオだが、背面アタックをお見舞いしたライガーは今度こそ垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けて3カウント。
<試合後コメント>
獣神サンダー・ライガー
「結局いつも言っているように決勝に行かなければ2位も3位もドベもおんなじだ。決勝に残って、優勝してこそのリーグ戦。出るだけで何回勝ったとかどうのこうの言われるけれど、やっぱり決勝のリングに立たなければ意味がない。それは間違いのない事実なんだし、勝たなきゃ意味がないんだ! そのためにもきつい練習をきっちりこなして、来年のベスト・オブ…に出て……来年ももちろん出るぞ! きっちり出るからな。来年の優勝候補は現時点でライガー。そのくらいの気持ちでやってる。
カベルナリオ、いい選手だね。キャリアは短いらしいけど、あれでもう少し技の正確さと無駄な動きがなくなれば、面白い存在になると思う。まぁ対戦相手はどうでもいい。大切なのは自分自身。そういう意味で完走できたのはうれしいけれど、何度も言う通り、決勝のリングで勝たなきゃダメなんだ。優勝しなければ意味がない。ライガーはその気持ちでまた1年突っ走ります。ありがとうございました!」
第4試合
真壁と石井が激しく睨み合い、この2人の先発で試合開始。いきなり張り手を見舞っていった石井に対し、ハンマーを返した真壁はエルボー合戦からショルダータックルでなぎ倒す。しかし、すぐに石井もショルダータックルでなぎ倒すと、お互いに激しくぶつかった末に真壁が打ち勝つ。
ここで真壁が後藤にタッチすると、石井は中邑にタッチ。腕の取り合いから足を踏んづけていった中邑は四つで組もうとする後藤の顔面を蹴って手招き。これに怒った後藤がエルボー連打していくと、体勢を入れ替えた中邑がニーリフト。
さらに踏みつけてバイブレーションするが、蹴り脚を掴んだ後藤はそのまま押し倒すと、串刺し式村正(=ニールキック)からバックドロップで投げて棚橋にタッチ。YOSHI-HASHIが入ってきて棚橋をロープに飛ばすと、場外で矢野が足をすくおうと待ち構える。そこに棚橋はスライディングキックをお見舞い。
さらにYOSHI-HASHIにはローリングセントーンを投下してからロープに飛ばす。すると場外から矢野がイスを投げつける。CHAOSが一斉に飛び出してきた場外戦に。石井が真Kべを客席に叩き付けると、桜庭が柴田をその真壁に投げつける。
リングに戻された棚橋はコーナーポストが外され、金具が剥き出しになったコーナーに叩き付けられるが、矢野にフライング・フォアアームを返すと柴田にタッチ。桜庭をエルボーの連打でコーナーに釘付けにすると、串刺し式低空ドロップキック。だが、桜庭もロープに飛ばされるのを拒否すると、引き込んで三角絞め。
しかし柴田は反転して強引に変形のテキサス・クローバー・ホールドで切り返す。YOSHI-HASHIがカットすると、柴田がエルボーで蹴散らすと、桜庭が絡みついてヒールホールド。慌ててロープに逃れた柴田だが、桜庭はガブっていってニースタンプを落としていく。
フロントネックロックからボディシザースで飛び付いた桜庭だが、肩口まで持ち上げた柴田は牛殺しで叩き付けて脱出。だが、桜庭が先に石井にタッチ。エルボーを連打する石井だが、柴田はキチンシンクを返して真壁にタッチ。石井をパワースラムで叩き付けた真壁は串刺しラリアットからコーナーに登ってナックルを落とすと、ダブルリストアームサルトで投げていく。
だが、真壁のラリアットを腕へのラリアットで迎撃した椎井は串刺しラリアットからブレーンバスター。ラリアットの相打ちを繰り返したあと、お互いのラリアットを倒れずに受け止める真壁と石井。最後に打ち勝ったのは真壁だったが、石井もヘッドバットからショートレンジラリアットで真壁をなぎ倒す。
YOSHI-HASHIのエルボーを受け止めた真壁は振り向き様のショートレンジラリアット。タッチを受けた本間は串刺しジャンピングエルボーからフェースクラッシャーで叩き付けると、小コケシを投下。これをYOSHI-HASHIがかわすと、CHAOSはトレイン攻撃。さらにYOSHI-HASHIがバンカーバスター(=変型ショルダーネックブリーカー)からチャクラム(=変型リバースDDT)で叩き付ける。
さらにパワーボムを狙ったが、棚橋がドロップキックでカット。そのまま棚橋は場外の矢野にプランチャ。後藤が入ってきて中邑を蹴散らしたあと、YOSHI-HASHIを牛殺しで叩き付けると、本間にコーナーい登るよう指示。本間は満を持してコケシ(=頭を斜めにして前のめりに落下するダイビング・ヘッドバット)を投下するが、かわしたYOSHI-HASHIは後藤にラリアット。
タッチを受けた中邑は後藤をカンフーキックで吹っ飛ばすと、本間をリバースパワースラムで投げてからボマイェを狙う。しかしスクールボーイで切り返した本間はコケシロケット。だが、中邑がホイップすると待っていた石井がラリアット。そこに中邑がスライディング式ボマイェを叩き込むがカウント2でカットされる。だが、桜庭らが本隊たちを場外に追いやると、中邑が満を持してボマイェを叩き込んで3カウント。
試合後、後藤はなおも中邑に襲いかかり、串刺し攻撃を狙うが、蹴りで迎撃した中邑はコーナー二段目からダイビング・ボマイェを発射。場外まで吹っ飛んだ後藤に向かって中邑はマイクを持つと「殿! 殿ぉ! 殿はいずこへ? オイ、ベルト獲って終わりじぇねぇぞ。ここは天下泰平じゃねぇんだよ、お殿様!」と挑発すると、「それではご唱和お願いします。イヤァオ!」と滾ってみせた。
<試合後コメント>
CHAOS
YOSHI-HASHI「後藤! 俺はお前のアゴと違ってもろくねぇんだ。この左、もう一回かち込んでやる!」
中邑「ヘイ、チャンプ! ヘイ、殿! 静かなんじゃないでしょうか? チャンピオンなんだから盛り上げてくれよ。せっかくの大阪城ホールだぜ。もしかして、ベルト獲って、もう泰平な世の中になりましたか、お殿さま。いつでもかっさらうぜ!」
第5試合
ロメロはブラックタイガーとドラダのハーフマスクを被って入場。「ロッポンギ」コールを煽るロメロだが、「ドラダ」コールが上回る。ロメロの足をすくって倒したドラダじゃその場飛びムーンサルト。すると握手を求めていったドラダ。ロメロは応じたと思わせておいてガットショット。
だが、ロープに飛ばされたドラダはバック転を披露。逆にロープに飛ばされたロメロはロープに飛び乗ってストップ。そこにドラダがドロップキックで飛び込むが、ロメロがかわして場外に転落。すかさずロメロはトペを発射すると、さらにドラダを鉄柱に叩きつける。
どうにかリングに戻ってきたドラダだが、ロメロは場外戦で痛めたドラダの左腕を集中攻撃。さらに放送席のKUSHIDAに見せつけるようにショルダーアームブリーカー。ドラダもチョップを返すが、ロメロは串刺しラリアットフォーエバー。しかし3発目を迎撃したドラダはコルバタで投げて場外に追いやると、ボトムロープを踏み台にしてのブリージョ・ドラダ。
ドラダはリングに戻ったきたロメロに串刺し式低空ドロップキック。さらにエプロンに出てロープ越しにジャンピングキックを叩き込むとコーナーに。しかしロメロは下から殴っていくと、最上段から雪崩式腕十字へ。
何とかロープに逃れたドラダだが、ロメロは左腕へのサッカーボールキックからロープへ飛ぶ。トラースキックで迎撃したドラダだが、ロメロは飛びヒザ蹴りを返すとドラダをロープに振る。ここでロープに飛び乗ったドラダはトペ・レベルサ。エルボー合戦からロメロがドラダの左腕にミドルキック。
そこから飛び付き腕十字を仕掛けるが、ドラダも丸め込む。カウント2で返したロメロは横十字固めで丸め込むがカウントは2。蹴り脚をキャッチしたドラダにジャンピングキックを叩き込んだロメロはトップロープの上に乗せて逆さ吊りにさせてからFromコーナーtoコーナー。
スワンダイブを狙ったロメロにジャンピングキックを叩き込んで動きを止めたドラダは、コーナーからロープ上を走ってからの飛び付き式フランケンで投げると、間髪入れずドラダスクリュードライバー(=ハリケーンドライバー)で叩き付けて3カウント。
<試合後コメント>
ロッキー・ロメロ
「ドラダ! あんなに強かったとは! あの3カウント取られた技には驚かされたぜ。なんて動きだ? ニシザワ、お前知ってるか? そしてKUSHIDA! お前はこのスーパージュニアで優勝しろよ! なんで俺がそう言うか分かるか? 俺はKUSHIDAが最強の敵だと思っているからだ。俺たちは今年中に闘う。だからこそスーパージュニアでのグッド・ラックを祈っているし、大阪での勝利を祈っている。そしてお前がケニー・オメガに勝ったなら、俺はリングに向かっていき次の挑戦者としてのアピールをするよ。フォーエバー! 俺はいつでもIWGPジュニア王者になりたいと願っているんだ! フォーエバー!」
第6試合
コーディ・ホールに肩車されて入場したニック。早速「Su●K It!」と挑発していったニックは追いかけてくるフィッシュに対し、場外を1周して逃げるとエプロンからホールの肩に乗ってそこから挑発。だが、フィッシュはホールにスライディングキックを見舞っていくと、ニックに対して「Su●K It!」。
しかしフィッシュがロープに飛ぶと、場外からホールがエルボー。ニックがストンピングでコーナーに押し込むと、ホールがさらに背後からスリーパー。ニックはスペース・ローリング式引っ掻き攻撃。レフェリーがニックを注意している間に、ホールが場外からフィッシュを攻撃。
エルボー合戦をしながら「Su●K It!」と挑発していったニックにエルボーを叩き込んだフィッシュに対し、トラースキックを返したニック。だが、フラフラのフィッシュがダウンすると、偶然にもニックの股間にヘッドバット。優勢になったフィッシュだが、エプロンに上がってきたホールが引きつけると、ニックが串刺し攻撃を狙う。
これをかわしたフィッシュだが、ニックはショルダースルーでエプロンに追いやる。だが、フィッシュはそのまま場外のホールにトペコンを発射。そこにニックがエプロンまで出てきてランニングローを叩き込むと、さらに飛び付きスイングDDT。レフェリーが場外カウントを数えている間に、ホールはフィッシュを担ぐとバックステージまで連れていく。
この間に場外カウントがどんどん進んでいったが、カウント19でどうにか戻ったフィッシュ。そこにニックが三角跳びドロップキックを見舞って場外に転落させると、エプロンからランニングロー。これをかわして鉄柱に誤爆させたフィッシュはローキックでダウンさせると、リングに戻ってコーナーにエクスプロイダーで投げつける。
さらにバックフリップで叩き付けたフィッシュだが、エプロンに出たニックはジャンピングキック。鉄柱に誤爆した右足が痛そうなニックだが、それでもXファクター(=相手の頭を掴んでジャンプして決める開脚式フェースバスター)を決めると、串刺しニーからランニングロー。
かわしたフィッシュはブレーンバスターを狙うが、着地したニック。だが、フィッシュはドラゴンスクリューで投げると、ランニングローからファルコンアロー。カウント2で返したニックだが、足に絡みついたフィッシュはヒールホールド。これをレッグロールクラッチで切り返したニック。
ニックのエルボーとフィッシュの蹴りが激しくぶつかり合うと、ニックが走り込むがフィッシュは飛びヒザ蹴りで迎撃。そこからファルコンアローで叩き付けて3カウント。
<試合後コメント>
ボビー・フィッシュ
「もう何度あいつらと闘っているのか分からないよ。ただ、いつも言えるのはシンプルな事実だ。俺は常に自分のゲームとすることを心がけ、そしてやつらはそれを阻もうとする。ニック・ジャクソンはタフなガキだ! だがどんなシチュエーションでも問題ない。常に俺は俺の仕事をするだけさ」
――今回のトーナメントでタッグプレイヤーとしてだけでなく、シングルプレイヤーとしての実力も証明しましたね。
「カイル・オライリーと俺はタッグチームとして日本に登場したが、俺たちはただのタッグチームじゃない。最高のタッグチームであり、シングルでも最高のプロレスラーなんだ。ただ自分たちの価値が最高に高まるのはreDragonとしてだと思っている」
第7試合
ヘッドロックに捉えた外道をロープに振ったオライリーはリープフロッグでかわす。しかしロープ際でストップした外道は回転エビ固めを狙う。これを腕十字で切り返したオライリー。エプロンに逃れた外道だが、オライリーはロープ越しにぶら下がり式腕十字。さらにドロップキックで場外に吹っ飛ばしたオライリーは、鉄柱を使って外道の左腕を痛めつける。
リングに戻ったオライリーはなおもアームロックで外道の左腕を攻撃していく。ハンマーロックの状態から右腕をも踏みつけていったオライリーは、ショルダーアームブリーカーからのバックドロップ。
脇腹へのチョップを返した外道はマンハッタンドロップからのDDT。さらに南部式ナックルを叩き込むが、オライリーはカウンター気味のハイキック。しかし外道はオライリーの串刺し攻撃をかわすとヒザ裏への低空エルボー。そこから場外に出て鉄柱にオライリーの足を叩き付けてからぶら下がり式の足4の字固め。
場外カウント19まで足4の字を決め続けた外道は、リングに戻るとヒザへの低空ドロップキックから足4の字固め。必死でロープに逃れたオライリーだが、外道はドラゴンスクリューから足4の字固めを狙う。これを下からのアームロックで切り返したオライリーは、そこから変形腕固めに移行。
何とかロープに逃れた外道だが、オライリーは外道の腕を捻りあげてからの水面蹴り。横にうっちゃるダブルアームを連続で決めていく。「来いよ、この野郎!」と挑発する外道の掌底から飛びヒザを叩き込んだオライリーだが、外道は首固めで丸め込む。しかしオライリーは腕十字で切り返す。
ロープに逃れた外道はオライリーをレフェリーに叩き付けると背後から急所攻撃。さらにコンプリート・ショットからの外道クラッチ。田口を破った必勝パターンだったがカウントは2。スネへのトラースキックから顔面へのトラースキックを狙ったが、キャッチしたオライリーは蹴りからカウンターのラリアットで外道を吹っ飛ばす。
さらに垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けたオライリーは腕十字から外道の足も抱え込むアルマゲドン(=足取り式腕十字)を決めてギブアップを奪った。6勝1敗の12点で公式戦を終えたオライリーは、そのまま5勝1敗の10点で最後の公式戦に臨む田口の試合を見るため本部席に着席した。
<試合後コメント>
外道
「……カイル・オライリーはすごいな。あれはヤバいわ。あれは……あれはすごい。強いわ」
第8試合
ヘッドフォンをして入場したオーエンズに対抗して田口もコードがどこにもささっていないヘッドフォンをしてノリノリの様子で入場。「田口」コールに頷いた田口はオーエンズの足をすくって倒すが、オーエンズは腕十字を狙う。一旦離れた田口は四つの状態から田口の腕をひねっていくが、ロープに飛ばした田口はいきなりヒップアタック。
ニーリフトからエルボーを叩き込んだオーエンズはショルダータックルでなぎ倒すが、田口はカウンターのヒップアタック。これをアトミックドロップで迎撃したオーエンズだが、田口のケツの硬さによりオーエンズはヒザを抑えて悶絶。
すかさずヒップバットを連発していった田口だが、オーエンズがうまくかわしたため田口は場外転落。すかさず場外に出たオーエンズは田口をエプロンに叩き付けると、リングに戻して背後から後頭部にエルボー。さらにショルダーネックブリーカーの体勢からそのまま田口の後頭部をマットに叩き付けると、オーマイ&ガーファンクルポーズで田口を挑発。
田口もカウンターのヒップタックを返すが、オーエンズはフロントキック。ならばと走り込んでのヒップアタックでオーエンズを場外に落としてからノータッチ・トペコンを発射。リングに戻った田口はヒップバットからセカンドロープに飛び乗っての背面アタック式ヒップアタック。
オーエンズも走り込んできた田口をバックブリーカーで叩き付けると、パッケージドライバーの体勢。リバースで切り返そうとした田口だが、回転エビ固めを狙ったオーエンズ。田口はヒップトスを落とすが、かわしたオーエンズはファイアーマンキャリーで持ち上げる。今度小度ヒップトスで切り返した田口はオーマイ&ガーアンクルホールド(=アンクルホールド)。
丸め込みで切り返したオーエンズはレフェリーを盾にしてからドロップキック。だが、キャッチした田口はオーマイ&ガーアンクルホールド。ロープに逃れたオーエンズは、バックドロップの体勢からロープにバウンドさせてからのバックブリーカー。さらにフルネルソンバスターの体勢からのバックブリーカーからスリングショット式コードブレイカー。
そこから必殺のパッケージドライバーで叩き付けたがカウントは2。これに怒ったオーエンズは場外に出てマットを外すと、場外でのパッケージドライバーを狙う。さすがに踏ん張った田口はDDTで叩き付ける。場外カウント19でリングに戻った両者は、マットに両ヒザをついたままエルボー合戦。先に立ち上がった田口はエルボーを連打すると、エルボーを狙ったオーエンズを首固めで丸め込む。
ならばとオーエンズもスクールボーイで丸め込むが、キックアウトした田口は延髄斬りからどどんスズ・スロウン(=どどんの体勢からマットに叩き付ける相手にプリンスズ・スロウン)。滾った田口はエビ反りになると、ボマイェを発射するがカウントは2。田口はレインメーカーポーズのようなオーマイ&ガーファンクルポーズからバックを取るとレインメーカー? ……と思われた瞬間、オーエンズはこれをパッケージドライバーで切り返して3カウント。
この結果、6.7代々木の優勝決定戦はKUSHIDAvs.カイル・オライリーに決定。リングに上がったオライリーは歓喜のガッツポーズ。そこに放送席に座っていたKUSHIDAがジャンピングリングインすると、両者は至近距離で睨み合う。オライリーは時計が止まっているというジェスチャーで挑発してからリングを降りる。マイクを持ったKUSHIDAは「僕はベスト・オブ・スーパジュニア、大好きです。大好きだから一人でも多くの人に見てもらいたい。決勝戦、必ず優勝して最高の試合します。そして代々木の先にもっと大きな会場に、みんなみんな……シェリーも、ケガして休んでいる選手も、他団体で頑張っている選手も、みんなみんな僕がお連れします!」とマイクアピールして締めくくった。
<試合後コメント>
田口隆祐
「……オーマイ、オーマイ、オーマイ・アンド・ガッバーナ。クソ、上の首が、上の首がヤバいよ。上の首がヤバイよ。ヤバいよ。ヤバいよ。ヤバいよ。上の首がヤバいよ。立てない。立たない。上の首が……」
カイル・オライリー
「夢が叶ったよ。子供の頃からプロフェッショナルレスリングを見ていた、子供の頃からニュージャパン・プロレスリングを見てきた俺がベスト・オブ・ザ・スーパージュニアの決勝に出るんだぜ? 信じられないよ(笑)。KUSHIDAとはタッグマッチでは当たってきたけれど、シングルではこれまでなかった。幸運を祈るよ、KUSHIDA! 日曜日、代々木で会おうじゃないか! 世界最高のジュニアヘビーの才能を、日本と世界に見せつけよう! KUSHIDAはこの惑星でも最高のレスラーだよ。彼は寝技もできるし、打撃もできるし、空も飛べるし、タイムトラベルもできるんだぜ! KUSHIDAはなんでもできるんだ。でも俺は優勝してトロフィーを妻が待つ家に持ち帰るんだ。KUSHIDAとはこの階級で誰も見たことのないような試合をする。そしてこのカイル・オライリーがチャンピオンになるのさ(笑)」
KUSHIDA
――決勝の相手が決定しました。
「カイル・オライリー。最高の相手じゃないですかね。新日本プロレスは棚橋、中邑、オカダだけじゃない。新日本プロレスのジュニア。新しい価値観をひとつ打ち出すために最高の相手だと思います」
――今回のリーグ戦では初参戦の外国人選手が多く、世代の入れ替わりを強く感じたのですが、その中でKUSHIDA選手が決勝に出るというのは意味があるのではと思いますが?
「そうですね。去年準優勝で、今度は代々木よりももっと大きな会場でやりたいって言って、それができなくて。もちろんライガーさんに誓った…ライガーさんも、それを見ていたお客さんも全員。もちろんシェリーも、エントリーされたくでできなかった選手も世界中にいっぱいいますよ。そういう選手まとめて、KUSHIDAが代々木よりももっと大きな、もっともっと大きな国技館、もっともっと大きな明るい未来に連れていきたいですね」
――去年の決勝の後には「なんで勝てないんだ。何が足りないんだ」とおっしゃっていたのですが、自分の中でその足りないものというのは見えてきましたか?
「そうですね。この1年。IWGPジュニアタッグでヤングバックス、reDragon、いろいろな選手たちとしのぎを削ってきてひとつ分かったことは、ドングリの背比べじゃ時代は作れないんだ。誰かひとり飛び抜けないと。俺がひとりジュニアで飛び抜けて、時代を、新しい時代を作ります。その第一歩が代々木、あさって必ず優勝して、去年を上回る最高の試合をしてみせます!」