【試合詳細】10・23 サムソン宮本 三回忌メモリアル新木場大会 サムソン宮本vsハルク豊満 アンドレザ・ジャイアントパンダvsスタン小林 オッサンタイガーvsキラー飯、永田ゆうじろう、ミスター包 TOMOYA&"brother"GAKKEYvsマイマッハ隼人&キラウエア佐藤
『サムソン宮本 三回忌メモリアル~遺言~』
日程:2022年10月23日(日)
開始:12:00
会場:東京都・新木場1stRING
観衆:未発表(超満員札止め)
▼タッグマッチ
TOMOYA/●”brother”GAKKEY
17分13秒 横入り式エビ固め
[アロハ隊]マイマッハ隼人/○キラウエア佐藤
▼オッサンタイガー試練の3番勝負
<1人目>
○オッサンタイガー
5分38秒 エアあんかけ攻撃→体固め
●キラー飯
<2人目>
●オッサンタイガー
4分55秒 逆さ押さえ込み
○永田ゆうじろう
<3人目>
○オッサンタイガー
3分45秒 その場飛びムーンサルト・プレス→エビ固め
●ミスター包
▼スペシャルシングルマッチ
●アンドレザ・ジャイアントパンダ
7分55秒 ダイビング・ウエスタンラリアット→体固め
○スタン小林
▼シングルマッチ
○サムソン宮本(TOMOYA)
18分48秒 ダイビング・クロスボディ→エビ固め
●ハルク豊満
サムソン宮本三回忌メモリアルで3年越しの遺言が明かされ最後の弟子・TOMOYAが新根室プロレスの後継者に!アンドレザ・ジャイアントパンダがスタン小林に敗れるも再戦誓う!
オープニング
本部席でサムソン宮本さんが見守る中で開場。
まずはリング上にM.Cマーシーが上がり挨拶を行った。
マーシー「3年ぶりに帰ってきました!本日新木場さんと協議した結果、席の間隔が空いていれば歓声OKということなのでよろしくお願いします!(※大喝采&大歓声)……このまま終わりでもいいですね(笑)ありがとうございます。3年前のこの新木場で、新根室プロレスは解散興行を行いました。そのときにですね、サムソン宮本は観客の皆さんの前で『病気を治して必ず皆さんの前に帰ってくる』と、そう約束しました。しかしですね、2020年9月11日、午後1時29分、その約束は叶えることができなくなってしまいました。しかし、僕たちメンバーはサムソン宮本を嘘つきにはしません。嘘つきにはしたくありません。ちょっとね、思ってたような形とは違ってしまいましたが、サムソン宮本がこの新木場1stRINGに帰って来たぞォ~ッ!サムソン宮本が帰ってきました!よろしくお願いします!(※大喝采&大歓声)ありがとうございます!サムソン宮本がですね、生前から『俺の死んだあとは東京で追悼興行をやってくれ』という遺言をもとにですね、僕たちは色々動いてきました。3年ぶりに、戻ってきました……(※涙声で)。もう泣きそうですね(笑)この新木場で……何言うかホント飛んでますね(笑)皆さんと一緒にね、サムソン宮本に『なかなかアイツらやるじゃねえか』とそう言わせるようなね、大会にしていきたいと思いますので、皆さんのご協力のほど、よろしくお願いします!(※観戦注意事項の説明の後に)写真なんかをね、#サムソン宮本三回忌メモリアル、#新根室プロレスなんて付けてね、SNSに上げていただくと、僕らエゴサーチ相変わらず大好きです。解散しても大好きなんでね、探してね、ニヤニヤ笑いながらお酒を飲むんでね、是非よろしくお願い致します。そしてですね、僕たちはド素人です。プロではありません。完全なド素人です。3年のブランクがあります。全然身体動きません。是非温かい目でね、ホントにね、癒やし動画を見るような温かい目で見ていただければと思っております。よろしくお願いします!3年前、解散興行来たよ~って方、拍手!(※大勢から拍手)前回台風があったから中々来れなかった人もいると思うんですけど、配信やDVDなんかで試合を見たよ~って人!(※拍手)一応聞きますか。会場にも来てない試合も映像で見たこと無いって人、拍手!(※少量の拍手)いいですよ、正直にね(笑)僕たちはそういう人を楽しませたいなーって思ってやってるんで。そういう人たちにはよくわからないかもしれないですけど、楽しんでいただければと思っております。相変わらず僕らはメンタル弱いです!過度なヤジ、メンタルをえぐるようなヤジはやめていただきたいなと思っております。みなさんも、サムソン宮本メモリアルの演者として楽しんでいただければと思っております。みんなで楽しんでいきましょう!よろしくお願いします!」
その後、サムソン宮本さんへ追悼の10カウントゴングとともに観衆が黙祷を捧げ、大会がスタート。
第1試合
先に入場してきたのは新根室の若手タッグ。GAKKEYはその怪力でパイナップルを握りつぶしてリングを果汁まみれにし、ラブライバーのTOMOYAは大量に持ち込んだメガネを観客席に投げ込むファンサービスからサイリウムを点灯させてヲタ芸。
対するアロハ隊の面々は打楽器を打ち鳴らしながら陽気に踊り狂いながら登場し、新木場を南国色に染め上げる。
レフェリーはマーシーが務めることになり、本部席からリングへ移動。
握手を求めるTOMOYAに対し、キラウエアは陽気にはたき落として拒否。
この2人の対面でゴングが鳴り、手4つで組み合うとキラウエアが異様な弱さであっという間に組み伏せられてしまうが、TOMOYAの手に噛みつくことで脱出。TOMOYAはマーシーに抗議するが、その間にキラウエアがセコンドから謎の小包を受け取る。
キラウエアは「TOMOYA!プレゼントフォーユー!トモダチ!トモダチの証!」と小包を手渡す。難色を示しながらも受け取ったTOMOYAが開封すると、中からアロハシャツが出てくるも、子供服サイズで着られそうになくTOMOYAは困惑。
キラウエアが後ろからTOMOYAにアロハを着せていくが、TOMOYAがなんとか袖を通した瞬間にサーフボードストレッチ。両腕がアロハの袖を通っているため振りほどけずにいたTOMOYAだったが、怒りの力でアロハを引きちぎり、ショックを受けたキラウエアが場外へ逃亡。そのまま両者タッチへ。
GAKKEYとマイマッハの対面となると、マイマッハが陽気に踊りながら「アロハチョップ行くぞ!」とアロハ逆水平チョップ。GAKKEYは涼しい表情で受けきって逆水平チョップ一発で吹き飛ばす。マイマッハはアロハ袈裟斬りチョップも、GAKKEYは涼しい表情で受けきってエルボー一発で吹き飛ばす。マイマッハはアロハモンゴリアンチョップも、GAKKEYは涼しい表情で受けきってエルボー一発で吹き飛ばす。これにはマーシーが「(威力が)強すぎる!」と激怒して反則カウントを取り始める。
GAKKEYはショルダータックルを狙ってロープに飛ぶが、マイマッハは陽気に踊りながらひらりひらりとかわしていき、ハワイ式ロシアンレッグスイープ。マイマッハはポンポンを持ち込んでコーナーに上って踊り狂いつつGAKKEYにフットスタンプを見舞っていくが、GAKKEYがコーナーから引きずり下ろしてアトミックドロップ。GAKKEYが観衆にアピールするが、振り向きざまにマイマッハがアロハ目潰し。さらにキラウエアがレフェリーを気絶させるとアロハ隊の面々がリング上へなだれ込み、打楽器を打ち鳴らしながらのハワイ式太鼓の乱れ打ち。
さらにリング上にバンブーダンスセットを持ち込み、GAKKEYに無理やり踊らせるもGAKKEYが足を引っ掛けてしまい転倒。続けてTOMOYAにもバンブーダンスを強行させるも、TOMOYAは軽やかなステップで踊りきり、アロハ隊の面々をドロップキックで一掃。
TOMOYAはGAKKEYとともにキラウエアにトレイン攻撃を見舞い、サイリウムを点灯させてヲタ芸をしてからのキンシャサ。GAKKEYにタッチ。
GAKKEYはキラウエアをランサルセ式のタックルでコーナーに叩きつけ、バナナを食べてパワーアップしてからキラウエアにパイナップルボンバーを叩き込むが、まさかのカウント2。信じられないといった様子のGAKKEYはもう一発パイナップルボンバーを発射うするが、これをかわしたキラウエアがバックを取って横入り式エビ固めで3カウントを奪った。
第2試合
新根室プロレス本部長のオッサンタイガーには試練の3番勝負が課され、シングル3連戦を行うことに。
1人目は、サムソン宮本さんの1周忌大会でデビューした“蒙古飯店”キラー飯(ハン)。鉄製中華鍋をお玉でかき混ぜながら鳴らし観衆を威嚇しながら登場。普段は蒙古飯店という店で鍋を振っていると解説がなされる。
レフェリーがチェックに行くと、飯は中華鍋から目に見えないあんかけ(?)をお玉で振りかけ、レフェリーがあまりの熱さにのたうち回る。
試合が始まると、飯がお玉でエアあんかけをオッサンタイガーに振りかけ、オッサンタイガーがのたうち回っている間は観衆やセコンドにもエアあんかけを振りまいて威嚇。飯は鍋とお玉で器用にオッサンタイガーを起こしてロープに振ってエアあんかけ攻撃。前に向かって放射したり、上から注ぎかけたりと様々なバリエーションを見せる。
飯はオッサンタイガーにマウントを取り、オッサンタイガーの顔で鍋を焼き始めるが、レフェリーが今になって鍋&お玉を凶器とみなして没収。
飯はマウントを取りながらのモンゴリアンチョップ連打からコーナーに上がりダイビング・モンゴリアンチョップを狙うが、ドラゴンリングインのような形で着地。中華鍋&お玉を持って待ち構えていたオッサンタイガーが熱々のエアあんかけをぶっかけ、悶絶する飯を体固めで押さえ込んで3カウントを奪った。
オッサンタイガーが「真面目なプロレスやるぞ!」と宣言する中、2人目の相手として永田ゆうじろうが登場。観衆に「ゼアッ!」「ペイッ!」と青義を貫く敬礼ポーズを取りながら入場し、軽やかにリングイン。コーナーの上に座ってオッサンタイガーを待ち受ける。
ゴングが鳴るとオッサンタイガーが下から打撃を放っていくが、永田が強烈なビンタで反撃し、スワンダイブ式クロスボディを放つも、自身にもダメージがあったか永田は起き上がれなくなってしまう。
オッサンタイガーは逆エビ固めを狙うが、永田が必死の抵抗。オッサンタイガーは永田の両足を持って上下にブンブン振り回して顔面からマットに叩きつけてから逆エビ固め。“コ”の字になるまで反り上げるも、永田はうめき声一つ上げず耐えて見せる。
オッサンタイガーはボディスラムから両手足をパラダイスロックのように複雑に絡めてから体固めに入るが、永田はキックアウトの際にオッサンタイガーの腕を取り、腕ひしぎ十字固めから白目式腕固め。苦悶の声を上げるオッサンタイガーだったが、驚異的なパワーで永田を持ち上げてコーナーに叩きつける。しかし、永田はコーナーを踏み台にスイングDDTで突き刺して即座に反撃。
永田はじっくりとしたヘッドロックで絞り上げるが、オッサンタイガーは超々高速バックドロップで叩きつけ、ハイジャック・ボム式ジャンピングパイルドライバーで本当に垂直落下で脳天からマットに突き刺してしまう。
オッサンタイガーがカバーに入るが、永田が即座にひっくり返してエビ固め。なんとかキックアウトしたオッサンタイガーがもう一度ハイジャック・ボム式ジャンピングパイルドライバーを狙うが、背面着地した永田が逆さ押さえ込みで3カウントを奪った。
オッサンタイガーが「真面目なプロレスやるぞ!」と再び宣言する中、会場スクリーンに大砂厚が映し出され、「オイ!オイ!オイ!新木場の皆さん、新木場の皆さん、お疲れさんよぉお疲れさんよぉ!そっちには行けないけど、代わりに砂の穴から刺客を送った!行くぞ!1!2!3!砂ーッ!」とメッセージが送られる。
砂の穴から送られてきた刺客、3人目の相手は、ミスター包(ぱお)。どこかで見たことのある肌色の長い頭をゆらゆらさせながら不気味にリングインするが、その卑猥にも見えるフォルムに本部席のねね様が大興奮。
オッサンタイガーはチョップを打ち込んでいくも、包にはノーダメージ。逆に遠心力の効いた強烈なヘッドバッド一発でダウンさせられてしまう。
包はオッサンタイガーをコーナーに叩きつけてヘッドバッドを連打し、小こけし。オッサンタイガーは2発目の小こけしをかわしてバックを取るが、包は後方へ頭をぐにゃりと振ってのヘッドバッドを叩き込んで脱出。さらに串刺しヘッドバッドを狙っていくが、オッサンタイガーがかわしてソバットを叩き込み、頭を引きちぎってしまうと、なんと頭の中からボウリングの玉が出てくる。
オッサンタイガーはスイングDDTから掌底コンビネーションからのソバットを叩き込み、その場飛びムーンサルト・プレスを決めて3カウントを奪った。
第3試合
幾度も死闘を展開してきたアンドレザとスタン小林。2人はこれまで3回闘っており、アンドレザが2勝1無効試合と無敗。今回が4度目の対戦となった。
小林はブルロープで本部席のマーシーを襲撃し、サムソンさんの遺影に見せつける。
アンドレザは以前よりもさらに身体を大きくして登場。
オッサンタイガーに先導されてアンドレザがリングインすると、小林が奇襲をかけてゴング。その巨体をボディスラムで投げようとするがアンドレザは腰を落として耐え、ベアハッグならぬ熊猫ハッグ。
小林がサミングで脱出すると各種チョップで立ち向かっていくが、アンドレザは熊猫クローから裏拳を叩き込む。
小林がブルロープを持ち込もうとするとレフェリーが必死に止めに入るが、アンドレザの串刺しボディスプラッシュに巻き込まれてしまい昏倒。
小林はオッサンタイガーから笹を奪うと、「お客様、すみません!お客様の中で竹を持ってくれるお客様はいませんか?!いましたら、先着1名!」とお客さんの協力を募り、一般女性に笹でアンドレザの気を引くよう要請。アンドレザが笹を食べようと必死に手を伸ばしている中、小林が竹の棒でアンドレザの背後から強烈な一撃。バタリと倒れ込んだアンドレザを腕固めで追撃し、さらにギロチンドロップまで見舞うとアンドレザはあまりのダメージでペチャンコになってしまう。
観衆からの熱い声援を受けてムクムクと立ち上がったアンドレザは、2階からのヘッドバッドからパワーアップした3階からのヘッドバッド。さらにジャンプして放つ4階からのヘッドバッドを叩き込み、ジャンピング・ボディプレスで圧殺するもまさかのカウント2。
小林はウエスタンラリアット3連発でアンドレザにヒザをつかせ、カモイェを炸裂。さらにコーナーに上がり、アンドレザの後頭部へダイビング・ウエスタンラリアットを叩き込んで3カウント。小林が初勝利を収めた。
小林「アンビリーバボー!アンビリーバボー!ちょっと、スタン小林でいるの疲れた。ちょっと、余は1分だけ小林に戻る。例えば、死ぬ直前、あなたはどんなことを思い出しますか?死ぬ直前、とある方は『小林とパンダの試合をもう1回見たい』と遺したそうです。正直俺は思いました。『気持ち悪い』と。けど、リングに上って思いました。リングにはすべてがあります。私は光栄な役目を授かったんだと。空から見てる、とある人……勝っちゃったよ、俺。勝っちゃったよ!けどな!けどな!けどな!アンドレザ・ジャイアントパンダ、日本語は理解できるか?俺はまだ1回しか勝ってないぞ!(アンドレザは)2勝1敗だ。ネクストは、あるッ!今日、声出しOK?俺、根室プロレス初参戦なんですよ。根室プロレス!結構愛に溢れてる感じですね!(※本部席から「小林さんすんません、新根室プロレスです」と訂正)あっ!新根室プロレス!(笑)いっぱいいっぱいでした!皆さん、セミファイナルですけど、中締め的に。右の拳を握りしめてください。今頭に思い浮かんだ言葉、全力で行きましょう!新根室プロレス、サムソン宮本!愛してま~~~す!!」
第4試合
メインイベントのカードとして発表されたのは、サムソン宮本vsハルク豊満のシングルマッチ。3年前の新木場大会のメインと全く同じカードだが、二度と実現することが出来なくなってしまったカードであっただけに場内からはどよめきが起きる。
『スカイハイ』が鳴り響く中、サムソン宮本が入場。ロープを飛び越えてズッコケながらのリングインと在りし日の姿そのものを見せると、場内はサムソンコール一色に染め上げられる。
ゴングが鳴ってもサムソンが観衆に手拍子を煽り続けていると、しびれを切らしたハルク豊満が一撃。
サムソンは命乞いしながら握手を求め、ハルク豊満がこれに応じるとヒザへの関節蹴り。さらにコーナーへ振っていくが、追走している間に追い越してしまい自身が串刺し攻撃を食らうという往年のムーブを見せ、地獄突きの連打からアフロヘッドバッド。ハルク豊満が場外へエスケープすると、「行くぞ!サムソンスペシャル!」と側転してからのトペ・コンヒーロを狙うもロープに引っかかってセルフでロープスタンガンを食らう形になるという往年のムーブ。ハルク豊満に場外で客席にぶん投げられると、なぜか好みの女性客の懐へ頭から突っ込んでいってしまうというこれもかつて見た風景が展開される。
リングに戻ると、身体を大きく使ったロックアップで組み合い、ハルク豊満がヘッドロック。サムソンがロープに振ってドロップダウンも、ハルク豊満が踏みつけながらロープワーク。しかし、サムソンはカニバサミでハルク豊満を倒すと、サムソンカンチョーでハルク豊満の直腸にズブリと直接攻撃。観衆からの「もう一発!」のコールに合わせて二発目を放ち、指の匂いを嗅いだレフェリーとサムソンが卒倒。
サムソンは郷ひろみ式ストンピングを連打していき、ロープに飛ぶもハルク豊満がビッグブートで迎撃。さらにハルク豊満がロープに飛ぶが、サムソンはフライング・クロスチョップで迎撃。さらにクロスチョップ連打からフライング・クロスチョップを見舞い、リストロックに捕らえてから「いいか!本物のプロレスを見せてやる!」と往年の決めセリフからサムソン渡りを行うが、案の定足を踏み外してロープに股間を痛打。
ハルク豊満は「Are you サムソン?コイツ、本当にサムソン?」と疑いの言葉を投げかけ、ビッグブートからレッグドロップ。ハルク豊満は「You are FAKE!ニセモノ!ホンモノじゃない!」と断言しマスクを剥いでしまうと、なんとその正体はTOMOYAであったことが判明。ハルク豊満はグロッキー状態のTOMOYAにアックスボンバーを叩き込みKOしてしまう。
レフェリーのロス三浦が「誰かーッ!TOMOYAが失神してるぅ~!誰かお医者さん呼んでぇ~!」と悲痛な声で叫ぶと場内が暗転。
会場スクリーンには、在りし日のサムソンが活躍する映像から、TOMOYAの幼少期から今に至るまでの写真がスライドショーのような形で映し出される。
そして、「サムソン宮本さん、あなたに近づきたくて新根室のレスラーに憧れ、何度も何度も入団希望を却下され、社会人になって夢が叶った。あなたに近づいた気がした。あなたと一緒にいるのが楽しかった。自信を持てるようになった。でもサムソンさん……僕はあなたになれませんでした。でも、それでいいんです。僕は僕。TOMOYA。僕はTOMOYA。サムソンさん、見ていてください。俺、やります!」とTOMOYAの心境が語られる。
場内に明かりが戻ると、場内は涙声での大・TOMOYAコールに包まれる。
TOMOYAは雄叫びを上げながら立ち上がり、サムソンさんのコスチュームのパンツ部分を脱ぎ捨てTOMOYAとしてのコスチューム姿に。ハルク豊満にエルボーでふっとばされながらも倒れず食い下がり、エルボーを連打。
ハルク豊満がTシャツをビリビリと破いてハルクアップし「YOU!」と人差し指を突きつけると、TOMOYAもメッシュシャツを破り捨ててサムソンアップし「YOU!」と叫んで地獄突きを連打。
さらにドロップキックで追撃し、「新木場に!メガネの雨が降るぞ~ッ!」と叫び、メガネが大量に詰まった箱をひっくり返してメガネを浴びる。TOMOYAが「もっとメガネを!俺にメガネを!」と叫ぶと、観衆はTOMOYAが第1試合の入場時に振りまいていたメガネをリング内に投げ込んでパワーを与えていく。
TOMOYAはサムソン式のヘッドバッドを連打してからメガネの山の上にサムソンドライバー。さらに3年前の新木場でサムソンさんがハルク豊満を沈めた技であるダイビング・クロスボディを決め、3カウントを奪った。
マイクを取ったTOMOYAが「生前、サムソン会長が、『もし俺が亡くなったら……」と語り始めると場内が暗転。スクリーンに在りし日のサムソンさんによる遺言ビデオメッセージが流される。
サムソン宮本(映像)
「TOMOYA、よく頑張ったな。全部見てたぞ。お前が小さい頃、初めて見たプロレスが新根室。それから新根室が好きになって、中学生のとき、『新根室に入りたい』と俺のもとを訪ねてきて断られ、高校生になってまた『新根室に入りたい』と俺のもとを訪ね、断られ、高校を卒業してからまた諦めず俺のところに来て『新根室に入りたい』と言ってきたTOMOYA。俺は嬉しかった。『本当に新根室が好きなんだな』って思った。新根室に入って、ドロップキックの練習をしてたときに、いくらやっても出来ないと悩んでいたお前が、今、ここまでやってくれてること、俺は本当に嬉しい。本当に感謝してる。TOMOYA、ありがとう。会場にいる皆さん、約束通り、私は新木場に戻ってきました。サムソン宮本は、死んではいません。皆さんの心の中にずっと、ずっと生き続けています。人生1度きり。やりたいことをやれ。カッコ悪くてもいい、馬鹿にされたっていい。いつか分かってくれる。Don’t give up!Do your best!TOMOYA、新根室プロレス、お前に任せたぞッ!」
TOMOYA「今日試合をして、俺はサムソン会長のマスクを被りましたが、俺はサムソン会長にはなれないと思いました。でも!俺は一歩でもあの人に近づきたい!一歩でも近づいて、もっとお客様を楽しませたい!それがあの人への一番の恩返しになるんじゃないかと思います!サムソン会長の熱い意志、新根室魂は俺が引き継ぎます!今日は本当にありがとうございました!みんな上がってきてください!」
出場選手たちがリング上に集結。サムソンさんの弟でもあるオッサンタイガーがマイクを取る。
オッサンタイガー「本日は、皆様ご来場いただきまして誠にありがとうございました。本来でしたら、昨年ここ新木場で追悼イベントを演る予定だったんですが、コロナの状況もあり、泣く泣く開催を断念せざるを得ませんでした。3年前にサムソン宮本が皆様の前で約束した、『新木場に必ず帰ってきます』。この約束をどうしても僕たちは果たしたくて、叶えたくて、1年間、新根室プロレス全メンバーが準備と練習を、1年間ずっと続けてきました。そして、本日、無事開催にたどり着くことが出来ました。本当に、誠にありがとうございました!代表が亡くなり、2年が経ちました。今年3回忌ですね。とにかく、亡くなってからの新根室プロレス、すごく大変な状況がずっと続いておりました。こんな私みたいな頼りない本部長ですが、みんな一生懸命支えてくれ、着いてきてくれ、サポートしてくれ、本当に助けていただきました。メンバーのみんな、ありがとう!(※涙で声をつまらせる)先日、私事ですが、父親も亡くなりまして、奇しくも兄・サムソン宮本の命日の1日前でした。正直、もう、何度も何度も、今回の大会、挫折しそうになりましたが、メンバーが僕を支えてくれ、サポートしてくれ、助けていただきました。僕は本当に、この新根室プロレスが大好きです!この新根室プロレスが僕は日本で一番素晴らしい社会人プロレスだと思っております!本当に皆さん、ありがとうございました!(※うつむきながら頭を振り、何かを振り払うような仕草)……何言うか忘れちゃった!(笑)なんだっけぇ~。じゃあいつもの行きますか!新根室の、『無理しない!ケガしない!明日も仕事!』、やっていいですか!皆さん!やっていいですか!やりますか!それでは今日は、僕じゃなくて、TOMOYA!お前に任せたぞ!」
TOMOYA「それでは僭越ながらやらせていただきます!人生つらいこと、楽しいこと、色々あるけど、アンドレザ・ジャイアントパンダと、今日の試合と、そしてサムソン宮本との思い出を胸に!明日から頑張って行くぞ~ッ!無理しない!ケガしない!明日も仕事~~ッ!本日は本当にありがとうございました~~ッ!!」