【試合詳細】4・3 春輝つくし自主興行 春輝つくしvs真琴 朝陽&バニー及川&Yappy&松下楓歩vsマドレーヌ&石川奈青&咲蘭&キク 春輝つくし&藤本つかさvsトトロさつき&青木いつ希
春輝つくし自主興行『ハルカゼ~12年の想いを込めて~』
日程:2022年4月3日(日)
開始:17:30
会場:東京都・新木場1stRING
観衆:168人
▼シングルマッチ15分1本勝負
●旧姓・広田さくら(WAVE)
11分36秒 スクールボーイ
○春輝つくし
▼春輝つくしコスチュームタッグマッチ20分1本勝負
真白優希/○星ハム子
14分21秒 ハムカゼ
藤本つかさ/●梅咲遥(ディアナ)
▼タッグマッチ20分1本勝負
[ドロップキッカーズ]春輝つくし/○藤本つかさ
9分57秒 ビーナスクラッチ
●トトロさつき/青木いつ希(ショーンキャプチャー)
▼8人タッグイリミネーション30分勝負
○朝陽/バニー及川/Yappy/松下楓歩
18分31秒 ビクトリーサンライズ
マドレーヌ(ディアナ)/●石川奈青/咲蘭/キク
【失格順】
①×Yappy(4分01秒 でんでんむし)咲蘭○
②×咲蘭(6分46秒 横入り式片エビ固め)楓歩○
③×キク(9分30秒 ヨーロピアンクラッチ)バニー○
④×バニー(11分05秒 片エビ固め)マドレーヌ○
※マドレ投げ
⑤×マドレーヌ(14分10秒 ダブルリスト・アームサルト)朝陽○
⑥×楓歩(15分39秒 タチアガール)石川○
シングルマッチ15分1本勝負
○水波綾(11分22秒 片エビ固め)星いぶき×
※ホットリミット
▼シングルマッチ19分1本勝負
△春輝つくし
19分時間切れ引き分け
△真琴(フリー)
引退を控えたつくしが自主興行で1日3試合の大車輪!真琴との19分1本勝負はドロー!ドロップキッカーズで快勝!広田さくらとの死闘に激勝!
オープニング
つくしが左腕を吊ったラム会長と共に入場。会長が昼間のOZアカデミーの試合で手首を痛めたことを語り、第3試合に予定されていたつくしと会長のタッグが急遽、変更となり、会長の代わりに藤本が入ることが発表された。最後はつくしと会長が揃って大会のスタートを宣言。
第1試合
全6試合中3試合に出場するつくし。最初で最後の自主興行のオープニングマッチは主役であるつくしと、広田のシングルマッチ。予想通り、つくしのコスプレで登場した広田は要所要所でつくしのムーブをみせつつ、つくしには広田ムーブを要求する。広田式の拝み渡りは2度目のトライで成功したつくしだが、仰向けの広田が要求する高田純次は渋々OKしたものの、高田ムーブからフットスタンプを決めるなど、オリジナルも加えていく。さらにつくしは広田のふらふらどーんも披露。そしてクライマックスはボ・ラギノールの仕掛け合い。先に仕掛けたのは広田だが、つくしもきっちりと反撃に出ると、最後もボ・ラギノールからのスクールボーイでつくしがカウント3を奪った。
第2試合
アイスリボン恒例のコスチュームチェンジマッチがつくしの自主興行で組まれた。真白がつくしのコスチュームは今回が初。藤本と梅咲もつくしのコスチュームを着用。これまでつくしのコスチュームがパンパンだったハム子がぴったりサイズになっていたりと、入場から盛り上がりを見せた一戦はフォールに入る際はつくしの技限定というルールも加わり、4選手がそれぞれのムーブを見せながらも、つくしの技も取り入れていく攻防となった。そしてフィニッシュを決めたのがハム子。ラ・マヒストラルを梅咲にキックアウトされると、なんとハルカゼならぬハムカゼをきっちりと決め、大きなどよめきの中、カウント3を奪った。つくしが引退、藤本が休業という状況の中、ベテランのハム子が健在ぶりを強烈にアピールした一戦だった。
第3試合
ラム会長の欠場で急遽、実現することになったドロップキッカーズのタッグ戦。このタッグチームもまた、つくしの歴史を語る上では外せないタッグでもある。インターバルもなく、2試合連続の出場となった藤本はつくしのコスチュームのまま試合に臨み、重量級のパワータッグであるトトロ&いつ希に対して、疲れをみせることなくドロップキッカーズらしいスピーディな動きを見せた。トトロといつ希もタッグチームらしい好連係やタッチワークで応戦するが、鉄壁のドロップキッカーズのタッグプレーをしのぐことはできず。最後はトトロが藤本を動くこと雷霆の如しに決めようとするところを、つくしがカットに入ると、トトロといつ希を同士討ちにし、ダメージの残るトトロを藤本がスモールパッケージホールド、そしてビーナスクラッチと畳みかけ、フィニッシュした。
第4試合
テキーラ沙弥引退後、P's Partyのプロデューサーになったことがつくしをプロレスラーとして、さらに大きく成長させた。そのP's Partyが自主興行で一夜復活。ピースパメンバーによるイリミネーション8人タッグが実現した。久々にピースパの入場曲が流れ、8選手が入場。試合は朝陽組の奇襲から始まり、両チームがほぼノータッチでリング上、リング下で攻防を展開するめまぐるしい戦いが続く中、まず咲蘭がYappyをつくしから受け継いだでんでんむしで決めると、両チームのフォール合戦が続き、最後に残ったのは朝陽、楓歩に対し石川の3選手。なんとか楓歩をタチアガールで下した石川だが、前日につくしのICE×∞王座挑戦権をモノにし勢いに乗る朝陽が、裏拳からのビクトリーサンライズで石川を下し、勝利をモノにした。
第5試合
前日の横浜リボンで朝陽に敗れ、つくしのICE×∞王座への挑戦はならなかったものの、つくし引退後のアイスリボンにおいて、いぶきに懸かる期待は大きい。つくし自主興行のセミに組まれたのが、そのいぶきと水波の初シングルマッチ。いぶきが自ら望んだカードをつくしがプレゼントする形となった一戦は、序盤からいぶきが積極的に逆水平チョップを叩き込んでいった展開に。このいぶきのチョップを逃げることなく真正面からすべて受けて立った水波は、重み十分のチョップ、さらにコーナーに詰めてのチョップ連打で応戦。いぶきも臆することなく、チョップをさらに連打し、激しいド迫力の一戦となった。最後はパワーで勝る水波がラリアット、スピアーからホットリミットでフィニッシュしたが、試合後、笑顔でいぶきに握手を求めるなど、いぶきが水波に自らの存在を刻み込んだ。
第6試合
つくしのデビュー当時、すでにアイスリボンで特異なキャラクターで存在感を見せていたのが真琴だ。4年先輩にあたる真琴にデビュー翌年の4月、つくしはIW19王者として真琴の挑戦を退けている。試合はその頃の19時プロレスを思わせる19分1本勝負で行われ、さらにレディリンの泉井弘之介の実況とGENTARO、リ・コウジがゲスト解説が、そのまま館内放送として流れる中での一戦となった。ロックアップでスタートした一戦は身長で勝る真琴が体格差を活かしての攻めを見せて、優位に進めていく。つくしは真琴の技を浴びながらも切り返しやスピーディな動きで応戦するが、真琴を場外に落としてのプランチャは真琴にかわされ自爆。さらに場外で真琴の追撃を受けると、真琴がマネジャーの松澤さんを呼び込む。YMZのリングではプロレスの試合経験もある松澤さんは、リング上でつくしに自身のアイテムである長ネギをフルスイング。ネギ臭をリング上にぶちまけると、これを受けた真琴の追撃が続く。苦しい展開を強いられたつくしだが、この展開は逆に、受け身にも定評があるつくしの攻めではなく、守りの強さを感じさせる一戦にもなった。もちろん、エルボー、ドロップキックを始めとするつくしのムーブも存分に見られたが、19分の試合時間が結果的にはあだとなったか、試合内容は濃かったものの、つくしがフィニッシュ技であるハルカゼ、ラ・マヒストラル、スープレックを出すことなく、試合はドローに終わってしまった。
試合後、マイクを手にしたつくしは 「19分ドロー、悔しいけど…プロレス楽しい!真琴さん、今日のオファー2回も断ったけど…3回目でようやく受けてくれて本当に嬉しかったです。『私なんてつくしちゃんのメインにふさわしくない』って。弱気入ってるところ、いい意味で昔と変わらないですね、真琴さん。本当にありがとうございました。引退前に最初で最後の自主興行、どうしてもやりたかったです。こうしてたくさんのお客さんが来てくれて、自分のために動いてくれた社長やスタッフのみんな、そして大好きな仲間。そして、二つ返事でオファーを受けてくださったリ・コウジさん、松永さん。ピースパの時からお世話になってる泉井さんと石黒さん…(セコンドの「GENTAROさんは?」の声に)分かってますよ、言われなくたって。分かってるよ!アイスリボンのために何かできないかって連絡をくれたGENTAROさん、ホントにみんなに支えられて12年間プロレスラーとして生きてきました。私はプロレスを辞めてもきっとプロレスが大好きなので…死ぬまで、プロレスが大好きです!だから、悔いが残らないように5月4日、ICE×∞のベルトを必ず防衛して、最強な春輝つくしのまま引退したいと思うので、5月4日まで応援よろしくお願いします!プロレスが大好きということで、最後は自分が『プロレスー!』って言うので『大好きー!』で締めたいと思います。参戦したメンバー上がってきてください。やっぱりみんなと締めたい。(参加選手が揃い)本日は春輝つくし、最初で最後の自主興行、本当にありがとうございました!自分がプロレスっていうので、大好きでお願いします! いきますよ。プロレスー!大好きー!ありがとうございました!」とつくしが締め、つくしにとって最初で最後の自主興行を終えた。
<試合後コメント>
春輝つくし
つくし「今日にいたるまでにいろんな人が動いてくれて、支えられて自主興行ができました。本当にプロレス大好きだなって思いますね。そんな大好きなプロレスに出会えて自分は幸せだし、大好きなままプロレス人生を終えられるっていうのが本当に嬉しいですね。GENTAROさんだったり、リ・コウジさんだったり、松永さんだったり、自分のデビューしたての頃をみんなに思い出してほしくて。知らない人は『こういう時代もあったんだな』って知ってほしくて、12年の思いを込めて開催させていただきました。 本当に楽しかったです。そうですね、真琴さんにもオファーを断られて…でも絶対、そのポジションは真琴さんがいいので、熱いメッセージをたくさん送ったら快くOKって言ってくださって。そういうところはいい意味で昔と変わらないんだなって思いました。プロレス、アイスリボンに対して、このベルトを防衛して最高のまま引退をするということを歴史に残すことがアイスリボンに対しての恩返しかなと思うので、必ず防衛して、最強のまま引退をしたいと思っています。」
―――このタイミングでの真琴選手とのシングルはいかがでしたか?
つくし「19分っていうのは、19時女子プロレスを思い出させる分数で、IW19のベルトも懸けて大阪で試合をしたりとか、本当にいろんなことを基礎から教えてくださったのが真琴さんなので、なんか、先輩なんですけど…これ言うのも違うと思うんですけど、本当に真琴さん強くなったなって思いますよ(笑)。そんな強い真琴さんと戦えてよかったです。でも19分ドローは悔しいのでね、勝って終わりたいなって思うので、あと1ヵ月しかないですけど時間があればまた対戦したいなと思ってます。」
―――19時女子プロレスのテイストを持ち込んだのは、昔を意識してのものですか?
つくし「そうです。昔、コメンテーターにGENTAROさんとリ・コウジさんがいてくださって、松永さんがレフェリーをやって、そういう絵を作りたかったので、みんなに見てもらえてうれしかったです。」
―――真琴選手との思い出は何かありますか?
つくし「たぶん一緒にいた時間が長かったのが真琴さんで。夏合宿とか冬合宿とか、すごい練習をずっと見てくださったのが真琴さんなので。1年しか被ってないんですよ。もっと長い年月一緒にいたと思ったんですけど、1年しか被ってなくて。でもこうして道は分かれてもこうやってまたつながるんだよっていうのを見せられたんじゃないかなと思います。あー、勝ちたかったです。」
―――引退への実感は湧きましたか?
つくし「この前の大阪大会も最後だったし、昨日の横浜リボンも最後だったし、最後って言うのが続いてくると、だんだん実感が湧いてくるなって思ったんですけど…。きてますね。実感湧いてきました。本当にいなくなっちゃうんだなって思いますね。でも大好きな気持ちは変わらないので、何があってもプロレスが大好きですね。じゃあなんで辞めるんだよって話なんですけど(苦笑)、また新しい道に進みたいので。」
―――今日の自主興行は思い通りの大会にできましたか?
つくし「広田さんの試合から始まり、メインは真琴さん。なんか、裏で歓声とかを聞いていると、すごい盛り上がった感じだったので。本当にみんなが作り上げてくれた大会だったなと思います。」
―――広田選手との試合に関しては?
つくし「覚えてないです、 面白すぎて(笑)。あの方、本当に面白いですね。あんな感じなんですね(笑)。でも、コスプレした広田さんとは初めてのシングルだったので、図々しくお願いさせてもらったんですけど。もう悔いなく引退ができそうです。」
―――急きょ藤本選手とのドロップキッカーズも実現しましたが…
つくし「ラム会長とタッグを組んでやりたかったんですけども、怪我ということで。でもレネミー興行があるので、そこで会長とはやらせていただいて。ドロップキッカーズvsさつきいつ希のタッグもたぶん今日が最後だと思うので。こういう形になってしまったんですけど、できてよかったなと思います。このカードが、ラムさんが欠場になったことによって、つっかさんにオファーをさせていただいたら二つ返事で『分かった。やるよ』って言ってくれて。本当に頼りになる大好きな先輩だなって思いました。ありがとうございました。プロレス大好きだ~!」