【インタビュー】『プロレスって生活になくても問題ない』のか?ビリーケン・キッドが『絶対必要なもの』だと証明する無料興行開催に向け奮起!
- 2020-10-14
- コラム, ニュース
- プロレスリングアンサー
NPO法人プロレスリングアンサー理事長のビリーケン・キッドが、地元・兵庫県川西市での無料興行開催に向けてクラウドファンディングを行っている。
アンサーは『プロレスラーができることはリングで戦うことだけではない』というモットーのもと、高齢者や障がい者施設、保育園等を無償で訪問し、今までに350以上の施設をまわっている。
一昨年より65歳以上の方、保育園に通う家族、障がい者の方は無料で観戦できる興行を開催し、プロレスを見た方々に夢と元気と笑顔を伝えてきたビリーケン・キッド。今回新型コロナウイルスで様々なイベントが中止になるなか、知人に言われた『プロレスって(生活に)なくても問題ないですよね?』という言葉をきっかけに、『絶対必要なもの』だという決意のもと、日本全国から配信で見ることが可能な無料興行の開催を発表した。
今回の無料興行『川西プロレスまつり2020』にかける思いを、ビリーケン・キッド本人に語ってもらった。
<クラウドファンディング:『地元川西からプロレスで全国に元気を届けたい』>
https://camp-fire.jp/projects/view/331396
――川西プロレスまつりを始めた経緯を教えて下さい
「2011年当時大阪プロレス所属選手だった僕は大阪から兵庫県川西市に引っ越してきました。市内の大きな施設である川西市総合体育館を見て『川西の皆さんにここでプロレスを見てもらいたい』と思い、受付で『ここでプロレスできますか?』と聞くと『前例がないのでできません』と即座に断られました。2014年に12年間所属していた大阪プロレスを退団し、川西市文化会館という施設が老朽化により移転すると聞きダメ元でプロレス開催を希望すると『OK』の返事が!2016年12月についに『川西プロレスフェスティバル』を開催し、大会当日は1,000人の観衆が詰めかけ大盛況。見た目には大成功の大会でしたが…実は7割がご招待のお客様で収益的には大失敗。『お世話になっている方に楽しんでもらいたい』と息子の通っていた保育園の父兄、先生(未就学児、65歳以上無料)、近隣の保育園の父兄、障がい者を招待し『みんなプロレスに興味ないから無料でも来ないだろう』と思っていたら700人の招待客が!会場には子供達の『大ビリーコール』が沸き起こりましたが、すでに興行収入的に大失敗とわかっていた僕には子供達の大歓声は全く聞こえませんでした。『あまり盛り上がらなかったな…』と肩を落としながら控え室に戻ると、『凄い歓声でしたね!ヒーローショーみたいでしたよ!』と選手から言われても信じられず。毎年川西でプロレスを開催しようよ思ってましたが『もう2度と川西でプロレスはできないな…』と落ち込みました。
翌年、川西市商工会青年部に誘われ、どんな活動をするのか知らないまま青年部に入部。川西最大のお祭り『川西まつり』で川西のゆるキャラ・きんたくんとリング上で対戦。僕が負けた瞬間、涙を流す子供たちもいました。川西を盛り上げようと活動する青年部に参加する中で、改めて川西の温かさに触れ『もう一度川西でプロレスをやりたい!プロレスで川西を盛り上げたい!』という気持ちが湧いてきました。
2018年春に8年ぶりに総合体育館にプロレス開催の申請に行くと『市役所に行って下さい』と。市役所に行くと『企画書を持ってきて下さい』とあちこち回されましたが、青年部をはじめ川西に住む沢山の方に協力を頂き、2018年12月23日、数年前は使用できなかった川西市総合体育館で『川西プロレスまつり2018』を開催。会場には約800人のお客様が詰めかけ大盛況(65歳以上、障がい者、一部の保育園は両親も無料)。収益の一部を川西市社会福祉協議会に寄付することができました。この時『いつか川西で入場無料のプロレス大会を開催して川西に恩返ししたい』と思いました。
昨年開催した『川西プロレスまつり2019』には前年同様、青年部はじめ川西の皆様に沢山ご協力頂きました。僕が『川西プロレスまつり』という大会名にしたのは、川西最大のお祭り『川西まつりと並ぶお祭りに定着させたい』との想いからつけました。残念ながら今年は予算の都合で川西まつりは開催されないことが早々に決定し、その後コロナの影響で全国の様々なイベントが中止に…『いつか川西で入場無料のプロレス大会を』の『いつか』とは『今』だと思い開催を決意しました。
今年ついに入場無料の『川西プロレスまつり2020』を開催します。会場に来れない方はYouTube、ツイキャス無料生配信でご覧いただけます。是非日本全国の方にご覧いただけましたら嬉しいです」
――川西にこだわる意味とはなんなのでしょうか?
「10年前に誰も知り合いのいない川西に引っ越し、2年後に長男が生まれました。4年前に青年部に入り、川西の人のつながりが一気に広がりました。町を歩いていると偶然青年部の仲間に会ったり、家族で家に招待して頂いたり。『川西を盛り上げよう』と様々なイベントを企画、開催していく青年部の一員として活動する中で川西に対する愛情が益々大きくなっていきました。フリーとなり金銭的に不安を抱えていた僕が今もプロレスができるのは、青年部の仲間のおかげです。青年部のみんなに、そして川西に恩返しがしたい。僕ができることは、プロレスをみんなに見てもらい『プロレスで川西を元気にすること』だと思っています」
――なぜ今このコロナ禍で開催しようと思ったのでしょうか?
「川西に住む皆様をはじめ、他府県に住む皆様のおかげで2年続けて『川西プロレスまつり』を開催することができました。緊急事態宣言が解除され、たくさんの方から『今年も(川西で)プロレスやるの?』と聞かれました。様々なお祭り、イベントが中止になり人々から『娯楽』が失われていき、大切なものが失われつつあります。ある日、知り合いから『プロレスって(生活に)なくても問題ないですよね?』と聞かれました。その方がどの様な意味で言ったのかわかりませんが、咄嗟に『そうですね』と答えた自分が情けなくなりなりました。僕が23年間命がけで戦っているプロレスは『なくてももんだいないもの』なのか?違う!プロレスは『絶対必要なもの』だ!
僕は幼い頃、初代タイガーマスクを見て夢と希望を頂きました。今度はプロレスラーになった僕が『夢と元気と笑顔』を皆様に届けます。そのために会場に来れない方にも見ていただけるようにYouTube、ツイキャスで無料生配信することにしました。ですが僕一人の力では開催は出来ません。そこでクラウドファンディングで開催資金を募ることにしました。同じ思いを持っていただける皆様、ご支援のほど何卒よろしくお願い致します!ご支援頂いた皆様と共に、川西プロレスまつりから夢と元気と笑顔を世界へお届けします!僕たちは出来る!」
『川西プロレスまつり2020』
日程:2020年11月23日(土)
開始:13:00
会場:川西市総合体育館
配信:Youtube『公式チャンネル九州プロレス』/ツイキャスにて無料配信
<参戦予定選手>
ビリーケン・キッド(プロレスリングアンサー)/グルクンマスク(琉球ドラゴンプロレスリング)/ハイビスカスみぃ(琉球ドラゴンプロレスリング)/美ら海セイバー(琉球ドラゴンプロレスリング)/首里ジョー(琉球ドラゴンプロレスリング)/木高イサミ(プロレスリングBASARA)/関根龍一(プロレスリングBASARA)/下村大樹(プロレスリングBASARA)/空牙(道頓堀プロレス)/三原一晃(道頓堀プロレス)/めんたい☆キッド(九州プロレス)/影山道雄(チームでら)/織部克巳(プロレスリングチャイエス)/ツバサ(フリー)/政宗(フリー)/タコヤキーダー(フリー)/アルティメット・スパイダーjr(フリー)/くいしんぼう仮面(フリー)/etc...