【試合結果】3・18 ASUKA PROJECT後楽園ホール大会 篠瀬三十七&田中将斗&高橋匡哉&仲川翔大vsTAJIRI&児玉裕輔&勝俣瞬馬&ジョシュ・オブライエン 瀧澤晃頼vs新井健一郎 藤波辰爾&松田慶三&國崎康生vs藤原喜明&藤原ライオン&佐野直 船木誠勝&真霜拳號vs鈴木秀樹&佐山駿介
- 2019-3-19
- 試合
- ASUKA PROJECT
『ASUKA PROJECT解散興行~夢~』
日程:2019年3月18日(月)
開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:950人
▼飛鳥乱舞(アスカランブル) 10人参加 時間無制限
○百田光雄
13分0秒、同時オーバー・ザ・トップロープ
●黒潮“イケメン”二郎、●エル・イホ・デル・パンテーラ
<入場順>
黒潮“イケメン”二郎、洞口義浩、趙雲子龍、マイケル・オズボンズ、大和ヒロシ、TAMURA、本田アユム、力、百田光雄、エル・イホ・デル・パンテーラ
<退場順>
マイケル・オズボンズ、TAMURA、趙雲子龍、洞口義浩、力、本田アユム、大和ヒロシ
▼タッグマッチ 30分1本勝負
真琴(フリー)/●進垣リナ(K-DOJO)
10分3秒 ファルコンアロー→片エビ固め
○志田光(魔界)/雫有希(フリー)
▼タッグマッチ 30分1本勝負
●木藤裕次/田中稔(フリー)
11分18秒 ラリアット→体固め
TAKAみちのく(フリー)/○KENSO(フリー)
▼ASUKA5周年記念特別試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○船木誠勝(フリー)/真霜拳號(K-DOJO)
8分7秒 ハイブリッドブラスター→体固め
鈴木秀樹(フリー)/●佐山駿介
▼アイスリボン提供試合 30分1本勝負
藤本つかさ/○つくし
10分27秒 ハルカゼ
世羅りさ/●ジュリア
▼6人タッグマッチ 60分1本勝負
○藤波辰爾(ドラディション)/松田慶三(フリー)/國崎康生
12分2秒 ドラゴンスリーパー
藤原喜明(藤原組)/●藤原ライオン(フリー)/佐野直(フリー)
▼リベンジ シングルマッチ 60分1本勝負
○瀧澤晃頼
15分2秒 ファイアーバードスプラッシュ→片エビ固め
●新井健一郎(DRAGON GATE)
▼篠瀬三十七引退試合 8人タッグマッチ 60分1本勝負
○篠瀬三十七/田中将斗(ZERO1)/高橋匡哉(大日本)/仲川翔大
15分51秒 バズーカエルボー→片エビ固め
TAJIRI/児玉裕輔(WRESTLE-1)/勝俣瞬馬(DDT)/●ジョシュ・オブライエン(フリー)
ASUKA PROJECTが後楽園ホールで5年の歴史に幕!篠瀬三十七は引退試合で勝利し「最高の7年、それ以上のなにものでもない」と有終の美!
第1試合
10人参加の飛鳥乱舞(アスカランブル)は、最後に百田光雄、黒潮“イケメン”二郎、エル・イホ・デル・パンテーラの3人が残ったが、イケメンとパンテーラが同時にオーバー・ザ・トップロープで退場となり、百田が優勝となった。
第2試合
女子タッグマッチは白熱の攻防となったが、キャリアに勝る志田が、ファルコンアローで進垣を仕留めた。
第3試合
チーム小牧とチームUSAの一戦は、一進一退の激しい戦い模様となった。木藤も奮闘したが、最後はKENSOのラリアット連打でごう沈。
初結成で白星発進とはならなかったチーム小牧は、「まだ今日は1発目。北都プロレスとかでまた組むかもしれない」(稔)、「愛知方面でもやりたい。稔さんがアシストしてくれたのに、負けてしまった」(木藤)とコメントし、再結成を熱望していた。
第4試合
プロレス入りする前、パンクラスのアマチュアジムで修行を積んだ佐山駿介は、第4試合で組まれた「ASUKA5周年記念特別試合」で、鈴木秀樹と組み、パンクラス創設者の船木誠勝、真霜拳號組と激突。
佐山はエルボー、キックで船木を果敢に攻め立てるも、決定打は与えられず。最後は船木の必殺技ハイブリッドブラスターを食って玉砕した。
<試合後コメント>
佐山駿介
「今まで戦ってきた人たちとは断トツでオーラがすごかった。食らいついていこうと思ったけど、メチャメチャびびった。力不足。いつの日か成長した姿で、必ずもう1度試合をやりたい。大会自体はいろんな選手に集まっていただいて、篠瀬さんの人望がすごいなって思った。今後は海外に行っていろんなものを吸収して、そこで得たものを持ち帰って、今以上に活躍できればいいなと思います」
第5試合
アイスリボン提供試合は、4者入り乱れためまぐるしい展開となったが、つくしがハルカゼでジュリアを丸め込んで3カウントを奪取した。
第6試合
デビュー3戦目の國崎康生は、第6試合で、藤波辰爾、松田慶三とトリオを結成し、藤原喜明、藤原ライオン、佐野直組と激突。
國崎は3人の標的となって、代わる代わる猛攻を受けるも、ライバルと目するライオンに、タックル、スピアで必死の攻めで反撃。最後は國崎のスピアから、藤波がドラゴンスリーパーでライオンを絞め上げ、ギブアップ勝ち。
<試合後コメント>
國崎康生
「デビューしたときに、解散すると聞いてショックではあったんですけど、理由が理由だけに仕方ない部分もあって。今日のためにできることを準備してきたつもりです。藤波さん、松田さんの力を借りて、自力ではないですけど、初勝利できました」
第7試合
セミファイナルでは、瀧澤晃頼がASUKAの“天敵”といえる新井健一郎から金星を挙げ、団体としての雪辱を果たした。
同団体の2度目の後楽園大会(15年12月28日)は観客動員で苦戦した。さらに、メインイベントでは当時、ASUKA PROJECT選手権を保持していた新井が、篠瀬を破って王座防衛。試合後、新井はベルト封印、同団体からの撤退を宣言し、去って行った。
その事態を、目の前で見ていたデビューしたばかりの瀧澤は、悔しさを胸に秘めて戦ってきた。団体が解散すると聞き、いの一番でアラケン討伐に名乗りを挙げたのだ。
だが、“実力者”新井の牙城は、そう簡単には崩せるものではなかった。新井の執ようなグラウンドでの左腕への攻撃で、瀧澤は防戦一方。それでも、瀧澤は場外へのトペコンヒーロを繰り出すも、なかなか流れは変わらず。
勝負を決めにいった新井はトップロープからのダイビングニードロップを狙うも自爆。チャンスと見た瀧澤は、秘技ファイアーバードスプラッシュを決めて大逆転の3カウントを奪った。
瀧澤は「新井さん! ASUKA、いいと思わなくてもいいですけど、超満員じゃないかもしれませんけど、ASUKA、悪くないですよね?」と問い掛けるも、新井は無言で退場。
バックステージに戻った瀧澤は「腕が痛い。勉強してきたけど、それ以上でした。オレが初めて取った。ボクにとっても、ASUKAにとっても大きい勝利だと思います」とコメント。
第8試合
脳腫瘍のため現役を退く決断をした、ASUKA PROJECT代表・篠瀬三十七が3月18日、東京・後楽園ホールで開催された同団体の解散興行での引退試合を白星で挙げ、7年間のプロレスラー生活を有終の美で飾った。
篠瀬は同大会のメインイベントで、田中将斗、高橋匡哉、仲川翔大と組み、師匠のTAJIRI、児玉裕輔、勝俣瞬馬、ジョシュ・オブライエン組と対戦。
篠瀬とTAJIRIの師弟対決でスタートしたが、序盤は篠瀬が捕まり、TAJIRIら4人の集中砲火を浴びた。なんとか篠瀬が脱出すると、田中らの3人が篠瀬をサポートすべく、猛反撃。しかし、篠瀬はオブライエンに攻め込まれて、再びピンチになるも、カウンターのバズーカエルボーをたたき込んで形勢逆転。これはカウント2で返されたが、エルボーパットを外して、渾身のバズーカエルボーを見舞い、3カウントを奪取。WNC時代、プロテストの相手を務めたオブライエンから勝利を挙げて、最後の最後で“恩返し”を果たした。
マイクを持った篠瀬は「試合が始まるまで、実感がなくて。泣かないまま、心の詰まった試合をしようと思った。ボクにはちょうどいい超満員のお客さんに見えます。仲川は熱いヤツで、最後まで駆け回ってくれて、篠瀬を男にしたいと寝る間も惜しんでやってくれました。佐山(駿介)もギリギリまでポスターを持って走り回ってくれました。瀧澤(晃頼)は上から目線でしゃべりますけど、まだまだだなと思います。國崎(康生)は、夢をもって入ってきたけど、ボクの病気でもう指導することができません。レスラーを続けたいのであれば、ボクがいろんな団体に頭を下げて、入団するのも可能だと思います。あとは本人次第で、ボクができることはサポートします。木藤(裕次)さん、キャリアのない団体に入っていただいてりがとうございます。先輩なので、いろんな団体に出られると思います。今日でボクは引退します。信じている仲川、瀧澤、佐山の3人がフリーになるのか、どこかに入団するのか分かりませんけど、プロレス団体のチャンピオンになれるよう、違う形でサポートしたい。『篠瀬さんのおかげでチャンピオンになれた』と言われるようにしたい」とあいさつし、ASUKA所属の5選手にエールを送った。
その後、引退セレモニーが行われ、真琴、アイスリボン勢、K-DOJO勢、朱里、佐々木貴、愛娘のありささん、ASUKA所属選手らがリングに上がり、篠瀬の労をねぎらった。
再びマイクを持った篠瀬は「皆さま、お付き合いいただきありがとうございました。皆さん、プロレスは好きですか? おもしろかったですか? 皆さんの支えがあれば、まだまだプロレスはおもしろく、楽しく見られます。ボクはこれからもそれを支えていきます。皆さん、本当にありがとうございました。最高の7年間でした」と話した。
引退の10カウントゴングを聞き、選手たちに胴上げされて、バックステージに戻った篠瀬は「5年間ありがとうございました。短い5年間でしたが、仲川、瀧澤、佐山がデビューして、できる素材をもった選手がそろってくれたというのはありますけど、ウチみたいな小さな団体に入ってくれて、いろんな団体に引き上げてもらえた。恵まれた環境にあったなと。最後を後楽園で飾れて、いちばんいい形で終われたんじゃないかと思います。月曜という設定のなかで、120点満点をつけられるくらい、お客さんにも足を運んでいただいた。選手によっては、沖縄から、九州から、この日のために帰ってきていただいて、たぶんこなくてもいい話なんでしょうけど、篠瀬が最後だからって駆けつけてくださった。本当に感謝の気持ちしかないです。病気はスマッシュに入る前から分かっていた。TAJIRIさんも練習だけは受けさせてくれて、結果的にデビューできて。無我夢中でやりましたけど、体を思うように動かせないという現実を突きつけられて、自分には制限があるんだなって。だから体が全く動かなくなる前に足を洗った方がいいと思い、引退という形を取らせてもらいました。最高の7年、それ以上のなにものでもない。36で入って、37でデビューして、当時若手のナンバー1になったりしたけど、独立して団体を興して、後楽園も単独で3回もやれて。ボクは格好いい選手ではない。ボクは生き様でしか体現できない、不器用な人間。それでも応援していただいた皆さま、ありがとうございました」と締めくくった。
この日、サポート役に徹した仲川は「最初は篠瀬さんが休んでいる間、ボクらで続けていければいいと思ったけど、みんなで話し合って、ASUKAは篠瀬さんの団体なので、最後に派手に成功して終わった方がいいんじゃなって。今日でASUKAは終わりですが、ボクは明日もあさっても試合が入ってるし、ボクを含めて、新たな始まり。個人的にはボクはASUKAを背負って、プロレス界で活躍していきたい」とコメント。
木藤、仲川、瀧澤、佐山の4選手は当面フリーで活動する見込みで、新人の國崎もプロレスを続けていきたい意向だという。
観客動員は950人(主催者発表)で、大台にあと一歩届かなかったが、後楽園初進出の際(14年11月27日)の784人を大きく上回り、過去最高記録を更新し、ASUKAは5年の歴史に終止符を打った。