初代アクトレスガールズシングルチャンピオン決定トーナメントで安納サオリが万喜なつみを撃破し「もう二度となつみと戦いません」と決別を宣言!
9日、東京都・新木場1stRINGにて『Beginning 新木場大会』が行われた。
Beginningは『女優によるプロレス団体』をコンセプトに、所属選手を“アクトレスガールズ”と呼称して2015年に旗揚げ。堀田祐美子がマネージャーに就任し、現在ほぼ全ての女子団体にアクトレスガールズが参戦するほどに成長。そして10月20日&21日にサンリオピューロランドにて開催される『こすぷれふぇすたX inサンリオピューロランド』に参加し、ハローキティとのコラボステージを行うことが決まるなど、プロレス界の内外を問わず急成長中の団体だ。
同団体は11月15日に行われる初の後楽園ホール大会に向け団体初の王座創設を発表しており、先月から“最強のアクトレスガールズ”を決める初代王者決定トーナメントを実施中。
同トーナメント第2回戦としてメインイベントで行われたのは、安納サオリvs万喜なつみのシングルマッチ。
サオリとなつみはアクトレスガールズ一期生として約3年間団体を牽引してきたツートップであり、創成期から他団体のマットに上がりアクトレスガールズの知名度と価値を高めてきた団体の顔であったが、なつみが今年8月に年内でBeginningを退団することを発表。以降、両者の間ではすれ違いが続いており、この直接対決で2人の関係がどう展開するのかに注目が集まっていた。
入場したなつみに向け降り注ぐ大量の紙テープに紛れる形でなつみがサオリを奇襲して試合開始。ドロップキックでサオリを場外に突き落としコーナーから場外へプランチャと序盤からアクセル全開。
しかし、尾崎魔弓率いる正危軍に加入し悪の道に進んだサオリはラフファイトに一日の長があり、場外戦を有利に展開しペットボトルの水を口に含んでなつみに噴射。なつみはこれを回避してペットボトルを奪い「目を覚ませ!」と頭から水をかけていく。
これに怒ったサオリはドラゴンスクリュー、足4の字固めとなつみの跳躍力を奪う足殺し。サオリが「万喜なつみはそんなもんなんですか!?」と挑発するとなつみはエルボー、サオリはビッグブートで打ち合っていく。パワーで勝るサオリがこれを有利に進めるとなつみは丸め込みを連発して貪欲に勝利を狙う。
なつみは勢いに乗ってコーナートップに上がるが、サオリがバックを取って投げっぱなしジャーマン。その後もスープレックスを狙うサオリをなつみは丸め込みでいなそうとしていたが、自身も各種ジャーマンスープレックスを放ち真っ向勝負の道を選択。
互いにジャーマンスープレックスで投げ合い、なつみがソバットからバックラッシュと連撃して勝機を作るが、サオリがカウンターのビンタから延髄斬りで怯ませ、奥の手のドラゴンスープレックス・ホールドで叩きつけカウント3を奪った。
試合後、マイクを取ったサオリは「私は、もう二度となつみと戦いません。これでまた戦ったら、お互い目標に向かってへんことになるよ。私はこのトーナメントで優勝して、次の目標に向かう。なつみはなつみの道に進んでください。今日で最後。ありがとうございました」と握手を求める。
なつみは「サオリ、ありがと。絶対獲って」と小さく答えサオリと握手。その後足早にリングから去っていった。
この日は第2回戦として全4試合が行われ、安納サオリ、沙紀、関口翔、高瀬みゆきが準決勝に駒を進めた。堀田祐美子の手で抽選会が行われ、サオリvs翔、みゆきvs沙紀の組み合わせが決定された。
各選手がリング上で意気込みを語る中、サオリは一人無言でリングを後にしようとする。堀田が慌てて呼び止めると、サオリは「翔ちゃんでしょ次?よく頑張ってますよほんとに、頑張ってるの見てますよ。たくさんいじめてあげようとかなって思いますね。次会う時を楽しみにしてるんで。いいですか?これで。おわり。はいどーも」と投げやりに吐き捨てそのまま去っていった。
バックステージでなつみについて聞かれたサオリは「別々の方に向かうって決めたからこそ、前みたいな輝きは無いけど、違った輝きが出てきたかもしれない。私がそれを見逃していたかもしれない。でも今日は違った輝きは見えましたね。それが今回なつみと戦ってよかったと思えたところかなっていうのはあります」とこの日の試合を振り返った。
ともに歩んできたなつみが別の道に進むことについては「彼女がそう決めたなら私は何も言いませんですし、止めもしません。背中も別に押しません。『決めたならお互い自分を信じて進みましょ』ってそれだけです」と淡々とコメント。
『なつみに辞めてほしくないという気持ちがあるのでは』と聞かれると、「どう思います?そう思います?……ふーん。じゃ、それでいいんじゃないですか。私からは何も言いません。秘密です」と妖艶な笑みを浮かべた。
一方のなつみは涙で目を腫らしながらコメント会場に現れ、サオリについて「絶対ベルト獲って欲しいなって。自分も悔しい気持ちもあるけど、でも絶対獲って欲しいなって気持ちです」とコメント。
さらに、「サオリは本当はどういう気持ちで今日自分と戦ってくれたのかが、見えたようで見えなかったような気がして、そこが一番悔しいです。自分がもっとしっかりしてたら、引っ張っていけたら、みんなが望むような、お互いが納得行くような試合ができたんじゃないかなって。サオリとならもっと……絶対もっといい試合ができたんですよ」とサオリとの一戦への後悔を語る。
しかし、「サオリは『もう闘いません』って言ったけど、お互いに引退しなければどこかで絶対戦えると思うので、どういう形でもまたリングであることを楽しみに自分も頑張りたいと思います」と前向きな姿勢も見せ、12月でBeginningを退団後もプロレスラーを続けていくことを明言した。
同トーナメントの準決勝は、10月28日(日)に東京都・両国KFCホールにて行われる。