ハードヒット12.21新宿大会 佐藤光留vs.川村亮、金原弘光vs.岩本煌史、髙山善廣vs.勝村周一郎
ハードヒット〜MOONRIZE〜
日時:2014年12月21日(日)
開場:11:00 開始:12:00
会場:東京・新宿FACE
観衆:466人(超満員)
▼ダークマッチ 5分1本勝負
△依光健太郎(PANCRASEゴールドジム行徳・川村ism)
5分0秒 時間切れ引き分け
△ヴァーノン・シバター・ホワイトクリスマス(PsLAB横浜/フリー)
▼ダークマッチ 5分1本勝負
△レオナルド・ライオン(PANCRASEゴールドジム行徳・川村ism)
5分0秒 時間切れ引き分け
△瓦井寿也(花鳥風月)
▼第1試合 3ロストポイント制 10分1本勝負
●服部健太(花鳥風月)〈0D0E0P〉
5分17秒 腕ひしぎ十字固め
○小林裕(U-FILE)〈0D1E0P〉
▼第2試合 3ロストポイント制 10分1本勝負
○上山龍紀(U-SPIRIT JAPAN町田)〈0D0E0P〉
6分34秒 アンクルホールド
●間下隼人(リアルジャパン)〈0D2E0P〉
▼第3試合 3ロストポイント制 10分1本勝負
○スーパータイガー(リアルジャパン)〈0D1E0P〉
3分42秒 顔面へのヒザ蹴り→K.O
●鶴巻伸洋(スーパーFMW)〈1D0E0P〉
▼第4試合 3ロストポイント制 10分1本勝負
○窪田幸生(坂口道場一族)〈1D0E0P〉
4分55秒 クロスヒールホールド
●中澤マイケル(DDT)〈1D1E0P〉
▼第5試合 グラップリングタッグマッチ 15分1本勝負
HARASHIMA(DDT)/●土橋政春(クレイジーアーマメント)
12分39秒 腕ひしぎ十字固め
坂口征夫(坂口道場一族/DDT)/○松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)
▼第6試合 3ロストポイント制 10分1本勝負
○青木篤志(全日本プロレス)〈0D1E0P〉
10分0秒 時間切れ残りポイント2-1
●伊藤崇文(パンクラスism)〈1D1E0P〉
▼第7試合 5ロストポイント制 15分1本勝負
○高山善廣(高山堂)〈0D2E0P〉
6分11秒 エベレスト・ジャーマンスープレックス→K.O
●勝村周一朗(横浜グランドスラム/花鳥風月)〈2D0E0P〉
▼第8試合 5ロストポイント制 15分1本勝負
○金原弘光(U.K.R.金原道場)〈0D2E0P〉
8分21秒 腕ひしぎ十字固め
●岩本煌史(スポルティーバエンターテイメント)〈2D1E0D〉
▼第9試合 5ロストポイント制 15分1本勝負
○佐藤光留(パンクラスMISSION)〈2D2E0P〉
12分45秒 ヒールホールド
●川村亮(パンクラスism)〈1D1E0P〉
光留が2連敗していた川村に逆転勝利!ハードヒットは来年から全国展開へ!?
初参戦の高山が勝村をジャーマンでKO!HARASHIMAが土橋政春と異色タッグ
第1ダークマッチ
ダークマッチの2試合は両選手ともオープンフィンガーグローブとレガースを着用。シバター細胞はありますはリングネームを「ヴァーノン・シバター・ホワイトクリスマス」に改められる。いきなり浴びせ蹴りを出したシバターは、ボディへのワンツーで前出るとアゴにストレートを叩き込む。下がりながらもパンチを消していった依光はニヤリと不適な笑み。依光が前に出ようとしたところにシバターのカウンター右フックがクリーンヒット。
依光はボディへのパンチを連打するが、ローキックで転ばせたシバターは、なおもローとボディブローで追撃。明らかにローが効いている依光だが、シバターもボディが効いている様子で苦しそうな表情。依光はバックブローを叩き込むが、シバターは首相撲からヒザ蹴りを入れると、ローキックを叩き込む。
しかしソバットがローブローになってしまう。再開されるとボディブローを連打するシバター。「来い、来い」と手招きして挑発するシバターはローからのボディブロー。依光もボディブローを返すが、ローが効いていて動きが鈍い。そこに浴びせ蹴りを出したシバターだが、当たりが浅い。
お互いにボディブローを打ち合う中、残り10秒で浴びせ蹴りを出した依光だが、当たりが浅かったため足を取ったシバターはアキレス腱固めへ。だが、ここで5分となり時間切れ引き分けのゴング。
第2ダークマッチ
いきなり二段蹴りを出したライオンは、回転系の蹴りを多用。冷静に動きを見ていく瓦井だが、ライオンがローキックで転ばせる。回転してからのソバットから二段蹴りを出して行くライオンだが、瓦井は紙一重のところでかわしていく。
ローキックをもらいながらもタックルを仕掛けた瓦井だが、ガブってから切っていったライオン。なかなか踏み込めない瓦井だが、ボディへのパンチの連打から組み付いていく。しかし押し倒していったライオン。立ち上がった瓦井はローキックを出していくと、コーナーまで押し込んでガブる。
そのままグランドに持ち込んだ瓦井はバックマウントを取る。脇腹へのパンチからスリーパーを狙う瓦井だが、ライオンも亀になって防御。何とかライオンの喉元に腕をねじ込もうとする瓦井。残り時間が少なくなったところで腕十字にスイッチした瓦井だが、ライオンも必死にクラッチして5分時間切れ引き分けに持ち込んだ。
選手入場式
踊る大捜査線の『moon light』が流れる中、選手入場式へ。名前を呼ばれた選手が次々に登場してステージ上、横一列に並び立っていく。第6試合の青木と伊藤からはリング上へ。
全選手を代表してプロデューサーの佐藤光留が「本日はご来場まことにありがとうございます。今年のハードヒットは定期開催を目指して、何とか年6回開催することが出来ました。このようなたくさんのお客様に迎えられて今年最後のハードヒットを開催できることを本当に嬉しく思います。自分はこのスタイルをどこか負い目があって、流行ってないんじゃないかとか…。本当は必要なものだと思うんですけど、いまは必要されないんじゃないかと思ってスタイルを月に例えてきましたが、いつの間にか賛同してくれる選手、そしてたくさんのお客さんに支えられて、いままで生きてきたと思います。にわかにUWFというものが、再びこのプロレス界で認知されはじめる現象が、いまたくさん起きています。我々は名前こそ違いますが、このスタイル、Uを現在に紡ぐ現在進行のUだということを誇りに持って、今日も一生懸命戦いたいと思います。ご声援のほどよろしくお願い致します!」と挨拶。最後に一人リングに残った光留は四方に一礼してからリングを降りた。
DNAの中津と樋口にリングにあがり、ハードヒットルールのデモンストレーションを披露した。
第1試合
小林はレガースを着用、服部はいつも通りレスリングシューズ姿。片足タックルを仕掛けた服部は小林の左足を持ち上げるが、引き離した小林。インローで服部がタックルに入れないようにする小林だが、蹴り終わりにタックルを合わせた服部はテイクダウンを奪うと、手の足首を交差させて回転するレスリングのアンクルホールド。
だが、サイドに回った小林は腹固めへ。防御する服部だが、マウントを取った小林だが、服部が亀になると自ら立ち上がる。インローからボディへのミドルを叩き込んだ小林は片足タックルを仕掛けるが、服部は自ら後転してグラウンドに引き込むとレッグスプリットに捕らえる。
どうにか脱出した小林はバックから腕十字を狙うが、服部は亀になって防御。バックマウントを取った小林だが、逆に服部がニーロックを極めていくと、小林はロープエスケープしてロストポイント1。インローをもらいバランスを崩す服部だが、バックを取る。腕を取った小林は回転しながらグラウンドに持ち込むと腕十字へ。
5分が経過。うまくクラッチを切って服部の腕を伸ばした小林。ここで服部はタップアウトして小林の一本勝ち。
第2試合
サッカーのフェルナンドとメッシのユニフォームを着たセコンドをどかし、クリスティアーノ・ロナウドのユニフォームを着た自分が一番だとアピールしてから入場した上山。左右の掌底をヒットさせた上山に対し、間下も掌底で向かっていくが組み付いた上山はグラウンドに引き込んでいく。オモプラッタを仕掛けた上山だが、うまく脱出して上になった間下。
上山が下から三角絞めを仕掛けると、間下は自ら立ち上がる。ミドルキックを蹴っていった間下だが、キャッチした上山は組み付いていくと、ガブってグラウンドに持ち込みマウントを取る。ボディへのパンチから流れるように腕十字に移行した上山。これで間下はロープエスケープし、ロストポイント1。
掌底で前に出てきた間下を首相撲で捕まえた上山だが、払い腰で投げていった間下は袈裟固め。だが、ヘッドシザースから腕十字を仕掛ける上山。必死にクラッチした間下だが、上山は三角絞めにスイッチ。さらに胴絞め式のアームロックに移行するが、間下は脇腹へのパンチで脱出するとアキレス腱固めへ。
逆にアキレス腱固めを仕掛けた上山だが、間下が反転したため自ら立ち上がる。左右の掌底を間下のガードの上から叩き込んでいった上山はフロントネックロックへ。胴絞め式に移行したが、首を抜いた間下。だが、上山は回転して上になると、ボディへの掌底からスタンディング式のアキレス腱固めへ。悲鳴をあげる間下だが、上山は逆片エビ固めに移行。
どっしりと腰を落とした上山はロープに這っていく間下をSTFに捉えるが、間下はどうにかロープスケープ。ロストポイント2となって後がない間下は左右の掌底を連打。だが、掌底を返した上山は足を取ってグラウンドに持ち込むと、一気にアンクルホールドで捻り上げてギブアップを奪って一本勝ち。
試合後、お互いに正座をして一礼して健闘を称え合った。試合後、上山はセコンドと一緒に試合前のサッカー選手のように肩を組んで記念撮影。
第3試合
リングス、修斗、アブダビコンバット、パンクラスなどに出場し、高坂剛や坂田亘のデビュー戦の相手を務めた鶴巻伸洋が、リアルジャパンのスーパータイガーと対戦。
探偵物語の主題歌『Bad City』で入場してきた鶴巻は黒のショートタイツにレスリングシューズ。軽いステップを踏むタイガーはまずは牽制のローキック。さらにミドルキックを連打していくが、いかにも頑丈そうな身体をしている鶴巻。
組もうととする鶴巻にニーリフトから掌底を叩き込むタイガー。だが、鶴巻はフェイントを入れながらどうにか懐に入ろうとする。ニーリフトから掌底を連打したタイガーは左ハイキックを叩き込んでダウンを奪う。ロストポイント1となった鶴巻だが、カウント8で立ち上がると一気に組みつく。
フロントネックロックに捉えたタイガーは、そのまま絞め上げてグラウンドに引き込むと胴絞め式に移行。だが、首を抜いた鶴巻はアキレス腱固めへ。悲鳴をあげたタイガーだが、どうにかロープに逃れる。これでタイガーもロストポイント1。
低いタックルを狙った鶴巻だが、タイガーはドンピシャのタイミングでヒザを合わせていく。カウンターで顔面にヒザをもらってしまった鶴巻はうつ伏せでダウン。ピクリとも動かない鶴巻を見てレフェリーは即試合をストップ。
正座をして一礼した鶴巻だが、ドクターの肩を借りて退場するほど大きなダメージだった。
第4試合
プロレスを無期限休業することを発表した中澤マイケルが8月以来のハードヒット参戦。ただ8月の試合はグラップリングルールだったため、通常のハードヒットルールでの試合は2013年3月22日の坂口征夫戦以来となる。レガースを着用したマイケルのセコンドには盟友・松永智充がつく。
ガッチリ握手を交わすと、マイケルは積極的にローを蹴っていくが、効いていないというジェスチャーをした窪田はタックルでテイクダウン。スイープして上になったマイケルだが、窪田はすぐにガブっていく。だが、腕を取って前に投げてみせたマイケルは腕十字の体勢に。
腕を抜いた上になった窪田は再びガブるとフロントネックロックを狙うが、マイケルはすぐに首を抜いて立ち上がる。レガースをしていない窪田は掌底で前に出る。左右の掌底を顔面にもらってしまったマイケルはダウン。ロストポイント1。立ち上がったマイケルは組み付いていくと、払い腰で投げてグラウンドへ。ガードポジションの窪田に掌底を打っていくが、窪田は下から腕を取ってアームロック。
マイケルはロープにエスケープしたためロストポイント2。ローから胴タックルを仕掛けたマイケルは巨匠スラム(=オリンピックスラム)で投げていき窪田からダウンを奪う。カウント9で立ち上がった窪田はロストポイント1。
マイケルは一気に蹴っていくが、タックルでテイクダウンを奪った窪田はサイドにパスする。ハーフガードからスイープしてみせたマイケルだが、窪田はさらに反転して上になるとアキレス腱固めへ。マイケルもアキレス腱固めを仕掛けていくが、窪田がクロスヒールホールドに移行するとマイケルはたまらずギブアップ。
試合後、窪田はマイケルと握手をすると、自ら正座をして一礼。松永も拍手をしてマイケルの健闘を称えた。
第5試合
この試合はすべての打撃攻撃、カットプレーが禁止のグラップリングタッグマッチ。ロストポイントはなく、時間切れの場合は引き分けとなる。まずは青い柔術着を着た松本が入場。続いてブリーフ一丁のセコンドの背中に乗って登場した土橋は、パーカーを脱いでファールカップ一丁になると、再びセコンドの背中に乗ってリングへ。リングに上がってからバトルトランクスを穿くというTHE OUTSIDERではお馴染みの入場パフォーマンス。
坂口は真っ白な柔道着姿で登場。最後にHARASHIMAがハードヒット用の赤いロングタイツにレガースなしという姿で登場。
HARASHIMAと坂口の先発で試合開始。組み合った瞬間に小外刈で投げた坂口。HARASHIMAもすぐに立ち上がって何とサソリ固めを仕掛けていくが、坂口はすぐに脱出。HARASHIMAは坂口の帯を持っていくが、一旦離れて両者タッチ。
土橋はタックルを仕掛けるとアキレス腱固めへ。だが、回転しながら逃れた松本は三角絞めを仕掛ける。すぐに首を抜いた土橋は立ち上がって組み付くが、引き込んでから離れた松本は坂口にタッチ。
足元にもぐった土橋は下からアキレス腱固めを狙うが、坂口は冷静に防御。自ら立ち上がっていくと、土橋はHARASHIMAにタッチ。すると坂口も松本にタッチ。HARASHIMAの足に絡みついて引き込もうとする松本だが、HARASHIMAも回転しながら足を抜こうとする。
それでも足関節を狙う松本だが、HARASHIMAはまたもサソリ固めを決めていく。自軍おコーナーまで這っていった松本は坂口にタッチ。組み付くHARASHIMAは押し倒した坂口は三角絞めの体勢に。首を抜いたHARASHIMAは送り襟絞めを狙う。そのまま立ち上がったHARASHIMAは送り襟絞めのままスイング。
さらに手を離さないHARASHIMAはそのまま鎌固めのような形で絞め続ける。坂口が脱出するとHARASHIMAは土橋にタッチ。坂口も松本にタッチすると、ガブっていった土橋は胴絞め式フロントネックロックへ。首を抜いた松本だが、バックマウントに移行した土橋。松本もガードポジションまで戻すと、下になった状態から三角絞めを仕掛けていく。
土橋が自軍のコーナーに押し込んでいくとHARASHIMAが立ち。道着の足の部分を持ってバックを取ったHARASHIMAはジャーマンで投げていくが、松本も股下からHARASHIMAの足を取ってアキレス腱固めを狙う。だが、HARASHIMAは下になった状態から松本の襟を掴むとフットチョークを仕掛ける。
松本はどうにかアキレス腱固めを仕掛けていくと、HARASHIMAは襟を離さない。どうにか振り解いて立ち上がった松本だが、足に絡みついたHARASHIMAはバックを取る。松本はどうにか坂口にタッチ。坂口はスタンドの状態で袖車を仕掛けていくが、HARASHIMAは土橋にタッチ。
坂口の腕に絡みついた土橋をマットに叩き付けた坂口は、土橋を飛び越えてスイープ。両足をバタバタさせて坂口に組み付かせないようにした土橋はガブっていくが、松本がタッチしてリングイン。ガードポジションの土橋に対し、サイドにパスした土橋は自らが下になると腕を取って腕十字の体勢に。
カットが禁止のため身を乗り出して手を伸ばすHARASHIMAだが、松本はうまく土橋のクラッチを切って腕を伸ばして一本勝ち。試合後は四者握手を交わして健闘を称え合った。
<試合後コメント>
HARASHIMA&土橋政春
――グラップリングマッチというルールで闘ってみていかがでした?
HARASHIMA「僕はあの…ハードヒットの中でも好きなルールなんで、今回すごい楽しかったですね。初めて土橋選手と組ませてもらえて、見た目とか入場のインパクトがあって、イロモノと思いきやすごい実力もあって。最後負けてはしまいましたけど、たまたま取られた一本という感じだと思うんで、非常に頼もしかったですね」
――いつも闘っている坂口選手とは感覚が違いました?
HARASHIMA「道着を着ている時点で違いましたね。あと打撃がないんで、ある意味安心して闘えましたね」
――土橋選手はいかがでした?
土橋「僕は今日プロレス童貞の卒業式だったんで(笑)。卒業できてよかったです。男になれました。僕のせいで負けちゃってごめんなさい」
――あの入場で歓声が沸かなかったというのもOUTSIDERとは違う形でした。
土橋「でもアウェーに行った時とか離島とかでやるとああいう感じだったり。あとからボソボソ言われる感じ。引かれるのは当然だと思う(笑)」
――OUTSIDERの選手と坂口選手などは闘ってみて違いました?
土橋「違いますね。全然違いますね。やっぱ偉大な方なんで」
――普段は別の会場が多いですが、新宿FACEはいかがでした?
土橋「FACEはZSTで1回試合させてもらったことがあって、結構好きで。ただ階段があの入場の時に…」
HARASHIMA「試合じゃないんだ(笑)」
土橋「ああなるのが初めてだったんで、ちょっと戸惑いましたね」
――今後のプロレス参戦に関しては?
土橋「もう是非是非です! はい。是非やりたいです」
HARASHIMA「あと松本選手、初めて当たったんですけど、やっぱりすごい器用な選手でしたね。もっともっとじっくり絡んでみたかったですね。すごいテクニックを感じました」
第6試合
レガースを着用した青木はEvolutionのフラッグを羽織って入場。慎重に握手を交わしてから試合開始。お互いに牽制のローを出していくと、青木がタックルを仕掛ける。しかし腕を取って回転した伊藤はアームロック。青木は慌ててロープにエスケープしてロストポイント1。
差し合いからスロイダーで投げた青木は背後に回って胴絞めスリーパー。伊藤はすぐにロープにエスケープしてロストポイント1。片足タックルを仕掛けた伊藤はテイクダウンを奪って上になる。
ガードポジションの青木だが、サイドにパスガードした伊藤。すぐにガードポジションに戻した青木は伊藤の左足に絡みつくが、伊藤はヒールホールドを狙う。青木がアンクルホールドを仕掛けていくと、伊藤は回転して脱出。青木の左足にローを連発した伊藤はミドルキックへ。
蹴り脚をキャッチしてテイクダウンした青木だが、スイープして上になった伊藤は亀になる青木にスピニングチョークを仕掛ける。そこからネッククランチに移行した伊藤だが、青木は首を抜く。ならばと腕十字を仕掛けていく伊藤だが、青木が起き上がって腕を抜くと、今度は足に絡みつく。
残り3分となり、ヒザ十字固めを仕掛ける伊藤だが、青木も防御。伊藤はアキレス腱固めを狙うが、そのまま立ち上がった青木は逆にアキレス腱固めを狙う。だが、伊藤が足を抜くと両者立ち上がる。お互いに細かいフェイントを入れて相手が踏み込めないようにする。そこから伊藤が片足タックルを仕掛けると、青木はバックに回る。伊藤はスタンディングのアームロックを狙うが、腕を引き抜いた青木は左の掌底を伊藤の顔面に叩き込む。
これで伊藤はダウン。フラつきながらも立ち上がった伊藤は掌底とローキックで前に前に出ていくが、青木も必死で防御。そのまま10分時間切れのゴング。残りロストポイント2-1で青木の勝利となった。悔しそうに天を仰ぐ伊藤だが、青木が握手を求めると、両者正座をしたまま握手を交わした。
第7試合
ハードヒット初参戦となるプロレス界の帝王・高山善廣が元修斗世界フェザー級王者の勝村周一郎と対戦。下から高山を睨み付けていった勝村。アップライトに構えた高山に対し、勝村はローからボディへの掌底。高山も勝村のミドルにミドルを合わせるが、勝村は高山の左足に絡みついてテイクダウン。
だが、上になった高山は体重をうまく乗せながらパス。勝村もスイープして上になるが、高山は立ち上がっていく。掌底を出していった高山に対し、勝村も掌底から組み付いていくと、グラウンドに引き込む。だが、勝村を持ち上げながら立ち上がった高山はそのままマットに投げつける。
ダウンカウント9でどうにか立ちがあった勝村だが、ロストポイント1。首相撲から左右の掌底を打っていった高山。勝村も掌底を連打していくが、組み付いた高山はバックを取る。だが、勝村はビクトル投げからヒザ十字固めを極めていく。高山はこれでロープエスケープしてロストポイント1。
首相撲で捕まえた高山はニーリフトでカチ上げてダウンを奪う。カウント9で立ち上がった勝村はロストポイント2。高山は首相撲から左右のヒザを連打するが、勝村は飛び付き腕十字を鮮やかに決めていく。高山はロープエスケープしてロストポイント2。
勝村はミドルキックの連打からテイクダウンしてグラウンドへ。だが、高山はバックに回る。勝村は腕を取ってアームロックを狙うが、ヒザを入れた高山は豪快なエベレストジャーマンで投げ捨てる。レフェリーはモロに投げられた勝村を見て、即試合ストップ。
試合後、朦朧とする勝村の健闘を称えた高山。高山と握手を交わした勝村だが、そのまますとんと倒れ込むほどのダメージ。セコンドの肩を借りて引き上げていった。
第8試合
通常のプロレス用のリングシューズ姿で登場した岩本。金原は「UWF」の3文字が入ったレガース姿。いきなり強烈な左ミドルを入れた金原だが、岩本も掌底を連打。しかし金原は左ミドルの連打から左ハイキック。組み付いていった岩本も首投げから袈裟固めで一気に絞め上げる。これで金原はロープエスケープしてロストポイント1。
左ミドルの連打から左右の掌底を叩き込み、さらに左ミドルからの掌底でダウンを奪った金原。カウント7で立ち上がった岩本だが、ロストポイント1。組み付いていった岩本は足をかけて倒すとマウントを取る。
亀になる金原に絡みついた岩本は腕十字の体勢に。しかし腕を抜いた金原は裏アキレス腱固め。そこからバックを取って回転した金原は胴絞めスリーパーを仕掛けると、防御する岩本に対して腕十字を狙う。だが、クラッチしたままサイドにパスした岩本。スイープした金原は上からボディにパンチを落とす。
岩本も下から腕を取ってアームロックを仕掛けていく。ダブルリストロックを極めた岩本だが、金原はロープエスケープしてロストポイント2。だが、すぐにミドルからハイキックでダウンを奪った金原。カウント8で立ち上がった岩本だが、ロストポイント2。
左右の掌底から足を取ってテイクダウンした金原はアンクルホールドへ。岩本はロープに逃れてロストポイント3。左ハイキックで倒れた岩本にすぐに組み付いた金原。必死で逃れようとする岩本だが、バックマウントを取った金原は腕十字を狙う。これもクラッチしながら回転して逃れた岩本だが、金原は足関節を狙うと見せかけてワキ固めへ。
だが、前転して逃れた岩本はマウントを取る。スイープした金原はボディへのパンチから掌底でパウンド。下からフロントネックロックに捉えていった岩本だが、金原が転がるとロープ下まで来てしまったためブレイク。
左ミドルからカカト落とし、さらにニーリフトを叩き込んだ金原だが、蹴り脚をキャッチした岩本はキャプチュードで投げていくと、そのまま立ち上がってニーリフトを連打。だが、金原は飛び付き腕十字へ。これが鮮やかに決まり、腕が伸びてしまった岩本はタップアウト。金原が一本勝ちを収めた。
第9試合
メインは2013年3月22日の新生ハードヒット初戦のときと同じ会場、同じカード。レガースもニーパットも着用せず、ショートタイツとレスリングシューズだけの川村。一方、『moon light』で入場した光留は濃紺と黄色のレガース付きロングタイツ。
光留から握手を求めると川村が応じてから試合開始。光留の先制ローは空振り。川村の左ストレートの掌底が光留の顔面をかすめる。光留は右ハイキックを出すが、川村はガード。コーナーまで川村を追い詰めた光留は蹴りからのタックルでテイクダウン。
サイドを取った光留だが、川村はスイープすると掌底を叩き込む。光留は下からアキレス腱固めを狙うが、川村は光留の顔面に掌底。しかし光留は頭の動きだけでかわしてみせると、川村はロープエスケープしてロストポイント1。顔面への掌底で前に出た川村だが、光留のカウンター掌底をもらってしまいフラついた川村。
すぐに組み付いていった光留だが、ロープに押し込んでブレイクとなる。ミドルを蹴っていった光留だが、川村はボディブローと掌底を叩き込む。タックルで逃れようとした光留だが、上になった川村は顔面に掌底を叩き込む。
5分経過。腕を取りながらスイープしていった光留はダブルリストロックを狙うが、川村が逆に下からアームロックを極めていき、光留はロープエスケープしてロストポイント1。右の掌底から左右の掌底を顔面に叩き込んだ川村は組み付いていくと、グラウンドに持ち込んで上四方の体勢からネックロック。しかし首を抜いた光留は川村の背後に回って腕十字を狙う。
しかし再び上になった川村は顔面に掌底を叩き込む。マウントを取った川村はガードの上から容赦なく掌底を叩き込んでいくと、胴絞めスリーパーを仕掛けていくが、光留はロープエスケープ。これでロストポイント2となった光留。
川村はボディブロー2連発を叩き込んで光留はダウン。苦しそうにしながらもカウント9で立ち上がった光留だが、ロストポイント3。川村はボディブローでラッシュをかけるが、掌底で反撃した光留はフロントネックロックに捉えると、飛び付いて胴絞め。しかし首を抜いて上になった川村は掌底を連打。光留はもぐっていくと、足で川村を突き放して立ち上がる。
10分経過。前に出ようとした川村に蹴りを合わせた光留はミドルの連打。組みついていく川村だが、離れてから掌底を連打した光留。しかし川村もカウンターの掌底をフック気味に叩き込む。その直後、光留の掌底がクリーンヒットして川村はダウン。ロストポイント2となった川村だが、左右の掌底を振り回す。
光留も左右の掌底を返すが、川村はボディへの掌底から光留の顔面に左右の掌底を連打。前のめりにダウンした光留だが、ダウンカウント9で立ち上がる。ロストポイント4となりあとがない光留。残り3分となり掌底を連打する川村だが、光留はカニ挟みで飛び付くとヒールホールドを極める。これがガッチリと決まり川村はギブアップ。
エンディング
逆転勝ちを収めた光留だが、ダメージは大きく大の字に倒れたまま。川村は悔しさいっぱいの表情。全出場選手がリング上にあがっていく中、光留と川村は握手をして健闘を称え合う。
マイクを持った光留は「本日は最後までのご観戦、まことにありがとうございました。前回、新宿で、ここでハードヒットやったときは僕が後輩の川村に負けて、なぜか涙が止まらなくて、何とか立ち上がったら川村が泣いていて、和田(良覚)さんも泣いていて……自分でもよく分からなかったです。でも、一瞬その…本当に、もしかしたら1分ない、その何十秒のことが人生を変える時間でした。プロレスはもう何十年、何百年、それこそ人が生きてることがプロレスだって言う人すらいます。長い時間ですが、でもほんの一瞬一瞬、1秒でもいいから本気で戦うことが自分の生きる道を作っていくんだと思います。大層なことは出来ませんが、それでも僕はこのスタイルを信じてこれからも生きていきます。1年間、ハードヒットどうもありがとうございました!」と挨拶。
観客の拍手の中、エンディング曲の『ヘイ・ジュード』が流れたのだが、一旦止めた光留は「いいじゃないですか、勝ったから」というと「来年は今年以上にハードヒットのスタイルを、全国で! 開催していこうと思っています。現時点で決まっているものは何もありません! でも僕は知っています。来年でデビューして15周年、川村も10年になります。ここにいるUの先輩、総合格闘技出身した人、みんな知っています! 何もなきゃ作ればばいいんですから! 必ずハードヒット、このスタイルを全国で作るプロレスを作っていきます! 本当にこれが最後です。ありがとうございました!」と言って締めくくった。
<試合後コメント>
佐藤光留
――新生ハードヒット初戦と同じ場所で同じ相手に雪辱を晴らしたわけですが。
「まあ2回負けてますし、今日も彼は二つ、膝とスネの武器を捨ててるわけですから。ただ、なんていうんですかね? やっぱ僕が言った一瞬っていうのは、勝ったことっていうのは一瞬なんですよ。なんでもそうです。僕は趣味が釣りと麻雀とかだからあれだけど、大きい魚釣った、すごいデカイ獲物があがった、でもやっぱり生きてる限りもっと大きいものが欲しいんです。彼に勝ったからもう彼と終わりなのかといったら違うし、ここから彼がスタートするものに僕がまたぶつかるかもしれないですし。彼は彼の勝負がある。僕には僕の勝負がある。でもプロレスっていうものがあれば、このスタイルがあれば、どんな選手でもリングの上で交われるわけですから。だから、今は嬉しいですけどね。まだまだ、まだまだっす」
――今回、高山選手が初参戦、そして金原選手も参戦しUWFの色が強い大会となりました。
「本当に高山さんにはすごい感謝して、してもしきれない気持ちがあるんですけど、本当になんていうんですかね? ハードヒットを始めた時はリバイバルだったら俺はいらねーと思ったんです。でも高山さんも金原さんも、まだまだリバイバルっていうのは失礼ですよね? それぐらいの強さ、勢い、今日もお二方とも勝ったし。しかも納得したんじゃないですか? 見てる人。まだちょっと勝てねーな、あんなの食らったら。それはもしかしたら年輪かもしれないし、物質的な筋力かもしれないですけど。だからリメンバーだけではないです。ただ今、UWFっていうものがもう一度プレイバックする時期に来てるんです。30周年というものを越えて、大晦日には鈴木(みのる)さんと前田(日明)さんがトークショーで一緒になってるって。にわかには信じがたい事が起きるのも、もう一度UWFというものが戻ってきてるからだと思うんですね。じゃあそれを誰が引き継ぐのか? 紡ぐのか? やっぱハードヒットの城主である僕、佐藤光留しか居ないんだと思うんです。文句がある奴は奪いに来て欲しい! 今回はずっと仲間ばっかりですけど、奪いに来る奴が居てもいいです。ハードヒットは受けて立つ。どんなスタイルどんなルールでもかまいやしないです」
――試合後、リング上で全国にこのスタイルを広めていくという言葉もありましたが、全国へ?
「はい、川崎とか(苦笑)。でも本当にひとつ考えてるのは、岐阜ですね。川村が来年10年らしいんで(苦笑)。やっぱ祭りごとは皆で乗っかっていくべきなんじゃないかと。それができるようになったのは……できるってまだ全然会場の名前をネットで探して、ここ安いねって言ってる段階ですけど。でも、それができるのは、継続開催して皆が一緒になったからだと思うんですね。じゃなかったら、ちょと車に乗って行きましょうよって言えないですから。岐阜大会は僕と川村の車二台で、選手とレフェリー10人連れて、名古屋のプロレスにリングを借りて……21世紀のUには金がないんですよ。なきゃ作るっていう。でもそれは仲間がいるからこそできることですから。(格闘技の)聖地・名古屋で、UWF全盛期の頃でも満員にならなかった名古屋でやりたいですね」
川村亮
――過去ハードヒットで2戦闘ってる佐藤光留に敗れてしまいましたが。
「…まあこの一年、一番ハードヒットでも厳しい試合をしていたのが佐藤光留だったなと思い知らされましたし、道場にいない佐藤光留の一面があの強さだったんだなという感じですね。悔しいです」
――佐藤選手は今年はDDTを離れ全日本プロレスなどに旅に出ていますが、やはりその成果を感じることは出来ました?
「…(泣きながら)はい」
――佐藤選手は来年は川村選手が10周年なので岐阜で大会を打つと言っていました。
「嬉しいですけどね、悔しいんすよね。まあ、2勝1敗だから。悔しいんで何回でもやります。やっぱ、身体じゃなくて、殴ってても、一本筋が通ってるんですよ。わかんない、心の筋だと思うんですけど、なかなか折れないですね。それを折るように、僕も練習に、パイルドライバー業務に、精を出して必ず倒します。悔しいですけど、嬉しくて、複雑な心境です」