“幻のFMW同期対決”で雁之助とアラケンが27年越しのシングル戦!「東京のインディーに骨を埋めますよ僕は」

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 3日、都内・新木場1stRINGにて開催された『ガッツワールドvol.115 新木場武骨終焉』で、ミスター雁之助と新井健一郎が27年越しの初シングルマッチを行った。
 
 新井健一郎と雁之助は、27年前の2月3日にFMW2期生の入門テストを共に受けたという間柄。その他、同じ日にはハヤブサ、中川浩二(GOEMON)、現在はよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属する芸人の鉄拳が入門テストを受験していたという。
 アラケンはこのときには入門を逃しているが、もし入団していたら雁之助と同期だったということで、この試合は“幻の同期対決”と銘打たれた。

 新井健一郎は、メジャー団体であるDRAGON GATEに所属する選手でありながら、現在は東京のインディープロレス界隈を主戦場にし、あらゆる団体の王座戦線に関わっているインディープロレス界の“陰の主役”とも言える存在。
 ガッツワールドは4月の新宿FACE大会を以て解散することが決定しており、雁之助もガッツワールド解散と同時に9年ぶり2度目の引退することを発表しているため、アラケンにとっては“先輩”である雁之助とシングルマッチを行う最初で最後のチャンスだった。

 アラケンが握手を求め、雁之助がそれに応じるクリーンなやり取りからゴングが鳴ると、手4つからじっくりと力比べをしていく静かな立ち上がり。雁之助がこれを制してアラケンをショルダー・タックルで倒すと、アラケンのセコンドに付いていたバッファローが介入して雁之助を羽交い締めにしてアシストしようとする。
 しかしアラケンは「今日はそういう日じゃないんだ!」とバッファローに解放を指示。あくまで正々堂々の決着へのこだわりを見せた。
 アラケンは雁之助の腕に狙いを定めて徹底的に集中攻撃し、雁之助もそれに応えてアラケンの腕を取り返していく。ひと度グラウンドに引き倒せば目まぐるしく攻防が入れ替わるグラウンド・レスリングテクニックの応酬が展開された。派手な技こそ出ないものの、一つ一つの攻防に“必殺”の説得力のある張り詰めた空気に満ちたこの闘いを観衆は固唾を呑んで見守った。
 終盤、アラケンの執拗なフロントネックロックで雁之助が落ちかけると、好機と見たアラケンはツームストン・パイルドライバーでマットに突き刺し、雄叫びを上げながらショルダーアームブリーカーを連発して最後のラッシュをかける。しかし、最後はアラケンが腕を振り上げたその瞬間に雁之助が組み付き、電光石火の雁之助クラッチ。そのまま試合を決めた。
 両者の卓越した技術とプロレスに懸ける想いがぶつかり合う名勝負となった。

 試合後、マイクを取ったアラケンは、「僕がDRAGON GATEからあぶれて宙ぶらりんになって、これからどうしていいのかわからないときに、一番最初に声をかけてくれたのは雁之助さんですよ。そこで『コツコツやってれば絶対誰かが見てくれるから、お前とりあえず頑張れよ』と言って下さって、ホントにあの一言がなければ、僕は東京インディーの住人にはなれませんでした。(FMWに入団して)たった二ヶ月でケツまくって辞めた練習生をこうも気にかけてくれた雁之助さんには本当に感謝しています」と感謝の言葉を述べた。
 これを受けた雁之助は、「俺は悪いんだけどにテスト受けたの覚えてないけど、コイツ入団して二ヶ月で辞めるときになんて言ったと思います?『僕はUWFインターに行くので辞めます』って言ったんですよ(笑)なのに気付いたら闘龍門に入ってたんです(笑)ある意味お前はスゴイ男だよ」とアラケンを賞賛し、リング上でしっかりと握手し抱擁を交わした。

 アラケンは、去年9月の『ガッツワールド特別興行 武骨道』にて、東京のインディープロレス界の住人になったことについて、「最初は『俺ドラゲーだし、ドラゲーの看板さえあれば仕事なんてすぐありつけるだろ』と思ってたら、まあ、上手いレスラーばっかりでねホントに。『ああ、これはドラゲーでやってきたことなんて何も通用しねぇな』って気付いて1からプロレス考えなきゃいけないなって。それでGWC認定シングルと、STYLE-Eの無差別級のシングルのベルトを獲れて、この2本は俺を生まれ変わらせてくれたベルト。これで東京のインディープロレスの登場人物になれたかなって、本当に感謝しているベルトなんです。東京インディーに骨埋めますよ、僕は」とコメントしていた。

 インディープロレスの元祖とも言えるFMWを牽引したミスター雁之助の意志を継ぐ新井健一郎は、これからも東京のインディープロレス界隈を盛り上げていってくれることだろう。

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