WWEネットワークの散歩道 25回目
- 2018-1-13
- WWEネットワークの散歩道
本来なら年末にアップされるべきでしたが、怠慢により今頃の掲載となることをおわびいたします。今回はWWEの2017年のベストマッチを日本にゆかりある選手を対象に何試合か選んでいきます。ただしヒデオ・イタミ、アキラ・トザワの両選手は自分が選定できるほどチェックできていないので、今回は取り上げませんでした。
まずは4月にメインロースターに昇格し、スマックダウン!で大活躍中のシンスケ・ナカムラから。ジョン・シナ、ランディー・オートンといったトップ選手とも対戦し、サマースラムという大舞台でWWE王座にも挑戦したナカムラですが、どれかひとつと言えばサバイバー・シリーズでのRAW対スマックダウン!を挙げたいところです。真の意味でメインイベンターとしてのポジションを確かなものにしている証しとしても、大舞台でのプリンス・デヴィットことフィン・ベイラーとの再会マッチ、90年代からのスーパースター、アティテュード時代の象徴のひとりであるトリプルHとの対戦と、これまでのWWEでの活躍への評価を表す試合と言えるかと思います。
普段は対戦しないRAWの選手との対戦なので見所は多いのですが、ベイラーとの対戦で会場から起きた「NXT」チャントに続く「ニュージャパン」チャント。トリプルHとの対戦を前にしてワクワクする感情がほとばしる表情などに注目しつつ、ふたりとの攻防を楽しんでください。
WWE:サバイバー・シリーズ 2017年11月19日
RAW対スマックダウン!5対5イリミネーションタッグマッチ
http://network.wwe.com/video/v1867592783
続いてフィン・ベイラーの試合を。もともとは予定になかったAJスタイルズとのシングルマッチですが、これはメインイベントで予定されていたシールド再結成が、ローマン・レインズのおたふくかぜの発症による中止のため、お詫びとしてのドリーム・カード提供となったようです。日本のファンにとってはバレット・クラブの旧メンバー同士による夢のカードですが、アメリカのファンにとってもふたりが向き合っただけで「ディス・イズ・オーサム」チャントが起きるほどのカードなのです。
WWEの会場では少なくない人数のバレット・クラブTシャツを着たファンが見られ、ふたりの日本での戦いぶりや関係性も知るWWEファンもかなりの比率で存在します。ユーチューブによる違法放送も含め、WWEネットワークやNJPWワールドなどの配信サービスによりそれだけ世界が狭くなったということであり、今回の東京ドーム大会に外国からの観戦者が目立ったのもその表れなのです。さて試合についてですが、このふたりが対戦するのにハズレがあるはずもなく、ただ夢の対戦を純粋に楽しんでもらえれば十分だと思います。
WWE:テーブル・ラダー・チェアー 2017年10月22日
フィン・ベイラー対AJスタイルズ
http://network.wwe.com/video/v1864495283
続けてAJスタイルズの試合を。サバイバー・シリーズで決まっていたRAW対スマックダウン!の王者対決が、直前でAJがジンダー・マハルから王座を奪還したため急きょ実現した夢のカードです。WWEの場合、長期プランでカードを決定していくため、同時期に在籍していたのに実現しないままで終わってしまったカードもいくつかあります。代表的なところではショーン・マイケルズ対エディー・ゲレロでしょうか。それもあってか出し惜しみなく夢のカードを提供してくれる傾向にあるのはうれしいことです。あとレスナーの場合、いつ離脱するかわからないというのもありますね。
こちらもこのふたりが対戦するのにハズレがあるはずもなく・・・と書きたいところですが、ベイラーと並んでも小さいAJがおよそ30キロは体重差がありそうなレスナー相手にどうなるかというのもポイントのひとつでした。しかしフェノメナル・ワンの示す通り、AJの恐るべきセンスを感じさせる試合となったのでした。
WWE:サバイバー・シリーズ 2017年11月19日
ブロック・レスナー対AJスタイルズ
http://network.wwe.com/video/v1867592783
WWEネットワークではマッチ・オブ・ザ・イヤーとして公式に選定された25試合がひとまとめに紹介されています。その中ではナカムラ対シナもありますが、ここではアスカ選手のラストウーマン・スタンディング・マッチを。ウーマン・ディビジョンでこの形式での試合は初めてではないかと思いますが、ルールとしてはフォールやギブアップではなく10カウントのノックアウトのみで決着するというもの。
この試合の直後にインタビューする機会があったので、あらためて振り返ってもらったのですが、ファンからだけでなく関係者や選手からも大変な反響があったとか。それも当然のハードなタフマッチを見せてくれます。
NXT:NXT399 2017年6月28日
アスカ対ニッキー・クロス NXT女子王座戦(ラストウーマン・スタンディング・マッチ)
http://network.wwe.com/video/v1868830783
最後に紹介するのもマッチ・オブ・ザ・イヤーから、宝城カイリことカイリ・セイン対トニー・ストームの試合です。WWEでは初めての試みでしたが、アティテュード時代にリタやトリッシュ・ストラトスに憧れた少女ファンたちがこれだけのトーナメントを実現させるだけの力を備えたということでもあるのでしょう。その中でもスターダムで腕を磨いた選手ふたりが年間最高試合に選ばれるほどの試合をしてみせたことで、男女を問わずに日本マットを経由してWWEマットに登場することもますます増えていくことになりそうです。
WWE:メイ・ヤング・クラシック準決勝 2017年9月4日
カイリ・セイン対トニー・ストーム
http://network.wwe.com/video/v1868826583