【試合結果】1・19 HEAT-UP新百合ヶ丘大会 田村和宏vsロッキー川村 新井健一郎&ヒデ久保田&ヤス久保田vs越中詩郎&近藤"ド根性"洋史&阿部史典

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『HEAT-UP旗揚げ4周年記念興行~新百合ヶ丘プロレスマルシェ~』
日時:2017年1月19日(木)
開始:18:30
会場:神奈川・新百合トゥエンティワンホール
観衆:268名

▼"HEAT-UP FUTURE~開け2017年の扉~"15分1本勝負
○飯塚優
7分15秒 裏膝四の字固め
●井土徹也

▼"新百合ヶ丘『初』ミックスドマッチ~これが我闘雲舞の生き様よ~"30分1本勝負
○里歩(我闘雲舞)/「ことり」(我闘雲舞)/円華(フリー)
12分50秒 そうまとう→エビ固め
さくらえみ(我闘雲舞)/●アーサ米夏(我闘雲舞)/高梨将弘(DDT)

▼"新百合ヶ丘秘宝伝~俺たち質実剛健~"30分1本勝負
藤田峰雄(フリー)/○石田慎也(スポルティーバ)
12分56秒 オクラホマロール
●CHANGO(フリー)/拳剛(BAD BOYS)

▼"HEAT-UPvs大日本プロレス~越えろ!ヘビーの壁~"45分1本勝負
○関本大介(大日本プロレス)/佐久田俊行(大日本プロレス)
13分20秒 アルゼンチン・バックブリーカー
●兼平大介/渡辺宏志

▼"新春ドリーム~ド根性侍新百合ヶ丘へ降り立つの巻~"60分1本勝負
○新井健一郎(DRAGON GATE)/ヒデ久保田(フリー)/ヤス久保田(スポルティーバ)
16分26秒 ジャンピング・パイルドライバー→片エビ固め
越中詩郎/●近藤"ド根性"洋史/阿部史典(スポルティーバ)

▼HEAT-UPユニバーサル選手権試合 60分1本勝負
【王者】○田村和宏
14分57秒 ミノルスペシャル
【挑戦者】●ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
※初代王者田村が4度目の防衛に成功

4年目のHEAT-UPで田村が4度目の防衛に成功!川崎野菜生産者とのプロレスマルシェも盛況!越中詩郎を凌駕したアラケン&クボブラの『田村和宏被害者の会』が宣戦布告!

オープニング

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 川崎野菜の生産者が集結したコラボレーションイベント「プロレスマルシェ」が大会開催前である午後5時まで新百合トゥエンティワンホールのロビーを開放して行われる。加えてHEAT-UP新百合大会で行われる障がい者支援の就労体験が今回も実施され、駅周辺で道行く方々にプロレスマルシェのチラシを配布。大寒前の寒い夕方、風も吹く中でチラシを配布する施設使用者さんたちの明るい表情。その笑顔に導かれるかのようにロビーに人が大勢寄ってくれていた。また、同所にてとどろきアリーナ大会でも協力くださった「かわさき色輪っかつなぎ」のブースも作られ、こちらも多くの方々が短冊に願いを込めて輪っかを繋いでいた。

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 開場時、施設利用者さんたちは来場する観客に自分たちで綴った配布物を手渡ししたり、会場正面入り口で館内飲食禁止の呼びかけを行ったりして大会をサポート。継続して行われたプロレスマルシェでは野菜以外にも飲食物が販売されており、ロビーにて観客が舌鼓を打っている。平日の夕方で苦戦が予想された当大会だが、気が付けばロビーには大勢の人だかりができていた。
 午後6時10分、川崎市多摩区・麻生区を中心として活動するポップデュオ「Clover」(公式サイト https://clover-seira-daijiro.jimdo.com/ )によるプロレスマルシェメインテーマがリング上で披露される。HEAT-UPと接点があるClover、田村の要望により初めてコラボを実施したもの。オープニングはもちろんてっしー&やぶちんのインフォメーションコーナー。後楽園ホール大会と栗平HEAT-UP道場の垂れ幕がお披露目される。2017年最初のてっしー一発芸は「視野の広いウルトラマン」、場内の笑いを誘ったためてっしーの勝利。選手入場式、選手代表挨拶の前に福祉団体への寄付金が田村よりリング上で手渡された。挨拶は田村。
田村「皆さん、あけましておめでとうございます!今年は新百合ヶ丘三連戦、そして8月には後楽園ホールに進出します。それ以上に、このHEAT-UPというリングをどんどん熱くしてヒートアップさせますので、今日も熱い応援よろしくお願いします!」

第1試合

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 昨年7月デビューの飯塚と、とどろきアリーナ大会でデビューの井土がビッグマッチで初のシングル対決。入場口から全力でリングインした井土、開始前に飯塚が差し出した手をパチンと払いのける。飯塚のミドルにエルボーで立ち向かう井土、ガットショットからタックルで飯塚を倒しボディスラム連発。飯塚は左ミドルで井土を倒してサッカーボールキック、負けじと井土はミドルを掴んでボディスラム。串刺しエルボーからヒップトス、エルボードロップ。井土の攻撃を受けていた飯塚、打点の高いドロップキックがカウンターで井土の首筋を捕らえる。コーナーに詰めてミドル連打から串刺しドロップキック。座らせてランニングロー、アキレス腱固め、ローキックから飛びつきクロスヒールホールドと一気に攻める。
 後手に回ってしまった井土だが、ミドルを掴んでスクールボーイ、首固め。打撃をダッキングでかわし、深紅のマットでは初披露となるジャーマン。勢いがつきすぎたのかホールドできず、片エビでガッチリ固めるがカウントは2。急角度で落とされた飯塚だが、続く井土のジャーマン狙いを前方回転で切り返し膝十字固め。ロープに逃げようとする井土に対し、更に深く絞め込む裏膝四の字固めでギブアップを奪った。

 後輩の井土相手とはいえ、飯塚は嬉しいシングルでのプロ初勝利。歳の近い先輩だからこそ井土は悔しい。最後も差し出された手を払い、負けん気を強くアピールした。

第2試合

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 王子のマットでは何度か行われている我闘雲舞勢が入ってのミックスドマッチ、新百合ヶ丘では初めて行われる。アジアドリームタッグ王座のベルトを掲げて入場する里歩と「ことり」、各選手のコール時には大量の紙テープ。新百合ヶ丘の観客も初のミックスドマッチに期待している。

 その男子枠である高梨と円華が先発、里歩とアーサの絡みから自称「新百合ヶ丘のスーパーアイドル」さくらえみ登場。「円華出てこい!」と指名し、自ら男女対決を買って出るさくらに対し、館内からはスーパーアイドルを後押しするようなさくらコールの合唱。タックルで倒そうとするさくらだが、上背のある円華相手では分が悪い。胸を引っ搔いてコルバタで投げたさくらだが、直後に円華のタックルで倒されてしまう。「ことり」がさくらを巴投げで投げるとガトムートレイン、円華が加わってのにこにこじるしはさくらが意地になって拒否。すかさず高梨とアーサがフォロー、交代したアーサは「ことり」に弓矢固め、高梨は鼻つまみからさくらとの合体ストマックブロック。

 5分経過、優位に立ったさくらは不敵な笑顔を浮かべながら「ことり」に襲い掛かる。里歩がフォローに入るが、二人まとめてボディプレスで押しつぶすさくら。ロメロスペシャルからカベルナリアと繋ぎ高梨にタッチ。ここで「ことり」が強引な一本背負い、「いくぞー!」とアピールし突き上げた指にさくらが噛みついてフォロー。だがさくらの攻撃をすり抜けた「ことり」、高梨へのミサイルキックプラスさくらへのホイップでピンチ脱出。円華はビッグブーツからボディスラム連発、その場飛びのムーンサルトを狙うがさくらが背中を引っ掻いてカット。ツープラトンを先読みした円華、スワンダイブ式のバックエルボーが高梨にヒット。ランヒェイ狙いを高梨がチンクラッシャーで切り返してさくらにタッチ。逆水平のラリーからビッグブーツ合戦、互いにロープに飛んだ一撃には「円華の方が足が長かった」という弥武リングアナの実況。

 高梨&アーサをカットする三人、もう一度まとめて押しつぶそうとするさくらだが叩き落とされトリプルドロップキックを食らう。円華のその場飛びムーンサルトはカウント2。里歩と「ことり」の時間差クロスボディもカウント2。ロープに走った里歩に「負けてたまるかー!」と叫んださくらがケブラドーラ・コンヒーロ。ここから両軍によるブレーンバスターのかけ合いとなるが…最後に残ったアーサは5人にまとめて米プレス!敵軍はおろか自軍にもダメージを負わせた一発を放ちリングイン。

 アーサが米アタック連発でチャンスを作ると、三人まとめて「さくらえみ、80キロ!」リバーススプラッシュとアーサのジャックナイフで里歩を押さえ込むが「ことり」がカット。里歩と「ことり」はツープラトンの丸め込みでお返し、連携から里歩のノーザンに繋ぐがカウント2。更にアーサへのツープラトンフットスタンプを見舞うが、さくらが懸命のカット。そのさくらを「ことり」がカウンターの払い腰でカットし、とどめは里歩のそうまとう。粘るアーサを押さえ込んでピンフォール。勝利者賞の川崎野菜を受け取り、小躍りして喜ぶ里歩と「ことり」であった。

第3試合

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 昨年末、田村を破りベルト獲りの野望に近づいた石田慎也。因縁のあるCHANGOとの対決に勝利し弾みをつけたい所。

 ところがHEAT-UPマット初登場となる拳剛との連携よろしく、石田の出鼻をくじいていくCHANGO。峰雄が流れを引き戻そうとしても、場外戦でペースを奪われてしまう石田。拳剛のサッカーボールキックからCHANGOがコーナー踏みつけ、バンダナでチョーク攻撃を加えながらの首四の字、セントーン。拳剛へのドロップキックで反撃した石田が峰雄と交代。クロスボディで舞い降り、拳剛を攻めているがCHANGOがちょっかいを出してくる。しかし連携を逆手に取り、二人を場外に追い出すと峰雄はトペ・コンヒーロ。チンコプロレスをぶち上げた峰雄、足首に抱えている負傷もなんのそのとばかりに雄叫びを上げる。

 拳剛を捕まえた峰雄はリング内でちんちんウォッシュの体勢、ところがどうもレフェリーのてっしーはこれを確実にチェックし未遂に終わらせるのだ。案の定捕まる峰雄だが、CHANGOのパンチで倒れ込む折に二人の急所に一撃、転んでもタマは逃がさないのが峰雄。いきり立ってきた峰雄だが、ちんこクローは拳剛に読まれて不発、逆にDDTを食らって両軍交代。石田とCHANGOによる互いの技すかし合い、回転十字固めで丸め込むCHANGOに対し石田は得意のトラースキック。串刺しエルボーを挟んでコーナーに登るとCHANGO目がけてダイブ、そのまま前方回転のネックブリーカードロップで叩きつける。

 今度はクロスボディ狙いか、再びコーナーに登った石田だが拳剛が掴んでカット。無造作に石田をマットに叩きつけたCHANGO、拳剛との連携から両手をクラッチした独特のショートレンジ・ラリアット。カウント2で肩を上げた石田、拳剛のダイビング・ダブルフットスタンプを呼び込むCHANGO、ジャックナイフ固めは峰雄がカット。直後にツープラトンのフィッシャーマンズバスターを狙ったCHANGO&拳剛だが、背後から峰雄がまとめてちんこクラッシュ。そのままロープに走った峰雄、攻撃をかわされて石田へのちんこバットを食らわせてしまう羽目に。急所のダメージが深い石田、コーナーに登ったCHANGOはダイビング・セントーンへ。寸前でかわした石田、CHANGOをオクラホマロールで丸め込んでピンフォール勝ち。

 股間の痛みを堪えながら勝ち名乗りを受ける石田、「え、勝った?」とでも言いたげな表情。美味しい場面は峰雄に持っていかれてしまった感があるが、最後はしっかりとフォール勝ちを収めて結果を出した石田。持ち込んだコールドスプレーを拳剛に持たせて股間を冷やしてもらうCHANGO、特にアピールもなくリングを去った。
 さて問題なのは勝利者賞、立川農園様より新鮮なキュウリがプレゼント。さも当然の事のようにキュウリを一本取り出し、リング上でしごきまくる峰雄。直後に拳剛はキュウリを強奪し足早に去っていくおまけつき。ともあれ石田はCHANGOからフォール勝ちという結果を残し、タッグトーナメントで更に勢いをつけてベルト挑戦と行きたい所。しかしまさか、トーナメントのパートナーが『彼』になってしまうとは、誰が予想しただろうか…?

第4試合

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 東スポプロレス大賞に於いてベストタッグを受賞した関本大介。その足で新百合ヶ丘に直行、佐久田をパートナーにしHEAT-UPマット初登場。コール時にストロングヘビー級のベルトを掲げる。この日より新しいテーマ曲、Dragonforceの"Strike of the Ninja"で入場した兼平、渡辺宏志とのタッグで挑む「対ヘビー級」。

 まず渡辺と佐久田が手合わせ、渡辺のアームロックをファイヤーマンズキャリーで切り返したり、腕を取られたら下から両足で胸を蹴って脱出したりと、渡辺が後手に回る展開。両軍交代、館内からは兼平に対する声援が飛ぶ。ウエートを97kgまで増量した兼平、しかし公称120kgの関本にタックルを挑むも跳ね返されてしまう。エルボードロップをかわし、再び突進して関本を倒した兼平が渡辺にタッチ。ショルダースルー狙いをキックで阻止した関本は佐久田へ、ここで5分経過。クイックタッチで再び関本、コーナーに詰めた渡辺に逆水平を打ち込む。胸板へのナックルで返そうとする渡辺だが、ぶ厚い関本の一発を食らい後退。佐久田のレッグロックから関本ローキックに繋ぎ足四の字へ。渡辺がパワーのみならずテクニックでも後手を取る展開は珍しい。何とか身体を反転させて四の字から脱出した渡辺だが、佐久田は串刺しスピアから肩口への低空ドロップキックを放ち逃がさない。ロープに飛んだ佐久田をショルダースルーで投げた渡辺がローンバトルから脱出。

 佐久田を軽々とボディスラムで投げた兼平、カットに入る関本のキックを掴んでドラゴンスクリュー。ブレーンバスターの体勢から前に落とす荒技からジョンウー、正調ブレーンバスターと繋ぐ兼平。10分経過、得意のランニングニーは佐久田が両肘でカット、突進する兼平をかわしてコーナーでの619からミサイルキック。関本が出てくると渡辺がフォロー、しかしスクープスラムで叩きつけられ、コーナーの兼平には串刺しラリアットからサイドスープレックス。フォールをカウント2で返されるとそのまま逆エビ固めへ、渡辺のカットで難を逃れた兼平。渡辺を佐久田がカットすると、佐久田のライオンサルトから関本のダイビング・エルボードロップという連携。カットに入った渡辺を再び場外に蹴り落して分断、「立てやオラ!」と叫んでロープに飛ぶ関本、ラリアットをダッキングでかわした兼平はヒップトスからそのまま腕十字へ。関本のクラッチが外れないと見るや三角絞めに移行する兼平、それを腕力で持ち上げてジャンピングボムを放つ関本。兼平をコーナーに叩きつけバックを取った関本は大きなモーションからアトミックドロップ。臀部から腰にかけて大ダメージを負った兼平、関本のアルゼンチンで絞られるとギブアップ。

 アウェイのリングで堂々と勝ち名乗りを受ける大日本勢、勝利者賞のトマトを受け取りおどけてみせる。一方ヘビー級の力をまざまざと見せつけられてしまった兼平、渡辺の肩を借りて退場した。まだ登り始めたばかりの対ヘビー級という壁だが、いきなりのメジャー級を前に兼平はどう感じたのであろうか。

 休憩時間前に次回、2月18日王子大会より開催される「パワフルタッグトーナメント2017」出場チームの発表がアナウンスされた。各チームは以下の通り。
・田村和宏&阿部史典
・近藤"ド根性"洋史&兼平大介
・渡辺宏志&梅沢菊次郎
・ロッキー川村&飯塚優
・高梨将弘&井土徹也
・新井健一郎&ヒデ久保田
・石田慎也&CHANGO
・藤田峰雄&LEONA

 2月18日王子大会にて1回戦及び準決勝、3月30日新百合ヶ丘大会にて決勝戦が行われる。尚、優勝チームには新設されるタッグ選手権のベルトが渡される。カードは後日発表となるが、袂を分かれた石田とCHANGOのチームは当人たちも寝耳に水であっただろう。若手がエントリーされているのも興味深いトーナメント、果たしてベルトを巻くのはどのチームになるのか。

第5試合

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 新百合のマットに登場した「ワルイヤツラ」、アラケンとクボブラのトリオ。ところがどうして、この3人が揃うと絵になってしまうから不思議なもの。狙うは敵の大将越中詩郎のみとばかりに先発したヒデは「越中出てこい!」とアピール。が、スッとすかしてヒデはヤスと交代、ヤスは「越中出てこい!」と叫びながらリングを一周、それだけで自軍コーナーに戻りアラケンに交代。アラケンが越中のヒップアタックをかわして場外にエスケープ、すかさずクボブラが背後から越中に襲い掛かる。

 敵コーナー陣営をカットし、越中一人をいたぶるアラケン&クボブラ、しかし越中がアラケンをボディスラムで叩きつけ優位に立つと、後ろに下がって「タイム」を要求するアラケン。ヒデに交代、今度は「近藤出てこい!」と越中を無視するようなアピール。さすがにしびれを切らした越中はヒデの顔面を掻きむしって自軍コーナーへ、三人がかりでヒデの顔面を踏みつける。近藤がけん制すると、越中はヒデの鼻を掴んでお返し。会場のちびっ子人気が異様に高い近藤、ド根性コールにエンジンフルスロットル。タックルや逆水平でヒデを攻める近藤、ロープに走ると背後からヤスが膝蹴りでフォローし場外戦へ。アラケンとヤスが近藤を攻撃、リングに戻すとヒデがギロチンドロップ。ワルイヤツラの連携に越中の表情がこわばっていく。

 コーナーからダイブして近藤の左腕を殺していくアラケン&クボブラ、ヒデのチキンウイング・アームロックが近藤を襲う。近藤はロープに逃れたが、それでも3対1の状況は変わらず。徹底して越中を挑発するワルイヤツラ、クイックタッチを駆使して近藤に逃げ場を与えない。ちょっとでも近藤がヒデを攻めようとすると、ヤスが入ってきてペースを乱し再び捕まえる。見えない双子の絆が近藤を更にピンチに追いやってしまう。これを見たコーナーのアラケンは諸手を広げて「素晴らしいわ!流石兄弟!」と感激。余裕しゃくしゃくで近藤を攻めるアラケン、しかし近藤のド根性が爆発、ジャンピング・ブレーンバスターでアラケンを叩き付けて越中とようやくタッチ。越中のケツはアラケンに一発、ヒデに一発、カットに入ったヤスにはヒデもまとめて一発と大盤振る舞い。ダメ押しのカウンターをアラケンに見舞い、場外にエスケープしたアラケンを追うようにエプロンを走っての一発。リングに戻ったアラケンにかわず落とし、そして試合開始10分を過ぎた時点で阿部が登場。だが止まらないワルイヤツラの勢い、ヤスへのドロップキックを一発入れて意地を見せた阿部。

 近藤と交代、ヒデとアラケンに直伝ヒップアタックをお見舞い。越中を呼び込むとヒップアタックの競演、ヒデを抱え上げて投げ捨てバックフリップ。コーナー突進を両足キックで迎撃、ミサイルキックを放つとド根性デスロックへ。大金星のチャンスだったがヤスがカット、場外で分断する間に近藤はジャンピング・ブレーンバスターで追い打ち。マンハッタンドロップでピンチを脱したヒデ、いつの間にかエプロンに戻ったアラケンとブラインドタッチ。ロープにもたれさせた近藤にアラケンは回転エビ、カウント2。リング上ではさも試合権利があるように振る舞うヒデだが、近藤はわかっていない。近藤が突進、ヒデがリープフロッグでかわした先にはアラケンのジャンピング・パイルが待ち受けていた。グサリと直角に突き刺さる一撃で完璧なフォール勝ち。

 越中詩郎を向こうに回したワルイヤツラは勝利者賞で贈呈された小泉農園産「わがままいちご」で乾杯。最後はプレゼンターである小泉氏の口にイチゴを詰め込んで勝利をアピールするワルイヤツラであった。

第6試合

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 旗揚げ4周年記念大会のメイン、ユニバーサル王座を賭けたタイトルマッチ。昨年末のシングル3連敗という屈辱を味わった田村にとっては背水の陣。一方のロッキー、実はボクシングスタイルに変わってからHEAT-UPマットで負け知らず。期待と不安が入り混じる空間の中、試合は始まる。

 お互いの距離、タイトルマッチの重圧感の中踏み込めない両者。田村はけん制のパンチをかわしてタックルで倒しグラウンドへ持ち込む作戦。これはロッキーも警戒、引きずり込まれるとすぐにロープへ。攻めあぐねる田村、次に首相撲の体勢から膝を突き立てていく。ムエタイやキックボクシングで良く見られる攻防だが、これにロッキーはボディブローで応戦。先にマットに膝を付いたのは田村、だが続くバルボアブローは冷静に回避。徐々に距離を詰める中、ローでけん制する田村。ロッキーもこれは度々受けている事もあり、逆に軸足を出して田村の大振りを誘う。右ジャブで近づいていくロッキー、田村の右ミドルが左腕にヒットすると攻守が入れ替わる。そのままミドルを打ち続け、チキンウイングからグラウンドへ引きずり込む田村。ダブルリストロックを狙う田村だが、ロッキーも必死のガード。腕を極められた瞬間エビで動いてロープに足を伸ばすロッキー。

 ここで5分経過、館内から両者の攻防に拍手が送られる。左腕の位置がやや下がったロッキー、田村は左ローから右ミドル、首を掴んで膝蹴り、ボディへの一発でロッキーニーダウン。田村は左腕を掴んで腕十字へ、ロッキーはブリッジで耐えて腕をクラッチ。ボクシンググローブは滑らないため力が入るのか、田村の背中はリングマットと同じく深紅に染まっている。身体を反転させたロッキー、空いている右で田村にパンチを放っていく。耐えた田村は諦めずに腕十字狙い、絶えず動いているロッキーに絡みつき下からの腕十字を狙いにいくが、またもグラウンドでパンチを振り下ろすロッキーの前に手を放してしまう田村。グラウンドでのパンチがテンプル近くに入ったのか、こめかみの辺りをおさえる田村。
 再びスタンドへ、右のボディやジャブで距離を詰めるロッキー、田村も前進して左腕を掴みにかかる。コーナーで左腕を取り、スタンドのワキ固めでリング中央に誘う田村。グラウンドから田村は腕を極めたままスタンドへ、アームロックに対しロッキーは脇腹へのパンチ。スイッチした田村は右ソバットをロッキーのボディへ、もう一度チキンウイング、ロッキー脇腹へのボディブローで反撃。これが効いたのか下がる田村、しかしお返しのボディブローからサイドキック、ロープに走るがカウンターのボディブローをモロに食らってしまう。

 10分経過、ヒットの瞬間声を上げた田村、がら空きの顔面にロッキーの右フックが炸裂。ダウンする田村、打ったロッキーもボディへのダメージが大きく悶絶。ダブルダウン、カウント8でロッキーが先に起き上がる。意識が朦朧としているのか、田村はロッキーのジャブをまともに食らってしまう。続けてロッキーは田村の左腕を抱えてボディ連打、コーナーに詰めてボディのラッシュ。リング中央に田村を寝かせるとボクシング式フィストドロップ、カウント2。ジャブとボディ、上下に打ち分けるロッキーに対し、田村は右ミドルで応戦。ロッキーが引いた瞬間右ソバット、ロープに走ってスリングブレイド、座らせてランニングロー、カウント2。ダメージを負ったロッキーにコーナー最上段からミサイルキックを狙う田村、しかし起き上がったロッキーの右フックが顔面を直撃。館内から湧き上がる田村コール、構わずロッキーは田村を立たせて右のショートフック連打、ぐらついた田村に大振りのボディブロー、ニーダウン状態ではボディとアッパー、「バルボアブロー!」と叫びとどめを刺しにいく。が、最も田村が警戒していたのはこの一撃。一発目をかわし、慌てたロッキーが二発目を放つと下から腕を取ってグラウンドへ。チキンウイング・アームロックから腕十字へ移行する田村、身体を反転して逃れようとするロッキーに追い打ちのアンドレ。ポジションは完璧だが、受けたダメージが大きいせいか左腕を絞りきれない田村。体勢が崩れると再び腕十字、腕が伸びてしまったロッキーだが身体を起こして必死のクリア。ロッキーの腕がクラッチされた状態で立ち上がる両者、ボディブローで脱出を図るロッキー、しかし田村はそれに合わせるかのようにボディへ鋭いニーを一撃。ミノルスペシャルが決まるとたまらずタップするロッキー。

 勝負が決まっても大の字で倒れ込んでいる両者、15分弱と最近のタイトルマッチにしては短時間での決着であったものの、様々な思いやダメージが蓄積された激しい一戦となった。

エンディング

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 ダメージが残る中、観客に勝利をアピールする田村。盟友てっしーがベルトを腰に巻き改めてウィナーコール。勝利者賞の川崎野菜は大量に贈られ、ようやく安堵の表情を見せた田村。コーナーで座り込んでいるロッキーに対し、健闘を称える田村。場内のロッキーに対する声援を煽る田村、リング中央で拳を突き合って…と思われた瞬間新井健一郎がリング内に乱入し田村に一撃。久保田ブラザーズも乱入しロッキーに襲い掛かる。セコンドの静止を振りほどき、クボブラが振った田村にアラケンがベルトで一撃。近藤と兼平がワルイヤツラをリング外に追い出す。そしてアラケンはマイクを掴む。

アラケン「オイ!新百合ヶ丘にお集まりのお客さん、えぇ!?まあ、見事メインイベント、タイトルマッチ、えぇベルトを防衛した、田村和宏さんに、盛大な拍手でも贈ってもらいましょうか!(館内拍手)えぇ!?いや~、素晴らしい試合でしたなあ。えぇ!?まあ、とりあえずオイ、新年一発目、オイ、シングルのベルト守って、オイ、おめでたいスタート切れて良かったなおい。それよりもな、休憩時間に発表されてたなおい。えぇ!?タッグのトーナメントですか?えぇ!?しかも、ちゃんとベルトまで新しくこさえて、えぇ!?トーナメントを見てもらえばわかる通り、この新井健一郎はぁ~、こちらにいらっしゃいます~、ヒデ久保田選手と組んで出るわけですがぁ~、オイ!他誰出るんだ全く知らねえけど…(ヤスが「俺は?」と問うがアラケンが修めるように)あ、ちょっとごめんなさいねここは(館内笑い)、ええごめんなさい(怒りを露にするヤス)。まあまあまあまあまあ。オイ!今日の試合お客さん、俺たち三人の試合見てもらったら、わかるだろおい。オイ!えぇ!?(近藤がリング内から突っかかる)おうあんちゃん、何だ俺らに用があるような感じだけども、今日の試合でわかっただろお前おい、俺らお前ようおい、たたずまいだけで十分なんだよ。オイ、なんぼの技もやってこいよお前、いっくらでも跳ね返してやるぞおい。とりあえず宣言させてもらうわ!今度できるタッグのベルトは、『確実に』この俺とヒデ久保田が『確実に』巻くからな。オイ、他のチーム、別に興味がねえから誰が出るなんて全く知らねえけど、なあ!じゃお客さんに問おうじゃねえか。えぇ!?誰が出るのかお客さん見てるはずだよなおい。俺とヒデちゃんが『絶対ベルト獲るだろう』『まあ順当に獲るだろう』って思ってる人、拍手してくれ(場内から期待を込めた拍手)。こんだけの拍手で十分だ。まいいや、いやいや、俺はいくらでも、なあドラゲー出身だからマイクでなんぼでも、お客さんとリングのお前ら掌に乗せてマイク1本で転がす事可能だけど、とりあえず俺ら言いたい事言ったんで、ね?とりあえず帰りましょうか(館内笑い)。君ら、この後マイク喋れる?何かうまいこと言える?なあ、まあいいや。この年始まったHEAT-UP、えぇ!?久保田ブラザーズwith新井健一郎、オイ!あとあと説明するけど、略して『田村和宏被害者の会』今日改めて結成させてもらうぞおい!(館内笑い)えぇ!?なんせこのヒデちゃんはおい!HEAT-UP設立当初、えぇ?ちょっと、出てましたよね?」

ヒデ「オイ!田村!!おい!いつの間にか俺の存在が無かった事になってんじゃねえかよ!!(館内笑い)おい言っとくぞ!今日よお、テメエに宣戦布告だ!タッグトーナメント、俺とアラケンでエントリーだ。おめえらが束になってもな、絶対かなわねえんだよ。いいか、タッグトーナメント、この紳士二人でかき回してやるからな。よ~く覚えといてください。どうも、ありがとうございましたー!」

 リング上の近藤を促すようにマイクを置いていくアラケン。アラケン&クボブラが去っていくのをまじまじと見つめている近藤。

近藤「新井さん待ってくださいよ新井さん!待ってください、なに好き勝手やってんですか。確かに今日僕負けましたよ。参りました。完全に獲られました。だけどね、やられた借りは絶対返しますからね!タッグトーナメントで、僕が獲り返します。覚えといてください。(館内から近藤を称える拍手)皆さんいいですか!このタッグトーナメント、僕と兼平が組んで、絶対ナンバーワン獲ってみせます。確かに僕はプロレスの技術も体力もマイクもまだまだです。でも!でも僕は気持ちだけはナンバーワンだと思っています。そして今のところマイクはHEAT-UPでナンバーワンです(館内笑いと拍手)。後楽園もあるし、タッグトーナメントもあるので、僕はこの(自分の)カード全選手を倒して、そして田村さんも越えたいです!僕はまだまだですけど、兼平と組んでナンバーワンになります!おねしゃす!!(館内拍手、兼平にマイクを渡す)」

兼平「(場内の兼平コールに促されるように)え~…ゴホン!(相変わらず煮え切らないマイクに館内から声援)僕は(他に)どんなチームが出るか知らないですけど…近藤さんとHEAT-UPのベルトを巻くのが夢です。そうっすね、もう…多分、僕と近藤さんが組めば…(館内からの野次に思わず笑ってしまうふたり)必ず決勝戦まで勝ち上がるので、皆さん最後まで見に来てください!応援お願いします!(田村にマイクを渡す)」

田村「(館内の野次に対して)おう文句言われっぱなしじゃないかよお客さんにも!おい…おい…阿部ちゃん♥(館内笑い)阿部ちゃん、俺とタッグ(トーナメント)だよね~。阿部ちゃん、俺、ここで二冠王になりたいから、阿部ちゃん優勝しようよ!(「よっしゃー!」と拳を突き上げる阿部)決勝は3月30日、HEAT-UP新百合ヶ丘大会で行います!絶対に俺ら優勝して、ベルト、俺が総なめにしてやるー!!(近藤&兼平に対し)お前らまだまだちっちゃいんだよ!背はでかいかも知れないけど、ちっちゃいんだよ!おい!俺のオーラを見なさい!!(館内笑い)すごいだろー!このオーラで今日は締めたいと思います!新年一発目、今日はありがとうございましたー!(館内拍手)いや~、ロッキーさん緊張感で…やばかったですけど、なんとか勝つ事ができました。このまま防衛し続けますので、後楽園までみんな見守ってください!よろしくお願いします!」

 果たしてどれだけの人が田村のオーラを確認できたか、それは定かではない。シングルのベルトを防衛したのもつかの間、今度はタッグトーナメントが待っている。一昨年と昨年、連続して優勝チームに加わっている田村だが、『田村和宏被害者の会』の勢いや後輩からの突き上げには脅威を感じていると思われる。シングルとタッグ、両方の戴冠という青写真は現実のものになるのか?

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