木髙イサミのプロレス11.17新宿大会 イサミ初の自主興行で新宿地上最大武道会トーナメントを開催
木髙イサミのプロレス
日時:2014年11月17日(月)
開場:18:00 開始:19:00
会場:東京・新宿FACE
観衆:372人(満員)
▼第一試合 新宿地上最大武道会トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負
●チェリー
4分5秒 そうまとう→片エビ固め
○里歩(我闘雲舞)
※里歩が2回戦進出
▼第ニ試合 新宿地上最大武道会トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負
○がばいじいちゃん(九州プロレス)
3分26秒 場外
小笠原和彦(押忍闘夢)
※がばいじいちゃんが2回戦進出
▼第三試合 新宿地上最大武道会トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負
○木髙イサミ
7分40秒 場外
●GENTARO(FREEDOMS)
※イサミが準決勝進出
▼第四試合 新宿地上最大武道会トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負
●趙雲子龍(新北京プロレス)
7分56秒 K.O.
○FUMA
※FUMAが準決勝進出
▼第五試合 新宿地上最大武道会トーナメント2回戦 時間無制限1本勝負
○里歩(我闘雲舞)
7分15秒 十字架固め
●宮本裕向(666)
※里歩が準決勝進出
▼第六試合 新宿地上最大武道会トーナメント2回戦 時間無制限1本勝負
●がばいじいちゃん(九州プロレス)
4分46秒 モダンタイムス
○ヤス・ウラノ(DDT)
※ヤスが準決勝進出
▼第七試合 新宿地上最大武道会トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
●里歩(我闘雲舞)
7分15秒 十字架固め
○木髙イサミ
※イサミが決勝戦進出
▼第八試合 新宿地上最大武道会トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
●FUMA
7分24秒 場外
○ヤス・ウラノ(DDT)
※ヤスが決勝戦進出
▼第九試合 特別試合 時間無制限1本勝負
石川修司/●風戸大智
13分56秒 ジャーマンスープレックスホールド
○関本大介(大日本プロレス)/植木嵩行(大日本プロレス)
▼第十試合 新宿地上最大武道会トーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
●木髙イサミ
28分39秒 ツームストンパイルドライバー→片エビ固め
○ヤス・ウラノ(DDT)
※ヤス・ウラノが新宿地上最大武道会トーナメント優勝
決勝戦で主催者のイサミを破ったヤスが新宿地上最大武道会トーナメント優勝!
里歩がチェリー、宮本を破る大活躍!関本が第2回大会への出場を熱望
オープニング
まずは特別リングアナの福田洋が、福田曰く“プロ前説ラー”の竜剛馬と共に登場。今日、新宿最強の男を決める大会だと煽った2人は、改めて新宿地上最大武道会トーナメントのルールを説明。竜が分かりやすく説明する中、必要以上に大きなリアクションをして邪魔する福田。
最後は福田がマイケル・バッファーばりに「Let's Get Ready to Rumble!!!!」と開始宣言。
第1試合
新宿地上最大武道会トーナメント一回戦第1試合は我闘雲舞で現在IWA三冠王者の里歩vs.チェリー。握手を求めたチェリーは里歩が応じたところで力いっぱい握り締めると、さらにストンピング。里歩もチェリーの足を掴んで鉄柱に叩き付けると、弓矢固めで持ち上げる。
身体を捻って覆い被さったチェリーは、里歩のドロップキックを自爆させてクスクス笑うと、「クソガキ」と言いながらヘアーホイップ。しかし着地した里歩はドロップキック。チェリーは「どっこいしょ!」と大外刈りで叩き付けると、ヘッドロックに捉えて里歩の髪の毛を抜いていく。
さらにフロントネックロックに捉えた状態で腿を引っ掻いていったチェリーはダブルリストアームサルト。カウント2で返した里歩は、ジャーマンを狙ったチェリーをカサドーラで丸め込むと、ロコモーション・ブレーンバスター。チェリーもサミングから首固めで丸め込むと、さらに春夜恋(=チェリー式丸め込み)。
カウント2で辛くも返した里歩だが、チェリーはブリザードスープレックスで投げる。これもカウント2で返した里歩は、チェリーの熟女でドーン!をジャンピングニーで迎撃すると、そうまとうを狙う。うまくかわしたチェリーはもう一度春夜恋を狙ったが、うまく切り返した里歩はその場跳びのそうまとう。さらに距離を取って走り込んでのそうまとうを叩き込んで3カウントを奪った。
第2試合
樋口練習生に介添えされながら入場したがばいじいちゃんだが、リングを素通りして帰ろうとする。慌てて吉野レフェリーが連れ戻して、ようやくリングイン。なお、このトーナメントでは凶器の使用は禁止だが、小笠原がじいちゃんの杖の使用を認めたため、じいちゃんの杖攻撃は許可された。
空手着の上着を脱ぎ捨てた小笠原だが、開始早々リングを降りようとするじいちゃん。慌てて止めにはいった吉野レフェリーを突き飛ばして落とそうとするじいちゃんだが、相手が違う。
観客からの声援に手を降って応えたじいちゃんに、何ともやりにくそうな小笠原。するとじいちゃんは杖を構えて小笠原ににじり寄る。かわして鉄柱に誤爆させた小笠原は「怖ぇ〜。杖、やべぇじゃねぇか」と警戒。セコンドについていた樋口練習生の「おじいちゃん、足に何か付いてる!」という声に反応した結果、小笠原の蹴りをうまくかわしたじいちゃんは、杖攻撃で小笠原を倒すと、頭を踏みつけてゲートボールの要領で杖で殴打。
怒った小笠原が容赦なく反撃すると、じいちゃんはドロップキックでリングの縁まで吹っ飛ばしていき、何と奈落式パワーボムの体勢に。どうにか耐えた小笠原だが、じいちゃんはショートレンジラリアットを叩き込んで小笠原を場外に叩き落として勝利。2回戦でじいちゃんはヤス・ウラノと対戦する。
第3試合
新宿地上最大武道会トーナメント一回戦第3試合では主催者であるイサミが、自ら希望した相手GENTAROと対戦。握手をかわしてから、まずは組み合ったところからイサミが飛行機投げ。グラウンドに持ち込むが、GENTAROはヘッドロックに捉えると、胴絞めスリーパーへ。
GENTAROの足を両足で挟んでクラッチしたイサミは、サイドにパスするとアームドラッグで投げてからGENTAROの腕を固めていくが、GENTAROも足をすくって倒すと、そのまま場外に落とそうとする。
回り込んで免れたイサミはGENTAROの得意技であるシャープシューターを狙うが、GENTAROはうまく倒してアキレス腱固めへ。イサミはクロスさせたGENTAROの両足を変型の足4の字固めに捕らえる。転がったGENTAROは、そのままイサミごと場外に落ちそうになるが、どうにか踏ん張った両者。
リング中央に引っ張ってきたイサミは、レッグスプリットやレッグブリーカーなど足殺し。だが、タックルを狙ったイサミを捕まえたGENTAROはイサミの首を捻りあげると、そこからフェースロック。さらに首4の字固めへとスイッチ。
そのまま足を抱え込んでカバーしたGENTAROだが、どうにかカウント2で返したイサミ。フロントネックロックに捉えたGENTAROだが、そのままぶっこ抜いてブレーンバスターで投げたイサミは今度こそ掟破りの逆シャープシューターへ。だが、GENTAROはイサミの足を引っ張ると、逆片エビ固めに切り返す。
イサミもレッグスプリットで切り返すと、そこからSTFへ。だが、GENTAROはワキ固めで切り返す。うまく反転して抑え込んだイサミだが、カウント2で返したGENTARO。ならばとヘッドロックに捉えたイサミだが、GENTAROは豪快なバックドロップで切り返す。
10分が経過し、今度はGENTAROがシャープシューターを狙うが、イサミはステップオーバーされる前にGENTAROを倒す。GENTAROも強引に立ち上がるが、ポジションはリングに端に。そこでイサミがGENTAROを場外に突き落とし、リングアウトで勝利!
してやられたGENTAROだが、潔く負けを認めてイサミと握手を交わすと、お互いに座礼をしてからイサミを抱きしめた。
第4試合
カンフー着の趙雲に対し、FUMAは空手着姿で登場。お互いに牽制の蹴りを出していくと、FUMAが突きを出すが、ブロックした趙雲は水面蹴り。ジャンプしたかわしたFUMAだが、趙雲は低い構えから低空タックルを狙う。
だが、FUMAはかつてミルコ・クロコップが藤田和之を仕留めたようなヒザ蹴りで迎撃すると、サッカーボールキック。趙雲はなおもタックルを狙ったが、潰して肘を落としたFUMA。
趙雲もガブってからフロントネックロックに捉えるが、首を抜いたFUMAは猪木-アリの体勢からサイドへのパスを狙う。だが、趙雲は逆にFUMAがパスガードした瞬間に回転して丸め込む。カウント2で返したFUMAは回り蹴りを放っていくが、趙雲もボディへの突きで応戦。
ならばとFUMAは場外に投げ出そうとするが、うまく踏み止まる。なおも趙雲を投げていったFUMAだが、鉄柱を掴んで回転した趙雲はうまく鉄柱に登ってカンフーキックを発射すると、キャメルクラッチに捉える。
ギブアップしないFUMAに対し、顔面とボディへの突きから肘でカチ上げていった趙雲は、鉄柱によじ登ってから、『ドラゴンボール』に出てくるナムの得意技である天空×(ペケ)字拳を投下。カウント2で返したFUMAは蹴りで趙雲をリングの端まで吹っ飛ばすと、エクスプロイダーで投げてからバズソーキック。
かわした趙雲は丸め込む。辛くもキックアウトしたFUMAだが、趙雲はなおも丸め込むと、カウント3寸前で返したFUMAにスピンキック。しかしFUMAもジョーブレーカー(=顔面へのソバット)を返すとハイキックから蹴りを連打。レフェリーが割って入り、ダウンカウントを数え始めると、前のめりに倒れた趙雲はカウント10以内に立ち上がれずFUMAがKO勝ちを収めた。
第5試合
新宿地上最大武道会トーナメント準決勝二回戦第1試合は、里歩vs.宮本裕向。女子高生vs.ヤンキーという対決だが、握手を交わした宮本はなかなか手を離さない。ヤンキー座りしながら里歩を舐めるように見回した宮本は、ロックアップするとパワーで突き飛ばす。
手四つの力比べでも圧倒的な力で押し込む宮本だが、里歩は後転すると宮本の指を捻り上げていく。足をすくって倒した宮本はレッグロックに捉えると、リバースインディアンデスロックとキャメルクラッチの複合技へ。
ヘッドロックに移行した宮本だが、ヘッドシザースで脱出した里歩はドロップキック。これをバック転してかわした宮本は、敢えて里歩のエルボーを受け止めると逆水平チョップ一発で里歩を吹っ飛ばす。さらにボディスラムで叩き付けていった宮本は、里歩の髪の毛を捻り上げると女子プロレス式ヘアーホイップで投げていく。
さらにロメロスペシャルで吊り上げた宮本は、そのまま横回転するロコモーション式で決めるとカベルナリアに移行。5分が経過して「もう落とす!」と叫んだ宮本だが、逆に里歩が突き飛ばす。どうにか土俵際で残った宮本は、鉄柱に登ると「愛してま〜す」と叫んでからブレーンチョップを落とすと、珍しく成功。
だが、宮本のブレーンバスターを着地した里歩は張り手を叩き込んでからブレーンバスターの体勢に。宮本が逆に投げようとしたが、その反動を利用して見事に投げてみせた里歩はジャンピングニーから「オー」。ノーザンライト・スープレックスの体勢に入るが、宮本はファイヤーサンダーで切り返そうとする。
辛くも背後に着地した里歩は後頭部へのジャンピングニーからそうまとうを発射。だが、ブロックした宮本はサンダーファイヤーパワーボムで叩き付ける。カウント2で返した里歩をジャイアントスイングで回した宮本だが、里歩もくるくるリボン(=回転十字から旋回しながらエビ固め)で切り返す。
カウント2で返した宮本だが、お互いに目を回してあらぬ方向にドロップキックを放って自爆。宮本は殴りかかってくる里歩の頭を掴んで動きを止めると、ラストライドを狙って持ち上げるが、里歩は回転エビ固めで切り返すと、カウント2で返した宮本にその場跳びそうまとうを発射。宮本はそのまま後方に吹っ飛ぶと場外に転落して里歩がリングアウト勝ち! この番狂わせに場内は大盛り上がり。
第6試合
入場時間短縮のため、樋口練習生にオンブされて入場したじいちゃん。ヤスはじいちゃんの杖の使用を認めなかったため、じいちゃんの杖は吉野レフェリーが取り上げる。観客からはブーイングが飛ぶが、じいちゃんは折りたたみ式の杖を隠し持っており、その杖を伸ばしてアピールするが、あっさり吉野レフェリーが取り上げるとヤスが攻撃していく。
じいちゃんも反撃しようとするが、何がしたいのかが分からない。ヤスは容赦なくチョップを叩き込むと、じいちゃんの顔面に低空ドロップキック。さらにツームストンパイルドライバーで仕留めようとするが、うまく逃れたじいちゃんはドロップキックからショートレンジラリアット。さらにライガーボムで叩き付ける。
さらにチョークスラムを狙ったが、ここで持病の腰痛が悪化。すかさず背中から乗っかって踏みつぶしたヤスは逆エビ固めで腰を痛めつける。じいちゃんはスケープしようとロープのほうまで這って行くが、ロープはない。それでもヤスはリング中央まで着キズってきて腰を落とす。
しかし脚力で跳ね返したじいちゃんは鉄柱の上まで登っていくと、スワントーンボムを投下。カウント2で返したヤスにじいちゃんは首をかっ斬るポーズから奈落式パワーボムを狙ったが、またも腰に激痛が走る。すかさず脱出したヤスはモダンタイムス(=スクールボーイからの逆さ押さえ込み)を決めて3カウントを奪って勝利。準決勝でFUMAと対戦することが決定した。
第7試合
休憩時間の間にリングにはロープが張られたが、トーナメントルールでは準決勝まで場外に転落しても負けとなる。特別リングアナの福田がコールしてイサミと里歩を呼び込む。ガッチリと握手を交わしてから試合が始まると、まずは腕の取り合いに。そこから里歩がイサミの腕を引っ張って場外に落とそうとするが、ロープを掴んでどうにか免れたイサミ。
619を叩き込んだ里歩だが、イサミは里歩の右腕を掴むとショルダーアームブリーカーから右腕にグーパンチ。痛がる里歩をWARスペシャルに捉えたイサミ。里歩も全力で脱出しようとすが、イサミが力でねじ伏せるとロープに脱出。
なおも里歩の右腕を蹴っていったイサミは里歩をコーナーにホイップ。しかしコーナーに飛び乗った里歩はハリケーン・ラナで投げていくと、くるくるリボン(=回転十字から旋回しながらエビ固め)を狙う。これをパワーで弾き飛ばしたイサミだが、串刺し攻撃をかわしてジャンピングニーを叩き込んだ里歩はダイビング・クロスボディー。
さらにイサミのハイキックをかわしてノーザンライト・スープレックスで投げた里歩はそうまとうを発射。かわしたイサミはバックドロップで投げていくと、バズソーキックを叩き込む。辛くもカウント2で返した里歩だが、イサミはSTFへ。ロープに伸ばそうとする腕を掴んだイサミは裏STFに移行するが、里歩はどうにかロープに脱出。
イサミのダイビング・ダブルニードロップをかわして後頭部にそうまとうを叩き込んだ里歩はくるくるリボン。イサミもエビ固めで切り返すと、里歩も丸め込み返す。だが、イサミはそこから四壱九(=変型腕固め)へ。完全に決められる前に横十字で切り返した里歩だが、イサミがさらに横十字で切り返して3カウント。
このトーナメント大健闘だった里歩だが、勝って決勝進出を決めたイサミは座礼すると里歩の腕をあげて健闘を称えた。
第8試合
新宿地上最大武道会トーナメント準決勝第2試合はヤスvs.FUMA。FUMAの変則的な蹴りになかなか懐に入れないヤスはロープエスケープを巧みに使いながら様子を伺う。組み付いていったヤスにニーリフトを入れていくFUMAだが、見事な払い腰で投げたヤスはFUMAの空手着をうまく使って送り襟締めに捉える。
さらに奥襟を掴んでうまくいなしたヤスは、バックマウントを取ると胴絞め式片羽絞めへ。ロープに逃れたFUMAは、道着の上着を脱ぐと、それをヤスの頭から被せて蹴っていく。
不意を突かれたヤスにサッカーボールキックを叩き込んだFUMAは、背中に肘を落とすと手刀を振り下ろす。思わず場外にエスケープしそうになるヤスだが、それが無理だと手を合わせて謝り出す。だが、FUMAは容赦なく中段蹴りを叩き込むと、串刺し式スライディングキックから腕十字の体勢に。ヤスがクラッチするとキーロックにスイッチしたFUMA。
そこからもう一度腕十字を仕掛けていきクラッチを切ったFUMAだが、ヤスはどうにかロープに脱出。中段蹴りを放ったFUMAだが、蹴り脚をキャッチしてエルボーを落としたヤス。しかしFUMAは延髄斬りから串刺しフロントキックを叩き込むと、ハーフダウンのヤスに下段蹴りを叩き込む。
「息吹!」と叫んで逆回し蹴りを放ったFUMAだが、かわしたヤスは猫だましから首固め。さらにロープを掴んでのヘッドシザースでFUMAを場外に落とそうとするが、どうにか回避。逆にエプロンに落ちたヤスに対し、FUMAは三角跳びを狙ってコーナーに飛び乗るが、ヤスは突き落として反対側のエプロンにFUMAを落とす。
そこから鉄柱を軸にして619の要領で回転したヤスは両足でFUMAをキャッチし、あるでUFOキャッチャーで商品を掴んで落とすようにFUMAを場外に落とすことに成功。この結果、新宿地上最大武道会トーナメント決勝はイサミvs.ヤスに決定した。
第9試合
決勝戦前に特別試合として組まれたユニオンと大日本の対抗戦。大日本の植木は風戸に負けないくらいのハイテンションで入場。テンションの高さで張り合う風戸と植木。「お願いします」と深々と頭を下げた風戸に対し、「お願いします」と敬礼した植木。
そんな2人を下げていきなり石川vs.関本で試合開始。ショルダータックルでのド迫力なぶつかり合いを展開。最後に打ち勝って関本をなぎ倒した石川は風戸にタッチ。エルボーを打ち込んでいった風戸だが、関本は逆水平チョップ一発でなぎ倒すと植木にタッチ。
エルボー合戦からヘッドロックに捉えた植木に続き、関本が逆水平チョップを叩き込むが、風戸の額をくっつけて睨み付けるとエルボーで反撃。だが、受け止めた関本はエルボー一発で風戸をなぎ倒すと、エルボードロップを投下。タッチを受けた植木はコーナースプラッシュからコスチュームのショルダーをはずして、もう一発コーナースプラッシュ。
「顔面ウォッシュいくぞ!」と叫んだ植木は、足ではなく自らの胸毛で風戸の顔面をウォッシュ。関本とのダブルの攻撃で控えの石川を場外に叩き落とした植木。その間にリング上では関本が風戸に逆エビ固め。
だが、ロープに逃れた風戸は関本のラリアットをかわすとワンツーエルボーを連打。さらにジャンピング・アックスボンバーを返して石川にタッチ。串刺しラリアットからコーナーに二段目に登った石川はダイビング・フットスタンプを投下。続く石川のブレーンバスターを踏ん張った関本だが、石川は暗闇の虎式ツームストンパイルドライバーのスイッチ。
ロープに飛ばそうとする石川にレインメーカー式ラリアットを叩き込んだ関本。ド迫力のエルボーの打ち合いから石川がドラゴンスープレックスで投げ捨てると、ランニングニーリフトを狙う。しかし関本はラリアットで迎撃。
ここで風戸と植木がお互いにハイテンションでタッチを求めていくと、石川と関本がほぼ同時にタッチ。ハイテンションでエルボーを打ち合った両者。ショルダーを外した植木に張り手を見舞った風戸はロープに飛ぶが、追走した植木はブロックバスターで叩き付けると関本にタッチ。
串刺しラリアット2連発を狙った関本だが、2発目のときに飛び込んできた石川がニーリフトで迎撃。さらに石川を踏み台にした風戸が串刺しミサイルキック。さらにソバット、ハイキックを叩き込んだ風戸はスワンダイブ式ジャンピング・アックスボンバー。しかしスライディング式アックスボンバーをキャッチした関本はエクスプロイダーで投げ飛ばすとサソリ固めへ。
石川がヘッドバットでカットするが、植木が入ってきて関本を呼び込み合体式ブレーンバスターで石川を投げていく。さらに風戸にトレイン攻撃を決めた大日本組。植木がボディスラムで叩き付けた風戸に関本がフロッグスプラッシュを投下したが、風戸はカウント2で返す。ならばとラリアットでなぎ倒した関本だが、これもカウント2で返す意地を見せた風戸。
すると関本は奥の手・ぶっこ抜きジャーマン・スープレックスで投げてようやく3カウント。佐藤光留戦を経て、植木というライバルの出現が風戸を一気に成長させたのかもしれない。するとマイクを持った関本が「ちょっとひと言いわせてもらっていいですか。イサミ選手、天下一武道会みたいなことやってるそうじゃないですか? 何で俺を出さないんだ! 植木、お前も出たいだろ?」と言うと、植木も「俺も……」とハイテンションで思いの丈を叫ぼうとしたが、関本は「分かってる。お前の気持ちは分かってる」と割って入ると、「イサミ選手、次、こういう機会があったらぜひオファーくれよ」とアピールした。
第10試合
特別リングアナの福田洋がケロちゃんばりの前口上から、新宿地上最大武道会トーナメント決勝戦に進出したヤスとイサミを呼び込む。先に入場したヤスは、イサミが入場してくる際、リングを降りてリングサイドで観戦していたアブドーラ・小林を連れてきて「セコンドをお願いします」と味方につけた。
「勝つぞー!」と叫んでからイサミと握手を交わしたヤス。バックの取り合いから一旦離れた両者。ロックアップからロープに押し込んだヤスだが、ここはクリーンブレイク。手四つを狙ったイサミだが、ヤスはイサミの腕を掴むとうまくねじり上げていく。
イサミもハンマーロックで切り返すが、ヤスもハンマーロックで応戦。カニ挟みで倒したヤスは両足を絡ませての足関節を仕掛けるが、イサミはアンクルホールドで切り返す。そこからレッグロックにスイッチしたイサミだが、ヤスはアンクルホールドを狙う。
だが、反転したイサミはリバースのインディアンデスロックに捉えると、そこから弓矢固めを狙う。必死に抵抗するヤスだが、どうにか持ち上げたイサミ。しかしヤスは指に噛みついて脱出。レフェリーに注意されると「塩分が欲しかったんです」と言い訳をしたヤスは、両足を刈って上になるとレッグスプリットへ。
反転してお互いに両足が絡まったまま頭を支点にして睨み合うと張り手を打ち合う。足の痛みに耐えられなくなり離れる。組み付いたイサミは払い腰で鮮やかに投げていくと、サーフボードストレッチへ。反転して形成逆転したイサミ。アブ小がヤスにアドバイスを送るが、ヤスは反転できずロープに脱出。
レッグロックに捉えていったヤスは「小林さん、次は?」とアドバイスを仰ぐが、アブ小は「考えろ! あ、ニヤロープだから真ん中、真ん中!」とアドバイス。アブ小のアドバイスを受けて、執拗なレッグロックで絞りあげていったヤスだが、イサミはどうにか振り解く。だが、ヤスはなおもイサミの左足を痛めつける。
イサミも何とかカウンターのドロップキックを返してヤスを場外に落とすとトペを発射。ステージ上までヤスを連れ出したイサミは低空ブレーンバスターで投げて床に叩き付ける。場外カウント19で滑り込んだヤスだが、イサミはそこにスワンダイブ式低空ドロップキック。ヤスの左ヒザにクリーンヒットすると、イサミはドラゴンスクリューからヤスをコーナーに張り付けてから左足を捻り上げる。
さらに左ヒザに低空ドロップキックを叩き込んだイサミは、ナガタロック1へ。苦痛で顔を歪めるヤスに対し、イサミは左ヒザへのバズソーキック。ヤスは対角線にホイップされても足を引きずり、まともに走れない。イサミは串刺し式ジャンピング・フロントキックを叩き込むと、ダイビング・クロスボディー。
これをドロップキックで迎撃したヤスは左ヒザを押さえてうずくまるが、「痛くなーい!」と自らに言い聞かせると、マンハッタンドロップからイサミをトップロープに逆さ吊りにしておいてドロップキック。アブ小から「いける! いける! 向こうも痛いんだよ!」と檄を飛ばされたヤスは背後からイサミのヒザ裏にエルボーを叩き込むと、ニークラッシャーの体勢からマットにいざ見の左ヒザを叩き付けると、足4の字固めを狙う。
これを首固めで切り返したイサミはキックアウトしたヤスをブレーンバスターで投げていく。カウント2でロープに足をかけたヤスだが、イサミはコーナーに登っていく。だが、立ち上がったヤスは下から殴りかかっていくと、雪崩式フランケン。イサミも回転エビ固めで切り替えそうとしたが、さらに後転したヤスはイサミの顔面に低空ドロップキック。
エルボーを連打したヤスに、イサミはフェイントから腹パンを叩き込むが、ヤスもレフェリーを盾にしての延髄斬り。しかしイサミも勇脚(=トラースキック)を返してダブルダウン。先に立ったイサミだが、また倒れてしまう。それでも両者ダウンカウント9で立ち上がると張り手の打ち合いに。イサミのかめはめ波に対して、アッパーカットからヒザへの低空ドロップキック、さらにDDTを返したヤスは奥の手ムーンサルトプレスを投下。
だが、かわして自爆させたイサミは千鳥脚(=ハーフダウンの相手へのレッグラリアット)を叩き込むと、ダイビング・ダブルニードロップを投下。これをヤスが剣山で迎撃したところで25分が経過。「張ってください!」とアブ小に張り手で喝を入れてもらったヤスは足4の字固めへ。
反転して形勢逆転したイサミだが、ヤスも悶絶しながらさらに反転してみせる。だが、再び反転したイサミはそのまま上体を起こして変型の逆エビ固め状態にするが、ヤスはロープに脱出。イサミの勇脚・斬(=ランニング式勇脚)をかわしたヤスだが、追走したイサミは串刺し式フロントキックからヤスをコーナーに乗せると、一度は突き落とされながらも昇龍拳を突き上げる。
だが、股下から抜けてマットに降りたヤスはコーナーに登っていくと、コーナー上のイサミにロケットパンチ。さらにもう一度コーナーに登って最上段から雪崩式ブレーンバスターで投げたヤスは、イサミの勇脚をかわすと風車式で持ち上げてツームストンパイルドライバー! これでイサミから3カウントを奪ったヤスが新宿地上最大武道会トーナメントで優勝し、新宿最強の男となった。
エンディング
満面の笑みでマイクを持ったヤスは「ありがとうございました〜。イサミ、勝っちゃった。キミが主催した大会で勝っちゃったよ。なんだっけ、このトーナメント優勝者は?」と尋ねる。イサミは「僕が褒めます」と応えるが、ヤスは「イサミっていうのは僕はKAIENTAI DOJOでデビューする前から知ってる、ハッキリ言ってものすご〜くダメな後輩だったんです! みんなは分からないと思うけど、この子、ものすごくダメな子だったんです! KAIENTAI DOJOを逃げ出して……一度じゃないんですよ! 二度も三度も逃げ出したんですよ!(※イサミが倒れたまま5本の指を突き出す)5回? 信じられます? この木髙イサミがですよ! そこから自分もよく知らないような団体に上がったり、ホントに泥水をすするような生活をしてきて、いまやこの木髙イサミは皆さんにとってどんな男ですか? 夢を叶えた最高の男でしょ!」と絶叫。
イサミは照れくさそうに口を挟もうとするが、ヤスは「いいよ、しゃべんないで!」と遮ると、「ウラノさん!」と叫ぶ続けるイサミを無視して「あのね、僕はいろんな後輩がいるけど、この木髙イサミっていう後輩がいちば〜〜〜〜ん誇らしい後輩なんですよ!」と言い切った。
さらに「とってもカッコイイ、とっても夢のある…」と続けようとしたヤスだが、「やめろ!」と遮ったイサミは「優勝したら僕が褒めるんですよ。ウラノさんね、そんな落ちこぼれのどうしょうもない僕でもね、1回も見放すことはしなかったですね。全部の試合、KAIENTAI DOJOの頃から……たぶんそれ以外の団体は見ていないと思いますけど、KAIENTAI DOJOの時とかは試合が終わる度に、それはフリーになっても『ここが良かったよ』『あそこであんなことするから負けちゃうんだよ』、いつもいつも声かけてくれて。その時は何を言ってるか意味が分からなかったですけど、約12年ちょいやって、あの頃ウラノさんが言っていた意味がようやく分かるような気がします。いや、プロレスって楽しいっすわぁ。今日はでもね、勝てると思いましたね。やっぱり僕にとってのヤス・ウラノは、常に常に常に高い存在でいてください。今日はありがとうございました」と感慨深そうな語りかけた。
そしてこの日の朝にオファーをしたという吉野レフェリーをはじめ、出場選手を呼び込む。するとGENTAROがイサミに向かって「なんで泣いてんだよ、お前! ふざけるなよ、お前! アブ師匠、あんたのせいだ!」と絶叫。アブ小が「(ヤスに)セコンドやってくれって言われたんだよ!」と反論すると、イサミは「そんな悔しい人がいましたら第2回を開催しまして、そのときにリベンジするというカタチで……。あれ、関本さん、さっき出たいってみたいなことを……やっぱり常に僕の上にいるべき先輩のヤス・ウラノさんと一回戦で……開催時期は分かりませんが、一回戦でヤス・ウラノvs.関本大介を組みたいと思いますので」と言い出したため、困惑の表情を浮かべるヤスと関本が握手。
場内大盛り上がりの中、最後はイサミが「またこういう大会をやっても面白いと思うんですが、どうですか? では皆さん、そのときまでさようなら! 今日はどうもありがとうございました!」と締めくくった。
<試合後コメント>
木髙イサミ
「いやー今日はね、今日こそ勝ってやろうと決勝にウラノさんが上がってきた時思ったんですけどね、やっぱりね、僕の中での一回戦でGENTAROさんはもちろん師匠ですし、ウラノさんもね、僕の中ですごい大事な先輩で、師匠なんですよ。いや、つえー! だからこそまた、やろうって思いますよね。どうですか?楽しかったですか?」
――ノーロープの試合をやってみていかがでした?
「やっぱね、なんか普段よりリングが広く見えるし、そしてね、なんか想像以上にお客さんが近く見えるんですよ。ロープがないってそれだけの、たった三本が四方に無いだけなんですけど、それがものすごくね、あの、近くに皆の顔が見えるんですよ。それもね、こういう実験的なものやってみないと。でもなんか、殆どの試合見ましたけど、僕が大好きなプロレスラーを集めたので、その中でもとりあえずこのメンバーっていうのは、中には自分から立候補してくれた人もいますけど、僕の好きなプロレスラーというか、上からで申し訳ないですけど開催した主催者としては狂いがなかったというか。その中でも限られたものでも活躍してくれる選手たちでしたね。またやっても面白いと思うんですけど」
――主催者として悔いはないが、プレイヤーとしては……
「そうですね。まあちょっと、時期もなくて早々にババっと発表してしまったんで、これを最後に戸惑わせる部分もあったと思うんで、もうちょっと次回は、いつやるんだかわからないですけどそれを考えてやりたいです。ウラノさんも言ってましたけど、落ちこぼれとか色々やっていればこうやって主催したりするような興行に出会える事もあるかもしれないです」
ヤス・ウラノ
「優勝出来ましたね、ビックリしましたね」
――ルール自体に関しては
「あのですね、正直あんまり考えずに来たら、正直やっぱりビックリしましたね。降りたら終わりって。でも、多分、他の人よりは機転が、ちょっとは回ったのかなと。決勝もね、小林さんがいたんですよ! これね、多分、自分のセコンドにアブドーラ・小林がいたら、イサミはものすごく嫌だろうなと思ってセコンドついてくださいって言ったら、小林さんが楽しそうに来てくれたんで、なんていうかあの瞬間に、あぁいけんじゃねぇか、ツイてるって」
――小林選手のアドバイスは的確な?
「的確だったかどうかは置いといて、イサミは多分嫌な気分ではあったと思うんで。あの、隙というか表情が曇ってたんで、いいなこれって」
――それで流れが一気に
「はい。でも、わからないですけどアブドーラ・小林という人と、木髙イサミの関係というのも、木高イサミが今まで培ってきたものなんで、それはそれで彼は甘んじて受けるんじゃないかな。ただ、勝ったのは自分だったというだけで」
――試合後はイサミ選手から「落ちこぼれでも」という言葉もあったが
「そうですね、何度も言ってるんですけどねイサミ本人には。でも皆にも知って欲しくて。木髙イサミっていうのはほんとにすごい男なんですよ。すごくない男なのに、すごいんです。この意味が、皆さんわかってくれるといいなと。ほんとに、なんというか、完全に落ちこぼれの方のタイプの人間だったのに、夢がありますよね。一番夢を叶えた男だと、自分は思ってるんで」
――決勝戦は見ていてKAIENTAIっぽい試合だなと思ったんですが
「いや、そんな……そんな意識はなかったですね。小林さんいたし(苦笑)。どうなんですかね? でも見る人がそう思ったんだったら多分、KAIENTAI DOJOは辞めましたけど、ヤス・ウラノと木髙イサミの…なんて言うんですかね? ニュートラルな闘いというのはKAIENTAI DOJOなのかもしれない」
――(イサミとの)シングルは
「何度かやってますよ。えーとね、(DDT)48総選挙の後楽園でもやってるし。あとなんかでやってるかな? シングルじゃなくてもタッグとかではちょくちょく。最近はね、ちょっと敵わないなと思ってるフシがあって。今日勝てたのも奇跡というか、あれも木高イサミの力です。木髙イサミの力でヤス・ウラノが勝ったという皮肉な感じ」
――コスチュームを着替えたのは意味があるんですか?
「あのですね、自分Tシャツ着てるじゃないですか? トーナメントの時とかって気持ち悪いんですよ、おんなじTシャツを着てると。なのでトーナメントの時とかは毎回3種類、トーナメント4試合しなきゃいけない時は4種類もってきてます。今までの私のトーナメントの試合とか過去見てもらえると多分、だいたい着替えてると思います。忘れたりしなければ。忘れることもあるかもしれない。あとこのTシャツがね、もうないんですよ(苦笑)。ここ(=襟元)破けちゃってね。これ小川良成に破られたんですよ。それ縫い合わせたんですけど、この前唯一のTシャツがケンドー・カシンに破られてしまい、私のTシャツはどんどんどんどん破られて少なくなっていくという……。なんで、この優勝した商品はないみたいですが、これを機に自分のTシャツいっぱい作って予備を沢山持っておきます。こんなことにならないように」
――次回は関本選手とという話もありましたが
「えーとですね、お断りします(苦笑)。何が悲しくて、しかも多分やるとしたらあのルールですよね? ロープがないんですよね? (スマスカ興行での)相撲見ましたか? 石川(修司)には負けたけど、無理でしょう。まあでもやります。はい。やれと言われればやるしかない。優勝者なんでね。頑張ります」