7・21 HEAT-UP新宿大会 田村vs中村 峰雄&川村vs鼓太郎&兼平 さくら&みぃvs里歩&「ことり」&帯広
- 2016-7-24
- 試合
『DREAM-UP2016~青春の日々~』
日程:2016年7月21日(木)
開場18:00 開始19:00
会場:東京・新宿FACE
観衆:238名
▼"現役大学生飯塚優デビュー戦" 15分1本勝負
○渡辺宏志
5分22秒 ダブルリストロック
●飯塚優
▼HEAT-UPユニバーサル王座次期挑戦者決定トーナメント準決勝・1 30分1本勝負
○CHANGO
13分40秒 ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル→体固め
●新井健一郎(DRAGON GATE)
▼HEAT-UPユニバーサル王座次期挑戦者決定トーナメント準決勝・2 30分1本勝負
○岩本煌史(スポルティーバ)
13分38秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド
●石田慎也(スポルティーバ)
▼"琉球来襲 我闘雲舞vs琉球ドラゴン~女の熱き闘い&さくらえみ琉球ドラゴンプロレス入団査定試合~" 30分1本勝負
○里歩(我闘雲舞)/「ことり」(我闘雲舞)/帯広さやか(我闘雲舞)
8分9秒 そうまとう→体固め
●さくらえみ(我闘雲舞)/ハイビスカスみい(琉球ドラゴン)
※1対4を不服としたみいに同調したさくらが急遽パートナーを買って出る
▼"琉球来襲 HEAT-UPvs琉球ドラゴン~漢の熱き闘い~" 30分1本勝負
○グルクンマスク(琉球ドラゴン)/RYUKYU-DOGディンゴ(琉球ドラゴン)/美ら海セイバー(琉球ドラゴン)/ティーダヒート(琉球ドラゴン)
9分36秒 グルクンドライバー→片エビ固め
アミーゴ鈴木/高梨将弘(DDT)/●近藤”ド根性”洋史/阿部史典(スポルティーバ)
▼"始動★せいき軍!~守れHEAT-UPの秩序~"タッグマッチ 30分1本勝負
○藤田峰雄/川村亮(パンクラスISM)
13分40秒 スワントーンボム→片エビ固め
鈴木鼓太郎/●兼平大介
▼HEAT-UPユニバーサル王座次期挑戦者決定トーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
○岩本煌史
23分2秒 ドクターボム式シットダウンラストライド→エビ固め
●CHANGO
※8月31日・新百合ケ丘大会で岩本が田村の王座に挑戦
▼スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
○田村和宏
14分37秒 逆さ押さえ込み
●中村大介(夕月堂本舗)
「あの日の続き」田村和宏対中村大介は田村がプロレスで中村に辛勝!トーナメントを制した岩本煌史が8/31新百合で田村のベルトに挑戦!現役大学生レスラー飯塚優がデビュー!!
▼オープニング
てっしー&やぶちんのインフォメーションコーナーで、6月から団体所属となったwondermanリングアナが挨拶。各々の注目する試合は弥武がメイン、てっしーがトーナメント、wondermanが飯塚のデビュー戦。尚、2日後7月23日(土)に行われる民家園(みんかえん)通り商店街夏祭りにてHEAT-UPが提供試合を行う事がアナウンスされる。
この日はてっしー手島レフェリー44回目の誕生日ということもあり、弥武リングアナからケーキとTシャツがプレゼントされる。Tシャツの胸には大きく「一発芸」と書かれており、期待に応えたてっしーが誕生日一発芸を披露…大やけどを負ってしまった一発芸の内容は本人の名誉のため省略させていただきます。
選手入場式の後、大会収益の一部が田村和宏より川崎市の社会福祉法人施設代表者に手渡される。選手代表挨拶を務めたのはこの日デビューする飯塚優(いいづかゆう)であった。
「本日は平日のお忙しい中、HEAT-UPにご来場いただき本当にありがとうございます!(館内拍手)本日デビュー致します飯塚優です。熱い試合をします!宜しくお願いします!!」
当日デビューをする新人が代表挨拶を務めるのは今回が初。近藤や兼平ですら成し得なかった事だが、飯塚はしっかりとした口調で述べた。
▼第1試合
飯塚優、1996年10月11日生まれの19歳。現役大学生レスラーとして最初の一歩を踏み出す。対する渡辺宏志に話を聞くと「息子と試合するようなものですよ!」HEAT-UPの『ムスコ』がいざ、リングへ。
ロックアップからリストの取り合い、渡辺が下から両足で飯塚の胸を蹴り上げ一旦離れる。渡辺は飯塚の左手首と足首を掴んでテークダウンさせようとするが、堪えて簡単に倒れない飯塚。渡辺のグラウンドにもついていき、スタンドに戻った瞬間胸板を捕らえるミドルキックを連打。コーナーに詰めた渡辺に対し、気合を入れて強烈な一撃。反対側のコーナーに振って串刺しドロップキック、フライングメイヤーからサッカーボールキック、走り込んで胸板へのローと大先輩相手に物怖じしない攻撃を見せる飯塚。
渡辺の右足首を捉えてアキレス腱固めに出る飯塚、渡辺も同じ技で切り返すと更に飯塚はクロスヒールホールドでお返し。ヴォルク・ハンを尊敬していると言う飯塚の攻撃に渡辺はロープへ。ニーダウンから立ち上がる渡辺、左の膝裏目掛けてローを放つ飯塚。胸板へのパンチで応戦する渡辺、飯塚のローでダメージを負ったのか棒立ちになる。勢いよくロープに跳んだ飯塚、待っていたのは渡辺のカウンター。
ここから渡辺が一気に攻める。ボディスラム3連発でグロッキーとなった飯塚に得意のバックドロップ。渡辺がデビュー戦の相手にバックドロップを見舞ったのは記憶にない。ダメ押しとも言えるダブルリストロックを極めると飯塚がタップ。所属選手全員が見つめるリングでの苦いデビュー戦となった飯塚であった。
▼第2試合
「元・無宿」のトップ2である両者の対戦。離れてもアラケンをリスペクトするCHANGOはアラケンの差し出した右手をしっかりと握り締めて試合開始。
序盤はグラウンドの攻防、CHANGOのヘッドシザースに思わず表情を曇らせるアラケン。抜け出したアラケンはアキレス腱固め、スタンドに戻るとヘッドロックで絞め上げるCHANGO。ロープワークからショルダータックル、バックエルボー、スクープスラム。場外にエスケープしたアラケンを追って鉄柱に打ち付ける。完全にCHANGOペース。
これにはアラケンも場外に出て「タイム」。「上がってこい!」とCHANGOが言えば、「そっちが降りて来い!」とアラケン。引きずり上げようとするCHANGOの足を捕らえたアラケンは場外戦に誘う。場外、リング内と執拗にスタンディングネックロック。ダイビングニーを自爆させたCHANGOはニークラッシャーから足四の字…ロックする直前に体勢をリバースさせ、逆に両足を攻めたのはアラケン。ロープに逃げたCHANGOに左右から捻り上げるチンロック、首筋へのパンチと攻めるアラケン。
ゼロ戦キックを打ち込み反撃の口火を切ったCHANGOは串刺しエルボーからショルダースルー。前のめりに倒れたアラケン、隙を突いてネックブリーカードロップを狙うが切り返されて再びショルダースルーを食らってしまう。CHANGOは追い打ちのセントーン。
しかしここから底力を発揮するのがアラケン。シザースキックをかわしてトーキックからネックブリーカードロップ、CHANGOの脳天を突き刺すDDTを連発。パイルドライバーは阻止されるが、ロープに走ったCHANGOにカウンターのスリーパー。腰を落とすまいと踏ん張るCHANGOに阪神タイガースープレックスを狙うアラケン、振りほどき突進するCHANGO、アラケンの背後にはてっしーレフェリーが。
巻き添えとなってしまったてっしーを尻目に、腰のバンダナを使ってチョーク攻撃するCHANGO。首筋へのギロチン、再びロープに走るがアラケンのマンハッタンドロップを食らう。そして今度こそジャンピング・パイル!大の字に倒れるCHANGOだが、てっしーの回復が遅くカウント2止まり。
肩を上げたものの、動けないCHANGOを見下ろすアラケン。すると何を思ったのかてっしーに絡みつくCHANGO。「何してやがる」と見つめるアラケンの背後からPSYCHOが乱入した。アラケンを振り向かせたPSYCHOはパウダー攻撃!視界を奪われたアラケンはCHANGOのウェルカム・トゥ・ザ・ジャングルをまともに食らってフォール負け。
PSYCHOの介入があったものの、トーナメント提唱者であるCHANGOが大先輩アラケンからのフォール勝ちで決勝戦に進出。勝ち誇るPSYCHOとCHANGO、アラケンの窮地を救ったのは渡辺宏志であった。ダメージの深いアラケンに肩を貸して退場する渡辺、はたしてこの行為に意味はあるのだろうか?
▼第3試合
意外と思われるかも知れないが、関東のリングで岩本煌史と石田慎也がシングルマッチを行うのは初めてなのである。名古屋マット界の未来を担う両者の対決、最初こそ互いに様子を探っていたが…組み合った途端岩本の孤高の芸術、石田のトラースキック、岩本のジャーマン、石田の△(デルタ)ドライブ、全て未然に防がれるが速攻勝負も辞さない両雄。
まず優位に立ったのは石田、コーナーに釘付けにして攻めたと思えば岩本の左腕にギロチンからアームロック。これを極められたままボディスラムで投げ飛ばした岩本。背中へのニーからネックスクリュー。ハリケーンドライバーをかわされるが、最近使っているコブラツイストをガッチリと極める。
スタミナを奪われた石田だが、カウンターのフラップジャックからフォーアーム、「BOOM!BOOM!」エルボーからスリーパーと流れるような攻撃。逃れられてもカウンターのスリーパーを決め、逆に岩本のスタミナを奪っていく。
顔面へのニーで反撃した岩本は大外刈り、続けてジャーマンを狙うが石田はサムソンクラッチで丸め込む。側頭部へのスライディングキック、串刺しボディアタックからダイビング・ボディアタック。簡単に優位に持って行かせない石田。胸板へのパンチ連発、すかした岩本は大外狙い、石田エルボーで阻止、岩本エルボーで崩してから串刺し攻撃、かわす石田が突っ込むと岩本は孤高の芸術。目まぐるしい攻防の前に両者ダウン。
先に立ち上がった岩本はハリケーンドライバーからジャーマン狙い。踏ん張った石田はミサイルキック。二発目を狙ってコーナーポストを蹴る石田だが、読んでいた岩本はキャッチしてジャンピングボム!リングサイドの観客が思わず息を呑むような一撃を放つ。ニーを連打して追い詰めロープに走った岩本、カウンターのトラースキックで逆転する石田。
石田大きく首を掻っ切り△(デルタ)ドライブの体勢へ、こらえた岩本ブレーンバスター、かわした石田がバックを取るが岩本お返しのサムソンクラッチで丸め込みカウント2。両者立ち上がり石田トラースキック、かわしてバックを取った岩本がぶっこ抜くようなジャーマンを決めてカウント3。HEAT-UPマットでのシングル対決を1勝1敗の五分に戻すと共に、トーナメント決勝に駒を進めた岩本。破れた石田だが悪びれることもなくリングを去った。
▼第4試合
ハイビスカスみいがHEAT-UPマット初登場、しかも相手は我闘雲舞の4人。当初からどう見ても不利としか思えないみい、明らかに不満そうな表情で試合開始前にマイクを握る。
みい「ちょっと試合前にマイクを持つのはアレなんですけれど、私の話を聞いてください皆さん!今日はね、琉球ドラゴンプロレス対HEAT-UPの対抗戦でしょ?どうして私が我闘雲舞のメンバーと闘わないといけないんですか?しかも!4体1ってねえ、こんなのただの『弱い者いじめ』にしかならないですよ!さくらさん!さくらさん、そう思いませんか?おかしいでしょ!」
何故かさくらえみに対して言葉をぶつけるみい。するとさくらは…
さくら「そう思いますよ(みいと観客が驚く)。(里歩・帯広・「ことり」に向かって)あんた達さあ、おかしいと思うでしょこれ1対4って!これで私たち我闘雲舞が勝った、HEAT-UPを代表して我闘雲舞が勝った、イエーイ!とかやるわけ?(帯広と「ことり」が『イエーイ!』とはしゃぐ)…ばかあ!恥ずかしい!私はこんな風にあんたたちを4年間育てた訳じゃない!もうねえ、うんざりですよ!もうやだ!(里歩に)笑顔しかない奴とか、(「ことり」に)田舎から来る奴とか、(帯広に)気持ちしかない奴とか!こんなメンバーと一緒にいたくない!私は今日を限りに我闘雲舞を辞めます!(観客「ええ~??」)
そして!…青い海、白い砂浜、新しい都市で私はプロレスをやりたい。みいさん!私を琉球ドラゴンプロレスに入れてください。今まで独りで辛かったですよね。これからはさくらえみとハイビスカスみいの『ツインドラゴン』として、琉球ドラゴンを盛り上げて行くぞー!!!」
みいに同意したかと思えば、突然の琉球ドラゴン移籍願い。かくして試合はさくらとみいが組む3対2の変則タッグマッチに。叫んだはいいが、いきなり我闘雲舞勢3人に袋叩きにされるさくら…尚、さくらの発言に則りこの試合は「さくらえみ琉球ドラゴンプロレス入団査定試合」となった。
三人まとめてボディアタックで反撃したさくらはみいとタッチ。みいは「ことり」に向かって「ロクな大人にならないよ」と諭すが、知ったこっちゃないと大外刈りから腕十字で返答する「ことり」。いつの間にかさくらは西側の観客席に紛れ込んでいる…続いて帯広登場、帯広フォールに入る→みいブリッジで抜け出すを5回繰り返すと泣き顔になってへたり込んでしまうみい。スタナーから側頭部へのドロップキックで返し、タッチを求めるが…青コーナーには誰もいない。
里歩はみいを捕まえ、三人がかりのガトムートレイン。「終点!」からのヘッドバットをかわしたみい、ようやく戻ったさくらとタッチ。これを見て「自分が優位に立った時にタッチを求める」という見事な解説をするwonderman。
息のあった所を見せるさくらとみい…調子に乗った時は必ずさくらが痛い目に遭ってしまう。捕まりそうになるさくらだが、帯広と「ことり」をまとめて「さくらえみ70kg」で押しつぶす。
さくらのダブルアームをかわし、スリーパーで絞める「ことり」。みいに向かって「来いよ!」と叫ぶ。勢いで出てきたみい、「ことり」がかわして里歩のスリーパーを食らう。帯広の攻撃をかわし、さくらがスリーパーへ。まとめて投げようとする「ことり」、押しつぶすさくら…誤爆や連携が入り乱れて誰が味方で誰が敵なのかわからない状態になるリング上。
5分経過、里歩単独→里歩と「ことり」のダブルフットスタンプがさくらへ。「ことり」の突進を風車式バックブリーカーで返したさくら。里歩とみい、里歩のエルボーに対し、胸を突き出して挑発するみい…張り手を食らってトーンダウン。ドロップキックから串刺しニーを放つ里歩、みいはサミングでお返し。しかし「ことり」と里歩の連携ボディアタックを食らってピンチに。ノーザンから串刺し攻撃を狙う里歩、かわしたみいがミサイルキック。さくらのダブルアーム式バックブリーカーから『ツインドラゴン』連携のファンタスティックフリップ…見事に里歩がかわす。里歩絡みついてくるくるリボン、みいのカットでカウント2。しかし「ことり」の払い腰から里歩のそうまとうに繋ぐ連携がズバリと決まってカウント3。破れたさくらだが、査定は終わっていない。
さくら「みいさん…みいさん…私は確かに負けたよ!だけど…だけど!『ツインドラゴン』はこっからだ!琉球ドラゴンに入って、私とみいさんで…『ツインドラゴン』、今は(低めのジェスチャーで)ここかもしれない。だけどここから二人で勝ち上がって、沖縄の地にプロレスを根付かせようじゃありませんか!!(泣)」
みい「さくらさん、確かに今日は残念でした。でも琉球ドラゴン、実は今女子プロレスラー大募集中です。しかし!募集してるのはあの、若い人材であって…さくらさんのような『おばさん』に用はありません!入団の話は無かったことにしてください!ありがとうございました!」
足早にリングを去ったみい。リング中央で泣き顔なままのさくら…
里歩「さくらさん、一緒に帰りましょう。どうも、ウチのさくらがお見苦しい所をお見せしてすみませんでした(帯広と「ことり」が客席に頭を下げる)。」
三人になだめられるようにしてリングを去るさくら。だが、なんだかんだいって一番美味しい場面を全て持って行ってしまったさくらの一人勝ちだったような。
▼第5試合
琉球ドラゴンプロレスのティーダヒート、美ら海セイバーが初登場、ディンゴは3年2ヶ月ぶりのHEAT-UPマット登場となる。「両チームの強い要望により」ノータッチルールが適応されたこの試合、目まぐるしい試合展開が予想される。
先発は高梨とセイバー、「誰だ?誰だ?」とセイバーを挑発する高梨。リストロックをヘッドスプリングで切り返し、アームホイップで投げ飛ばすセイバー、スクッと立つと高梨は思わず後ずさり。アミーゴとグルクン、グルクンのぐるぐるチョップを食らって大の字になるアミーゴ。心配して顔を近づけるグルクン、首固めで丸め込むアミーゴ。冷静なグルクンはアームホイップからうさぎ飛びドロップキック。
近藤とティーダ登場、近藤の「ド根性」ムーブに最初は引き気味だったティーダだったが、何かのスイッチが入ったらしく「ド根性~!」と叫んで組みかかる。タックルで倒されてもスクッと立ち上がり「ド根性~!」、ソバットを一発叩き込んで「ド根性~!」、フォーアームを打つ際にも「ド根性!」本家(?)近藤もタジタジになってしまう。
思わぬ近藤のピンチを救ったのは高梨。阿部と息のあった連携攻撃を決めティーダを攻める。しかしティーダはアミーゴと高梨の連携を逆手に取り、スイングDDTで叩きつけて「ド根性~!」と一声上げてディンゴと交代。近藤、高梨、阿部と次々になぎ倒し、アミーゴ&高梨の連携もカット。しかし619をかわされアミーゴ&高梨の連携を食らってしまう。
5分経過、セイバーは阿部にハンドスプリングエルボー。倒れた阿部にその場飛びの半ひねり式セントーン・アトミコ。阿部は変則で繰り出すソバットやジャンピング・ハイで返す。何やら叫びながらサッカーボールキック、カウント2で返されるとすぐに腕十字。グルクンが相手コーナーを牽制しつつカットに入る。ここで赤コーナーの標的はグルクンへ、四人連続で串刺し攻撃からアミーゴ&高梨のブレーンバスター、阿部のPKを挟んで近藤が投げっぱなしバックフリップ。しかしロープに走るとカウンターのドロップキックで反撃される。
近藤がティーダとセイバーに捕まる。串刺し連携から合体不知火、二人同時のその場飛びムーンサルト、フォールは赤コーナーサイド全員でカット。その三人を琉球ドラゴン側が場外に放り出し、ティーダとセイバーが同時トペ・コンヒーロ。完全に近藤を孤立させる。
グルクンが近藤を仕留めにかかる。まずは高く舞うダイビング・ボディープレス。ロープに跳んで横殴り式のラリアット、それでも近藤はカウント2で肩を上げる。館内の近藤コールが後押しするが、グルクンは容赦ない右ハイからグルクンドライバーでカウント3。沖縄の熱い風を吹き荒らした琉球ドラゴン勢が新宿の赤いマットで勝ち名乗りを挙げた。
▼第6試合
鈴木鼓太郎と兼平大介の接点とは?簡単に言ってしまって申し訳ないが、ファンタジーということで理解してもらいたい。とにかく久しぶり、正式な試合としては初めて同じリングに立つ二人。そんな二人を迎え撃つのは…HEAT-UPの秩序を守るために結成されたのか、田村和宏を守るために結成されたのか、目的がまとまっていないように見える「セイキ軍」の藤田峰雄&川村亮。
先発は川村と兼平。総合格闘技の経験もある兼平は尻餅をついた状態で川村の出方を伺う。キックをかわして足に絡みつきグラウンドへ、腕を狙う兼平に対し川村は膝十字、ロープに逃げる兼平。
両軍交代、峰雄は「セイキ!セイキ!」と叫びながらリングイン。クリーンに握手を交わす鼓太郎と峰雄、ロープブレークの際も両手を高々と掲げクリーンである事を示す峰雄。逆に押し込んだ鼓太郎は腕を取ってホイップ、ロープワークからアームドラッグ。峰雄もヘッドシザースホイップで返すがヘッドスプリングで立ち上がる鼓太郎。ジュニア戦士の戦いに館内からため息が漏れる。解説の渡辺宏志からも「素晴らしい!」の声が上がるほど。
兼平に交代、ネックロックからスリーパー、頭頂部へのエルボーから走り込んで後頭部を擦るようなエルボー。チンロックからニー、エルボーを叩き込む兼平、ロープに振ると「我慢できない!」と叫んだ峰雄がマンハッタンドロップ。股間を押さえて悶絶する兼平に峰雄の急所クロー、コーナーでは川村が「そうじゃないだろ!」と声を上げる。李日韓レフェリーが引き剥がすが「我慢できないんだよ!」と地団駄を踏む峰雄。しかし川村が「クリーンにやるんだろ!『正規軍』なんだろ!」と叫ぶと我を取り戻す峰雄。
兼平はエルボーの連打で鼓太郎に繋ごうとするが、倒れざまに峰雄のつま先が兼平の股間にクリーンヒット。館内の一部から「ああ~」という声が響く中、悶絶する兼平の両足を取る峰雄。股間を踏んづけようとする峰雄だが、日韓の制止と川村の「ダメだよみねぴょん!『正規軍』だろ『正規軍』!」の声に「真面目にいくぞ!」と言う峰雄…しかし足は股間を踏んづける気満々。攻めない峰雄の後頭部にツッコミを入れた川村、哀れ兼平の股間は峰雄のヘッドバットの餌食に。
川村は兼平にニーを打ち込み、ネックロックからフライングメイヤー、サッカーボールキックから走り込んで首落としへ。立ち上がろうとする兼平、川村は飛びついてフロントネックロック。しかし兼平はそれを引き剥がすようにブレーンバスターへ。ようやく鼓太郎と交代。
鼓太郎は川村にドロップキック、攻めようとする鼓太郎の背後から峰雄が急所鷲掴み。二人がかりで攻められそうになるが、ビットで反撃。セイキ軍を分断した鼓太郎、川村に串刺しニーから地獄の断頭台。続いてレッグシザースからファンネルを狙うが、川村かわしてカウンターの右ミドル。
10分経過、鼓太郎のエルボーと川村のミドルが交錯。川村がボディーブローを放てば鼓太郎は掌底、ワンツーエルボーからローリング…かわした川村が飛び膝蹴り、両者ダウン。
両軍交代、峰雄はいきなり兼平の股間狙い。すかした兼平はローリングエルボーからジョンウー、串刺しエルボースマッシュ。バックドロップを回避した峰雄、トーキックからステップ延髄斬り。川村にダブル攻撃を要請する峰雄だが「ダメだ!」と一喝される。「正々堂々とやれ!」と言う川村、駄々をこねる峰雄。いつの間にか兼平ほったらかしで言い合う峰雄と川村…あろうことか、峰雄は川村に急所攻撃!隙を突いた兼平、ニーから鼓太郎のレッグシザース→兼平ランニングニー→鼓太郎のファンネルと繋ぐ。ここで兼平急角度のバックドロップ、川村がなんとかカット。
まだ言い合っている峰雄と川村、峰雄のエルボーに川村のミドルが反応。キャッチした峰雄は川村の足を兼平の急所に叩きつける。思わぬ連携攻撃から峰雄ラ・マヒストラル、カウント2。川村が鼓太郎を抑えている間に峰雄閃光魔術からスワントーンと繋いでカウント3。
「一緒に勝ち名乗り受けようよ!」と川村を呼び込む峰雄、しかし急所攻撃から川村の態度は硬くなったまま。しぶしぶリングに上がる川村、峰雄が説得すると「仕方ないな」という表情で握手を交わす。初陣で勝利を飾った「セイキ軍」だが、果たしていつまで続くのか…??
▼第7試合
ユニバーサル王座次期挑戦者決定戦は、奇しくも2年半前に王子で行われたシングルの再戦となった。まだ若手の域を脱していなかった岩本はCHANGOが放った頭頂部へのシザースキックでフォール負け。あの時の借りを返すため、ベルトへの道を自分でこじ開けるためリングに上がる岩本。トーナメント提唱者として負けられないCHANGO。
CHANGOのセコンドにはPSYCHOが。ゴングが鳴ると何やら耳元で囁いているPSYCHO。序盤は全く静かな立ち上がり、キャリアで勝るCHANGOがグラウンドで岩本をコントロールする。スタンドで岩本が優位に立つと思うと場外にエスケープするCHANGO、水を飲んで一息。「お前がこっち来いよ!」と挑発するCHANGO、誘いに乗る形で場外戦になるが、岩本優位のままリング内へ。岩本フェースロックからサーフボードストレッチへ、CHANGOも返そうとするが力でねじ伏せる岩本。
顔面を掻きむしってペースを握るCHANGO、岩本を場外に放り出すとセコンドのPSYCHOが追い打ち。十分痛めつけた岩本にCHANGOがエプロンからセントーン。リング内に戻すとお返しのチンロックからサーフボード、そして岩本の両足・両腕を極めるジャベ。そのまま丸め込むがカウント2。岩本を踏んづけたままフォール、カウント2でセントーン。
立ち上がってエルボーを返す岩本、体重差があるにも関わらず余裕で受け、返していくCHANGO。ブレーンバスターで投げようとする岩本、小指に噛み付いて脱出するCHANGO。岩本顔面へのニーからロープに走ってフォーアーム。ダメージが蓄積されたのか両者ダウン。
先に起き上がった岩本、串刺しエルボーからボディスラム、カウント2。スリーパーからコブラツイストと密着してCHANGOのスタミナを奪っていく。トップロープに固定してニーを狙うが、CHANGO外してボディーにソバット。トップロープからのボディアタックをかわした岩本、ジャーマンを狙うが不発。日韓レフェリーを巻き込もうとするがことごとく阻止される。ならばとブラインドを突いて急所蹴りを放つCHANGO、注意を受けるふりをしてPSYCHOが背後から突撃、レフェリー不在の無法地帯を作る事に成功する。
こうなるとCHANGOのペース。ダブルのトラースキックで岩本を倒すと石田慎也が乱入してくる。岩本をダウンさせ、石田の△(デルタ)ドライブでとどめ…と思われたが、何を思ったのか石田は技を解いてCHANGOの背後を一撃、PSYCHOに△(デルタ)ドライブを放ってダウンさせ、そのまま連行して行ったのだ。「石田ー!!」と叫ぶCHANGOだが、石田は振り向きもせずリングを去る。
リング上では逆水平合戦。岩本がパワーで打ち勝つかと思えばCHANGOは張り手を放ってダウンさせる。背中へのニーからシザースキック、かわした岩本は大外刈り。串刺し攻撃を両足キック、かかと落としで返したCHANGOだが、突っ込んだ所を岩本のハリケーンドライバー。再び両者ダウン状態に。
立ち上がる両者、岩本串刺しラリアットから雪崩式狙い。回避したCHANGOはランニングボム、カウント2。ここで20分が経過。「立ってこい」と手招きするCHANGO、前回のフィニッシュとなった頭頂部へのシザースキックがここで炸裂するが、カウント2で跳ね除ける岩本。しかしピンチは続き、CHANGOはダイビング・セントーンを投下するがこれもカウント2。ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングルを狙うCHANGO、岩本孤高の芸術で切り返す。
雄叫びをあげて立ち上がる岩本、ロープ際のCHANGOにニーをぶち込んでラリアット、カウント2。ジャーマンで固めるがカウント2。CHANGOジャングルクラッチで丸め込むがカウント2。張り手をブチ込むCHANGO、居合抜きラリアットでなぎ倒す岩本。再び気合を入れて最終兵器であるドクターボム式シットダウンラストライド。カウント3が入り、20分以上に渡る熱戦に終止符を打ったのは岩本煌史だった。
トーナメントを制し、新百合ケ丘大会で田村和宏の持つユニバーサル王座への挑戦権を実力で勝ち取った岩本。2年半前の悪夢を払拭し、チャンピオンへのお膳立ては揃った。あとはぶち破るのみ。
石田慎也「CHANGOさんがベルト獲っちゃったら、俺の言った『無宿ができなかった事を自分一人でやる』って言葉、俺がベルトを獲るってのが霞んじゃう。ここで助けておけば岩本さんに貸しができるし、この調子だったら岩本さんがチャンピオンになるでしょう。その後に借りを返してもらおうと。今回の再戦、ベルトを懸けてもらってね。だから邪魔させてもらいました!ベルトは遠のいてないですよ」
▼第8試合
田村にとってのわがまま。U-FILEで共に切磋琢磨し合った中村大介とのシングルマッチ。プロレスルールでやりたい、打倒U-FILE、Uスタイルを掲げる田村にとって「Uをこよなく愛する男」中村との試合は避けて通れない道なのかもしれない。
「ワンダフル・ガイズ」に乗って中村大介入場、「Uの正装で行きます」と言った言葉通り黒のショートタイツにレガース、DEEPやDynamite!!でもこの姿で臨んだ中村。かたやベルトを手に入場する田村、コールと同時に中村に詰め寄っていく。レフェリーはてっしー手島。
固い握手、両コーナーに分かれて試合開始。ロックアップじゃない、組み付くと同時にグラウンドに引き込む中村。解説の渡辺宏志が「中村選手は身体の使い方に無駄がない」と言うように、田村の体重を上手くコントロールしていく。隙を見つけて腕十字狙い、田村が外し両者が離れると館内から拍手が。
中村フェイントから片足タックル、そのまま身体を反転させて絡みつきアキレス腱固めへ。田村外して下から腕狙い、中村も脚から腕にシフトチェンジ。スタンドでバックを取る中村、ローリングしてグラウンドに誘うが今度は田村が上に。サイドポジションから腕狙いの田村、ガードポジションに移行。中村がマウントを取り膝固め。田村外してサイド、一瞬にして外した中村はバックを取ってフェースロック。
スタンドから中村カニ挟み、ヒールホールドへ。田村の脚を極めながら上半身も狙う中村、難しいと見るやすぐにアンクルホールド。外した田村、バックマウントから腕十字狙い、中村マウントで耐えて凌ぐ。今度は上の中村が頭を支点にして縦四方固めの体勢、首から腕、クロックヘッドシザースは外される。
5分経過、田村フェースロックへ、抜け出した中村はすぐにバックを取る。流れるように腕十字狙いからスリーパー狙いへ、身体を動かして逃げる田村、ロープにエスケープ。先にロストポイントを奪ったように中村は小さくガッツポーズ。田村はマットを叩いて悔しがる。
続いて打撃の攻防へ、中村が先に牽制の前蹴り。掌底からローのコンビネーションを打つ田村、やや浅く入る。中村ローで牽制、ソバットからすぐに両足タックル。館内から「おおっ」の声、両足を絡めて攻めさせない田村、下からアームロック狙い。極まりかけるが惜しくもロープが近くブレークに。ポイントを取り返された中村はマットを叩いて悔しがる。
仕切り直し。両足タックルを切った田村、すかさずお互い腕狙い。田村サイドへ、腕と顔面を極める。エビで逃れた中村、すぐに腕十字の体勢へ。極まりかけるが田村ロープに足を伸ばす。リング中央だったら決まっていた程。スタンド、ローで牽制しあい飛び込んでいく田村。中村掴んでカニ挟みから脚狙い、田村こらえて胴タックル。そのまま中村を担ぎ上げ、もつれるように場外へ。
10分経過、場外で立ち上がる中村に田村はエプロンを駆けてトペ・コンヒーロ。まさかの一発に面食らってしまう中村、田村はリング内に戻してミサイルキックを狙うが、すかした中村は逆片エビ固めへ。田村が動くと裏アキレス腱固めのような体勢、田村ロープへ。中村左脚へのロー、田村チョップで反撃するが中村のニーを食らう。ニーの連打から中村飛び膝蹴り、田村ダウン。カウント9でファイティングポーズする田村、中村掌底から飛びつき腕十字、田村踏ん張ってエビで丸め込みカウント2。ここでプロレスルールが生きてくる。
今度は田村絡みついて首固め、カウント2。もう一度首固め、カウント2。振りほどいた瞬間中村の腕十字、田村崖っぷちに追いやられるが両手をクラッチして逃れる。中村ニーから再度飛びつき腕十字、決まらないと見るや三角絞めに移行、これも田村がかわす。中村立ち上がって右ミドル、蹴り足を掴んだ田村は至近距離からアックスボンバー。
田村は直下式ブレーンバスターで中村を突き刺す。体固めはカウント2、すぐに腕狙い。逃れた中村は逆に腕狙い、田村振りほどく。立ち上がって飛び膝蹴りを狙った中村、かわした田村が一瞬の逆さ押さえ込み。しっかりと押さえ込んでカウント3。やや唐突な幕切れではあったが、館内からは大きな拍手が湧き上がる。
▼エンディング
「やられた~」と言うような中村の表情。ウィナーコールを受ける田村は疲れきった表情。HEAT-UPの新宿FACE大会、メインで田村が勝利するのはこれが初めてである。しばし余韻にふける両者であったが、近づくと固い握手。互いの健闘を認め合うように手を挙げる。そしてお互いに正座して礼。まるで「あの頃」を思い出すかのように。
田村「中村さん…変わってないねえ。強いよ!今回僕のわがままで、昔よく一緒に練習していた中村さんと競(や)らせてもらいましたけど、たまにはこんな試合もいいんじゃないですか?(館内拍手)中村さん、僕が今日中村さんに挑んだのは、10月31日とどろきアリーナ、僕は大きな挑戦をします。その前に僕の挑戦がとどろきアリーナに通じるかどうか、中村さん相手に競らせていただきました。まあ…まあ何とかついていけたので、ちょっとは自信になりました。ありがとうございました(館内拍手)。中村さんまたね、こうやって縁が繋がって、闘うことになったんですけど、この縁を僕は大事にしたいと思います。10月の31日、空いてますか?(館内「おおっ」の声)」
中村「え~、今日負けてしまったということもありますし…田村さんの願い、チャレンジに力を貸したいのもありますので…調整しておきます(こける田村)」
田村「まあまだちょっとね、まだ3ヶ月先なんでね、あ!その前に8月の31日、新百合ケ丘ありますよ。1ヶ月先ですけど…スケジュールわかるんじゃないですか??」
中村「…調整しておきます(またこける田村)」
田村「じゃあまた中村さん、連絡しますので宜しくお願いします!さあ次は8月31日、新百合ケ丘!丁度とどろきアリーナ2か月前のビッグマッチです。え~、俺の相手は…(岩本煌史が出てくる)」
岩本「しっかりトーナメント勝ち上がってきましたよ。これで文句ないでしょう。HEAT-UPも新陳代謝が必要です。いつまでも田村和宏がチャンピオンだったり、メイン張ってたり、ね。風景変わらないと面白くないんで、8月31日新百合ケ丘、僕があなたからベルト奪いますのでよろしくお願いします(館内拍手、しっかり握手を交わして岩本去る)」
田村「とどろきアリーナまでね、歩みを止めず、どんどん突き進んでいきますので応援よろしくお願いします!」
最後は所属選手に加え、中村大介も加わった「新宿ヒートアップ!」で締められた大会。とどろきアリーナ大会まで、あと101日。
(記事・写真提供 HEAT-UP)