「惨めで哀れで、宇宙一ブサイクですみません」この世界から消える覚悟でアイドルレスラーが涙の絶叫!

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 3月3日、後楽園ホールにてスターダム『STARDOM NIGHTER 2025 in KORAKUEN Mar.』が開催。メインイベントでは中野たむvs上谷沙弥の敗者スターダム退団スペシャルシングルマッチが行われた。

 上谷とたむの出会いは、たむが2018年にスターダムの姉妹団体として旗揚げした『スターダム★アイドルズ』で上谷がアイドルズの1人としてプロレスデビューしたことに遡る。
 上谷が練習生からやり直してスターダムからデビューした後には、上谷とたむは節目節目でシングルマッチを実施。2021年12月には白いベルトをかけての闘いで上谷がたむを破って師匠超えを果たし、その後は良きライバルとしてしのぎを削ってきた。

 2人は2023年7月にシングルリーグ戦『5★STAR GP 2023』開幕戦でも対戦したが、その際に上谷が照明用鉄柱によじ登って高高度からのダイブを敢行。これで上谷が左ヒジを脱臼して長期離脱。優勝候補筆頭として期待されていた中で開幕戦からリーグに大穴を空ける形となった上谷はメインストリームから外れてしまう。

 約4ヶ月後に元気に復帰した上谷であったが、このときの心の傷は大きく残っていた様子。その後に自身のユニット【Queens Quest】の事実上の崩壊、ファンからの誹謗中傷問題などもあり、さらに心の傷を広げた上谷は闇堕ち。刀羅ナツコ率いる悪の軍団【H.A.T.E.】に加入し、秘め続けてきた狂気を存分に振りまいている。

 昨年11月のタッグリーグでたむと相まみえた上谷は、5★STAR GPの件を持ち出して「あの日からお前にプロレス人生狂わされたんだよッ!あれからお前に大切なものを奪われた。じゃあ今度はお返しに、私がお前の大切なものを全部奪ってやるよ」と憎悪の炎を燃やしてたむの赤いベルトへ挑戦表明。
 たむも「たむが狂わせたって言うなら責任取るよ。責任取ってアンタを正しい道に引き戻す!」と12月の両国国技館大会での赤いベルト戦を宣言し、負傷シーンを彷彿とさせる攻防がありながらも激しい打撃合戦の末に上谷が掟破りのバイオレット・スクリュー・ドライバーから奥の手の旋回式スター・クラッシャーと畳み掛けてベルトを奪取。
 勝利した上谷は「お前ら見てたかぁ~?あの中野たむの無様な姿ァ!あぁ、すべてよ、計画通りなんだよ。ぜ~んぜん痛くない(笑)アハハハハハハッ!でも、中野たむへの復讐はまだまだ終わらないから。お~い?たむちゃん見てるかなぁ~?まだまだアンタを地獄の底に引きずり落としてやるからぁ~!ハハハハッ!!」と狂ったように笑っていた。

 2月2日の後楽園ホールで鈴季すずを相手にベルトを初防衛した上谷へ、たむがリマッチを要求。上谷は24日の栃木大会でたむが勝てば望みを叶え、負けたら玖麗さやかを奪うと条件をつける。
 大切な仲間を賭けることになったたむは怒りをあらわにしながらも、バイオレットスクリュードライバーで上谷から3カウントを奪いお互いを思いあう愛の力を示す。
 だがたむは「私はいままでアンタにされてきたこと全部忘れてない。アンタは愛をはき違えてる!なんでも言うこと聞くって言ったよね。次で最後にしよう。アンタ自身をかけて闘え。退団マッチだ」と、敗者退団マッチを決定した。


 試合が始まるとお互いの蹴りや髪を掴んでの頭突き、ビンタや回し蹴りなど鏡のように相打ちを続ける息のあった攻防を見せる。師弟の繋がりを感じさせる試合ながらも、HATEが乱入すると上谷がチェーンを使っての絞首刑やイス攻撃などラフファイトへ。
 上谷が雪崩式フランケンを見せればたむも雪崩式タイガースープレックスで返し、バイオレットシューティングの連撃からトワイライト・ドリームを狙うが、切り返した上谷がレフェリーの視界を奪うと琉悪夏がボックス攻撃。
 コズミック・エンジェルズとHATEがリングになだれ込み乱戦になると、ナツコがたむの背中を鉄パイプで殴りつけ、上谷が脳天にイスを叩き込んでからの旋回式スタークラッシャー。さらに見つめ合ってからのカミゴェ式ビッグブーツを叩き込んでフォールし3カウントを奪った。

 泣きながらリングを後にしようとするたむに上谷は「みじめだなぁ!お前さ、本気で退団する気だった?こんな哀れなやつ見たこと無い。私はまだ、やり足りないけどなぁ。じゃあ最後に、一つだけチャンスをやろうか?次は何を賭ける?」と嘲笑いながら問いかける。
 たむは「もうどうなってもいい!全て失ってもいい!あんたを、倒すチャンスが得られるなら、全部捧げてもいい!」と絶叫。上谷が「じゃあこの世界から消えるってこと?」と挑発すると、たむは「引退をかける」と宣言する。
 上谷は「あー!ほんとにこいつおもしれーな!じゃあわかったよ、お前が引退をかけるなら、私だって引退をかける!そして、赤いベルトも!場所はもちろん、4・27、横浜アリーナ!泣いても笑っても、これが最後!負けたら即引退、ラストダンスだー!」と王座戦を決定した。

 バックステージに戻ったたむは泣きながら「ブスですか?ブスだよね。惨めで哀れで、宇宙一ブサイクで、すみません、ごめんなさい。プロレスは、たむにとって人生の全てで!スターダムは、コズエンは、家族よりも大切な存在で、すべてをかけてでも守りたいものなんです!退団するぐらいならこの世界から消えてやるよ!4・27横浜アリーナ、負けたら即引退、いつも不安にさせてごめんなさい。でも、これが中野たむの生き様だって、信じててください」とファンへメッセージを送った。

 たむが4・27までスターダム所属でいるのかは会社としては保留状態であり、沖縄大会や4・6愛知凱旋興行など発表済みのものは参戦はする予定とのこと。
 師弟の愛憎劇はお互いの人生を賭けた行き着くところまで辿り着く形となった。

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