『PANCRASE 352』でワンマッチに出場する4組が会見。初参戦の本野美樹が藤野恵実と激突!5年ぶりに参戦の後藤丈治が「覚悟が違う」と殺気!

2月21日夕、都内新宿区にて行われた『PANCRASE 352』(3月9日/横浜武道館)の会見第2部は、以下のワンマッチ4試合。
▼バンタム級 5分3R
井村 塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS/2位)
VS
松井斗輝((THE BLACKBELT JAPAN/5位)
▼女子ストロー級 5分3R
藤野恵実(JAPAN TOP TEAM/2位/第3代QOP/修斗初代女子ストロー級王者)
VS
本野美樹(リバーサルジム横浜グランドスラム/元DEEP JEWELSストロー級暫定王者/初参戦)
▼ライト級 5分3R
粕谷優介(総合格闘技道場CROWN/2位)
VS
ラファエル・バルボーザ(MAQUININHA DO FUTURO/ブラジル/初参戦)
▼バンタム級 5分3R
合島大樹(ROOTS/6位)
VS
後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A)
バルボーザ、合島を除く5選手が出席、意気込みを語った。
――まずは選手の皆さんから一言ずついただきます。
松井「毎回、格上の相手と組んでくださって、ありがとうございます。しっかり勝ちたいと思います」
井村「ALMA FIGHT GYM PUGNUSの井村です。前回、強豪外国人と試合をして無惨に負けちゃったんですけど、再起の一戦ということで、松井選手は強いですけど、僕が格の差を見せつけてやろうと思っています。よろしくお願いします」
本野「こんにちは、リバーサルジム横浜グランドスラムの本野美樹です。パンクラス参戦ということで、最短でチャンピオンまで駆け上がりたいと思います。よろしくお願いします」
藤野「JAPAN TOP TEAMの藤野恵実です。まだ格闘技ができることに感謝して、後悔のないように一戦一戦やりたいと思います。よろしくお願いします」
粕谷「CROWNの粕谷です。ランカーの中で、なんで僕がブラジル人とやらなきゃいけないのかとちょっと思ってはいるんですけど、頑張ります」
後藤「TRIBE TOKYO M.M.Aから来ました後藤丈治です。5年ぶりのパンクラス、いい試合をします」

【バンタム級 5分3R 井村 塁 VS 松井斗輝】
――相手の印象と、この試合が決まった時の気持ちを教えてください。
松井「極めが強いという印象を持っていました。つ後は井村選手が来るんじゃないかと思っていたので嬉しかったです」
井村「印象は、ほんとボクサーって感じ。打撃の一発一発にキレがあって、危ないなと思います。(試合が)決まった瞬間、もう負けられないと思ってるんで、前回見せられなかった自分のニュースタイルを見てほしいなと思うぐらいですね」
――松井選手、前戦からバンタム級に転向しましたが、闘ってみていかがでしたか。
松井「試合までの練習ですごく動きが良くて、原料じゃなくて試合に集中してできるので、この階級が合っているなと思いました」
――井村選手、先ほど「格の違いを見せつける」:とおっしゃっていましたが、それはバンタム級での経験の違いを見せるということでしょうか。
井村「そうですね。松井選手、下から上がって来たんですけど、言い方は悪いんですけど、フライ級はフライ級、バンタム級はバンタム級と僕は思ってます。それだけですね」
――井村選手、前回の試合には背水の陣で臨まれたと思うのですが、残念な結果になってしまいました。その後、そのような気持ちで過ごされていましたか。
井村「まあ『あれが世界だ』と思ったですね。今後やって行くには、ああいうのを超えていかなきゃいけないのかなと思いました。負けた後は落ち込みましたし、辞めようとは思わなかったですけど、開き直ってもう一回やっていこうと思ったのが本音ですね」
――わりとすぐに立ち直られたんですか?
井村「意外とすぐ戻りましたね。多分、2日か3日ぐらいで戻りました」
――松井選手、2025年の初戦、どんな試合をしたいですか。・
松井「相手はランキング2位なので、勝てば2位ぐらいに上がれると思うので、次にタイトルマッチをやってもいいんじゃないかと思ってもらえるような試合をしたいと思います」
――井村選手な粘り強く組んでくる選手です。組みの部分に関しては、どなたとスキルを磨いているのでしょうか。
松井「ジムにはレスラーが多いので、先輩だったり後輩だったり、強い選手とやらせてもらっています」
――井村選手のフィールドに入った時の対応、自信のほどは。
松井「自信あります」
――井村選手、前回の試合を踏まえて、どのように変わって来ていますか。
井村「向き合い方としては、本当にイチから全部作り直して来てるし、自分の得意のグラウンドもイチから作り直して来ているし、打撃の部分もメンタル的にもイチから作り直して、3月の試合に臨みます。もうちょっとで完成するかなっていうぐらいの感じですね」
――解説の大沢ケンジさんが、井村選手のスタイルについて「井村しつこい塁」とおっしゃっています。今回、新しいスタイルが完成したら、井村塁はどう変化するのでしょうか。
井村「しつこくなくなると思いますね。いや、わからないです、もっとしつこくなる可能性もありますけど(笑)。まあ、見ててください」
――師匠の石渡(伸太郎)さんからは、前回の試合、また、今後に関してどんなアドバイスがありましたか。
井村「まあ、あると言えばあるんですけど、言えない事ばかり(笑)なので何も言えないですけど、まあ、『やれ』の一言ですね」
――タフな相手に対する意気込みはいかがですか。
井村「自分の持ち味を出すのもそうですけど、半年かけて作って来たものを試合に出せたらいいなと思ってるんですけど。でも、最終的には僕が手を挙げられるというか……僕が失神してるか、松井選手が首を絞められて失神してるかどっちかだと思うので。そういう試合になると思いますね」

【女子ストロー級 5分3R 本野美樹 VS 藤野恵実】
――相手の印象と、この試合が決まった時の気持ちを教えてください。
本野「藤野選手の印象は、他団体のチャンピオンでもあって、ベテランの選手で、戦闘機のような強さを持っているような選手だなという印象です。あと、試合でフィニッシュされて負ける姿をほとんど見たことがないので、今回の試合で自分がしっかりフィニッシュして、自分の存在をアピールして行きたいと思います。試合が決まった時の気持ちとしては、日本のストロー級の女子選手の中で唯一やってみたいなと思っていた選手なので、決まった時は嬉しかったです」
藤野「本野選手に試合はずっと見ていて、最初の頃からすごく実力のある選手だなと思って見ていました。Road Toに行くのも羨ましいなと思っていたくらいですし、強いし勢いのある選手だなと思って見ていました。でも、交わることがなかったので、(今回対戦が決まって)最初すごくびっくりして、それと同時に、強い選手と試合をさせてもらえるという嬉しさがあります。試合ではその気持ちを出せるように頑張ります」
――本野選手、前戦の課題をどのように捉えて今回の試合に臨みますか。
本野「前回の対戦相手は2回闘ったことのある相手(Xiaocan Feng)で、結果負けてしまったんですけど、1回目(2023年10月、Happy Elephant)の時は自分からガンガン攻めの姿勢を作れたんですけど負けて。2回目(2024年8月、UFC)の時は、少し相手の様子をうかがってしまったところが敗因だと思うので、今回の試合は自分からどんどん攻めて行きたいなと思っています」
――藤野選手、これまで本野選手とは、練習などで接点はあったのでしょうか。
藤野「はい。昔は何回か練習させてもらったことがあります。最近はやってないですね」
――その時の印象はいかがでしたか。
藤野「組がすごく上手い選手だと思っていました。打撃も見づらいですし、強い選手だなという印象はずっと持っています」
――藤野選手、先ほど本野選手が「最短でベルトを目指す」とおっしゃいました。それに対してどのように思われますか。
藤野「まずは次の試合、自分はしっかり勝とうと思っているので、そんなに簡単じゃないというのを見せたいと思います」
――本野選手、パンクラスという団体に対して、どんな印象をお持ちですか。
本野「パンクラスに対しては、試合を初めて見に行った時、すごく海外風な大会でかっこいいなという印象がありました。最近はRoad To UFCだったり、コンテンダーだったり、そういった試合にパンクラスの選手が参戦している印象もあったので、日本での約2年ぶりの試合はパンクラスでやりたいなと思ってお願いしました」
――本野選手、初参戦のパンクラス、この舞台をどのように見ていましたか。
本野「最近は海外の試合にも興味があったので、それに近い団体だなっていうふうに思っていました」
――パンクラスへの参戦も含めて、今後のキャリアの重ね方を度尿に考えていますか。
本野「まずは3月9日、しっかり藤野さんに勝って、次は自分がベルトを獲って、というところですね。それから席は、自分がパンクラスのチャンピオンとして海外でも活躍していきたいと思っています」
――ベテラン中のベテランとの対戦です。かつての同門だった浜崎朱加選手なども藤野選手と闘っていますが、藤野選手について何か聞いていますか。
本野「そうですね、やはり頑丈で、パワフルというか押し込み力がすごいので、そこは警戒しつつ、自分のやりたいことをしっかりやっていきたいと思います」
――最短でベルトを狙うには、今回どのような勝ち方をしようと思っていますか。
本野「藤野さんが強い選手だからこそ、その強い選手にしっかりフィニッシュして勝つことがまず第一だと思っているので、フィニッシュして勝つというところを目標にしているというか、フィニッシュしたいという気持ちで挑みます」
――藤野選手、最初に「格闘技を続けられることが喜び」とおっしゃいました。今、格闘技へのモチベーションはどのようなことでしょうか。
藤野「モチベーションは変わらず、やはり格闘技が一番好きで、好きなことをずっとやりたいという気持ちが一番強いですね」
――下との世代との闘い、どのような課題を持っていますか。
藤野「上の世代がもういないので(笑)、全部下からになるんですけど、今は強い選手が本当にどんどん出て来ていて、若い選手はキャリアが浅くてもベースがあってしっかり完成されている選手が多いので。私はもともとベースがあるわけでもなくて、何ができるというわけでもないんですけど、MMAを人より長く続けて来たので、そこを出したいなとは思っています」
――藤野選手は現在、修斗のベルトを保持しています。藤野選手のホームリングといっていいこのパンクラスで、DEEP Jewelsの元暫定王者である本野選手を迎え撃つ、この構図をどう捉えていますか。
藤野「そうですね、団体が違うから交わることはないなとずっと思っていたので、その機会を作っていただけた、このパンクラスの舞台にすごく感謝しています」

【ライト級 5分3R 粕谷優介 VS ラファエル・バルボーザ】
――相手の印象と、この試合が決まった時の気持ちを教えてください。
粕谷「バルボーザ選手の印象は、イケメンだなと。試合が決まった時は、LFAで闘っているので、すごく強いんだろうなと思いました」
――対戦相手のバルボーザ選手は身長が183cm、27歳と若い相手です。下がっても打てる打撃を持つこの選手に対して、どのような打撃の印象を持っていますか。
粕谷「届かないのかな、っていうのと、ブラジルから多分30時間くらいかけて来ると思うので、大変だなと思います」
――粕谷選手は、練習はご自分の道場で道場生とされています。最近はNBTにエントリーする選手も出て来ています。こういう環境の変化について、どう思われていますか。
粕谷「アマチュアの子が育ってきて、プロを目指す子が増えてくれているのはすごく嬉しいですね」
――粕谷選手は参戦以来、ずっとトップ戦線にいます。その強みはどこにあるのでしょうか。
粕谷「辞めないことですかね」
――現在のモチベーションは?
粕谷「ずっとトップにいるとは言っても、あとちょっとでベルトが獲れない、という位置にいると僕は思ってるんで、今はとにかく、ベルトが獲りたい、まずは挑戦したいなというのがモチベーションですね」
――ジムの生徒さんとの練習が中心で、出稽古はされていないということですが、現在もその練習環境は変わっていないですか?
粕谷「MMAはジムの一般の道場生とクラスで練習して、柔術はヴァンガード柔術の岡本先生に習っています。柔術はMMAに活かしたいとかではなくて、柔術が楽しくて習いに行っているという感じでやっています」
――その練習環境が、粕谷選手の強さをキープしている。
粕谷「うーん、やりたいことを、やりたいようにやりつつ、格闘技を楽しんでくれている道場生と楽しく練習できたらいいなという感じです」
――UFCで強い外国人選手と対戦していますが、ブラジル人選手は初めてですか?
粕谷「はい、初めてです」
――ブラジル人選手であるということも含めて、相手にどのような印象をもptていますか。
粕谷「とにかく移動が長くて気の毒だなと。僕も海外で闘っていたことがあったので。バルボーザ選手はどうか分かりませんが、僕はとにかく飛行機が嫌いなので、とにかく大変だな、と思っています。来てくれてありがとうという感じです」
――今回、どのような試合を見せてくれますか。
粕谷「前回、ランキング2位の状態で相手をKOして、(でもその結果)2位のままだったんで、勝って1位にしてくれたらいいなと。で、できればベルトにチャレンジしたいなと思ってます」

【バンタム級 5分3R 合島大樹 VS 後藤丈治】
――相手の印象と、この試合が決まった時の気持ちを教えてください。
後藤「合島選手は、プレッシャーをかけてくるのが上手な選手だなというところです。試合が決まった時の気持ちとしては、自分自身、相手は誰でもいいとお伝えしていたので、相手が受けてくれたということは、イコール、自分に勝てると思って受けてくれたんだなというふうに思ったので、その気持ちをしっかり折ってやろうと思いました。以上です」
――後藤選手、今回5年ぶりの参戦となりますが、パンクラスでの目標はどのように持っていますか。
後藤「次の相手はランキング6位の選手でもあるんで、一番上のベルトっていうのももちろん見ていますし、いろんなチャンスをモノにするためには、自分の価値だったり実力をつけるっていうのがすごく大事だなというのも思っているので、目標としては、次の試合では、試合で自分自身をもっと強くしてやろうと、そういうふうに思っています」
――後藤選手、5年ぶりのパンクラス。戻ってきた心境はいかがですか。
後藤「そうですね。一番は、今回すぐに試合を組んでくださるという動きをしてくださって、5年ブランクが空いたんですけど、5年前とは比べ物にならないぐらい強くなっている自信があるので、それを証明したいなと思っています」
――海外選手との試合が続いたあと、今回、日本人選手との対戦になりますね。
後藤「自分は日本人でバンタム級最強を目指してやってるんで、今日(相手は)会見にいないですけど、ちょっと覚悟が違うぞと思っているので、そこを見せたいと思ってます」
――ONEでの試合後、選手大学でレスリングの練習をしていると聞いています。ジム以外での練習はいかがですか。
後藤「専修大学のレスリング、すごく強い選手がたくさんいるので、技術的な部分を伸ばして頂いたというところと、一番は、気持ちの部分ですね。ずっと向き合って来たので、自分自身、出しきれていなかったポテンシャルがもっと出していける、そんな自信が今はあります」
――師匠の長南(亮)さんからは、何かアドバイスありましたか。
後藤「『いつも通り殺せ』ぐらいのことを言われたっていう感じですね」
――後藤選手は打撃も強いですし、変形のツイスターなどの極め技も強いですが、今回はどんなムーブで沸かせてくれるのでしょうか。
後藤「打撃であれば、ちょっと一発当たったら終わるものを用意しているので、それの可能性もあると思っていますし、組みもあんまり日本では見たことがない、珍しいものを用意」していますし、ツイスターも3連続あるかなと思っているので、いずれにしても完全決着で終わらせたいと思っています」
――ありがとうございました。
(写真・構成/佐佐木 澪)