新型コロナで苦しむプロレス格闘技業界が受けられる国からの支援は何があるのか?実際に調べてみた

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 新型コロナウイルスの感染拡大により、ついに非常事態宣言が発令されました。プロレス&格闘技業界はいつ安心して興行が再開できるのかの目処が立たず、チケット収入がないまま会社を運営することになり、ジムや飲食などお客さんと対面での副業を行っていた選手たちからも苦悩する声があがってきています。
 そんなプロレス格闘技業界関係者が国から受けられる支援はどのようなものがあるのか?一度簡単に調べてみました。(情報は4月7日時点のものとなり、ここに記載されているものは一部となります)

 まず会社として団体やジムなどを運営している方々は、『雇用調整助成金の特例措置』(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html)を確認する事をおすすめします。

 簡単に例を出して説明しますと、会社として社員やバイトを休業させる場合、休業手当として60%を会社から社員&バイトに支払います。日給1万円×月~金5日間×4週間=1ヶ月20万だとした場合、12万円を支払うことになりますね。
 この12万円のうち3分の2が現在助成金として支払われますが、今回の非常事態宣言により10分の9、つまり10万8千円を助成金として国が負担してくれる形です。この助成金は最寄りのハローワークで詳しく聞くことができます。
 ちなみに限度額は1日8330円が上限なので、約28万円/月の給料の人までが既定値で保証を受けられる計算です。

 これにより、少なくとも「給料がゼロで死んでしまう!」「社員である選手に給料を満額払っていたら会社が潰れてしまう!」という状況は免れます。この助成金はパートの人にも出ますので、フリーの選手たちも上がっていた団体が会社組織化しているならば、この助成金により守ってもらえるかもしれません。
 「60%じゃローンや家賃が払えない!」「10%は会社負担じゃないか!10%でも人数がいたら大変だ!」という選手や会社の人もいるかもしれませんが、プロレス格闘技業界はいつ団体が潰れてファイトマネーが未払いになったり、ノロウイルスが出て飲食店が休業状態になったり、ジムで怪我人が出て訴えられて休業に追い込まれたり、そもそも怪我をして戦えなくなったりなど普通の状態でもいつ何が起こるかわからない業界です。貯金や内部留保で今を耐えつつ、もし耐えきれないとなった場合は今までの経営や収入の状況を見直す時が来たのかもしれません。

 しかし当然、選手や社員を守ろうと会社が60%休業補償を払い続けて10%を会社が負担し続けたとしても、無収入のまま10%を支払い続ければ会社がいずれ倒産します。その時は関係者全員の収入が0円となってしまいますが、その資金繰りをするために『セーフティネット4号&5号』や『日本政策金融公庫による実質無利子無担保貸付』が行われています。(https://www.meti.go.jp/covid-19/#01
 「この大変なときに借金をさせるのか!?」と思う方もいるかもしれませんが、こればかりは流行り廃りがあるので売上が落ちた会社があれば上がっている会社も当然ある状況です。かつて総合格闘技ブームの時にプロレスは冬の時代を迎えていましたが、普段そんなに激しく売れることのない防災備蓄品やマスクやトイレットペーパーなどは今注目を浴びて売上が上がっているぶん、生活必需品ではないリアルエンタメが下がっています(YoutubeなどWEBや映像コンテンツのアクセス数はあがっています)。筆者個人は「生きるためには(精神的に)エンタメは必需品だ!」という考えですが、それを全て保証するとあらゆる趣味を保証することになるので、これは新型コロナ云々ではなく何か起きた時は業界団体が対応して保証するべき話ですね。

 ですが、当然倒産する会社が増えてきているのも事実です。「給料がもらえない状態になった俺らをどうしてくれるんだ!?」という話は、新型コロナウイルスによる保証ではなく、通常給料から支払われていた雇用保険が適用されます。基本手当額は1日あたり6815円~8330円なので、上記した雇用調整助成金の限度額と同じ額になります。これを見るに、国は社会保障の一環として『休業でも一時的に失業した事にして、普段支払ってる雇用保険を財源に国民へ戻すね。会社は休業から復帰したらそのまま雇い続けてあげてね』という状況を作っていることがわかります。
 その他、日雇い労働者保険給付金など、普通に(封筒で手渡しだから税金払ってないなどなく)働いていれば何かしらもらえるものがあるはずなので、新型コロナ関係なくハローワークで相談してみましょう。会社から離職証明書をもらうことは忘れないようにしてくださいね。

 そして失業保険中には様々な職業訓練を無料で受けられる(東京都の例:https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kyushokusha-kunren/school/kamoku/tanki.html)ので、『電気工事の資格をもった格闘家』や『介護福祉士の基礎知識を持ったプロレスラー』などが新型コロナがおさまった時に生まれているはずであり、人が常にたりない介護系が増えほぼ外国人労働者となっているコンビニバイトなどが日本人に戻るなどするはずだとは思っていますが、なお職にありつけなかった人には生活保護制度(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html)があります。

 生活保護は様々な条件つきで約10~20万を貰える制度ですが、貰えたとしても生活するための条件が厳しくなるので相当なハンデがない場合は無料の職業訓練を受けてなにかをしたほうが無難かと思います。

 ここまで来てやっと「何も支払われない死ぬ!」になるので、肉体が健康であれば一時的に職業を変えても新型コロナ騒動が治まれば社会復帰は可能かと思います。うっかりすると資格をとって副業がいままでの本業の給料を超えます。ですので、選手関係者の皆さんは自粛期間中はできるだけ外に出ないで新型コロナにかからないように心がけ、経営者の方々はファンに忘れられないようにさえすれば騒動後は今まで通りの日常が待っているでしょう。

 さて、話は新型コロナウイルス対策に戻り、今リアルエンタメ事業者向けに『ファンがチケット代を払い戻さない場合、これを寄付扱いにする』制度が議論されています。
 どういうことかと言いますと、10000円のチケットをファンがチケットシステム(イープラスやローチケなど)を使用し購入してイベントが中止になり、このチケット代をファンへ払い戻す場合、主催者は4~5%払戻手数料をシステム使用料として払うことになります。チケット代10000円で5%の場合500円、5000人のイベントなら250万円の赤字ですね。イープラスはこの手数料を無料にすると発表しましたが、この他にも会場費用や照明音響などすでにかかった費用があります。
 このチケット代をファンが払戻しをしなかった場合は寄付扱いにして、寄付したファンが本来国に払うはずだった所得税から差し引く制度ができようとしています。ふるさと納税と似たような制度ですね。
 これにより主催者は払戻しの赤字が減り、チケット代が手元に残るのでこれで会場費など諸々の支払いができて生き残ることができます。「国に税金払うくらいなら推しイベントに払うわ!」という方たちのために、この制度ができたら各イベントは寄付ができる形でのチケット販売施策を考える必要がありますが、これでファンがいるならばそのエンタメの火が消えることはないでしょう。

 普段は問題の少ない業種がお客が入らなかったりして目に見えて危険なぶん、普段目立たない業種がひっそり結構儲かっていたりしているので『全体が大変だ』と錯覚を起こしているかと思います。国が今やっていることは『一律に給付すると儲かっている業種にまで払うことになる』という前提で、本来国へ税金として支払われているものをどれだけ支払わないですむかという法案づくりです。1万円をもらうのと1万円の税金を払わなくてすむようになるのは国民にとって手元に残る額は同じですが、上記の払戻手数料と同じで無条件で一律給付すると国民数×振込手数料が“今まで払ってきた税金から”なくなります。
 この振込手数料が大きくならないように、すでに『法人税』・『所得税』・『住民税』・『自動車税』などの支払いが1年間猶予され、毎月ではなく来年支払えばいい形に国税庁が動きました。さらに職を失い雇用保険でもどうにもできなくなった方へ、『住宅支援給付金』として『単身世帯:13.8万円、2人世帯:19.4万円、3人世帯:24.1万円』を支給してくれる制度もあります。
さらに、収入が半分になった会社に200万円、フリーランスに100万円を一律給付する特例措置も今行われようとしています。

 会社として急激に変わった世の中の状況に対応するため、テレワーク助成金(https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/kinkyutaisaku.html)など働き方を変えないといけなくなった社員が設備対応をするための助成金も出ています。

 様々な補助金・助成金がありますが、これを機会に各種イベントや選手はWEBでの情報発信を密にしてプロモーションを行い新規ファンを増やして、新型コロナウイルスが終わった日常でリアルイベントが復活したとき、会場に札止めのお客さんが集まってくれる場所を作るために生き抜いていきましょう。

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