【インタビュー】11・24NEXUSでバンタム級王座防衛戦に臨む“修斗初代王者の長男”渡部修斗が咲間”不良先輩”ヒロトとの決戦への想いを語る!

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 11月24日(日)にGENスポーツパレス(東京都新宿区)で開催となる『Fighting NEXUS vol.18 ~初代フライ級王者決定トーナメント決勝戦~』ではバンタム級タイトルマッチがトリプルメインイベントの1つとして行われる。
 王者・渡部修斗は、初代タイガーマスク 佐山サトルが創始した近代総合格闘技「修斗」の初代ウエルター級王者・渡部優一(掣圏真陰流 館長/スーパータイガージム群馬代表)の長男。レスリングをベースにし、警戒されながらも掛かってしまう“マジカルチョーク”をはじめとしたグラウンド技術を得意とする。
 初防衛への意気込みを聞くと、その生い立ちとともに格闘技への真っすぐな思いが伝わってきた。

――総合格闘技王者を父に持ついわばサラブレッドの渡部選手と、投獄経験から格闘技で更生した咲間“不良先輩”ヒロト選手、優等生vs不良という真逆の図式を持つ防衛戦が近づいてきました。調子はいかがですか?
「練習は試合があっても無くても毎日やっていて、怪我もなく風邪もひかずにいい感じで来ています」

――試合が決まってから練習を始める、試合がないと練習をしないという選手もいますが、渡部選手はそういうタイプではないと。
「やっぱりプロはお金をもらって試合をする訳なのでお客さんによいものを見せないといけないし、プロ格闘家でやってる人ってやっぱりすごく強いので(苦笑)。その中で勝っていくとなったら普段の食事やケア、コンディションだったりそういうことが大事になってくると思います」

――強気な格闘家が多い中で、渡部選手の繊細さがうかがえます。まず、そもそもの格闘技歴を教えてください。
「柔道を小学5年生から始めて、中学からレスリングを並行してやっていました。ただ柔道とレスリングは自分の意志ではなく気づいたら道が決まっていた、無理矢理やらされていた感じがあって、唯一今の格闘技だけですね、自分でやろうって決めたのは。高校を卒業して大学でレスリングをやるっていうのが親が描いていた道だったんですけど、自分は普通の生活に憧れていて。なので親にも顧問にも「もうレスリングはやる気がない」と伝えて、大学は自己推薦で進学しました。部活を頑張って、キャプテンもやっていたのでそういうのが使えたんです(笑)」
※レスリングでは全日本ジュニアカデット3位といった結果を残している。

――望んでいた大学生のキャンパスライフを実際に送ってみていかがでしたか?
「普通にバイトをして友達と遊んでという生活をしていたんですけど、やっぱり何か物足りなくなってしまって。なので週1回、社会人レスリングクラブへ練習に行っていました。週1回だったら全然イヤにならないし、部活みたいに厳しくないので。そんな感じで大学の間は趣味程度でレスリングをやっていました」

――そこからどのように現在の道へ繋がったのでしょうか。
「格闘技は見るのは好きで高校の時からよくテレビで見ていたんですけど、殴ったりとかするので“怖いしこんなのはできる訳がない”と思って全くやろうとは思っていませんでした。でも、K-1の魔裟斗選手がめちゃめちゃ好きで、引退試合があったので絶対見なくちゃと思って行ったらすごく感動して(2009年大晦日)。自分の中で“格闘技ってカッコいいんだな”と思って、それで年が明けて格闘技のジムを探して入ってという感じでした」

――格闘技を始めることにご両親はどんな反応を?
「すごく反対されました。本当はレスリングでオリンピックだったりを目指してほしかったみたいで、父は自分がキツい思いをしたからやってほしくないと言って。お母さんも一緒で、父の試合は見れたけど息子のは見たくないみたいな感じでした。でも、そこはかたくなに「俺はやる」って言って。そうしたらちょうど長期休みで実家に帰っていたんですけど、東京へ戻る時にお母さんが最初の入会金と月謝を封筒に入れて渡してくれて。大学生でお金がなかったし、始めるのに初期費用が掛かるんですけど、それで気持ちが変わらないうちに始めることができました。きっと父の気持ちも入っていたんだと思います。2人とも自分がやりたいって言うんだったら頑張ってみなと言ってくれて。父は今はすごく応援してくれています」

――大学4年生になる直前に格闘家を志し、今では人生を懸けるまでになりましたが、ここまでの歩みを振り返っていかがでしょう。
「最初は“強くなって試合で勝っていけば大きな舞台にも出られるしチャンピオンにもなって人気者にもなれる”ってすごく浅く考えていたんですけど、今ではすごく深く考えるようになって人生そのものになってます。普通に将来が不安だ、この先どうやって生きていこう、これから何しようって思うものですけど、そういうレベル・スケールで格闘技のことも考えています」

――現在の練習・生活状況について教えてください。
「今は週3ぐらいでバイトをやっていますが、あとはありがたいことに指導で生活できて毎日練習ができる状態です。そんなに裕福ではないけど普通に生活ができるぐらいで、練習時間を削ればもっとお金は稼げて裕福に暮らせるんですけど、今は練習時間を削りたくないので、ちょっと生活がキツくなっても時間は格闘技に使いたいと思っています。練習してないとすごく不安になるんです。元気だったのに外せない用事があって休んでしまったり、練習相手が集まらなくてちょっとしかできなかったりした日は、寝る時に不安に襲われたりしちゃいます(苦笑)」

――不安をそうやって練習で払拭していくタイプなのですね。
「基本自分に自信がないんですよね。試合前もすごく怖いし、試合自体も本当に怖いです。負けたら今までやってきたことも全部否定されてしまうし、1試合1試合がすごく大きくて。だから負けることが本当に怖くて、負けないためにはどうしたらいいんだろう? って思ったらやっぱり練習するしかないんです」

――試合だけでなく、そういった自分自身との日々の戦いもある訳ですね。昨年末には30歳を目前にFighting NEXUSのチャンピオンとなりました。
「格闘技を始めた時はそんなに続けられる自信がなくて、30歳までにベルトを獲って、1つ形を残して辞めようって思っていたんですけど、ベルトを獲るとまた道が開けてくるのが分かって、そうなると辞められないですよね。むしろベルトを獲ってからがスタートなんじゃないかなって。周りの見る目も変わりましたし、自分自身もただのいち選手ではなくチャンピオンなので、自覚や考えが変わってきました。まだあまちゃんのチャンピオンなので、これからベルトと一緒に成長したいです」

――そのためにも重要となる防衛戦が近づいてきました。対戦相手の咲間選手についてお願いします。
「よく周りに真逆だね、すごい対立した構図の試合だねって言われます。自分が第三者的に見てもそう思いますし、ただあんまり自分は咲間選手がどういう人間かっていうのは気にしていないです。どんな人生を送っていたとか、どんな見た目であるとか、そういうのは興味がないです。もちろん試合をするので映像も見ますし、どんな試合展開を考えているんだろう、どんな練習をするんだろうって格闘家としての咲間選手にはすごく興味がありますけど」

――これまでのバックグラウンドで語られることが多い咲間選手ですが、それよりも対戦相手、いち選手として見ていると。
「咲間選手の映像をチェックしてこうなるだろうなっていうシチュエーションの練習や、自分が苦手な場面のシチュエーションをやっています。僕の苦手な展開に持っていこうとするでしょうけど、自分の苦手な展開は自分でも分かっています。自分の得意なところは残しつつ、別の部分でも勝負できるようにという練習もやっています」

――先ほどあった「深く考える」というのは練習においてもあるのですね。今後は自身が格闘技を目指すきっかけとなった大晦日や大舞台を目指すのでしょうか。
「去年チャンピオンになって、今は正直自分が何を目指しているのかちょっと見えなくなっちゃっています。自分が格闘技を始めた時からの目標を成し遂げてしまって、この後どうしようっていうのが見えなくなっちゃって、すごくモヤモヤしました。今は到達点が見えていないんですけど、やっぱり勝っていって見えるものがあるし、勝っていって自分の存在が知られることで開ける道があると思います。なので今は“強くなる”っていうのが目標で、シンプルにそれでいいんじゃないかって気持ちでいます。単純に自分が強くなれば試合に勝てますし、強い相手に勝っていけばいろいろな舞台が見えてくる。そうやってシンプルに考えてやっていて、自分が辞める時に格闘技をやっていた応えや意味が出せたらいいと思っています」

――目の前のこと、一戦一戦に全力で臨む渡部選手の心性がうかがえます。最後に防衛戦への意気込みをお願いします。
「咲間選手はすごいこの試合に懸けているのが伝わってくるし、咲間選手にとって格闘技人生の集大成になるぐらいの試合だと思います。それぐらいの気持ちが伝わってくるので、それは自分も全力で受け入れなきゃいけないし、やっぱり勝たないとって思います。咲間選手の夢・目標は自分に勝ってNEXUSのチャンピオンになることだと思いますが、自分も夢っていうかまだ見えない目標があるので、まだ勝たないといけません。格闘技ってすごく残酷だなって思うんですけど、今までもそうやってやってきたので、咲間選手の夢を壊して自分の夢を叶えるために勝ちます。探している答えを見つけるために、格闘技をやっていって勝ち続けていきたいと思います」

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