WWEネットワークの散歩道 1回目

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 2016年1月5日より世界最大のプロレス団体であるWWEの『WWEネットワーク』が日本でも視聴できるようになりました。これまでは約2週間遅れでの放送だったPPVも、リアルタイムでの視聴が定額で可能となり、WWEが権利を保持する団体の試合映像のアーカイブも見ることができます。
 これまでWWEの放送をJスポーツで楽しんできた方たちで、まだ契約に踏み切っていない人の第一の理由は“日本語字幕がない事”かと思います。ただ、これだけのアーカイブやPPVをリアルタイムで堪能できる機会を逃すのは本当にもったいありません!
 そこで、今回から始まったこの連載ではWWEの膨大なアーカイブから「これは見るべき!」というような歴史的な名勝負や名場面などを紹介し、より楽しむための手助けができればと考えています。

 先月、WWEと正式に契約を交わした中邑真輔選手のデビュー戦は4月1日。日本時間では4月2日(土)の朝10時くらいからの放送予定です。そして4月3日には世界最大のプロレスイベントであるレッスルマニア32が開催されます。こちらは4日(月)の朝10時くらいから。WWEネットワークでは新規契約の場合、最初の一か月は無料視聴期間となりますので、4月1日に契約すれば中邑選手のデビュー戦は無料で見ることができるのです!
 そして5月以降のWWEネットワークの散策は、こちらの連載が少しでも皆様のお役に立てるようお手伝いさせていただきます。
 ひとまずこの連載ではひとつのテーマで3試合をピックアップし、併せて日本人選手の試合もひとつ紹介していきます。また紹介した試合での大会でも面白い試合や興味深い顔合わせがあれば触れていこうと思っております。

 それでは連載の第一回目。テーマは4月3日に開催される『レッスルマニア』です。
 レッスルマニアではこれまで幾多の名勝負が行われてきました。レスラー間ではレッスルマニア・モーメントと呼ばれるイベント独特の空気感があるようで、海外の選手でそれを体感したいと考えない人は皆無と言っていいでしょう。
 いくつもの名勝負がある中で、最初に紹介したいのはレッスルマニア10でのレイザー・ラモン対ショーン・マイケルズのWWFインターコンチネンタル王座戦。WWFのPPV大会では初めてとなるラダーマッチでの試合でした。レイザー・ラモン選手は現在、新日本で活躍するコーディ・ホール選手のお父さん。この大会の数年後にWWFからWCWに移籍し、本名であるスコット・ホールとして活動していくことになるのです。
 リングの上空にぶら下げたベルトを先に取った方が勝ちとするラダーマッチの歴史は、カルガリー・マットから始まったと言われています。おそらくはダイナマイト・キッドやブレット・ハートといった、体が小さいながらも最高レベルの技量を持った選手がヘビー級相手に互角に勝敗を争えるルールを考えた結果、生まれたものではないかと推測しています。他にもブレット・ハート対オーエン・ハートの兄弟対決やクラッシャー・バンバン・ビガロ、ルナ・バション対ドインク、ディンクといったところが日本のファンにも名前の知られているカードでしょうか。
 ハルク・ホーガンがセミリタイアの状態で、初めてホーガン抜きで開催されたレッスルマニア。WWFの新世代が動き始めたマイルストーンとなる大会でもあったのです。

【レッスルマニア10:1993年3月20日】
http://network.wwe.com/video/v31355189

<おすすめの試合>
レイザー・ラモン対ショーン・マイケルズ(1時間53分くらい)
ブレット・ハート対オーエン・ハート(10分くらい)
クラッシャー・バンバン・ビガロ、ルナ・バション対ドインク、ディンク(38分くらい)

 次に紹介するのは92年以来久しぶりのレッスルマニア登場となるハルク・ホーガン対ザ・ロックの対戦。アイコン対アイコンというサブタイトルのついたこの試合は、ヒールとして登場したホーガンを帰ってきた英雄として迎え入れた観客が試合の流れを変えていくというレアケースとしても貴重な試合です。メインはクリス・ジェリコにトリプルHが挑むWWE王座戦ですが、この試合に食われることがわかっていたので、メインでやることをジェリコはとても嫌がった、という話を聞いたことがあります。他にはアンダーテイカー対リック・フレアー、スティーブ・オースティン対スコット・ホールなど、レッスルマニアにふさわしい好カードが並びますが、ホールによるスタナーの受けっぷりはぜひみてもらいたいですね。

【レッスルマニア18:2002年3月17日】
http://network.wwe.com/video/v31356687

<おすすめの試合>
アンダーテイカー対リック・フレアー(1時間03分くらい)
ストーンコールド・スティーブ・オースティン対スコット・ホール(1時間41分くらい)
ザ・ロック対ハリウッド・ハルク・ホーガン(2時間25分くらい)

 WWEネットワークの検索は選手の名前でもできます。レッスルマニアに出場した天龍、北尾選手はもちろん、CIMA選手もプロデビュー直後にWCWのテレビ番組のナイトロに出場しているので見つけることができます。
 そしてこのWWEネットワークではクリス・ベノアの試合映像も問題なく視聴可能になっています。この連載の企画意図もベノアの試合をできるだけ広く視聴してもらいたいということがきっかけなのです。そのベノアのレスラー人生の頂点と言える瞬間こそ、世界ヘビー級王座を奪取したレッスルマニア20のメインイベント。トリプルHとショーン・マイケルズを相手にしたトリプル・スレットマッチです。
 今から考えてみるとベノアが抜擢されたのは、ただ誰よりも頑張っているからだったのでしょう。それは同時期にWWE王座を保持していたエディー・ゲレロも同じだったのでしょう。だからこそ悲劇的な最後が心に影を落とし、そして今でも試合が語り継がれていくのです。
 この大会では20回という区切りであることもあり、エディー・ゲレロ対カート・アングル、ブロック・レズナー対ゴールドバーグ、ザ・ロック、ミック・フォーリー対リック・フレアー、ランディー・オートン、バティスタと豪華なカードが目白押しです。

【レッスルマニア20:2004年3月14日】
http://network.wwe.com/video/v31362293

<おすすめの試合>
ザ・ロック、ミック・フォーリー対リック・フレアー、ランディー・オートン、バティスタ(1時間05分くらい)
エディー・ゲレロ対カート・アングル(2時間59分くらい)
ゴールドバーグ対ブロック・レズナー(2時間07分くらい)
クリス・ベノア対トリプルH対ショーン・マイケルズ(3時間49分くらい)

 今回の連載で紹介する日本人レスラーは先日亡くなられたハヤブサ選手。まさかこういうかたちで振り返ることになるとは思いませんでしたが、WWEネットワークでは1試合だけですがアーカイブが残されています。フェニックス・スプラッシュ、ファルコン・アローのオリジネーターで、ただのドロップキックやクロス・ボディも時間が止まったかのような錯覚に陥る、素晴らしいハイフライヤーでした。
 この大会ではECWとFMWが業務提携をしている時期で、田中選手は長期滞在してECW世界王者にもなりました。対戦相手のマイク・オーサム選手はザ・グラジエーターの名前でFMWで才能を開花させ、全日本プロレスやプロレスリングNOAHでもタイトルに絡んでいきましたが、田中選手との対戦以上のインパクトを残すことはできませんでした。

【ヒートウェーブ:1998年8月2日】
http://network.wwe.com/video/v31537457

<おすすめの試合>
田中将斗対マイク・オーサム(46分くらい)
ハヤブサ、新崎人生対ロブ・ヴァン・ダム、サブゥー(1時間06分くらい)
タズ対バンバン・ビガロ(1時間41分くらい)

 次回も4月3日のレッスルマニア32のカードに沿った試合を紹介していこうと思っておりますので、ご視聴のほどよろしくお願いします

(ライター:タカハシ)

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