魔界としては最後の新木場!娘を取り戻そうとする武吉に朝比奈が2m超えの大剣を振りかざす
2月18日、東京・新木場1stRINGで開催された新感覚武将エンターテインメント『第二十二回 魔界〜魔界が来たりて友が哭く〜』。この「魔界」には様々な時代の人物が登場するのだが、現世と対極にある異空間が舞台。元々は魔界少女拳vs.安倍晴明軍という陰陽道を軸にしたストーリーで、鶴姫こと大祝鶴が兄や恋人を想い自殺した“鶴姫伝説”までは歴史上の出来事に沿っていたが、死んだと思われた鶴姫(志田光)、越智安成(円華)、大祝安房(佐藤悠己)が再び登場するところから完全に魔界のオリジナルストーリーへ突入。
しかも鶴姫の兄だった安房が実は赤の他人で、恋人だったはずの安成が実の兄だったという、韓流ドラマも真っ青な仰天ストーリー。この独特な世界観を役者陣が芝居で魅せ、和舞踊が組み込まれた踊りと唄でプロレスラーを召還して(呼び込む)闘わせるのが「魔界」の特徴だ。
オリジナルストーリーに突入してからというもの、闇に墜ちてしまい黒魔術軍入りした鶴姫。元々は黒魔術軍だったが、いまや命を狙われている陶隆房(AKIRA)と剣と魔術を駆使して死合(試合)をしていたのだが、突如黒魔術軍の細川ガラシャによって冥界に送り込まれてしまう。
さらに自ら甲斐姫の子にして、豊臣秀吉の子でもあると明かした霧隠才蔵(朱里)が前田慶次(藤田峰雄)を死合をしていると、平将門の末裔である悪路王が現れて呪文を唱える。すると才蔵が苦しみ出し、悪路王は慶次に「魂を奪え」と命じるが、慶次は才蔵を抱きかかえて奪う意思がないことを示す。
最強の陰陽師である安倍晴明、その晴明に想いを寄せている夕顔、夕顔とは元夫婦の渡辺綱(田中稔)の三人が揃うという昨今の芸能界もビックリな修羅場の場面では、綱が晴明に刀を向けたところで新撰組副長の土方歳三(大和ヒロシ)が飛び込んで来て綱との死合になる。田中稔vs.大和ヒロシというWRESTLE-1のクルーザー級戦線で繰り広げられている激闘が、魔界の練闘場(リング)でも完全再現。
さらに前回の魔界で藤原純友(TARU)と俵藤太(バッファロー)に連れ去られた娘の村上景(真琴)を取り戻そうとする村上武吉(真霜拳號)に、同じく娘を探している道山と九鬼嘉隆(葛西純)が協力。すると、黒魔術軍が純友と藤太に“援軍”として、とんでもなく長い剣を持った朝比奈義秀(石川修司)を召還。
この身長195cmの朝比奈が持ってきた2メートルを超える剣は、クラウドファンディングによって集まった資金で制作されただけに、実に完成度が高くド迫力。しかもリングに張られた三本のロープも外されたため、朝比奈は何度もこの大剣をフルスイングして振り回してみせた!
当然、武吉も九鬼も逃げ回る。リングを降りて場外に闘いの場が移ると、何と朝比奈は客席に雪崩れ込みながら大剣を振り回す。これには超満員の観客も悲鳴をあげながら必死で逃げる。もはや魔界は見て楽しむだけでなく、スリルを“体験”出来るアトラクションへと進化したのだ。
しかも死合の最中、ステージ上では「ペガサス幻想」をはじめ轟轟戦隊ボウケンジャーや天装戦隊ゴセイジャーのテーマソングでお馴染みの伝説のボーカリスト・NoBが魔界の唄を熱唱して大いに盛り上げた。
公演チケットが入手困難になるほど人気急上昇の魔界だが、次回大会から会場のキャパシティーが大きくなることが決定。新宿FACEで開催される最初の公演となる3月18日「第二十三回 魔界〜魔界が来たりて愛に哭く〜」には、レギュラーのプロレスラーや役者、ミュージシャンのほか、風男塾の虎南有香と浦えりかが出演する。
(文・写真/佐瀬順一)
第二十二回魔界錬闘会
〜魔界が来たりて友が哭く〜
日時:2016年2月18日(金)
開場:18:00 開始:19:00
会場:新木場1stRING
観衆:320名(超満員札止め)▼第一死合
△陶隆房(AKIRA)
無効死合(※ガラシャによって死合途中に冥界に送られる)
△鶴姫(志田光)▼第二死合
△前田慶次(藤田峰雄)
悪路王の一刀にて
●霧隠才蔵(朱里)▼第三死合
△土方歳三(大和ヒロシ)
無効死合(※安倍晴明&夕顔の介入)
△渡辺綱(田中稔)▼第四死合 無結界縄死闘(ノーロープハンディキャップ戦)
△村上武吉(真霜拳號)
△九鬼嘉隆(葛西純)
無効死合(※錬武官暴行→平将門出現)
△朝比奈義秀(石川修司)
△藤原純友(TARU)
△俵藤太(バッファロー)