佐藤光留が故青木篤志さんの魂をもって大仁田厚に電流爆破戦を直訴し、地獄のデスマッチでの対戦が実現か?
全日本プロレスなどで活躍する佐藤光留(パンクラスMISSION)と大仁田厚との電流爆破デスマッチでの対戦が急浮上した。
佐藤は8月22日、自身がプロデュースするハードヒットで「佐藤光留デビュー21.5周年記念興行~真夏の変態祭り」を神奈川・富士通スタジアム川崎で開催。そのセミファイナルで大仁田、ヨシタツ、佐野直組が、関根シュレック秀樹、和田拓也、田馬場貴裕のハードヒット軍団と「ストリートファイトトルネード電流爆破バット6人タッグデスマッチ」で激突。大仁田は和田の爆破バット攻撃で被爆し窮地に陥るも、蘇生して田馬場に毒霧を噴射。続けて、田馬場に爆破バットをフルスイングして3カウントを奪取した(11分31秒、体固め)。試合後にはハードヒット軍団に「オマエら格闘技の人間だろうけど、生きていくためには何でもやらなきゃいけないんじゃ。またやろうじゃないか!」とエールを送った。
控室に引き揚げようとした大仁田を通路で呼び止めた佐藤は「今年もありがとうございました。今日、来てもらったのは大仁田さんに言いたいことがあったんです。ずっと僕と一緒にプロレスをやってきた青木さんが亡くなった。去年、青木さんの弔いに来てくれたじゃないですか。でも時間が経って、だんだん薄れて来てるんですよ。青木さんはいつも全日本のこととか、ジュニアのこととか話してた。青木さんは『電流爆破楽しかったな。あんな刺激的なことはない。また大仁田厚と電流爆破がやりたい』と言ってたんです。今、体は二人じゃなくて、一人になっちゃいましたけど、俺たち、いつでもプロレスラーとしての魂は一つなんで。また俺と青木さんの魂と、電流爆破のリングに上げてください。そのお願いに来ました」と直訴。
これに対して、大仁田が「全日本じゃなく、青木選手と佐藤の願いだな。青木選手の遺志を継いで、オマエが電流爆破のリングに上がるんだな? 今の電流爆破はただもんじゃないぞ。それでもいいのか?」が言うと、佐藤は「どんな電流爆破でも、俺と青木さんのプロレスでいきます。よろしくお願いします」と懇願。
大仁田が「地雷に落とすかもしれないぞ」と言えば、佐藤は「落とされるかもしれないですよ。でも青木さんが大仁田さんを地雷に落とすかもしれない。覚悟してます」と返答。大仁田は「怖じ気づくなよ。地獄のデスマッチ。昔のバットだけのとは違うぞ。青木選手の遺志を継ぐなら最後まで貫き通せ。青木選手の遺言だろ」として受諾した。
青木さん、佐藤と大仁田はかつてアジアタッグ王座を巡って死闘を繰り広げ、電流爆破のリングでも闘った。青木さんは19年6月3日、バイク事故で帰らぬ人となったが、佐藤は昨年8月29日、富士通スタジアム川崎で開催した自身の20周年興行で大仁田にオファーを出した。大仁田は佐藤の20周年祝いと、青木さんへの追悼の意を込めて電流爆破デスマッチを敢行した。
あれから1年の月日を経て、今年も佐藤の周年興行に出場した大仁田は7月4日、鶴見爆破アリーナ(鶴見青果市場)で爆破に特化した団体FMW-Eを旗揚げ。地獄のデスマッチに代表されるように、試合形式はよりハードになった。そのリングに、青木さんの魂をもった佐藤が上がる可能性が出てきたといえそうだ。
なお、この日、佐藤は実に6試合に出場。第7試合では、植木嵩行と組み、木高イサミ、阿部史典組と「富士通スタジアム川崎公認凶器持ち込みエニウェアフォールルール」で対戦。途中、公認凶器として、佐藤側に渡慶次幸平、木高側に大和ヒロシが加わるなか、佐藤は場外での横入り式エビ固めで阿部に敗れた。結局、佐藤は1勝もできなかったが大きなインパクトを残して、興行は大成功だった。