【ゴマシオ親父のつぶやき】俺の元に「猪木は死んだ」という情報がマスコミから入ってきた

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

師であり40年来の盟友でもあるアントニオ猪木がいま運命の岐路に立っている。何とも『不気味』な姿でテレビテレビ画面に映っているのを俺が見たのは10日くらい前。やせ細った顔でしゃべる言葉もままならない様な感じである。俺は、ここしばらく猪木に会ってはいない。というより周囲にいる女性に電話で話すのも拒否されている「らしい」。なぜ「らしい」なのかは、確かめていないから正確なところがわからないからである。
 猪木の4人目の嫁さんであった田鶴子さんが亡くなった時も供養に行くことは出来なかった。二人を結びつけたのは俺だったんだし。何度も北朝鮮や中国に連れて行ったものだしね。「猪木の写真集をつくりたい」という要求で、名古屋のゴルフコンペの時に初めて猪木に紹介したものだ。当時、彼女はTBSのスチールカメラマンを辞したばかりで、その腕は十分すぎるものと記憶している。
 実は、その彼女がある時を境に猪木と、対外部の人間との接触を絶ってしまったんだ。俺は猪木の要望で赤坂などで何度か会ってはいたが、『ズッコ』(田鶴子)に時間制限されたりで、俺の周囲では「オヤジと猪木さんの関係を知っていれば異常だよ。これは将来的に大変なことになるぞ」とほとんどの人が口にしていた。
 そんな猪木が今、大変な姿を公にしたのには驚いた。何でも心配する人達に「無事」だということを見せるために公開したというが、俺は絶対反対だね。猪木というのは絶対のつくほどのスーパースターだよ。ファンにギリギリを見せてはいけない姿だよ。
 俺と猪木は公私に渡って40年を超える付き合いで、二人で知らない秘密は無い、と言われるほどの年月を越えてきたんだものね。今年に入って、そう二月かな。俺の元に「猪木は死んだ」という情報がマスコミ(週刊誌)から入ってきた。コメントを求める電話が殺到した時は驚いたもんだ。
 俺は猪木の弟とかにも連絡を入れて、その情報がガセネタであることがわかった。しかし現在入院中で歩行もままならないという情報もわかった。まあ最悪のシナリオは避けられたが、気分のいいもんじゃないよね。
 これまで国内では、プロレスとして初めて東京ドームでの興業(平成元年)をやり、以来毎年のドーム興業も定着させた。国外では、ソ連(ロシア)のアマレス金メダリストをプロレスラーに転向させてモスクワで初の平和イベントを開催。猪木は柔道の五輪金メダリストの、ショータ・チョチョシビリと対戦したりしたもんだ。マッチメーク?もちろん俺だよ。
 その後は湾岸戦争直前のイラク・バクダットでの第2回目の平和イベントを開催。日本の商社の人達が「人質」(現地ではゲスト)になっていたのを解放するのに大きな役割を担ったものだ。新日プロレスの選手も積極的に参加してくれて、大いに盛り上がったんだ。当時猪木は持病の痛風がひどくて一日中大変だったんだ。よく当時のフセイン大統領と会談したと思うよ。それこそ生命がけだよね。
 そして奇跡といわれた北朝鮮でのイベントだよ。メーデースタジアムに、2日間で38万人を集めた最大の平和イベント。今でも語り継がれる大会だったがね。北朝鮮出身の力道山の殿堂をつくりたいという猪木の願いを叶えるべく、俺は猪木と二人で北朝鮮に乗り込んだものだ。迎えてくれた北朝鮮の政府側は、NO.3のキム・ヨンスンという人が全面に出てきて交渉している時、突然「北朝鮮でプロレスの試合を見せてくれないか」という信じられない要求だったんだよ。
 俺と猪木は顔を見合わせ黙ってうなづいていたね。後は開催までに何度も北へ行ったね。俺もアメリカの選手を参加させるために苦労した。最終的には、あのM・アリまで連れて行ったけどね。それこそ猪木は「神様」だよ。
 まあ、そんな思い出はいいけど、俺が心配するのは、今のアントンだよ。俺の親しい医者が、そんな猪木の姿を画面で見て「永島さん、アレは相当悪いですよ。一応の覚悟はしておいた方がいいですよ」と耳打ちしたんだ。
 猪木よ!このままどっかに行ってしまうなどは絶対に許さねえぞ。おれと同じ78歳、まだまだ二人でやる事があるだろう。今までだって危ない時はいっぱいあった。そんな時「俺は永島の前には逝かないからな。安心しろよ」といつも言っていたじゃないか。まだ蓋を開けていない「世界一高いシャンパン」を飲まないとな。俺はガンバレ猪木などとは言わない。「早く目を覚ませアントン。バカヤロウと言い合おうぜ猪木」
 俺は待ってるぜ。

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

サイト内検索

日別

2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

月別

ページ上部へ戻る