【試合結果】10・27 DEEP大田区総合体育館大会 【DEEPライト級】北岡悟vs武田光司 【DEEPバンタム級】元谷友貴vs釜谷真 【DEEPフェザー級】芦田崇宏vs弥益ドミネーター聡志
『DEEP 86 IMPACT』
日程:2018年10月27日(土)
開始:15:00
会場:東京・大田区総合体育館
▼第1試合 DEEPフェザー級 5分2R
●加藤貴大(BRAVE)
1R 4分34秒、チョークスリーパー
○町田貴史(和術慧舟會HEARTS)
▼第2試合 DEEPウェルター級 5分2R
○嶋田伊吹(Fight Holic)
1R 2分50秒、TKO(パンチ連打)
●田中一也(Tri H studio)
▼第3試合 DEEPライト級 5分2R
●成田五等兵(GRABAKA)
判定0-3
○我妻慎太郎(スタートゲートスポーツジム)
▼第4試合 DEEPウェルター級 5分2R
○涌井 忍(和術慧舟會HEARTS)
判定3-0
●川和 真(禅道会 新宿道場)
▼第5試合 DEEPフェザー級 5分2R
○高塩竜司(KIBAマーシャルアーツクラブ)
1R 0分08秒、TKO(パウンド→レフェリーストップ)
●神田コウヤ(パラエストラ柏)
▼第6試合 DEEPバンタム級 5分2R
△小林博幸(T-BLOOD)
判定1-0
△城田和秀(NEXSENSE)
▼第7試合 DEEPライト級 5分2R
△大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)
判定1-0
△岡村幸範(Fight Holic)
▼第8試合 DEEPフライ級 5分2R
○ランボー宏輔(パラエストラ千葉)
2R 1分49秒、フロントチョーク
●石神保貴(フリー)
▼第9試合 DEEPフェザー級 5分2R
○オーロラ☆ユーキ(KIBAマーシャルアーツクラブ)
1R 4分59秒、KO(左フック)
●窪田泰斗(D’s Box’n’Fit)
▼第10試合 DEEPフライ級 5分2R
○髙橋 誠(フリー)
判定3-0
●中山ハルキ(K-Clann)
▼第11試合 DEEPバンタム級 5分2R
○石司晃一(フリー)
判定3-0
●ハシャーンフヒト(NEX)
▼第12試合 DEEPウェルター級 5分2R
○悠太(ALLIANCE)
判定3-0
●ANIMAL☆Koji(フリー)
▼第13試合 DEEPメガトン級次期挑戦者決定戦 5分2R
●誠吾(AACC)
判定2-0
○酒井リョウ(パラエストラ松戸)
▼第14試合 DEEPフェザー級タイトルマッチ 5分3R
●芦田崇宏(BRAVE/王者)
判定0-5
○弥益ドミネーター聡志(team SOS/挑戦者)
▼第15試合 セミファイナル 第7代DEEPバンタム級王者決定戦 5分3R
○元谷友貴(フリー)
3R 4分43秒、チョークスリーパー
●釜谷 真(Tri H studio)
▼第16試合 メインイベント DEEPライト級タイトルマッチ 5分3R
●北岡 悟(パンクラスイズム横浜/王者)
判定0-5
○武田光司(BRAVE/挑戦者)
武田光司が北岡悟との激戦を制しライト級新王者に!元谷友貴はバンタム級王座も獲得し2階級制覇!弥益ドミネーター聡志が芦田崇宏を撃破しフェザー級王座戴冠!
第1試合
開始すぐ、加藤が倒して上を取り殴る。さらにバックに回ると首を狙っていく。さらに殴りながら首を狙う加藤。
加藤はバックマウントを奪い、パンチ連打。立たせず殴り続ける。なんとか立った町田だが、加藤は両足タックルを仕掛け、ケージ際で上になり殴る。かなり追い詰められている町田。
しかし、ここで町田が回って上になり、さらにバックに回って首を狙う! 一度外したが、再びかけ直すと加藤がタップ! 町田が大逆転で勝利を挙げた。
第2試合
嶋田が左右パンチで出ると、田中は圧力で尻もち。嶋田が組むと田中がケージへ押す。お互い入れ替え合うが、田中が突き放して離れる。
今度は田中から組むと、嶋田が首相撲からのヒザ! さらにケージへ押し込んでヒザ、そしてパンチを連打するとレフェリーが試合を止めた。
第3試合
1R。距離を取る両者。我妻のパンチで成田がグラつくと、我妻が上になり殴る。肩パンチ、ヒジを落としながら、そのまま固めて終了。
2R。プレッシャーをかけ合う。成田が組みにいき、ケージへ押しつけると片足を引いて尻もちをつかせる。田中が立つと嶋田はバックに回るが、成田が上に。お互いに殴る。我妻はケージに押し付けながら殴る。カメになった成田のボディに我妻がヒザ。
成田は立つが、我妻が投げて上に。さらにマウント。残り30秒でなりたが上になりチョークを狙うがゴング。判定3-0で我妻が勝利。
第4試合
1R。開始すぐ、涌井の左右パンチ。川和は効いた模様。パンチを返すが、涌井が組む。川和はケージへ押し付けたが、すぐ離れる。涌井は右ミドル、ロー。川和がパンチで出ると、涌井が倒れるが、これはスリップ。すぐ立って両者打ち合う。川和は再びケージへ押し込むが、離れる。
川和が倒して腕を狙うが、外して立つ涌井。再び打ち合い。川和がアッパーからとして上になる。残り10秒で川和がバックに回り、首に手をかけたところで終了。
2R。川和は飛び込んでパンチ。涌井は右ミドルを連続して蹴っていく。川和の左フックで涌井が尻もちをつくが、すぐ立って蹴っていく。川和はパンチを振っているが、ヒット数が少ない。終盤はお互いパンチを出して終了。
判定は3-0で涌井が勝利。
第5試合
1R、高潮のパンチがヒット、神田効いた! 神田が組みに行くと、高塩は潰して鉄槌連打! 神田の動きが止まり、レフェリーが止めた。
第6試合
1R。小林がローを出すと、飛び込んでパンチを打つ城田。小林はパンチから組むが、すぐに離れる。小林が左前蹴り、城田が右ミドル。小林がプレッシャーエオかけていく。城田が組んでケージへ押し込むが、小林は立って細かく顔面を殴る。さらにボディを殴るが、立って離れる。パンチを打ち合って終了。
2R。パンチで前に出る小林。城田が目のあたりをカットし、ドクターチェックが入るが、すぐ再開。
パンチを打ち合う。タックルからケージへ強引に押し込んだ城田だが、小林はテイクダウンさせない。正対した小林が投げる。ヒザを入れて離れる。城田は再び出血。打ち合って終了。
判定は1-0(ポイントは小林)でドロー。
第7試合
1R、お互い蹴り。岡村が組んでケージへ押し、上に。しかし大原が返して上を奪取。上からパンチを落とす大原。岡村は下から足関節や三角絞めを狙うが、大原は回避し、首を狙うが極まるまでは持って行けず、そのまま殴る。
大原が立って蹴るが、ブレイクがかかる。両者スタンドに戻り、打撃を出すが終了。
2R、岡村が組むが、大原がケージへ押し込む。岡村は崩すが、大原がバックマウント。殴りながら首を狙うがこれは極まらない。岡村が逃れようと回るが、大原はバックをキープしたまま殴って終了。
判定は1-0(ポイントは大原)でドローに終わった。
第8試合
1R。ランボーがパンチ。石神が組んでケージへ押し付けると、ランボーはボディを殴り入れ替え。ボディブロー、ヒザで入れ替えさせない。石神が倒すが、ランボーはすぐに立つ。
再び石神がテイクダウンするが、ランボーはすぐに立ってケージへ押す。ヒザ連打。石神もヒザを打ち込む。ランボーが首を狙っていくがゴング。
2R。ランボーが飛び込んでパンチを打って行く。石神も左右パンチ、左ハイキック。石神が片足タックルに入ると、ランボーがギロチンで引き込み、石神がタップ!
ランボーはマイクを執ると「エイドリアーン!!」とロッキーにセリフを叫び退場。
第9試合
1R。サクッと倒して上になった窪田。上から殴る。ガードポジションのオーロラはケージ際へ進んで行き、壁を使って立つ。お互いに入れ替え合い、ヒザを打ち込む。
窪田が足をかけて倒し、サイドポジションからボディを殴り、さらにマウント! 回るオーロラだが、窪田はバックマウント。さらに上になるが、残り10秒で離す。窪田ミドル。このまま終わるかと思われたが、ゴング直前にオーロラの左フックがヒット、窪田ダウン! 残り1秒でオーロラが大逆転勝利を挙げた。
第10試合
1R。プレッシャーをかける髙橋。組みにいきバックを取る。ケージ際で抱え、バックを取ったまま殴る。脱出したい中山だが、高橋は首を狙う。これは極まらず、高橋は立ってケージへ押し込む。ボディを殴り、ふたたび尻もちをつかせでバックに回る。そのままキープして終了。
2R。パンチを振って行く中山。打ち合うと、中山は高橋の右パンチで吹っ飛ぶように尻もちをついてしまう。高橋が上になるが、中山が上を奪取。さらにハーフマウント。高橋はしたから細かく殴っている。中山は回って後ろから首を狙うが、高橋がバックになり首狙い。
いったん立つと、高橋が倒して上に。首を狙いながら殴って行く。脱出できない中山。高橋が捕らえたままキープして終了。
主導権を握り続けた高橋が3-0で勝利。
第11試合
1R。パンチを出し合う。石司のパンチで崩れたフヒト、石司はすぐに上になりパウンド。フヒトは片足を取って立つ。再び打ち合うと、石司のパンチでフヒトが尻もち。石司が上になると、フヒトはガード。両足で石司の腕を挟んでいるが、石司は抜く。
両者スタンドに。パンチで前に出るフヒト。石司は組んでケージへ押すが展開なし。再び組む石司を突き放したフヒト。石司は前に出てきたフヒトを受け止め、ケージへ。フヒトがヒザを打ち込んで終了。
2R。石司がパンチから組んでケージへ押し、テイクダウン! ハーフマウント。右足を抜きたいが、フヒトは抜けさせない。しかしサイド! さらにマウントになりそうなところでフヒトが上体を起こし立つ。
しかし、石司はバックを取り寝かせる。フヒトはガードから立ち上がるが、石司は逃さずバックをキープしている。石司が正対すると、フヒトはヒザ連打。しかし、入れ替えは許さない石司。
いったん離れると、フヒトがパンチで出てくる。必死さが伝わるが、打撃でも石司が優勢で終了。
判定フルマークで石司が勝利。
第12試合
1R。パンチを打ち合う両者。悠太が両足タックルからテイクダウン! ハーフマウントになる。細かく殴るアニマル。早くも残り1分。お互い殴りあって終了。
2R。アニマルがアグレッシブにパンチを出して行く。悠太もパンチを返し、タックルからテイクダウン! すぐにハーフマウントへ。さらにバックマウントへ移行し、殴る。殴りながら首を狙う。タイミングを待つ悠太。
なんとか起き上がりたいアニマルだが、悠太はさせない。なかなか首は取れないものの、ポジションはガッチリとキープ。最後は肩固めを狙うが、極まらず
終了。
極めることはできなかったが、終始ペースを握った悠太はが3-0で勝利。
第13試合
誠吾は4年前に引退しているが、今回、復帰することに。4年ぶりの復帰戦は、いきなりメガトン級次期挑戦者決定戦となった。酒井はDEEP80、84と連勝中。誠吾とは2014年3月のDEEP65以来、4年7ヶ月ぶり2度目の対戦。
勝者はRIZINにも出場しているロッキー・マルチネスの王座に挑戦する。誠吾が再び勝って王座挑戦か、酒井がリベンジを果たすのか。
1R。誠吾がゆっくりと大きくフックを振る。そのまま前に出るとバックを取った酒井がヒザ。酒井が倒すが、誠吾が立ってスタンドに戻る。
パンチで前に出る誠吾。左右フックを振っていく。酒井はロー。誠吾がフック、バックハンドブローを放って終了。
2R。誠吾が左パンチ。酒井はローからパンチ。誠吾は前に出てパンチを振るが、酒井は距離をとって当てさせない。思うように闘えない誠吾に、会場から誠吾コールが湧き上がる。酒井はジャブ。なぜかそれを見て笑う誠吾。
酒井はローで攻めるが、やや疲れが見えるか? 誠吾は手が出ないまま終了。やってられないといった表情の誠吾。
判定は3-0で酒井が勝利し、同時に王座挑戦権を獲得した。
第14試合
今年6月、ノンタイトル戦でぶつかっている2人が、今度はタイトルマッチでのリマッチ。前回は弥益が1本勝ちを挙げているが、タイトルが掛かった今回は、芦田が王者の意地を見せるか、弥益が再び勝ってベルトを巻くのか。
1R。フェイントをかける弥益。芦田はロー、ハイキック。弥益の左右パンチから打ち合いに。弥益のハイキックが効いたか? 芦田がタックルに入ると弥益はこれを潰してパンチ、ヒジ。立とうとする芦田を潰して弥益が上に。ヒジ、鉄槌を見舞うが、展開なくブレイクがかかる。
再開すると、パンチの打ち合いに。弥益が組んで潰し、マウントからバックへ回ったところでゴング。
2R。回る弥益。腰に両手を当て、それを見ている芦田。
弥益がタックルに入ると、これを投げ飛ばすようにして芦田が上に。頭を惹きつける弥益。頭を抜く芦田。弥益がケージへ押して行くと、芦田は尻もちをついた状態でヒジ連打。
蹴って離れた弥益だが、芦田はすぐに組みつく。弥益がバックを取り首を狙う! これは防ぐ芦田。弥益は顔面にヒザ、さらにアームロックを狙っているか。腕を抜いた芦田はパンチ、ボディブロー。ゴング。
3R。芦田はパンチ、ロー。弥益左ハイキック。芦田がタックルを仕掛けるが、弥益は付き合わない。打ち合いになると、芦田がパンチを買わされスリップ。すかさず上になった弥益。芦田はガードから細かく殴る。会場からは芦田コールが起こる。
弥益はハーフマウントから殴る。しかし芦田が一気にリバース! 上に。残り1分。芦田は鉄槌、ヒジから立ってストンピング。サラビバックを取ると、弥益が腕を狙う。極まらずゴング。
判定は5-0で弥益が勝利。第9代王者となった。
弥益 試合後コメント
「疲れました。自分のイメージでは、1ラウンド中盤くらいで自分のトリッキーなスタイルで仕留められるかな、仕留めないと厳しいなと思いました。今回の試合では、今までやったことがない、色々なことをやりました。気づき、学びのある試合でした。
グラウンドで上になって相手を固める、“ドミネーター”(支配する者の意)の割にそういう試合をしたことがなかった。今日はその片鱗を少しだけ見せられたかなと思います。
芦田選手は、前の試合の結果がチラついていたのかな。けっこう反応して、ちょっとしたフェイントにも反応してビビってくれました。これは前の試合のアドバンテージだと思います。
接近戦は、スパーならバチバチやりますけど、けっこう大きい人にたくさん殴られてきたので、殴り合い上等とは言わないまでも、こっちにチャンスがあるかもと思っていました。
試合中は、自分ってこんなこともできるんだと、試合をやりながら思っていました。これまで、梅田(恒介)さんについてもらった時に勝てなかったのは、セコンドの指示についていく実力がなかったから。今日初めて、梅田さんの指示を実行できました。梅田さんに『お前、ようやく俺の言うこと聞いたな』と言われました。
試合前に挑発したのは、挑発することによって打ち気になってくれることを願って。その方が自分に分があると思ったので挑発させていただきました。
ベルトは、選手としてやってきて1つの形になったのかなと。格闘技をずっと見てきて、DEEPも知っていて、すごい人がいるなと思っている中で、自分がチャンピオンになってDEEP大丈夫かなっていう気持ちはあります。自分は王者の器じゃないです。とんでもないです。いろんな意味で大丈夫かなという気持ちがあります。
格闘技を始めた頃から持っていた夢が、海外で闘うことでした。気概で強い選手と闘って、格闘技で1つ上のステージに行きたいです。普通に働いているので、長い休みをもらったり色々ありますけど、そこに向けて動いていければと思います」
第15試合
前王者・大塚隆史が、RIZINで石渡伸太郎に敗れ王座返上。空位となった王座を争って元谷と釜谷が対戦。2階級制覇を狙う元谷か、キャリア14年で初のタイトル挑戦となる釜谷がベルトを手にするのか。
1R。パンチで前にでる釜谷。元谷は距離を保ってロー。まだ序盤だが、元谷のローは重く、効いているようだ。釜谷は丁寧に左右のパンチを出して行く。さらに飛びヒザ。パンチ、アッパーなど積極的に攻めて行く。元谷はロー中心。パンチをどんどん出して行った釜谷が手数で優り終了。
2R。このラウンドもパンチで攻め込む釜谷。さらにハイキック! 攻撃の手を休めない釜谷。釜谷がボディ、元谷がジャブを出して打ち合いに。
釜谷が組んでケージへ押し込む。やや疲れが見えるか。元谷のローがジワジワと効いてきている。逆に元谷はパンチが当たり始める。組むと元谷がテイクダウン! 殴って逃さず、大きくパンチを落とす。元谷がペースをつかみ始めたところで終了。
3R。やや勢いを失いながらも果敢にパンチを出して行く釜谷。元谷もパンチを打ち始める。パンチを出して、さらに重いロー! 釜谷も休んではいないが、消耗している。パンチとローを混ぜてくる元谷。さらにタックル、テイクダウン! マウントへ。殴るが、根性で立った釜谷。しかし疲れている。
元谷は組んでバックを取り、投げて上に。そしてチョークが極まり、釜谷がタップ。善戦した釜谷だが、元谷が1本勝ちで2本目のベルトを手にした。
元谷 試合後コメント
「相手をしっかり見て、いけるなと思ったときに入って勝ててよかったです。
スタンド削るというのをやって分が悪かったり、相手の打撃が多かったらタックルに行こうかなと。相手は手数が出ていたので、自分がかわして打ち終わりを狙ったり、入ってきても散らしてローとかやりました。
効いた攻撃はなかったです。もらったのは2発くらいありましたけど、特に効いたのはなかったです。グラウンドは多少きてましたけど、相手が疲れていたかな。2ラウンドはフィニッシュを狙いながら極められなかったです。
自分のローは1発目からすごく効いていたと思います。いつものローより強めに蹴っていたので、最初から効いていたと思います。最初は打ち合ってガンガンやりましたけど、3ラウンドは荒くなったので、けっこうタックルにいけました。
試合中、2ラウンドくらいから相手は疲れているなと思っていました。自分はダメージはないです。
バンタムでもベルトを獲れてうれしいです。もっとしっかり実力をつけて、強い選手と闘っていきたいです。
これで、大晦日に出られたらなと思います。これで3回フィニッシュしているので、大晦日もフィニッシュしたいです。相手は特に誰というのはありませんが、バンタムで強い選手と闘いたいです」
第16試合
しばらくパンクラス、RIZINで闘っていた王者・北岡は2年4ヶ月ぶり、4回目の防衛戦。DEEPが大好きと言う北岡。2013年4月に巻いて以来、5年半の長きにわたり王者であり続け、まさにDEEPの顔として君臨してきた。
挑戦者・武田はレスリングがバックボーン。デビューからわずか1年2ヶ月で7連勝という23歳の新星だ。北岡が貫禄を見せるか、武田が一気に駆け上がるか。
1R。北岡が積極的にパンチを振っていく。中に入ってボディブロー、バックハンドなどパンチを出しながら片足を取りにいくが、武田は逃げる。北岡はさらにタックルを仕掛けるが、武田は切る。
北岡は左右パンチ、さらに右ミドルを連続で放っていく。距離が詰まりパンチの打ち合いで終了。武田もパンチを出しているが、北岡の手数が上回る。次のラウンドでは寝技に持っていけるか。
2R。パンチを出していく北岡。武田のパンチで北岡が尻もちをつくが、武田は深追いせず北岡が立つのを待つ。
すぐに立った北岡はパンチで出ていくが、武田も当ててきている。北岡やや効いているか。北岡がタックルに入るが武田は付き合わず、サッカーボールで顔面を蹴る。しかし、攻め続けず北岡を立たせる。さらにタックルに入る北岡だが、武田は付き合わない。北岡も再び打撃。しかし、武田の打撃が当たってきており、北岡が鼻から出血している。武田のパンチで北岡が尻もち。しかしすぐ立つ。武田は北岡が尻もちをついても追いかけず、徹底してスタンドで勝負だ。
北岡がタックルに入るが、武田はまたも付き合わない。武田のロー、ジャブがヒットして終了。思うように攻められない北岡。最終回でひっくり返すか。それとも、武田がペースを守るのか。
3R。開始のゴングが鳴ったが、北岡にドクターチェックが入る。すぐに再開。
武田が距離を取りながらパンチを当てていく。しかし北岡も右フックがいい。北岡は再び鼻から出血しているが、ミドル、フックと攻め手を止めない。相手のパンチをもらってでも前に出る北岡の気迫。武田がやや後退したのは、北岡の左パンチをもらったからだけではないかもしれない。鬼気迫る北岡の気迫に、一瞬ひるんだ表情が垣間見えた。
両者一歩も引かない打ち合いに、会場は北岡コール、武田コールが響く。北岡は右フックを出していく。武田はガードしながら打っていく。最後まで打ち合ってゴング。
ゴングを聞き、大の字に寝転んだ武田。精神的にも肉体的にも消耗したのだろう。
両者が中央に並ぶと、判定結果が読み上げられた。判定は5-0で武田。プロ2年目にして武田がベルトを手にした。
武田 試合後コメント
「みんなには、多分レスリングでテイクダウンしていくと思われていたと思います。北岡さんもテイクダウンがすごく強いので、寝技戦になると見ている人が多かったんじゃないかなと。でも、自分としては計算通りでした。タックルは一切しない、相手が来てもすぐ離れて打撃オンリーでいく。組みも絶対やらないと決めていました。でも、KOできなかったところは自分が成長していない証拠です。少し休憩したら、また徐々にやっていきたいです。
前は練習の6〜7割が寝技で、打撃の練習はちょろちょろだったんですけど、そこをシフトチェンジして、打撃をメインに練習するようにして、その中でジャブを磨いていきました。
この試合が決まってからメチャクチャ怖くて、1人になると眠れなくて、泣き出したりしていました。試合をやりたくなさ過ぎでした。北岡さんが相手というのもありますし、タイトルマッチというのもあったし、応援していただいていることがプレッシャーにもなりました。でも、最終的にはやるしかない、やるのは自分なんだと自分に言い聞かせました。
北岡さんのパンチがヒットして、こちらが返したのは、カッとなっていたわけではなくて、ヤバイと思ったからです。3ラウンドでボーッとしてしまって、やばい、打ち返さなきゃと思って。宮田(和幸)さんにもジャブだけでいいと言われたのもあって。でも、KOやTKOが目標だったので、納得はいっていないです。
タックルに関しては、1ラウンド、1発目で『ああ、これ切れるわ』と思いました。
今、ここにベルトがあるということが不思議です。時間がたったら、ああ、北岡さんに勝ったんだなと思うかもしれません。
自分は天才肌ではなくて、努力型。今後も継続してやって行くしかありません。同じことだけ続けていても、いきなりスキルアップはできないですから」
大激戦だった。武田の徹底したスタンド勝負が功を奏し、北岡の寝技を封印して勝利を呼び込んだ。打ち負けることなく勝負に徹した武田を称えたい。
また、負けはしたが、北岡の闘う姿に感銘を受けたファンも少なくないだろう。
あれほどの気迫を見せられる選手は、そう多くはない。
格闘技の試合で最も大切なことは、まず「勝つ」ことだ。黒星が続けば、次の試合も組まれないし、当然、上に上がっていくこともできない。一度負ければ、次のチャンスが確実に遠のく。選手生命がそう長くはない格闘技の選手にとって、1つの負けが命取りとなることもある。格闘技というのはそういう世界なのだ。
しかし、時として、勝ち負けを超えた何かが見えることがある。単に「頑張ったね」とか「よくやったね」というのではない。試合が終わっても何か心に引っかかる、考えさせられる。北岡の試合は、そういう試合なのだ。
なぜ、北岡にはそんな試合ができるのか。
それは、北岡が、格闘家としてしか生きられない人間だからではないか。
北岡悟という人間が生きていること、それを表現する唯一の方法が格闘技だから。格闘技が、北岡にとって生きることだから。
口で言うのは簡単だ。しかし、筆者は、北岡ほど、自分の全てを格闘技に捧げている人間を知らない。そういう人間だからこそ、北岡悟は人の心に何かを残し、また見たいと思わせる、日本の格闘技界に必要な選手なのだ。
「自分には夢だってあるし、まだ何も諦めていない」。北岡はそう話す。だからまたしばらくすれば、北岡はいつもの生活に戻っていることだろう。練習をし、指導をし、試合がなくてもストイックに節制を続ける日常に。
だから—北岡悟という選手の魂を、見続けずにはいられない。
(写真・文/佐佐木 澪)