INOKI BOM-BA-YE 12.31両国大会 ミルコvs.石井のIGF王座戦、青木vs.山本、小川&ジョシュvs.藤田&ミノワマン
INOKI BOM-BA-YE 2014
日時:2014年12月31日(水)
開場:16:00 開始:17:00
会場:東京・両国国技館
観衆:8550人(超満員札止め)
▼オープニングファイト第1試合(※16:20開始予定)
ROAD to INOKI BOM-BA-YE 2014 チャレンジトーナメントリザーブマッチ 5分1R
○森川修次
判定(3-0)
●佐々木克義
※森川がリザーブ権獲得
▼オープニングファイト第2試合
ROAD to INOKI BOM-BA-YE 2014 チャレンジトーナメント 準決勝 5分1R
●℃-BOY
判定勝ち(2-0)
○増田裕介
※増田が決勝進出
▼オープニングマッチ第3試合
ROAD to INOKI BOM-BA-YE 2014 チャレンジトーナメント 準決勝 5分1R
●栗原強
判定(3-0)
○酒井リョウ
※酒井が決勝進出
▼第1試合 GENOMEルールマッチ 15分1本勝負
○将軍岡本
1分33秒 腕ひしぎ十字固め
●奥田啓介
▼第2試合 GENOMEルールマッチ 15分1本勝負
●橋本大地
4分18秒 TKO(右ハイキック→レフェリーストップ)
○スーパー・タイガー
▼第3試合 GENOMEルールマッチ 15分1本勝負
○王彬
1分46秒 フィッシャーマンバスター→片エビ固め
●クラシック・キッド
▼第4試合 GENOMEルールマッチ 30分1本勝負
○澤田敦士
6分9秒 袖車
●モンターニャ・シウバ
▼第5試合 GENOME スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
○小川直也/ジョシュ・バーネット
15分27秒 STO→片エビ固め
藤田和之/●ミノワマン
▼スペシャルエキシビションマッチ 5分
○プロレスの星アステカイザー
4分15秒 回転エビ固め
●ボブ・サップ
▼第6試合 ROAD to INOKI BOM-BA-YE 2014 チャレンジトーナメント決勝
IGF MMAルールマッチ 5分2R
●酒井リョウ
判定(2-1)
○増田裕介
※酒井がROAD to INOKI BOM-BA-YE 2014 チャレンジトーナメント優勝
▼第7試合 IGF MMAルールマッチ 5分2R
○ラマザン・エセンバエフ
判定(2-0)
●國奥麒樹真
▼第8試合 IGF MMAルールマッチ 5分2R
●クラッシャー川口
1R 0分43秒 TKO
○ジャスティン・ウィリス
▼第9試合 IGF MMAルールマッチ 5分3R
○青木真也
1R 1分21秒 変形ネックロック
●山本勇気
▼第10試合 IGF MMAルールマッチ 5分2R
●鈴川真一
1R 1分57秒 TKO(レフェリーストップ)
○クリス・バーネット
▼第11試合 IGFチャンピオンシップ IGF MMAルールマッチ 5分3R
[王 者]○ミルコ・クロコップ
2R終了 TKO
[挑戦者]●石井慧
※第4代王者のミルコが初防衛に成功
石井を返り討ちにしたミルコに藤田が対戦要求するも大乱闘に!
小川はミノワマンを下してハッスル!青木は山本にグラウンドコブラで完勝
OPファイト1
森川は道着を着用。佐々木は素足にバトルトランクス。左右のパンチで前に出る佐々木だが、どっしり構えた森川はカウンターでパンチを当てていく。左ストレートをクリーンヒットさせた森川は首相撲からヒザ。
佐々木は左右のフックを連打して前に出ていくが、森川はプレッシャーをかけて押し倒す。上になった森川は猪木-アリの状態からパウンドを打ち下ろす。カメになる佐々木だが、森川は押さえ込みながら顔面にパウンドを叩き込む。どうにか佐々木も最後まで耐え抜いて試合終了のゴング。
判定の結果、3-0で森川が勝利してリザーブ権を獲得した。
OPファイト2
開始早々、タックルを仕掛けた℃-BOYだが、潰していった増田はパウンドを落とす。だが、℃-BOYもスイープして上になるとハーフガードの状態の増田にパウンドを落とす。パスしてマウントを取った℃-BOYだが、増田はカメになろうとする。
うまくバックマウントを取ろうとした℃-BOYだが、増田は体を捻ってパスガード。体勢を入れ替えた上になった増田だが、℃-BOYも腕を抱え込んで防御。そのまま試合終了のゴング。
判定の結果、2-1で増田が勝利した。
OPファイト3
プレッシャーをかけていく栗原にローを入れた酒井だが、組み付いた栗原。だが、膠着ブレイク。ローを蹴っていった酒井にまた組み付いた栗原だが、酒井は引き剥がそうとする。膠着ブレイクからまたも組み付いた栗原は、どうにか押し倒してテイクダウン。だが、酒井は立ち上がる。
コーナーに押し込んでいった栗原だが、酒井は左右のフックで脱出すると、首相撲からショートフックを連打。酒井のローにカウンターパンチを合わせた栗原は組み付いていく。しかしまたも左右のフックで脱出した酒井は、フックを振り回して前進。組み付いてコーナーに押し込んだ栗原だが、またも膠着ブレイク。酒井は左右のフックからアッパーを叩き込むが、栗原も倒れないまま試合終了。
判定の結果、3-0で酒井の勝利。
オープニング
大会オープニングで、レニー・ハートさんの巻き舌コールに呼び込まれて“皇帝”エメリヤーエンコ・ヒョードル、続いて“戦慄のヒザ”ヴァンダレイ・シウバが登場すると、田中秀和リングアナが名前をコール。
ヒョードル「またここに来られて嬉しいです。大会が成功するのを祈っています。素晴らしい選手が揃っているので、いい試合をしてくれることを祈っています」
シウバ「ゲンキデスカー! イノキさんに素晴らしいイベントに呼ばれて光栄です。今日、ここに皆さんと一緒にいれるのがとても嬉しいですし、ヒョードルの横に立てることも光栄です。皆さんはただのファンじゃない、私の友人です。心から感謝しています。ハッピーニューイヤー」
今大会で一番注目している試合を聞かれると、ヒョードル、シウバともにミルコvs.石井の試合を挙げた。シウバは「素晴らしい試合になると思う。青木選手も素晴らしい選手なので、生で見られるのが嬉しい。今日、出場する選手の皆さんには素晴らしい試合をしてほしいです。応援しています」と付け加えた。
そして2人が声を揃えて大会の開会宣言を行うと、入場ゲートの膜があがる。ステージ上にはすでに選手たちが整列。カード発表の際、青木は何度も大きな口を開ける。ステージの中央にはミルコと石井、その横には藤田、ミノワマン、ジョシュ。小川の姿はなし。
第1試合
ゴングと同時にダッシュして組み付いた奥田だが、体重を浴びせて下押した岡本。しかし、すぐに田違った奥田はミドルキック。キャッチした岡本はボディスラムで叩き付けると、立ち上がろうとする奥田を蹴り飛ばす。奥田は掌底を連打するが、お構いなしに組み付いた岡本はガブった状態から後方にブン投げる。
そこからカナディアンバックブリーカーで担ぐかのように一気に持ち上げた岡本は、そのまま両ヒザをついてパイルドライバーで叩き付けると腕十字に捉えてギブアップを奪った。
第2試合
大地は前奏付きの『爆勝宣言』で入場。握手を交わすと、大地が掌底からハイキックを飛ばしていくが、蹴り脚をキャッチしたタイガーはそのまま突き飛ばす。左ミドルから左ハイで大地をダウンさせたタイガー。どうにか立ち上がった大地だが、タイガーは左右の掌底から首相撲で抱え込むとヒザ蹴りを叩き込む。
前のめりに倒れた大地の顔面を蹴り飛ばしたタイガー。すると大地も喧嘩腰でつっかかっていき、ロープに押し込んで拳を握る。だが、タイガーはロープに押し込んでニールキックを叩き込むと逆エビ固めの体勢に。
ステップオーバーさせまいと踏ん張った大地はコークスクリュー・シザースでタイガーを投げ飛ばすと、前蹴りからの水面蹴りでタイガーを倒してSTFへ。リング中央でガッチリ決まったが、タイガーはロープに脱出。だが、大地はなかなか離さない。
ようやく離した大地はバックドロップで投げると、ソバットからDDT。カウント2で返したタイガーに左右の掌底を叩き込んでいった大地だが、タイガーは左ハイキックを返す。これで大地の動きが止まったところにタイガーは右ハイキックを大地の顔面に叩き込んでいく。
バターンと倒れた大地を見て、レフェリーは即試合をストップ。タイガーは右肩を押さえて苦しそうな表情だが、大地もドクターに肩を担がれ、朦朧としながら引き上げていった。
第3試合
「中国四千年ノ逸材」というキャッチフレーズが映し出されたエントランスムービーで入場した王彬。前蹴りを打っていった王彬は続いてミドルキック。しかしキャッチしたキッドはドラゴンスクリューからバックドロップ。走り込んできたキッドをトラースキックで迎撃した王彬は、串刺しニーからフロントネックチャンスリーで投げていくと、フィッシャーマンバスターで叩き付けて3カウント。
第4試合
煽りVで「ブラジルのシウバって聞いたんでヴァンダレイかと思ったのに、蓋を開けたらモンターニャだったっていうね」と語った澤田は、「まずは澤田敦士をご堪能あれ。イヤァオ!」と、滾っていないのに叫んだ。
柔道着姿で入場した澤田はシウバを睨み付けながらリングイン。2メートル越えのシウバを相手に、まずロープに飛んだ澤田は前転。シウバの掌底をかわした澤田はタックルを狙うが、軽くうっちゃったシウバはコーナーに澤田を追い詰めてハンマーを振り下ろす。さらに前蹴りを叩き込むと、澤田は場外にエスケープ。
自ら場外に降りていったシウバだが、澤田はすぐにリングに戻ると、リングに入ろうとするシウバにタックル。場外に転落したシウバは警戒しながらリングに戻ると、澤田をコーナーに追い詰めてミドルキック。
さらに右の掌底でダウンさせると、場外に蹴り脱す。「サワダ」コールが起こる中、リングに戻った澤田は気合いの絶叫。ステップを踏みながら掌底をかわしてシウバに組み付くと、大外刈りで叩き付ける。腕十字の体勢に入った澤田だが、シウバが起き上がろうとすると、背後に回ってスリーパー。
しかしマットに叩き付けて脱出したシウバは踏みつけ攻撃。堪らず場外にエスケープした澤田あ、ゆっくりと間を取ってからリングに戻る。そこに掌底を叩き込んだシウバは、コーナーに押し込んで巴投げ。
やや形が崩れたが、投げられてしまった澤田はコーナーにシウバを押し込むと、逆水平チョップからヘッドバットを叩き込む。さらに組み付いた澤田は払い腰で投げてあら袖車。ロープにエスケープしたシウバは思いきり掌底を振り回すが、かわしていった澤田。だが、シウバのミドルキックを食らった澤田はややフラうく。
タックルから内掛けでテイクダウンさせた澤田はギロチンチョーク。動けないシウバを見てレフェリーは試合をストップしたが、怒ったシウバは立ち上がって澤田を踏みつけると、止めようとした和田良覚レフェリーに掌底を叩き込み、さらに場外に蹴り出す。さらに花道まで澤田を追いかけていくが、澤田はリング内に逃げる。
シウバは怒りの表情で澤田を睨み付けるが、澤田が場外に逃げると怒りの咆哮をしてから退場。そこからリングに戻った澤田は記念撮影に応じると、客席を指差しながら花道を悠々と引き揚げていった。
第5試合
前半戦GENOMEルールマッチのメインといっていいのがこの試合。8月の試合で足を骨折したにもかかわらず小川に対戦要求したミノワマン。まだ完治していないということでタッグマッチになると、ミノワマンのパートナーには藤田、小川のパートナーにはジョシュが決まった。
レガース姿で登場したミノワマンはステージ上でスクワットをしてから入場。続いてジョシュがロングタイツにレガース姿で登場すると、藤田が登場し、最後に小川が登場。すると藤田が小川に奇襲攻撃を仕掛けていき、ミノワマンもジョシュに襲いかかって試合開始。
いきなり小川を場外に連れ出した藤田は、ヒョードルの目の前で羽交い締めにしていく。立ち上がったヒョードルだが、さすがに手は出さない。すると藤田はヒョードル、さらにシウバと握手をしてからリングに戻る。ジョシュがリングに戻ると、藤田のタックルを切ってガウっていくが、藤田は一旦離れる。
藤田がタックルで相手コーナーに押し込む戸、小川がタッチしてリングイン。手を叩いて自らを鼓舞した小川はタックルに来た藤田をスクールボーイで丸め込むと、続けて払い腰で投げていく。そこからヘッドロックに捉えた小川だが、ロープに振った藤田はキチンシンク。
今度は藤田がヘッドロックに捉えるが、小川がロープに振ると藤田はショルダータックルでなぎ倒す。ボディスラムで叩き付けた藤田はミノワマンにタッチすると、2人でエルボードロップを落としていく。さらに合体式レッグスプリットを決めると、ミノワマンがローキックを連打。
倒れた小川にアンクルホールドを決めていったミノワマンだが、小川はロープに脱出。小川はどうにかミノワマンを自軍のコーナーに押し込んでジョシュにタッチ。ジョシュは胴タックルから首投げでグラウンドに持ち込むがバックを取ったミノワマン。ジョシュはアームロックで切り返そうとしたが、ミノワマンはエルボーで脱出。
するとジョシュが挑発してエルボー合戦を挑んでいく。そこからミドルキックを叩き込んだジョシュだが、続くハイキックをかわしたミノワマンは前転してからジョシュの足に絡みついてアキレス腱固め。だが、ジョシュはミノワマンが爆弾を抱える右足を攻撃して脱出。
控えの藤田を攻撃してからミノワマンに小川と合体式レッグスプリットを決めたジョシュは、コーナーで馬乗りナックル。小川はミノワマンの右足にストンピングを落としていくと、足払いで倒して顔面を踏みつける。ジョシュも場外からミノワマンの右足を鉄柱に叩き付けると、リングに戻ってニーリフトからスロイダー。
10分が経過し、ジョシュはニークラッシャーからアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げると、ガットバスターで叩き付ける。そして逆片エビ固めへ。さらに小川も入ってきて合体攻撃を繰り出すと、藤田も飛び込んでくるが、カットではなくミノワマンを張って喝を入れる。するとミノワマンは小川の串刺し攻撃をかわしてジョシュにドロップキック。
さらに小川にも蹴りを叩き込むが、小川はミノワマンのタッチを阻止してローキックからSTOで叩き付けると足4の字固めへ。藤田がカットに入ろうとするが、ジョシュが飛び込んできてラリアットを叩き込むと、足4の字固め。
藤田は場外にエスケープするが、ジョシュも追いかける。ここで謎の白覆面がリングサイドに現れる。藤田はジョシュを振り切ってリングに戻ると、小川にスピアーを叩き込んでからロープに飛ぶが、場外から白覆面が足をすくって倒す。そのまま藤田を場外に藤田を引きずり出した白覆面はジョシュと一緒に藤田を攻撃。
その間、リング上ではミノワマンが小川にブレーンバスターからバックドロップ。しかしジャンピング・ニードロップをかわして自爆させた小川はSTOボンバーで叩き付けて3カウント。
白覆面がいつの間にか姿を消すと、小川とジョシュは藤田に見せつけるように勝ち名乗り。しかし藤田はミノワマンの腕をあげて健闘を称えた。マイクを持った小川は「え? しゃべっていいの、これ? いやいやいや、本当ありがとう。早くしろっていうヤツもいるけど、ちょっとしゃべらせてくれよ。今日は年末大晦日の忙しいときにどうもありがとー! あとでMMAが控えているけど、俺たちも負けずにやっていくぞ。これで帰るヤツもいるかもしれないけど、ちょっと待ってくれ。まだ帰らないでくれ! メインがあるんだよ。メインではたぶん石井がやってくれるだろう。え? マズイんだよ。コレやる? ……やっちゃおう! ハッスルしちゃうぞ、オラ! あと残り時間少ないけど、来年もみんなハッスルしていくぞー! スルー、ツー、ワン、ハッスル、ハッスル!」と小川節を炸裂させた。
<試合後コメント>
小川直也&ジョシュ・バーネット
小川「ジョシュという頼もしいパートナーが来て、なんだろう? バンナも組んでたけど最近はパートナーに恵まれるというかな、そういう意味ではナイスファイターだし、本当に良いチームワークが出来た。元々ジョシュとはやりあった仲なんだけど、本当にIGFの方向性がわかったうえでいつも参戦してくれるファイターなんで、そういう意味では本当にナイスファイトしてくれて、よかったです。お客さんもプロレスを面白いと言ってくれたし、その中でやれたのが最高だったな」
ジョシュ「久々のIGFだけど、IGFはあんまり変わってない気がする。でも俺は変わった。俺は以前と比べてドンドン攻めて、目の前のやつを叩き潰す。一試合一試合をすべてを掛けて破壊していく。とにかく相手がボコボコにされて敗れるのが見たいんだから、それを見せるだけだ」
——試合前はタッグマッチに肯定的じゃなかったが、試合では連携もうまくいっていたが
ジョシュ「勝ちだけを狙って行った。一人でもタッグでも勝ちだけを狙いに行った結果だ。弱点はバカでもわかる、ミノワの足だって事はバカでもわかるんで勝ちを狙いに行った」
——小川選手としてはこのタッグを今後もという気持ちは?
小川「今後もっていうか、こういういい選手がドンドン参戦してタッグマッチっていうものを理解してもらって、プロレスのことを理解してもらえるってことはすごい今後につながることだし、こういった選手がどんどん来てこういう事でプロレスっていいなっていい闘いをどんどんお客さんに提供できればと思うし。ジョシュもジョシュですごい研究してるし、日本のプロレスのこともすごい理解した試合してたから、すごい前回よりさらに進化して帰ってきたなと。一回りも二回りも進化して帰ってきたっていうのがすごい見ててうかうかしてられねーなと思ったよ」
——対藤田というテーマも続いていくと思うが
小川「そうだね、藤田も藤田でもうやんなくていいかなという気分もあったけど、またなんかここに来てミノワも入ったことによって一気に流れが渦ができてきたんじゃないの?ミノワ1人ひとつ入ったことで、いい渦になるというのかな。そういう意味ではもっともっと来年はいい意味で締めくくれたので来年はいい感じで組み合わせていければ面白いなと思わせるようなプロレスがどんどんできると思うし、ジョシュはこれからどんどんIGFに参戦して欲しいし、また違ったジョシュ感のプロレスっていうのも面白かったし、そういうのをほんとに俺も見て研究したいし、お互い切磋琢磨してやっていきたいなとほんとに今日、良い年末にふさわしい試合内容で締めくくれて最高です」
——マスクを被ったセコンドの選手も居ましたが
小川「まあ、あれだろ? ようは俺たちの闘いに参戦したいというやつなんだろうな。中身は分かんないけど。若手で、ミノワが一歩踏み出したってことでこういう試合観てなにか感じるために居てもたっても居られなくてああいう形でリングサイドに現れたんじゃない? 誰であろうが輪に入る奴はウェルカムだし、もちろんああいう形じゃなくてこないだのミノワのようにああいう形で堂々と俺も入れてくれみたいな、俺も闘い挑戦するって、もちろんジョシュも来てるんだからジョシュに挑戦したっていいし、バンナが来た時バンナに挑戦してもいいし、どんどん若手がアタックっていうのかな、してってほしい」
——ジョシュ選手は今後IGFには?
ジョシュ「もちろんです。IGFでもどこでも闘いたいが、IGFで一番闘いたい」
エキシビションマッチ
かつて新日本プロレスが全面協力し、猪木も出演した特撮テレビシリーズ、“プロレスの星”アステカイザーが一夜限りのマスクマンとして登場。特別レフェリーとして藤原嘉明がこの一戦を裁く。
サップは組み合ったところでアステカイザーを突き飛ばしてパワーがあるところをアピール。ショルダータックルでぶつかっていくアステカイザーだが、サップがビクともしない。ローキックもまったく効かないサップはショルダータックルで吹っ飛ばすとマスクに手をかける。
どうにか逃れたアステカイザーはトップロープを下げて突進してきたサップを場外に落とすとプランチャを投下。だが、キャッチしたサップは場外の床に叩き付けると、さらに鉄柵にぶつけてからリングに戻す。コーナーにホイップしてサップは串刺しラリアット。
二発目の串刺し攻撃を蹴りで迎撃したアステカイザーはコーナー二段目からダイビング・エルボーアタックを叩き込むと、ダイビング・エルボードロップを投下。さらにリバースデスロックに捉えるが、脚力ではね除けたサップはまたもマスクに手をかける。
注意する藤原レフェリーを突き飛ばしたサップは、アステカイザーにラリアットからエルボードロップ。さらにアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げる。これを回転エビ固めで切り返したアステカイザー。すると藤原レフェリーが高速カウントで3つ叩いて勝利。
猪木劇場
2014年のIGFを振り返るダイジェストVTRが流れたあと、アントニオ猪木会長が白袴に赤いタスキをした姿で登場。「元気ですかー! 元気があれば何でしょう? 何でも出来る。恒例になりました年末のイベント、イノキボンバイエにお越しいただきありがとうございます」と挨拶した猪木は、「国会で一番学んだことは何かと言うと、何もしないこと。出来るだけ目立たないようにするってこと。大臣に挨拶するときもアゴを引っ込めないといけませんかね」とアントンジョークをぶちかます。
大量のお灸を焚いた猪木だが、あっさりテーブルの上に置かれた大量の藻草をどかせると「親父の遺言は恥はかいても字は書くなって言われたんですけど」と言ってから筆を持って真っ白なボードに向かって何やら書き始める。
「来年も熱い年でいきましょうと、お灸になぞらえて……」と言った猪木は、ボードに書かれた「熱」という文字をアピール。そして「来年は熱い熱い年でいきたいとおもいますので、ひとついいでしょうか? いくぞ! 1、2、3、ダー!」といつものやつを決めてみせた。
第6試合
オープニングマッチを勝ち上がった増田と酒井が決勝戦で対戦。酒井がまずパンチで前に出るが、増田はタックルを仕掛けていってテイクダウン。上になった増田はパウンドを打っていくが、酒井は立ち上がって脱出。その後も増田がタックルでテイクダウンを奪うが、酒井が立ち上がるという展開に。増田もタックルでテイクダウンでテイクダウンを奪い、増田優勢のまま1R終了。
2R、増田がタックルでテイクダウンを奪うが膠着ブレイク。酒井は蹴り反撃するが、増田はかわしてタックルを仕掛けていく。バックに回った酒井はパンチを連打。増田のタックルは酒井が切ってヒザを入れていく。立ち上がった酒井が増田にハイキックを入れたところで試合終了のゴング。
判定の結果、2-1で増田が勝利し、ROAD to INOKI BOM-BA-YE 2014 チャレンジトーナメントで優勝した。
第7試合
エセンバエフがパンチで前に出るが、國奥がかわしてから組み付いていく。スタンドになるとエセンバエフのパンチがヒット。國奥もパンチを打ち返していくが、エセンバエフはタックルでテイクダウン。しかし膠着ブレイク。國奥はヒザで飛び込むが、キャッチしたエセンバエフはコーナーに押し込む。近距離から両者のパンチが交差したところで1R終了。
2R、前に出ていくエセンバエフだが、國奥もタックル。だが、エセンバエフはパスして上になる。膠着ブレイクから國奥がパンチとヒザで前に出るが、キャッチしたエセンバエフはテイクダウン。残り1分となり、國奥が前に出るが試合終了のゴング。
判定の結果、2-0でエセンバエフが勝利。
第8試合
130キロ以上の体重があるジャスティンはパンチの連打で前に出る。川口は防御するが、コーナーに追い込まれてしまう。一気にラッシュをかけるジャスティン。川口はどうにか立ち上がるが、フラついている川口を見たレフェリーは試合をストップした。
第9試合
青木はタックルを狙っていくが、山本は受け止める。しかしバックに回った青木はグラウンドに引き込むと、グラウンドコブラのような体勢に。そこからフェースロックで絞め上げると山本はタップ。
試合後、倒れている山本の横でしゃがんだ青木は挑発的なジェスチャー。それを見て激怒した山本はマイクを持って何かを言おうとするが、高橋義生やレフェリーが止めに入る。そんな山本を無視して青木は「本日はご来場いただきありがとうございます」と言うと、山本に向かって「スミマセン、まいったして負けてないっていうのはやめてください」とピシャリ。
山本は「最後馬鹿って言ったの忘れねぇぞ!」と食ってかかろうとするが、青木のセコンドたちが詰め寄る。青木は「まいったしてるんで。すいません、猪木会長の技、かけました。猪木会長の技を使えたんで僕は満足しています。皆さん、良いお年をお迎えください」とマイクアピールすると、山本陣営に向かって中指を突き立てながら引き上げていった。
<試合後コメント>
青木真也
「最高でした!」
——試合を終えていかがですか
「まあ色々あったんですけど、気持ちよく終えられました。そして、僕レベルの力では彼を更生させることはできませんでした。最後まで千葉の不良でした」
——最後の技は?
「グラウンドコブラでしょう!」
——グラウンドコブラですね
「グラウンドコブラでしたよね!(笑)来た時に、あの形入った時にキター!って神様降りてきたんですよダーって!(笑)肘をバンでやられた時にキタ—って思って、いや完全でしたね」
——あの形は狙ってました?
「いや、もうあの片足入れた時に、ほんとは去年やろうと思ったんですけど、キターと思って、最高に楽しかったっす」
——おそらく会場のファンもあの形で終わるとは想像してなかったと思うが
「はい、最高に楽しかったです」
——試合後山本選手がかなりヒートアップしていましたが
「まあ、熱くなったら勝負負けですよ。はい」
——試合前にシウバさんがエールを送っていたが
「嬉しかったですよヴァンダレイ・シウバさんはずっと憧れてはいたので、でも良かった最高のプロレスでした」
——IGFというリングでこういう試合を出来たことに非常に満足してると
「はい。IGFでやるコブラツイストに意味があったんじゃないですか? ありますよね?(笑)」
——2014年最高の形で締めくくって、来年への思いは
「来年は、ちょっと休んでから考えます(苦笑)。でもほんとに、IGFの奥田君、澤田さん、鈴川さん、橋本さん、絡ませてもらってほんと価値観が180度変わったんで、よかったなって。自分にとってIGFと出会えた事は素晴らしい財産だなと思います」
——山本選手のすごいところはどこでしょう?
「いやすごくないと思います。あの、まあ彼がすごいんじゃなくて俺がすごいんだろうというのはありますよね。青木真也がやれば、さいたまよりやっぱ両国なんですよ。格闘技として。もちろんプロレスとしてはこっちですけど、格闘技として、今さいたまでやってるあんだけのスター選手と、全員と僕の価値って同じなんですよ。そういうことなんだなって。僕はジャンルと、MMAというジャンルの人なんですけど、MMAというジャンルと並んだなというのが今回の大晦日ですごく感じてます。とにかく良かったです」
第10試合
クリスは熊の着ぐるみのような格好で入場。鈴川はIGF軍団をセコンドに従えて入場。開始早々、打撃でラッシュをかけたクリスだが、ロープ際でもタックルを仕掛けてテイクダウンを奪うが、目尻を切ってしまう。
ここでドクターチェックが入るが、同じ体勢から再開。サイドを取ったクリスはパウンドを落としていく。カメになる鈴川だが、クリスはお構いなしにパウンドを連打。ここで動けない鈴川を見たレフェリーが試合をストップ。
第11試合
両選手が入場したあと、立会人のヒョードル、シウバ、さらに藤原もリング上へ。国歌斉唱のあと試合開始。ミルコのジャブをかいくぐって石井がタックルを仕掛けるが、ミルコは切る。ミルコは左ハイキックを出していくが、かわした石井は組み付く。思わず観客がどよまいたが、ミルコはテイクダウンを許さない。
石井はパンチからタックルでのテイクダウンを狙うが、ミルコはどうやっても倒れない。コーナーに押し込んだ石井は足払いでどうにかグラウンドに持ち込むが、石井はパウンドやヒジを落としていくが、前回の対戦のときと同様、ミルコも下からヒジを返すとパンチも出していく。
2R、お互いにジャブを出していくが、石井のパンチはミルコがかわす。石井はミルコのパンチを嫌がって組み付いていくと、足を取ってテイクダウンを奪う。下からヒジを打っていくのに対し、石井もヒジを返す。スタンドになると、ミルコがアッパーから左ストレート。
ミルコは伝家の宝刀ハイキックを出すが、石井もガード。ミルコは右フックからヒザ、さらに左ハイキック。
さらにミルコが左アッパーを出したところで2R終了のゴング。顔面にモロにもらった石井は崩れ落ちるようにダウン。
終了のゴングのあとに当たったパンチでダウンした石井だが、レフェリーがチェックした結果、頭部からも出血しており試合続行不可能と判断してミルコが勝利。
エンディング
すると藤田が乱入してきて「オイ、ミルコ! 分かっているよな? 分かっているよな? 次は俺だろ、オラ! 分かってるか?」と対戦要求。
ミルコは藤田を突き飛ばしていくと、藤田も上半身裸になって臨戦態勢に。セコンドたちも入ってきて乱闘になるが、どうにか両者を分けてどうにかその場を収集する。
2億円ベルトを受け取ったミルコは「皆さん、コンバンワ。この試合のために私をサポートしていただいた皆サン、この会場と日本全国の皆サンにお礼を言いたいと思います。ワタシの調子はいまでも最高です。この前、石井に勝ったのはフロッグじゃなかった。いっぱい準備しました。いま証明してやりました。何よりもワタシのチームをずっと応援してくれた皆サンにはお礼を言いたいと思います。何より今日、ここにはMMAのレジェンドのヒョードル、シウバ、ジョシュ、サップがいます。ワタシはみんなと試合をしました。まさか今日、皆サンに見守ってもらえるとは思わなかった。心から感謝しています。アイシテマス!」と挨拶。
続いて猪木会長が「どうも今日はありがとうございます。おめでとう。今年、そして来年はもっとよりよい年でありますように。いろいろな問題がありますが、リングから平和のメッセージを送り続けて…。(2014年も)あと3時間を切りましたので、ちょっと早い年越しをしてみたいと思いますので、餅を撒いてください皆さん」と言うと、リング上から選手たちが餅を撒く。そして最後は「アーユーレディ? いいですか・ エビバディオーケー? いくぞー! 1、2、3、ダー!」で締めくくった。
<試合後コメント>
ミルコ・クロコップ
——試合を振り返っていかがでした?
「私は一年中トレーニングしてるが、特に最後の6週間はこの試合に向けて特別なトレーニングをしてました。この試合に関しては前よりダイナミックで、激しい試合だったのではないかと思います。もちろん前の試合に比べて今回の試合はハードだった。試合はもちろん私が想像したように終わり、私が勝ちました」
——前回の試合とくらべて石井選手に変化は感じました?
「この試合の中で石井選手は前に比べてアグレッシブだった。試合は2回グラウンドに引き込まれたが、これは別にしょうがない。彼は柔道の金メダリストだから、グラウンドになってもしょうがない。2回目のグラウンドの時はもう怖くないから急に彼を蹴って引き剥がせた。私だけではなく私のチームもついているし、これまで練習したものは今から効果が出てくる。それを出して最後に向かって勝つことしか考えてなかった」
——左ハイキック以外は蹴りの数が少なかったが作戦だったんでしょうか?
「今回は別にキックが少なかったのは作戦ではなくて、ハイキックとか他のキックをするにはタイミングを狙わないといけない。相手は石井なので、足を上げた瞬間にグラウンドに落とされるのがわかっていたから、落とされる可能性が全くない時しかキックをしなかった。それでちょっと数が少なかった」
——試合後に藤田選手が挑戦表明しましたが
「僕はその時藤田が何を言ってるのか全くわからなくて、日本が大好きだけど日本語が喋れないので何を言ってるのかわからないから何か怒ってるなとは思ったけど。でも藤田のためには私と試合をする相手の中に入らない方がいい。おとなしくしていたほうがいい。藤田との試合は思い出すと、はっきり言って、木は固いけど彼ほど柔らかい木は殴ったことがないから試合しない方がいい(苦笑)。冗談だよ、もう脱水症状だから救急車を呼んでくれないか?誰も水をくれないし(笑)」
——藤田以外で闘いたい相手はいますか?
「藤田とは特に試合したくない。他に誰かと闘いたいかと聞かれても、闘いたい選手はオーガナイザーが選ぶもの。誰になってもかまわないが、今左手の親指が腫れてきてるし、これから四週間かけて軽いトレーニングをして怪我がある所を治して健康な状態に戻ってから次の試合に向かいたいと思う。色んなオーガナイザーからオファーが来ているので来年はどこで誰と闘うのかは来年になってからゆっくり決めたいと思う」
——ヴァンダレイやジョシュなどよく知っているファイターが沢山出ていたが、彼らとそのベルトをかけて闘っていきたいという思いはありますか?
「今日来ていたヒョードルやヴァンダレイやジョシュやサップなどは、前に闘っていたしこれからは闘う相手じゃなく兄や弟のような仲間として考えている」
<大会総括>
アントニオ猪木会長
——メインがああいう形で終わりました
「勝負だからしょうがないね。まあもうちょっとやっぱり、ミルコも思ったより下りに入るのかなと思ったら相当絞って来てるんで。やっぱりあの、ひとつは体力も大事なんだけど、格闘技は頭脳というね。相手が強かった場合自分のコンディションが良くないとね。二倍三倍のスタミナ持ってないとその戦術は使えないね。まあいいじゃないですか、皆来年に向けてそれぞれが。大きなイベントを海外にいっぱい来年は出て行くと思います。前から言ってるように、世界に向けても恥ずかしくない選手、それはまあ、日本人に限ったことじゃなくて、ひとつのIGFの理念を、思いをこれから世界に伝えていけばいいと思います」
——試合後に藤田選手が挑戦に名乗りを上げました
「まあいいじゃないですか?まああのやっぱりもういいかって皆ある時期を迎えると、そこにもっかい火をつける、今日は熱いって書いたんですけど、熱い色んな思いがあるんですけど、そういう意味ではいつも燃やし続けておかないとね、フッと油断をすると、若い人は別にして、ある意味経験積んできた選手たちがその火が消えてしまうような、もっかい消えかかった火を起こすのは大変なんでね、赤々と燃え続けさせていかないとね」
——その火を燃やさせる舞台を用意してあげたいという
「俺にそこまで注文しないでよ(苦笑)。もう皆がIGFも育ってくるでしょうしね。前から言ってるように、北朝鮮のイベントもしかり、さっき言ってた一番危ない国境のインド・パキスタン、もっと大きなのは前から言ってる、10年、20年早すぎて自分の言ってることが、まあ10年経ってその時代が来たかと。まあ今回、天皇皇后両陛下がパラオに向かいます。こないだ大統領と食事会にも居て、猪木島をもう一回整備をして、まあ立ち寄られるかわからないですけどね、60年の時にはそういう計画があって、そんなような事も含めて、ひとつ、リングを格闘を通じて、色んな社会情勢というかそういう環境問題にも耳を傾けてくれたらいいなと思いますね」