藤波辰爾が6年ぶりのタッグ王座を戴冠しレジェンド選手との防衛戦を宣言?!

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 23日、神奈川県・カルッツかわさきにてHEAT-UP『障がい福祉青少年育成チャリティー大会~川崎炎上シリーズ カルッツの乱~』が行われ、田村和宏と藤波辰爾の二人がHEAT-UPユニバーサルタッグ王座の新王者に輝いた。

 これまでのタッグ王者は、“SMOKEY CRIMINAL”の新井健一郎&ヒデ久保田。アラケンは昨年3月にタッグ王座を戴冠後、先月の前回大会までに防衛戦が三度しか組まれないというタッグ戦線の軽視に対して常に不満を口にしており、タッグベルトを足蹴にするなどの行動でもそれを示していた。
 しかし、前回大会後に自身がライバルであると公言する田村和宏から藤波辰爾をパートナーにタッグ王座に挑戦を表明された際には目の色を変え、笑みを浮かべていた。

 対する藤波は、田村からタッグ王座挑戦を持ちかけられると「俺はもう60歳過ぎてんだよ。ベルトなんてもう、俺が出ていくようなことじゃない。俺がベルト戦線に居たのなんてもう何年前かも分からない」と一度は王座挑戦を固辞。
 その後田村の熱い説得に呼応し、「プロレスラーでない同世代の人にも『64歳でもリングに上ってやってるんだ』って姿を見せたい。努力して得られるベルトという“勲章”の価値を若い人にも伝えたい」と再起に向け奮起し、故・山本小鉄氏の引退式以来の川崎の地で王座戦に臨んだ。

 試合は、王者組の奇襲から始まり、藤波を集中攻撃。田村が救出に来るとベルトで殴打するなどの悪逆非道のファイトを見せる。王者組は藤波との1vs1の対面を避け、セコンドに付いたSMOKEY CRIMINALのメンバーである定アキラのアシストも光った。しかし、藤波に対してヒデはショルダークロー、アラケンはキーロックなどのクラシカルな一点集中攻撃を見せ、歴史に対してのリスペクトも感じさせた。
 しかし、藤波が王者組のキックをキャッチして二人まとめてドラゴンスクリューでなぎ倒すと、タッチを受けた田村がアックスボンバー、ウルトラタイガードロップと躍動。ヒデのヒザにミサイルキック、ミドルキック連打とダメージを蓄積させミノルスペシャルからアンドレへ。これをカットに来たアラケンに対しては藤波がドラゴンスリーパーで捕縛。そのままレフリーが試合を止め、田村と藤波が新王者となった。

 バックステージに戻った藤波は、「おかしいだろぉ。俺が64歳でベルト巻くなんて」と言いつつ満面の笑みを浮かべ、「レスラーってのは何回リングに上がってもこういうものが賭かればやる気になるというか、田村くんがやる気にさせてくれたんだよね。ただ単に大きな怪我から復帰したってだけじゃなくて、もう一回自分に賭けてくれたような気がしてね。ありがとう」と田村へ感謝の言葉を述べた。
 対する田村は「藤波さんの『今は自分自身と戦っている』という言葉を聞いて、やっぱ自分に負けちゃダメだなと思って今日リングに立ちました」と頭を下げて返礼。二人は固く握手。
 藤波は盟友であるビッグバン・ベイダーの死についても触れ、「ベイダーは残念だったね……」と肩を落としつつ、「獲ったからには僕にも責任があるんでね、意地でも長くこうして巻いていられるように精進しないといけないね」と今後の防衛戦に向けて気合を漲らせた。
 すると田村は、「防衛戦はレジェンドの方とやってみたいです」と藤波に談判。藤波は「あぁ、いいねぇ。じゃあ俺がちょっと用意しないとな(笑)」と、さらなるレジェンドの降臨を仄めかした。

 対するアラケンは、「もうレジェンドの試合はいいじゃねぇか!いつまでこれが続くんだって言いてぇよ!藤波辰爾がタックチャンピオンになって、HEAT-UPのタッグ戦線が本当の意味で活性化すると思ってんのか?藤波さんよ、アンタはHEAT-UPのチャンピオンだ。HEAT-UPの顔になったからにはよ、王子の会場にも来てくれるんだろうな?高島平のあんな辺鄙ななんの派手さも無い古びた体育館に来てもらえるんだろうな?じゃないとHEAT-UPのファンは納得しないぞ」と、舌鋒鋭くレジェンドの防衛ロードについて苦言を呈した。

 木村健悟や西村修とともにIWGPタッグ王座を5回獲得し、木村健悟とはWWFインターナショナル・タッグ王座も獲得、さらに2015年にはWWE殿堂入りも果たしている64歳の藤波辰爾が新たな歴史に名を刻んだ。
 前王者組の批判を覆すべく、レジェンドの力でタッグ戦線を活性化し、熾烈な防衛ロードが展開されていくことを期待したい。

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