AK 11.15セリオンプラザ大会 秋田県初の団体プロレスリングAK旗揚げ戦で代表の豪vs.田中将斗
秋田活性化プロジェクト"まげねど!秋田!"
プロレスリングAK旗揚げ戦
日時:2014年11月15日(土)
開場:14:00 開始:15:00
会場:秋田・秋田港振興センター(セリオンプラザ)
観衆:347名(超満員)
▼第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
関根龍一(K-DOJO)/○那須晃太郎(U-FILE)
13分14秒 ストレッチプラム
ヒロ・トウナイ(K-DOJO)/●郡司歩(みちのく/秋田県羽後町出身)
▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
○吉野達彦(ガッツワールド/秋田県秋田市出身)/柴田正人(U-FILE)/神威(FREEDOMS)
17分19秒 アスリート・ジャーマンスープレックスホールド
ベアー福田(SECRET BASE)/清水基嗣(SECRET BASE)/●三尾祥久(SECRET BASE)
▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○菅原拓也(秋田県北秋田郡比内町出身)/黒田哲広(アパッチプロレス軍)
13分01秒 十三不塔→エビ固め
TAKAみちのく(K-DOJO)/●佐藤悠己(K-DOJO)
▼第4試合 超神ネイガー&ネイガージオンプロレスデビュー戦! タッグマッチ 30分1本勝負
○超神ネイガー/ネイガージオン
13分01秒 鳥神バスター→片エビ固め
神楽(666)/●ホジーネ with カマドキャシ
▼第5試合「秋田復興」試練の五番勝負!其の一 シングルマッチ 60分1本勝負
○田中将斗(ZERO1)
10分20秒 スライディングD→片エビ固め
●豪
秋田県初の団体、プロレスリングAK旗揚げ!
AK代表の豪はメインで田中将斗と一騎打ち!ご当地ヒーローもプロレスデビュー!
オープニング
寒波の接近で荒天となってしまった当日だが、試合開始時刻の15時になると立ち見の観客も出るほど超満員となった秋田県・セリオンプラザ。
大きな拍手が沸き起こる中選手入場式が行われた。挨拶はもちろん豪。
「この寒くて雪の降る中、これだけ大勢の皆さんが来てくれて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
今日旗揚げ戦を行いますが、選手一同、精一杯秋田復興、秋田を盛り上げる、その言葉をキーワードに頑張ってまいります。宜しくお願いします!」
選手退場後、参議院議員の中泉松司さんと秋田県議会議員の最上英嗣さんがリング上に上がり挨拶。秋田県の活性化に県を上げて協力している事がわかる。
第1試合
当初発表されていたカードから変更、秋田出身の郡司にはヒロ・トウナイが、那須にはBozz連合の同士である関根龍一がパートナーとなったタッグマッチに。館内からの声援に張り切る郡司。
キャリアの浅い郡司にBozz連合が集中攻撃。館内からの声援に後押しされるように郡司が脱出するとトウナイと交代。関根のピンチに那須がリングインするがフォーアームで分断されてしまう。
ワキ固めで関根の腕を絞り上げたトウナイ、しかし串刺し攻撃をかわされて関根のカミカゼを食らう。交代した那須はミドル連打から串刺しエルボー、レッグラリアットと繋ぐ。エルボー合戦からお返しのジャンピング・ハイを叩き込んだトウナイは郡司と交代。
ブルドッキングヘッドロック、ギロチン式フェースクラッシャー、トウナイとの合体攻撃で那須を攻める郡司。トウナイが関根をカットする間に郡司がミサイルキック、ロックボトムで那須を攻めるが、コーナーに登った所をデッドリードライブで投げ捨てられる。
那須はこのチャンスに郡司を逆エビ→逆片エビで絞り上げるがロープに逃げられる。関根とのサンドイッチローキックをカウント2で返されるとストレッチプラム。グイッと絞り込むと郡司がギブアップ。Bozz連合がAK旗揚げ戦のオープニングマッチを白星で飾った。
第2試合
地元出身の吉野達彦はGWCシングルのベルトを腰に巻いて堂々の凱旋試合。突然の花束贈呈に驚きと喜びを隠せない表情。
まずは達彦と三尾の華麗な対戦。次に入場時に清水が持ち込んだデコレーションパイプ椅子を手にすれば、神威もパイプ椅子を持ち出してイスチャンバラ。最後は柴田と福田のヘビー級同士によるぶつかり合いに館内が沸く。地方興行ならではのカードである。
福田が達彦を場外に放り投げると場外乱闘へ。目の前で繰り広げられるプロレスラーの迫力に、満員の観衆は驚くやら興奮するやら。
ここから達彦がSECRET BASE勢に攻め込まれる。清水のイス攻撃、三尾のパンチ等ラフも交えながら達彦を攻撃。
清水に対して打点の高いドロップキックで反撃した達彦は柴田と交代。ベイダーアタックからスティンクフェイスを清水に叩き込む。清水は膝への低空ドロップキックから柴田の側頭部を狙った低空ドロップキックでお返し。
再び柴田と福田、エルボー合戦からラリアット合戦。カウンターの一発で柴田をなぎ倒す福田、お返しのボディーシザー-スドロップを放つ柴田。両軍交代。
飛び込んできた三尾に神威がゼロ戦キック、串刺しエルボー、サッカーボールキック、その場飛びムーンサルト。コーナーからのムーンサルトは三尾がかわすが、着地した神威。そこに清水がコードブレーカー、三尾のスワンダイブミサイルキックと繋ぐ。バックドロップで投げようとする三尾、踏ん張った神威がバク宙キック。
達彦がコーナーにいる三尾の後頭部へキック、走り込んだ所を三尾がカウンターのドロップキック。コーナーに達彦を座らせた三尾、叩き落とされても飛びついて雪崩式フランケン。
三尾のボディープレスをかわした達彦、三尾を捕まえて串刺し攻撃の三重奏。達彦のブルーサンダーは福田がカット。ジャンピング・ハイからアスリートジャーマンを狙うが、清水がイスを投げ込んでカット。
福田のフルネルソンバスターから清水のダイビング・ダブルアトミックボムズアウェイ。カットを阻む福田と清水の後ろで三尾のバックドロップ。全力でカットする柴田&神威。
更に三尾がジャンピング・バックキックで追い打ち。ロープに走った三尾だが達彦がカウンターのレッグラリアットで迎撃し、最後はアスリートジャーマンでフィニッシュ。地元で嬉しい勝利を挙げた達彦であった。
第3試合
ジュニア二冠王として地元に凱旋した菅原、コール時には紙テープが舞う。
そんな菅原のフェアプレーに敬意を評したのか、TAKAが握手を求める。「絶対に何かあるぞ!」とコーナーで声を上げる黒田、握手に応じた菅原のボディに容赦なく蹴りを叩き込むTAKA。サミングで菅原を翻弄するTAKAだが、タックルでぶっ倒した菅原。両軍交代。
佐藤のチョップに黒田は涼しい顔。ボディースラムで叩きつけ、ロープに詰めてチョップを連打する黒田。ロープワークを巧みに掻い潜ってドロップキックで一矢報いた佐藤だが、調子に乗って捕まってしまう。
しかし菅原をいつの間にか場外戦に誘い込むと、K-DOJO勢が攻勢に転じる。場内に戦場が戻っても菅原に対してやりたい放題のK-DOJO勢。二人がかりで菅原をいたぶるK-DOJO勢にレフェリーのえみりが凄むとたじろぐTAKA。
猛攻を耐え、ハイキックをTAKAに叩き込んで反撃した菅原。黒田に交代すると豪腕が唸りを上げて大回転。TAKAに対して哲っちゃんカッターから足殺し。更にラリアットをTAKAに叩き込むがカウント2。
ここで菅原が黒田の真似をして足を踏み鳴らす。突進をキックで食い止めたTAKA、エルボー合戦からサミングを逆に食らってしまうが上手く切り返してジャストフェースロック。
佐藤はえみりレフェリーを巧みに使ってアームホイップから低空ドロップキックを菅原の顔面に。勢いに乗った佐藤だが、菅原の風車式バックブリーカーを食らってしまう。
串刺し攻撃をかわした佐藤、TAKAとの連携でスーパーKとミサイルキックの合体攻撃へ。フォールは黒田のカットに遭うが、追い打ちのメサイヤDDT。張り手を顔面に叩き込むが、逆にカウンターのアックスボンバーで佐藤を吹っ飛ばした菅原。
垂直落下式ブレーンバスターから十三不塔で佐藤を仕留めた菅原、コーナーに登って地元の皆さんにアピール。黒田とガッチリ握手を交わして勝利の余韻を楽しんでいるようであった。
第4試合
農業に従事する青年「アキタ・ケン」、林業に従事する青年「フジモト・シロー」はだじゃく(=秋田弁で乱暴・横暴の意味)組合の悪の手から秋田の平和を守るために豪石玉の力でそれぞれ超神ネイガー、ネイガージオンに変身するのだ。
「海を、山を、秋田を守る、超神ネイガー!」
「森の悲鳴を聞きつけりゃ、木霊の速さで駆けつける。その名もネイガージオン!」
この日はプロレスリングAKの成功を邪魔するため、だじゃく組合行動班長カマドキャシがセリオンプラザに現れた。この日のために鍛え上げた強化型ホジーネと、カマドキャシがお気に入りのレスラー神楽を引き連れている。
プロレスの試合で対決する事もあり、コールを受けるといきなりネイガー&ジオンにいちゃもんをつけるカマドキャシ。それを受けてネイガーはリングで決着をつけると反論。
ゴングが鳴らされる。得意のキックでホジーネを牽制するネイガー。対してホジーネは尻を振って挑発する。その尻に対してネイガーは先制のキック!痛がるホジーネをヘッドロックで絞り上げ、アームホイップで投げ飛ばすネイガー。
両チーム交代、酔拳の構えで神楽に近づくジオン。
「お前がその気なら、鶴の舞だ!」とポーズを決める神楽、お構いなしに蹴りを叩き込むジオン。タックル合戦で優位に立った神楽だが、ジオンはソバットや後頭部への廻し蹴り、膝蹴りで神楽を攻撃。
代わったネイガーもキックで神楽を追い込む。仁王立ちするネイガーの背後からホジーネが尻を振りながら襲いかかる。ネイガー側のセコンド陣が抗議する中、神楽&ホジーネが巧みにネイガーを攻め込んでいく。
カマドキャシもしゃもじを持って場外から攻撃する等やりたい放題のだじゃく組合。しかし秋田県民の声援を背に、ネイガーのバックドロップ、ジオンのブレーンバスターが立て続けに神楽を襲う。
窮地に追い込まれた神楽は「あっ!佐々木希だ!」とトミー茨城レフェリーとジオンの注意を逸らせると急所打ちで反撃。代わったホジーネもジオンを攻撃する。
ホジーネの隙を突いたジオンはカモシカキックで反撃、ネイガーもソバットでホジーネを追い込む。しかし神楽が邪魔をすると、合体サンセットフリップや串刺し攻撃、神楽のハイキックでネイガーにダメージを与える。
カットに入ったジオンも二人がかりで攻撃しようとするが、まとめてラリアットで吹っ飛ばしたジオン。そのまま場外へプランチャ!
勢いはネイガー&ジオンへ。合体攻撃を駆使してホジーネを追い込む。ホジーネも飛びついての首固めで逆転フォールを狙おうとするが通じず。最後はネイガーの左ハイから鳥神バスター(=ジャックハマー)でホジーネからピンフォール勝ち。見事プロレスリングAKの成功に華を添える事となった。
敗れただじゃく組合は、強化したはずのホジーネを「使えねぇな!」「弱すぎる!」と散々なぶりながら退場。ネイガーは「無事にプロレスデビューする事が出来ました!ありがとうございました!」と観客に向かって挨拶。
去る際もネイガー&ジオンに悪態をついていたカマドキャシ。だじゃく組合はこのまま引き下がる事はないだろう。秋田の平和を守るために戦い続けるネイガーとジオン。再びその勇姿をリング上で見られるのは、そう遠くないはずだ。
第5試合
この日のために、寝る間も惜しんで宣伝や営業に走り回っていた豪。ビッグマッチ用のテーマで入場する豪の表情には"決意"の二文字が刻まれているようであった。
一方開場直後、特設売店にて穏やかな表情でTシャツを販売していた田中将斗。ファンからの声に表情を緩ませていた。そんな田中がメインのリングで鬼と化した。
試合開始直後、豪のドロップキックを不発に終わらせた田中はいきなりスライディングDをぶっ放す。豪が回避したので決め手にならなかったが、旗揚げ戦のメインを秒殺で終わらせようとした田中の殺気が伝わってくる。
田中をテークダウンさせた豪はレッグロックからアキレス腱固め。それをクロスヒールホールドで切り返し、逆に絞り上げていく田中。豪も絞り返すが田中が角度を変えて極めると必死にロープに逃げる豪。ここで決まってもおかしくない、そんな雰囲気が漂っていた。
「来いや!」「エースがそんなもんか!」エルボーやチョップをガンガン打ち込んでいく田中。その度に食らいついていこうとする豪に、田中の声が館内に響いていく。コーナーに押し込んで行ったり、スリーパーで締め上げたり。
ボディースラムで田中を投げる豪だが、後が続かない。再び田中の逆水平で上体がのけぞってしまう。張り付け弾丸エルボーが容赦なく豪を襲う。
ロープに走ってエルボーを放とうとした田中、掻い潜った豪は強引に投げ捨てジャーマンで反撃する。その後も串刺しラリアット、ソバットで尻餅をつかせた田中に走り込んで低空ドロップキック。館内から豪に対する声援が送られる。
田中の重い一発一発に食らいつき、ニーリフトやラリアットで返していく豪。再び投げ捨てジャーマンを狙うが、切り返されてDDTを食らってしまうとガクッと動きが落ちる。
連続串刺しラリアットから雪崩式ブレーンバスターを狙う田中。コーナー上からエルボーで叩き落とそうとする豪だが、鈍い音を響かせたヘッドバットやエルボーの前に投げ切られてしまう。
立ち上がった両者はラリアット合戦。気合を入れた一発で田中がなぎ倒すと、息を吹き返した豪がお返しの一発。ブラックストーンの体勢に入るが、リバースで投げられてしまう豪。
何とか持ち直したい豪はエルボーで活路を見出そうとするが、田中のワンツーエルボーで押し切られてしまう。こうなると流れは完全に田中に。
ラリアットで吹っ飛ばし、スーパーフライで圧殺され、垂直落下式ブレーンバスターで突き刺され、とどめは問答無用のスライディングD。完膚なきまでに叩き潰す、それは田中将斗から豪に対する激励だったのかも知れない。
試合中と打って変わった穏やかな表情で豪の健闘をたたえる田中、観客に一礼するとリングを去っていく。豪は片膝を突いたままリング上に。
エンディング
しばしの間リング上で正座していた豪、前のめりになると目からはいつしか熱い涙が溢れていた。声を詰まらせながらマイクを握る。
「皆さん……本当に……ありがとうございました。
初めは……何も分からない所から始めて……これだけの手を貸してくれる、応援してくれる……皆さんのお陰で、出来たと思います。
こんな、旗揚げ戦で、こんな泣いてる顔なんて見せてらんないですね。
今日は価値のある一戦だったと思います。最初から勝つ気で……勝つ気で、ホント死ぬ気で、勝つ気で試合しましたけど、今日の負けは、この先の大元となる負けだと思います。
僕の大事なパートナー、紹介します。ネイガーとジオン、上がってくれ。」
ここでネイガーとジオンもリング上に。
「この二人は初期、自分がこの団体を立ち上げようと思った時に一番最初に協力してくれたのがこの二人だったんです。ホントに……この二人がいて助けられましたし、皆さんの力がなければここまで出来なかったと思います。」
ネイガー&ジオンが感謝の意を示すと豪が再び告げる。
「よし! よし! これで俺達の士気が高まった! よし!!
第2回は! 第2回は……ちょっと間が空くけど、雪のシーズンをちょっと抜けて、3月の下旬に! 3月の下旬に第2回興行を行います!」
と、2015年3月下旬に第2回興行を行う事を公言した豪。地元秋田を盛り上げる為に旗揚げしたプロレスリングAKという空間。様々な人達の想いをのせて、次のステージに向けての航海が始まったのである。
【記事提供/Photographer Samhan-Takashi】