【試合詳細】12・5 ストロングスタイルプロレス後楽園ホール大会 【レジェンド】村上和成vsスーパー・タイガー 【SSPW女子タッグ】ジャガー横田&藪下めぐみvsタイガー・クイーン&タイガー・プリンセス 【BJWジュニア】日高郁人vs関札皓太
- 2024-12-6
- 試合
- リアルジャパンプロレス
『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレス Vol.32~力道山先生ご生誕100年感謝興行~』
日程:2024年12月5日(木)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1388人(満員)
▼3WAYマッチ 15分1本勝負
○松本浩代(フリー)
7分8秒 ロックドロップ→片エビ固め
●ダーク・チーター(DarkerZ)
※もう1人は沙恵(柳ヶ瀬)
▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
○船木誠勝(フリー)/間下隼人/阿部史典(格闘探偵団)
9分55秒 ハイブリッド・ブラスター
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)/澤田敦士(フリー)/●ガイア・ホックス(フリー)
▼シングルマッチ 30分1本勝負
○Sareee(フリー)
11分48秒 裏投げ→体固め
●狐伯(WAVE)
▼BJW認定Jr.ヘビー級選手権試合 30分1本勝負
【王者】○日高郁人(ショーンキャプチャー)
13分32秒 石見銀山→片エビ固め
【挑戦者】●関札皓太(大日本)
※第11代王者が2度目の防衛に成功。
▼SSPW認定女子タッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/CRYSIS】○ジャガー横田(ディアナ)/藪下めぐみ(フリー)
11分50秒 前方回転エビ固め
【挑戦者組】●タイガー・クイーン/タイガー・プリンセス
※初代王者組が3度目の防衛に成功。
▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
【王者】●村上和成(フリー)
6分27秒 牙斬→片エビ固め
【挑戦者】○スーパー・タイガー
※第18代王者が2度目の防衛に失敗。スーパー・タイガーが新王者となる。
スーパーが村上を撃破し4年ぶり5度目のレジェンド王座戴冠!タイガー・プリンセスがデビュー戦で負傷し緊急搬送!日高が“タイガーマスク”となりジュニアヘビー級を背負う!
オープニング
大会開始に先立ち、平井丈雅代表が挨拶を行った。
平井代表「皆様、本日は初代タイガーマスク佐山サトル総監が主催致しますストロングスタイルプロレス、新間寿会長が育て、アントニオ猪木会長のもとで育った佐山サトル総監が、初代タイガーマスクとして40年前にデビューして、そして20年前にこのストロングスタイルプロレスを設立されました。皆様の佐山サトル総監といっしょに歩みたいというお気持ちと、一般社団法人初代タイガーマスク後援会の皆様がいなければ、数え切れない、佐山総監、新間寿を慕うファンの皆様、そしてこのリングに集う選手の皆様のおかげで20年間歩んでまいりました。本当にありがとうございます。
今回の大会、新しい選手が3人出てきてくれます。狐伯選手、佐山総監を尊敬してプロレスラーになった日高郁人選手が大日本プロレスのジュニアヘビー級王者となり、全チャンピオンの関札皓太選手を迎え撃つ。そして2番目の女性版タイガーマスクとなるタイガー・プリンセス選手、3人がデビューします。
そして4年前、コロナが始まったときに、女子の選手の試合が産声を上げました。そのとき佐山総監、新間会長含め、この時期に大会を行うべきかどうか迷いました。そのときに会長が『こういうときだからこそ、日本がこういうふうに落ち込み始めている中、このプロレスこそが、このプロレスの闘いを見せることで落ち込んだ世界を皆様の心を上げることが出来る』。それがアントニオ猪木会長が創ったプロレス、新間会長が創ったプロレス、そして佐山サトル総監が創ったプロレスであると。それが2020年3月16日の大会、女子の試合が産声を上げた大会でもありました。その大会から4年経って、女子の試合が3試合、男子の試合が3試合。女子の選手のすごい試合で、男子の選手も切磋琢磨して、もっともっと力強い闘いをお客様に見せて、パワーをあげたい。それを昇華する、後もう1歩、後もう少しで!それがもっともっと!皆様のお陰で!佐山総監のプロレスが成り立っています!あと一歩のところの!皆様の佐山総監への思いと!お力を!与えていただければと思います!今!佐山総監!皆様御存知の通り!病気と闘っております!今!この瞬間も闘っております!でも皆様の顔が見たい!皆様の顔を見られるか!どうなんだろう!本人も思いながら今頑張っております!今日体調のアレで来れなかった新間会長も!皆さんのお力があれば!身体も良くなります!後1つ!皆様の御心を!このリングで1つにしていただきたいと思います!今日は!6試合ッ!すごい試合がッ!見せますッ!見られますッ!見ることが出来ますッ!皆様のパワーをいただくことが出来ますッ!私たちもパワーをいただくことが出来るッ!新間会長もォッ!!佐山先生もォッッッ!!!パワーをいただくことが出来ますッッッッッ!!!!!何卒ォッ!!よろしくお願いしますッッッ!!!」
第1試合
ゴングが鳴ると、三つ巴の手4つ……とはならずチーターが高みの見物。松本と沙恵がショルダータックルでぶつかり合い、松本が打ち勝ったところでチーターが介入。
チーターがスレッジハンマーからつま先を踏みつけていくと、松本&沙恵が結託してトレイン攻撃。しかし、チーターは2人の攻撃を誤爆させ、まとめてランニング・ネックブリーカー・ドロップ。
チーターは沙恵の指へのヒップドロップを見舞い、指に噛みつきながらのサーフボード・ストレッチ。さらにキャメルクラッチで絞り上げながら鼻の穴を広げる。松本がさらに背後からチーターの鼻の穴を広げ、状態に排除。
松本は沙恵に強烈なチョップからヘアホイップでコーナーに叩きつけ「行くぞ後楽園!沙恵!ぶっ壊すぞ~!」と串刺しボディアタック。続けて逆エビ固めに捕らえていくが、チーターが松本の背後からスリーパーホールド。
チーターは松本にサミングから低空ドロップキックを見舞って場外に排除。チーターは持ち込んだボードで沙恵に殴りかかるが、沙恵がビッグブーツで吹き飛ばす。沙恵はコーナーからぶら下がり式首4の字固めで捕らえ、セカンドからのミサイルキック。沙恵が投げようとすると、松本がカット。
チーターと沙恵が松本をダブルのブレーンバスターで投げるも、2人でカバーを奪い合い、にらみ合いながら互いに突き飛ばす。沙恵がラリアットを狙うが、チーターがレフェリーを盾に。沙恵が慌てて立ち止まったところにチーターが優しくボードで殴打。
チーターがコーナーに上がろうとするが、松本が場外に叩き出してリバース・スプラッシュ式ダブルニードロップ。さらにロックドロップを狙うが、松本が振り払ってラリアット。さらにスライディング・ラリアットも、チーターが優しくボードで叩いてカット。
チーターが松本にバックドロップを狙うが、沙恵がカット。2人で松本をロープに振ろうとするが、松本が2人まとめてバックドロップ。さらに松本がチーターをロックドロップで叩きつけて3カウントを奪った。
第2試合
間下とシュレックの対面でゴング。間下がローで牽制する中、シュレックはベイダーハンマーでダイナミックに殴りかかる。バックの取り合いからシュレックが片足タックルでテイクダウンを奪い、ヒザ十字。間下は決まり切る前に余裕を持ってロープブレイク。間下は起き上がり際のソバットをボディに突き刺すが、手4つでの力比べとなるとシュレックが圧倒。間下は悔しそうに下がっていき、両者タッチ。
船木と澤田の因縁の対面。ゆっくり組み合って首の取り合い。船木がテイクダウンを奪うも、澤田がスイープしマウントを取って上から掌底連打。船木が振り払って寝転び、猪木アリ状態を作り出す。硬直状態を経て手4つ。澤田が自軍コーナーに押し込んでガイアにタッチ。
ガイアは船木に組み付いていくが、船木が即座にフロントネックロックに捕らえながら下がっていって阿部にタッチ。
阿部とガイアの対面。ロックアップからヘッドロック、ショルダータックルの攻防。倒されたガイアが跳ね起きてスワンダイブ式のティヘラからドロップキックと空中殺法で躍動。澤田にタッチ。
澤田は阿部へ逆水平チョップからエルボードロップ。さらにコーナーに叩きつけてエルボー&逆水平チョップの連打。間下が怒りのカットを行い、エルボー合戦。澤田がヘッドバッドから払腰で叩きつける。澤田が額から流血する中、阿部にはSTOからエルボードロップ。
シュレックにタッチ。
シュレックは阿部をコーナーに振って串刺しスプラッシュ。2発目を狙うが、阿部がかわして回転浄土宗。間下にタッチ。
間下はシュレックにミドルキックを連打。シュレックは敢えて真っ向から受けきり、ベイダーハンマー連打。足を止めてのエルボー合戦となる中、間下がナックル。コーナーに振ろうとするが、シュレックが振り返してベイダーアタック&ベイダーハンマー連打。さらにアイアンクローからアイアンクロー・ホイップ。シュレックが引き起こすが、間下がぶっこ抜いてリアルデンジャラス・バックドロップ。両者大の字となりダブルダウンからタッチへ。
船木とガイアの対面。船木の掌底をかわしたガイアがフックキックからリバース・スリングブレイド、ゼロ戦キック。続けてロープに振ろうとするが、船木がミドルキックで倒してサッカーボールキック。すぐさまチキンウィング・フェイスロックに捕らえ、ハイブリッド・ブラスターを狙う。これはシュレックがカットし、澤田に攻撃を要求。澤田が船木にSTOを放つが、これがシュレックに誤爆。
間下がフロントハイキックで澤田を排除し、阿部がガイアに伊良部パンチ。さらに間下がFSRで叩きつけ、船木がハイブリッド・ブラスターで突き刺して3カウントを奪った。
<試合後コメント>
船木誠勝&阿部史典&間下隼人
船木「(※背後の村上vsスーパー戦のポスターを指して)これの勝者に、誰もいなければ挑戦したいと思います。来年40周年なんで、ここで最後……最後かどうか分からないですけど、前回(前王者の)間下選手に勝ったんで」
間下「完敗でした」
船木「自分に権利があるかなと。誰も名乗り出ないんであれば、この勝者に挑戦します。もしかしたら最後の挑戦になるかも知れない。あと5年で還暦ですからね。その前にもう1回、もう1回、もう1回、挑戦します」
(※船木が先に去っていく)
阿部「(※件のポスターを指しながら間下へ)これの勝者に。この勝者に」
間下「えっ?!……ちょっと船木さんにはスパンを置いてほしいな。でも今年すごいいい経験をたくさんさせてもらったんで、来年に向けてまたやっていきたい。その前にどこぞの議員か知らないけど、しっかり練習しといた方が良いですよ。自分で頭突きしといて自分で(額を)割るって(笑)議会出すぎだ!練習しとけバカヤロー!」
(※通りがかった和田良覚レフェリーを阿部が引っ張り込む)
阿部「(※ポスターを指して)どっちの勝者に行くの?」
和田「何言ってんの?!んなわけねーだろ!何言ってんだよ!」
阿部「帰るぞ!ホラ!帰るぞ!」
澤田敦士
「ナメてるな。ナメてるね。なんだアイツら。久しぶりの、9ヶ月ぶりのリングですか。結果はどうあれ、結果は良い結果じゃなかったかも知れないけど、久しぶりにリングに上がれたことは感謝の気持しか無い。関根とかもホントよく分かんないんだけどね、ちゃんとプロレス界で1から付いてやるべきだと思いますよ彼は。リアルジャパンプロレス……ストロングスタイルプロレスか。なんか、小さなIGFを見てるみたいでなかなか面白いリングだなと思いました。結果は思うような結果じゃなかったけど、楽しかったと思います。議会はもう始まってるんでね、これから我孫子帰って議会に備えようと思います」
――来年以降の参戦は
「どうですかね?ちゃんとオファーくれれば、それはそれでしっかりね。プロレス界も中々景気の良い団体って無いと思いますからね。WWE以外は全部。日本は全部低迷してると思うんで。なんかの起爆剤をどっかで作っていかなきゃいけないのかなと。対世間ってものをね。ホントの意味で対世間。プロレス知らない人たちをどう取り込んでいくかっていうのをプロレス界が本気でやっていかないと、無くなっちゃうんじゃないかと思って。プロレス好きのマニアの世界になっちゃってるからね。マニアの人たちが業界を壊すっていうのも言われてるから。これはしっかりホント、環状線理論じゃないけど、プロレス知らない人たちをいかに取り込むか。どうしてもね、またリングに上がる以上は取り組んでいけたらと思います」
――流血がすごいが、体調は
「気持ちいいじゃないですか。身体は正直だから。気持ちいいと思ってるんじゃないですか?まあ、明日これで議会でどう思われるかは分かんないけど(笑)中々こういう議員もいないんじゃないかなと思うんでね。これはこれで。多分日本の市議会議員で流血して議場行くの俺だけじゃないかなと思うんで(笑)それも皆さんに取材に来ていただきたいと思いますよ(笑)」
第3試合
ロックアップでの力比べからヘッドロック、アームドラッグの応酬。Sareeeが圧倒し、コーナーで顔面を踏みつけながら「ナメんなクソガキ!」と罵倒。ヘアホイップから鎌固め、ボディスラムからダブルレッグロック。狐伯がロープに伸ばした腕まで固めていくが、狐伯は意地のエスケープ。
Sareeeはロープ際で狐伯の背中にフットスタンプ。ロープ際での貫通ドロップキックを狙うが、狐伯が低空ドロップキックで転ばせてDDT。さらに低空ドロップキックで顔面をぶち抜き、Sareeeのお株を奪うロープ際での貫通ドロップキック。
狐伯がコーナーに上ってトップからのミサイルキック。さらにブレーンバスターを狙うが、Sareeeが逆にブレーンバスター。狐伯はすぐに起きて「ナメんな!」とエルボー合戦を仕掛けていくが、Sareeeも重たいエルボーで応戦。互いにフルスイングで打ち合うエルボーのラリーが続いていくが、Sareeeが「ナメんな!」と強烈な一撃で吹っ飛ばす。ロープに飛ぶが、狐伯がバックを取ってお返しのブレーンバスター。
狐伯はブリッジの美しいノーザンライト・スープレックス・ホールドで叩きつけるもカウントは2。ならばと狐伯がコーナートップに上がっていくが、Sareeeが追いすがってコーナー上でヘッドバッドを猛連打。さらに雪崩式フィッシャーマン・バスターで狐伯を叩きつける。
Sareeeはリング中央でのフィッシャーマン・バスターで叩きつけ、セカンドからのダイビング・フットスタンプ。狐伯がこれを2で返すと、Sareeeはジャーマン・スープレックスを狙う。狐伯はこれをスタナーで切り返してロープに飛ぶが、Sareeeが腕をキャッチして脇固め。狐伯はなんとかロープに足をかける。
Sareeeはコーナーに上がり、トップからのダイビング・フットスタンプ。狐伯はこれも2で返す。ならばとSareeeはジャーマン・スープレックスを狙うが、狐伯がカサドーラからオクラホマ・ロール。Sareeeも返してエビ固めのシーソーゲームとなるも決着は付かず。Sareeeが起き上がり際の延髄斬りも、狐伯は下からエビ固めと粘りに粘って後頭部へのランニングニー、顔面へのランニングニーと猛攻。狐伯がロープに飛んで顔面へのダブルフットスタンプからカミゴェを叩き込むもカウントは2。
狐伯はロープに飛ぶが、Sareeeが素早くバックを取ってバックドロップ・ホールド。さらにSareeeが伝家の宝刀・裏投げを決めて3カウントを奪った。
<試合後コメント>
Sareee
「ありがとうございました。狐伯選手とはホントに久しぶりの対戦で。狐伯選手が新人の頃、私がよく試合してきたんですけど、すごく成長していて。自分の団体のトーナメントでも勝ち上がってるって噂は聞いてて。どんな感じに成長してんだろうなっって楽しみにしていたんですけど、今日は見ての通り、ヒヤっとしたところが何箇所もあって、色々疲れてるなと思いましたね。最後しっかりと私が勝利することが出来て、ちょっとホッとしてます」
――どこに成長を感じたか
「プロレスって闘いの中で気持ちの部分って、私は本当に大事だと思ってて。折れてなかったですよね。なんかエルボーを思い切りぶち込んできて。私もスイッチ入ったというか、狐伯がここまで成長してるって感じましたね。闘ってる同士にしか分からないことかも知れないですけど、すごい気合いを入れられたというか」
――本来であれば裏投げの前のスープレックスで試合を決めるつもりだった?
「そうですね。決めてやろうと思ったけど返されたんで。最後はしっかり私の必殺技である裏投げで3カウント獲ることが出来て良かったなと思ってます」
――「裏投げまで出させた」という評価か
「ホントそうですね。狐伯、ちょっとまた闘いたいです。近いうちにぜひ、シングルマッチやろうよ」
――以前から熱望しているタイガー・クイーン戦が叶わないままなことについて
「そうなんですよね。なんだかよく分かんないんですよね。よくわかんないんで、もうなんでもいいかなって正直思っちゃってますね。だって、言っても叶わないってどんだけつまんないんだよって、私は思いますよ。だって、私がストロングスタイルプロレスに参戦してないならいいけど、こうやって毎回呼んでもらえるのに。なんで?望んでるのに?何回も言ってて『検討します』とか『次は』とかいつも言うのに組まれないのが不思議でしょうがないですね。もうなるようにしかならないんで。もう、ね。私がどうこう言ってなんとかなる問題じゃないって分かったので。わかんないんですよね、正直」
――それだと、この団体に参戦する意義を感じない?
「いやあ、そうですね。でもこうやって狐伯選手とシングルする機会もなかなか無いので。前回はZONESでしたけど、私は今勢いのある選手と闘いたいと思っているので、まあまあ、ハイ。意味がないってことは無いと思うんですけどね。言ってることをコロコロ変えられてしまうと、不信感にはなりますよね、やっぱり」
――前回の新宿FACE大会でタッグのベルトに興味を示していたが
「そうなんですよね。タッグ、勢いであんな感じになっちゃったんですけど、私、よく考えたらタッグパートナーいないんで。冷静になってみたら。タッグのベルトに挑戦するって、即席じゃないですけど『この子とのタッグでいいや』で臨むものじゃないと思うし。それってすごく団体にとっても、王者の人たちにも失礼だと思うんで。実際今私は『この人と組んでやっていこう』って人はいないんで。今は無いかなって。タッグの方は思ってます」
力道山先生ご生誕100年感謝興行
同セレモニーは今年11月5日の新宿FACE大会でも行われている。
その際には息子・百田光雄とその夫人、孫の力が参加予定であったが、百田の体調不良とその看病のために親族が全員欠席。力道山さんのジムで教えを受けていたことのある“過激な仕掛け人”新間寿も体調不良により欠席。生前関わりがあった人間が不在の中で生誕100周年記念セレモニーが行われたということで、次回の後楽園ホール大会で改めてセレモニーを行うことが決定。
しかし、この日は百田家一同、新間会長が体調不良で欠席。前回は登場していた初代タイガーマスクも今回は体調不良で欠席。状況は前回よりも悪化してしまった。
この日は、和田政宗コミッショナー、平井丈雅代表、初代タイガーマスクマスコットガールの野尻栞里さんがリングへ。
平井代表「皆様、本来であれば皆様の待ち望んでいらっしゃいました初代タイガーマスク、佐山サトル総監が、この時間、力道山先生への感謝の意を込めたセレモニーに、先程まで登壇する予定でした。すぐとなりの同じ建物の中に佐山総監が待機されていたんですが、どうしても体調が……(※泣きじゃくって声を詰まらせる)……もぉしわげ、ありません……。先ほど息子である聖斗くんの車でご自宅に向かわれました。帰り間際に佐山総監と……ッ! (※)今日、お忙しい中来ていただいた皆様のことを思われて、皆様にご挨拶出来ないってことに対して、私の方からくれぐれもお詫びをしていただきたいと言われました。(※)力道山先生が日本のプロレス界をお作りになられ……ッ!(※)アントニオ猪木様、ジャイアント馬場様、そしてそれに続く数多くの尊敬するべきレスラーの方たち。藤波辰爾様、長州力様、藤波様からも今日お言葉をいただきました。その1人として新間会長、佐山先生、力道山先生の、お作りになられたプロレスを、日本に、世界に、国民の皆様、力づけたい、パワーをあげたい、パワーをお渡ししたい、その気持ちで、やってまいり、百田家様から15年のお付き合いがございます、百田光雄様、奥様の保恵様、そして力道山先生のお孫様である力くん。御3人から、『力道山先生の生誕100年に感謝するお祝いは、佐山先生と新間会長にお願いしたい』。そこに新間会長、そして今コミッショナーをしていただいております、和田政宗議員。そして少年少女隊のリーダーを務めます栞里ちゃん。『この5人でやってほしい』と百田様から言われました。それは皆様、プロレスを愛する力道山先生を尊敬して、猪木会長、佐山先生、新間会長、藤波さん、長州さんを始めとする皆様とともに、力道山先生、このプロレス界があるのは力道山先生のおかげだというのを、今日、11月14日の生誕日に思いを馳せて感謝させていただきたいと思います。それが佐山サトル総監の思い、新間寿会長の思いであります。皆さん、本日は本当にありがとうございます。佐山サトル総監と新間会長を尊敬し、愛してやまない和田政宗議員が長年の思いとともに、ストロングスタイルプロレスのコミッショナーに就任していただきました。和田政宗議員にお言葉を頂戴してもよろしいでしょうか?!」
和田コミッショナー「ストロングスタイルプロレスのコミッショナー、参議院議員の和田政宗でございます。平井社長が今日の記念日の大会の皆様への感謝、また佐山総監からのお言葉、新間会長からのお言葉、そしてご家族、百田さんをはじめとしたお言葉をいただきましたので、私から簡潔に、今日の感謝と、先程佐山総監にお会いしてまいりましたので、そのことについてご報告をさせていただければと思います。先程、佐山総監がこちらに来るという直前に、すこし目眩がされているということで。お帰りになる可能性があるということで、同じ建物の別棟にあります部屋の方に行ってまいりました。佐山総監は先月の大会と全く変わらないお姿でありまして、普通にお話になって、ここにお出ましいただく予定であったんですが、すこし目眩がされているということで、リングに上がったときになにかあってしまったら皆様方に申し訳ないということで、本当にこの重要な大会で申し訳ないということを佐山総監はおっしゃっておりました。このように、平井社長、私、そして新間会長のお孫さんの栞里さん。ここでご挨拶をさせていただいておりますが、まさに力道山先生のストロングスタイルイズムが第1試合から展開されているわけでございます。セレモニーの後も3試合、まさに力道山先生のストロングスタイルのイズムが、佐山総監によって発展し、受け継いでいる。このリング上において、まさに繰り広げられますので、しっかりと我々もそれを見届けて、この100周年の記念大会を成功に終わらせたいと思います。どうぞ皆様よろしくお願いします!」
ここで、出席が叶わなかった百田光雄からのメッセージが代読された。
百田光雄(代読)
「本日は私の父であります故・力道山の生誕100年をお祝いいただき誠にありがとうございます。空の上の父も大変喜んでいると思います。本日私は病気療養のためそちらの会場に行くことが出来ず誠に申し訳ございません。今は病気に打ち克ってもう1度リングに上がることを夢に見て頑張っております。応援よろしくお願い致します。百田光雄」
第4試合
ストロングスタイルジュニアを背負わんとする日高は、中村ユキヒロ氏監修のタイガー版オーバーマスクを被って登場。
ゴングが鳴ると、ロックアップからリストの取り合い。グラウンドで関札がヘッドシザースでじっくり首を絞っていくが、日高がするりと抜け出してクリーンブレイク。
一旦距離を取ってから再び組み合ってリストロックの応酬。関札が抵抗するも、日高が巧みなボディコントロールでいなして腕を離さない。関札がロープに振ると、ロープワークのドッグファイトの末に関札がドロップキックで日高を場外に蹴落とし、変形トルニージョで飛んでいく。
関札は日高をリングに放り込むと、逆水平チョップでコーナーに詰め、アイリッシュ・ウィップで背中から叩きつけていく。さらに」ボディスラムからその場飛びのストゥーカ・スプラッシュ。さらに変形のオモプラッタに逆片エビ固めを合わせる複合関節、背中に体重を乗せながらの逆片エビ固めと背中に攻撃を集中。日高はなんとかロープを掴む。
関札はすぐにエプロンからロープを超えながらのフットスタンプを背中に突き刺し、前蹴りを放つ。日高はこれをキャッチしてドラゴンスクリュー。クリティカルヒットしたか、関札が動けなくなってしまう。
日高がコーナーに詰めてシュリケンからリバースDDT。さらにヒザへのガットショット&サイドキック。さらに「行くぞ!ショーンキャプチャー!」と叫びながら飛びつくが、関札が振り払ってロープに飛ぶ。日高はフランケンシュタイナーで迎撃するも、関札がエビ固めで返してシーソーゲームへ。関札がドロップキックで吹っ飛ばすも、日高がアイル・ビー・バックからニールキック。続けて石見銀山を狙うが、関札がぶっこ抜いてブレーンバスター。
ダブルダウンを経て、両者膝立ちになりながらの打撃戦。胸板への張り手の打ち合いから逆水平チョップの打ち合いへ。互角と見るやエルボー合戦となり、打ち勝った日高がロープワークの攻防を制してエプロンへのハングマンDDT。さらにバックドロップから側頭部へトラースキックを突き刺すもカウントは2。
日高は石見銀山を狙うが、関札が着地。日高が延髄斬りから野良犬ハイキックを発射も、関札がかわしてオーバーヘッドキックから変形DDT。さらに関札がモニターバイト(※バックドロップの形からバッククラッカーの形で背中に膝を立てる)関札はコーナーに飛び乗って必殺のフロッグ・スプラッシュを発射も、日高が回避して自爆させる。日高はショーンキャプチャーでヒザを極めるが、関札はロープにたどり着く。
日高はローキック連打で入念に足を潰してからスピンキック。「今度こそ!」と石見銀山を狙うが、関札が首固めで切り返す。日高がなんとか返すも、関札がアイアンマン(※スーパーマンと同型)。キックアウトしながら日高が足を取る。関札は極められながらレッグロールクラッチもカウントは2。関札が突っ込んでいくが、日高が素早くバックを取ってタイガー・スープレックス。さらに石見銀山で突き刺して3カウントを奪った。
<試合後コメント>
日高郁人
「ありがとうございました。親指……じゃない、右の中指が脱臼しました試合中に。まさかこんな怪我の報告が第一声になるなんて……。そんなことよりも、今日残念ながら体調悪くて帰られましたが、このジュニア王座の防衛戦を許してくださった佐山先生、そして他団体のストロングスタイルプロレスでの防衛戦を認可してくださった大日本プロレスさん。ありがとうございました。なんか、記者会見でもインタビューでもSNSでも、なんか綺麗事ばっか言っている自分になんか気がついて。今日になって。そうじゃねえなと思って。僕は旭川の山奥で佐山先生に習ったのは、ただ相手を倒すために闘う。ベビーフェイスとか関係無いんだって、そういうことを教わったんだと思って。だから、ただ関札皓太を倒すために今日はリングに立ちました。たぶんね、年齢は随分離れてますけど、関札皓太は俺にとってライバルです。まだまだ関札との闘いはこれからも続くと思う。まだまだ道の途中ですね、今日も。まだ道の途中だ。まだまだ、まだまだ、佐山先生が起こしたみたいなジュニアヘビー級ブームを起こすために、まだまだ昇っていくんで。どうぞこれからも、このBJW認定ジュニアヘビー級王座を巡る闘いにご注目ください。ありがとうございました」
――フィニッシュ前にタイガー・スープレックスを繰り出していたが、佐山先生がいない中でどういう思いで出したのか
「ふとですね、闘っていて、石見銀山を何度も切り返されたし、ふとバックが取れたんで『俺昔やってたな』と思って。それでとっさに繰り出しました。でも、なんかあそこまで来たら、もう『石見銀山で決めてーな』と思って。あんだけ防がれてたから。だから、すぐに石見銀山につなげましたけど。そういう点でもホントに最後は機転が利いたなと自分で思います。やっぱこれは、こんなの言ったら簡単ですけど、キャリアの差ですよ。僕のほうがキャリアを積んできてる。その差です。だから関札皓太が僕のキャリアになったとき、僕はこの業界にはきっといない。だから、そのキャリアになったときに、お前が今日の俺みたいにドヤ顔をして、後輩の選手に言ってやってくれ」
――今回は叶わなかったが、次回以降に佐山先生にジュニアの頂上対決を見せたいという思いはあるか
「佐山先生に?それはありますね。今日もきっと映像で見てくださると思っているんで。なので、映像でも見ていただきたいと思うし。以前ZERO1で僕と高岩竜一でダブル選手権をやったときに立会人をやってくださったこともあって。そのときも見ていただいているし、そのときから随分月日が流れてますけど、今の日高郁人を見ていただきたい。佐山先生に憧れてプロレスラーになって、もう52歳にもなってしまった。プロレスにしがみついてしまっているこのチャンピオンの闘いを見ていただきたいというのはあります」
第5試合
ジャガーとクイーンの対面でゴング。
タイガーステップを踏むクイーンはジャガーにロックアップで組み付き、真っ向からの力比べ。ジャガーが押し込んでクリーンブレイク。
クイーンがソバットからヘッドロック。腰投げでテイクダウンも、ジャガーがすぐにヘッドシザースで切り返す。クイーンがネックスプリングで抜け出してクルーンブレイク。両者タッチ。
薮下とプリンセスの対面。プリンセスが鋭い蹴りで牽制。薮下が蹴り足を獲ってグラウンドに引き込み、長い髪を掴んで引き倒す。さらにロープに振るが、プリンセスがアームドラッグからローキック、ミドルキック、ローリング・ソバットと連撃。ロープに飛ぶが、ジャガーがエプロンからキックを見舞ってカット。CRYSISの2人がロープに振ってダブルのクローズライン。薮下が顔面を踏みつけつつキャメルクラッチで捕らえ、ジャガーが顔面にドロップキック。薮下がさらに腕固めから腕十字で痛めつけ、さらに三角絞めへと移行。クイーンがカットに行こうとすると薮下は技を解いて警戒。ジャガーにタッチ。
ジャガーはプリンセスをロープに振ってバックエルボー。さらにDDTからパイルドライバーでぶっ刺す。敢えてカバーには行かずに「起きろ!」と一喝。ジャガーはプリンセスの顔面をロープにこすりつけ、サミングから再び顔面をロープでこする。続けてチョーク攻撃からスリーパーホールド。プリンセスはなんとかロープに足をかける。
ジャガーはプリンセスにコブラツイスト。さらにスクールボーイもカウントは2。ジャガーは顔面へのニーリフト連打からロープに飛ぶが、プリンセスがカニバサミからお転婆ダッシュ、ブーメラン・アタック、低空ドロップキックと連撃。
クイーンにタッチ。ブーメラン・アタックの形が崩れて妙な形で着地してしまったプリンセスは左の前腕を痛めたようで動けなくなり、ドクターチェックが入って戦線離脱。
孤軍奮闘することとなってしまったクイーンはジャガーにミサイルキック。薮下がすぐさまカットに入って2人でロープに振るが、クイーンがダブルのドロップキックからダブルのランニング・ネックブリーカー・ドロップ。クイーンがブレーンバスターを狙うが、ジャガーが高角度DDTで切り返して薮下にタッチ。
薮下が凶器の黒帯でクイーンを猛連打。場外戦となり、ジャガーがエプロンからクイーンへウルトラ・タイガー・ドロップ。戦いの場がリングに戻ると、クイーンが薮下にバズソーキック。
ジャガーが場外からリングにイスを投げ込んで気をそらすと、薮下が一本背負い。ジャガーにタッチ。
ジャガーは変形ドラゴンスクリューから足を取るが、クイーンが残る足でスピンキック。カバーに入るが薮下が黒帯攻撃でカット。
クイーンのローンファイトは続く。ジャガーがバックドロップを狙うが、クイーンが素早くバックを取ってジャーマン。さらにムーンライト・コースターを発射も、これをかわしたジャガーがジャックナイフ。これを返したクイーンは強烈なエルボーから肩車して山嵐を狙うが、ジャガーがリバース・フランケンシュタイナー。クイーンはこれも2で返す。
クイーンはジャーマンを狙うが、ジャガーがカサドーラで切り返して3カウント。プリンセスが戦線復帰することは叶わぬまま決着が付いた。
<試合後コメント>
ジャガー横田&藪下めぐみ
ジャガー「なんか、3回目の防衛のわりには結構つらかったね今日」
藪下「今日は自分はあんまり出てないんで。ジャガーさんが(笑)」
ジャガー「年寄り使うな!(笑)でも、フォローをいっぱいしてくれてるから。良かった」
藪下「いえいえいえ」
ジャガー「タイトルって、やっぱり重いですね。なんか散々チャンピオンになってきましたけど、こうして乗り越えて行って強くなるのがやっぱチャンピオンなのかなと、つくづく思いました。なんか3回目にして、つらかったな。なんかいろんな思いが」
――タイガー・プリンセス選手に試合中アクシデントがあった
ジャガー「やっぱり怯んじゃいけないので。やっぱクイーンだってそうだし。そういう意味ではいい闘いをしていたと思うんです、客観的に考えて。だって、2人いる私たちがつらかったもん。それってすごいことですよね。普通は余裕があるはずなんで。1人いなくなってるんだから。それが却ってつらかったように感じるのはなんでなんだろうなって、今思いますね」
(※クイーンはノーコメント。プリンセスは大会終了後に救急隊によって搬送されていった)
第6試合
自身の選手コールの途中で村上が奇襲し、拳と拳で殴り合い。スーパーがバタリと倒れ込んだところで村上が場外へと蹴り出し、各方面の観客席へと叩き込んで圧倒。プロレスの試合というよりストリートファイトのような“闘い”が繰り広げられる。
村上はスーパーのマスクを破り捨てようとするが、激怒した和田良覚レフェリーが必死に阻止。しかし、頭に血が上ったスーパーは和田レフェリーを巻き込んでなぎ倒しながら村上と殴り合っていく。
村上はイスでぶん殴った後にリングに上げ、メチャメチャに蹴り続ける。さらにコーナーに叩きつけて右ストレートから顔面踏みつけ。タイガーはその足を掴んで払いのけ、ラリアットを発射。かわした村上がSTOで叩きつける。
村上は「来いやァ!」と両手を広げてスーパーが起きるのを待つ。スーパーが起きてハイキックを放つと村上は敢えてノーガードで受けてバタリと倒れる。直後にスーパーが牙斬を叩き込んで3カウント。
<試合後コメント>
スーパー・タイガー
――かなり大荒れの展開になったが、最後の決め手になったのはなにか
「やっぱり今まで培ってきたもの、練習してきたものが、最後自分の命救ってくれたなと思ってます」
――あの左ハイキックは瞬間的な反応で出たのか
「そうですね。今まで色んな闘いの中で、無意識に。最初のパンチでそこから先……もう洗濯機の中に入れられたことないですけど、多分、その中の気分で。どこで頭打って、何があってっていう。その中で……かすかな隙が見えたんで、そこしかないと」
――ベルトを取り戻して、どういったチャンピオン像を見せていきたいか
「今はまだ頭が働いてないんで。ただ、あるべき場所に返ってきた。そして言えるのは、こっからがまた闘いだって。また来年、いろんな敵が来ると思うので、それを初代タイガーマスクの名のもとに倒していくだけです。……すみません、ちょっと意識が。ありがとうございました」