SECRET BASE 10.18西調布大会 アミーゴ鈴木が本格復帰!無差別級王者の豪は神楽とシングル戦
- 2014-10-21
- 試合
- SECRET BASE
SECRET BASE 西調布大会
日時:2014年10月18日(土)
開始:18:30
会場:東京・西調布格闘技アリーナ
観衆:52名
▼第1試合 3WAYマッチ 30分1本勝負
○"削岩小僧"クラシック・キッド(フリー)
9分34秒 アルゼンチンコースター→片エビ固め
●フェリスト
※もう一人は安部行洋(フリー)
▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○黒田哲広(アパッチプロレス軍)
13分16秒 逆エビ固め
●服部健太(シアタープロレス花鳥風月)
▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○柴田正人(U-FILE)/神田愛実(世界プロレス協会)
13分16秒 リバーススプラッシュ→体固め
●宇宙銀河戦士アンドロス/中森華子(JWP)
▼第4試合 CAPTAIN OF THE SECRET BASE 無差別級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○豪
11分04秒 ブラックストーン→エビ固め
[挑戦者]●神楽(666)
※二代目王者豪が二度目の防衛に成功
▼第5試合 タッグマッチ 60分1本勝負
○清水基嗣/アミーゴ鈴木
18分08秒 ダブルアトミックボムズアウェイ→片エビ固め
ベアー福田/●三尾祥久
アミーゴ鈴木がSECRET BASE復帰戦で清水と組んで福田&三尾と対戦!
セミの豪vs.神楽が王者・豪の提案により急遽タイトルマッチに!
オープニング
DKこと川上大輔リングアナによる対戦カード発表から大会が開始されようとした時、入場テーマがかかり入場してきた豪。
豪「試合前にちょっと、時間貰えますか。
今日メインでアミーゴ鈴木が一年ぶりに復帰するらしいけど、セミで俺、豪がシングルマッチを行います。
でもタイトルマッチじゃない、ちょっとそこが気に入らない。
負けてもいいシングルなんて、負けても王座守れる。そんなシングルなんて……俺はしたくない。
どうでしょう……セミファイナル、タイトルマッチにしようかと思います。どうでしょうか?(館内拍手と歓声)
ではあとは、代表の清水さんですね。清水さん、ちょっと来て下さい。」
清水基嗣が控室から出てくる。
豪「代表、という事で……セミ、僕のシングル。
僕は攻めの……"攻めの王者"でいたいので、セミファイナル、タイトルマッチにしてもいいですか?」
清水「チャンピオンがそう言うなら……それでOK。」
豪「代表の許可も出たので、セミファイナル豪対神楽、タイトルマッチ決定です!!」
かくして突如決まったCAPTAIN OF THE SECRET BASE無差別級選手権試合。神楽にとってはこれ以上ないチャンスが降ってきた。
第1試合
入場する三選手、『スパーク青木よりスパークポーズの似合う男』と自称する安部行洋は珍しい黒のコスチューム。
IGFでの闘いを終え、SECRET BASEのマットに帰ってきたクラシック・キッド。試合直後の手四つならぬ手六つの体勢ではフェリストと安部をパワーで凌駕する。組み合うのを嫌がる安部は隙を見てスクールボーイで丸め込む。
フェリスト、キッドと結託して残る一人を攻め込むがことごとく裏切り、結局自分が一番ひどい目に遭ってしまう安部。懲りずに何度も丸め込みでフォールを狙い、結局キッドと組んでフェリストを狙う事で落ち着いた。
しかしキッドがフォールに入ると関西からのゲストレフェリーであるえみりにちょっかいを出す安部。キッドもお返しとカウントを取るえみりの腕を蹴飛ばしなかなか決着がつかない。
安部とキッドの誤爆を誘い、得意のスワントーン・ボムで反撃するフェリスト。だが不用意に突っ込んだ所を安部の波動拳でやり返されてしまう。
フォールをカットしたキッドがフェリストを担ぎ上げ、阻止しようと近づく安部を食い止めると必殺のアルゼンチンコースター。混戦の3WAYマッチにピリオドを打った。
第2試合
黒田が入場するなり、館内から黒田に対する声援。気を良くする黒田とはうらはらにコーナーでうなだれてしまう服部。こんなやり取りが数回続く中試合開始。
若手らしい機敏な動きで黒田を撹乱する服部、館内からのエールに「やっと応援してくれましたね」と笑顔を見せる。
しかしここ最近のSECRET BASEマットで分厚く高い壁となっている黒田はそう簡単に崩せない。それどころか館内からの「哲っちゃんかわいい!」という声援が起こると、反則攻撃を注意するレフェリーのバーブ佐々木に対し「かわいいからいいだろ!」と無茶な反論をする程の余裕を見せる。
串刺しラリアットをかわし、頭部へのキックからドロップキックで反撃した服部は、「SECRET BASE二回目ー!手裏剣エルボー!!」と叫ぶと独自のムーブから串刺しエルボーを叩き込む。
低空ドロップキックを黒田の胸板に叩き込んだ服部。だがノーザンを阻止した黒田が串刺しラリアットから哲っちゃんカッター。
それでもまだ服部は生きていた。黒田のラリアットをかわすと、グラウンドコブラの体勢から両足を極めていく。意表をついたサブミッションに驚いたのか、必死にロープに逃げた黒田。更にトリッキーな動きからノーザンで黒田を叩きつけた服部、カウント2。
勢いづいた服部、しかし黒田はガットショットからDDTへ。フィニッシュに持ち込もうとするが、ブレーンバスターで逆に投げ飛ばす服部。再びロープに走るが、待っていたのは黒田のラリアット。何とかカウント2で跳ね返した服部だが、黒田は逆片エビ固めで絞り上げる。一度はロープに逃げた服部だったが、十分に腰を据えた黒田の逆エビ固めでギブアップ。
第3試合
柴田の入場テーマで一緒に入場した柴田と神田。"シバタブラザーズ"としてコールされると共に両手を掲げるポーズ。
久しぶりにSECRET BASEのリングに立った中森、ゴールドのコスチュームに身を包み臨戦態勢。パートナーへの一抹の不安を除いて……
宇宙の平和を守りつつ、生き別れになった妹を探しているアンドロス。毎回の恒例となっているマイクパフォーマンスに対して、"実の妹"(アンドロス称)である中森が『長い!』と突っ込む。更にアンドロスを突き飛ばして自ら先発を買って出る中森。兄の面目丸つぶれ。
カウンターのフロントキックで神田をダウンさせた中森、アンドロスとタッチしてツープラトンのタックルを狙うが...シバタブラザーズ妹である神田に二人まとめて吹っ飛ばされてしまう。
"宇宙銀河戦士柴田正人"(アンドロス称)が出てくると、全く歯が立たなくなってしまうアンドロス。"宇宙の戦い"の代名詞であるサミングを馬乗りになって連発するが、柴田→神田の順でボディースラムで叩きつけられるわ、柴田にはマスクの角の部分を鷲掴みにされて引きずり回されるわと酷い目に遭ってしまう。
窮地に追い込まれたアンドロス、咄嗟に出た脱出方法は……セクハラ攻撃! 当然の如くシバタブラザーズの更なる怒りに火をつけてしまう結果となった。
とどめとして、兄妹合体攻撃を用意していたシバタブラザーズ。柴田の背中に神田がおぶさってプレスするという、視覚的にも重量感あふれる必殺技。
「重いー!!」
合体攻撃が決まろうとした瞬間、柴田が叫びリングに横たわってしまう。そう、神田が柴田の背中に飛び乗る瞬間発生する重力は想像を超えるものだったのだ。まさしく兄妹の絆が生んだ、諸刃の剣の必殺技である。
ところが...次の瞬間観客の目に飛び込んだのは、柴田を横目に再びセクハラ攻撃で脱出を試みるアンドロスの姿であった...これには同じ女性である中森も激怒、強引に交代するとアンドロスを場外に転げ落とす。
ここから中森が今までの劣勢を一気にひっくり返す程の活躍を見せる!巨漢の柴田を相手にしても一歩も引かない。アンドロスも入ってくると二人がかりでのブレーンバスター、このまま"宇宙銀河戦士兄妹(違)"が押していくかと思われた矢先……
勢いよく飛び込んできたアンドロス、相手コーナーに思いっきりぶつかってダウン。難なくフォールの体勢に入る柴田。中森が『何やってるんだ!』とカットに入るが、シバタブラザーズの串刺し攻撃や合体プレス、最後は柴田のリバーススプラッシュをまともに食らってフォール負けしてしまうアンドロス。
勝ち名乗りを受け早々に戻るシバタブラザーズ、それを追いかけるように中森が歩むと、ダウンしているアンドロスを踏んづけてしまう始末。
試合後のマイクアピール、ダメージが蓄積されてしどろもどろになってしまうアンドロス、見かねた中森が強引にマイクを奪い取ると「いい加減にして! 久しぶりにSECRET BASEさんに参戦したんですけど、アンドロスがセクハラみたいなの見せて、すっごい気持ち悪くなったし、もっと弱くなったし! 私にもしお兄ちゃんがいるとしたら、アンタみたいに弱くない。私は妹じゃありません。本当は……って言うか私! ベアーさんとか清水さんとかと組みたいのに、何でいつもアンドロスさんなんですか!?(場内笑い)」
ここまではいつもの通りなのだが、この後の中森の言葉に誰もが耳を疑った。
「おいアンドロス!アンドロス、お前の妹見つけたよ!(場内驚きの反応)明日! ボリショイさんの25周年大会が水道橋て5時半からあるんですけど、"宇宙銀河戦士アマデウス"っていう……最近仲良くなったんですけど、お兄ちゃん探してるの、その娘も。」
何とここで中森から"妹が見つかった"発言!
アン「今度一緒に組んで、宇宙の戦いを二人でやろう!」
中森「……伝えておくよ。」
長い間妹を探し続けているアンドロス、ようやくゴールにたどり着けるのか?
翌日のJWP女子プロレス「ボリショイ25周年記念 仮面武道晩餐会」にて、中森華子の言っていた事が事実であったことが証明された。
世界のボリショイ軍団vs.MMW(マスコット・マスクウーマン・レスリング)軍全面対抗戦キャプテンフォールイルミネーションマッチ。
MMW軍の一人としてリングに上がった"宇宙銀河戦士アマデウス"。
試合前には兄・アンドロスがこよなく愛する『宇宙Tシャツ』を着用し、場内に『宇宙コール』を呼びかける。さすがにここ最近兄と会っていないせいか、"宇宙の戦い"をリング内で繰り出す事は無かったが……
アンドロスの妹であるアマデウス。果たして同じリング上で、二人の再会は果たされるのか。"宇宙の戦い"を仲良く共演させる事はあるのだろうか。
第4試合
オープニングで豪が宣言した通り、タイトルマッチとなったこの試合。願ってもないチャンスに神楽は気合十分。試合が開始されてまもなく、ドロップキックで豪を場外に追い出すと一気にトペ・スイシーダを敢行する!
神楽の奇襲に面食らってしまった豪だが、場外でペースを取り戻す。神楽を鉄柱に固定させてミドルキックを乱発、しかし四発目を神楽がかわすと鉄柱にミドルが誤爆。
ここから神楽による様々な足殺しが披露される。叩きつけたり、ロープを使ったり、一つ一つが繰り出されると豪の苦しむ声が館内に響く。
トップロープとセカンドロープの間に豪の足を固定させて、そこにミサイルキックを放った神楽。続けて足四の字固め、何とかロープに手を伸ばす豪。
リバースデスロックで豪の両足を極める神楽、両腕を掴んで反り上げると背中を踏みつける荒技カーフスタンプ!全く受け身の取れない状態で上半身を叩きつけられた豪、カウント2でフォールを跳ね返すと『3じゃないのか?』とレフェリーに詰め寄る神楽。
フィストドロップ、ダイビング・ヘッドバットも照準は豪の足。ブレーンバスターを着地されバックを取られると豪の右膝を蹴り飛ばして脱出する神楽。ロープに走る神楽、掻い潜ってバックを取ると一気に投げっぱなしジャーマンで叩きつけた豪がここで劣勢を跳ね返す。
串刺しラリアット、コーナーに座らせた神楽の胸板に低空ドロップキック。決めるぞ!と場内にアピールするとブラックストーン(=高角度パワーボム)の体勢に。神楽が踏ん張ると、豪は顔面へのステップキックから再び神楽を仕留めにかかる。
持ち上げられた神楽、しかしウラカン・ラナで長身の豪を丸め込んでいく。続けて膝への低空ドロップキックからラ・マヒストラル。返されると豪の両腕を極めて丸め込む神楽。
後頭部へのジャンピング・ハイで豪をぐらつかせロープに走る神楽。得意のソバットで神楽をストップさせると、振り向きざまの右ハイでなぎ倒した豪。フォールを返されるとロープに走ってラリアット、一度は神楽が両腕でブロックするが居合抜きでの一発を叩き込む豪。カウント2。再びロープに走り込んで正調のラリアットを叩き込むと、自らジャンプして更に落差を大きくするブラックストーンでカウント3。激しいダメージを負った神楽は試合後も這い蹲るようにして控え室に戻るほど。
王座を防衛した豪、11月15日に向けて立ち止まっている場合ではない。そして当日このリングで復帰した彼に対してもある思いがあるようだった。
第5試合
アミーゴ鈴木が一年ぶりにSECRET BASEのマットに帰ってきた。純血のタッグマッチがカードに連なるのも随分と久しぶりとなる。
先発はアミーゴとベアー福田、福田が無差別級王者であった頃最初に挑戦に名乗り出たのがアミーゴであった。まずはじっくりとリングの感触を確かめるように組み合う両者。
福田が三尾と交代、三尾はアミーゴと同時期に切磋琢磨していたレスラーの一人。ブランクがあるためキャリアの差はあるが、ある意味同期と言っても良いであろう。アミーゴのニーリフト、ボディースラムが三尾に出された所で清水と交代。
清水は三尾をグラウンドやアームホイップで翻弄するが、ドロップキックで反撃して福田と交代。清水も自軍コーナーに福田を運んでいくとアミーゴと交代、再びアミーゴ対福田の局面に。
福田の胸板にチョップを繰り出していくアミーゴ、しかしここから福田が逆水平やエルボーで応戦、打ち負けてしまったアミーゴがローンバトルを強いられる結果に。福田と三尾によるアミーゴ復帰の手痛いお祝いなのであろう。
三尾を担ぎ上げてフェースバスターで叩きつけようやくアミーゴが清水と交代。コーナーに控える福田をカットすると、串刺しエルボーから人間風車、ギロチン式エースクラッシャーと波状攻撃。スパインバスターを切り返して後頭部へのジャンピングソバットで反撃した三尾、バックドロップから鎌固めと繋ぐ。アミーゴがカットに入ると福田と交代。
福田は清水に串刺しラリアット、ブレーンバスター、ランニング・ボディープレスからキャメルクラッチ。赤コーナーからアミーゴが清水に檄を飛ばす。その声が届いたのか、エルボーを掻い潜ってコードブレイカーで反撃した清水がアミーゴにタッチ。
胸板を真っ赤に染められながら、気迫で福田とのエルボー合戦を挑んだアミーゴ。ショートスパンの三連打を打ち込みロープに走るアミーゴ、福田が払い腰で叩きつけ続けてラリアット、三尾と交代。
三尾は串刺しエルボーからふらつくアミーゴに延髄斬り、膝をついたアミーゴへの低空ドロップキック。隙を与えない連続攻撃からジャーマンの体勢へ。バックエルボーで振りほどいたアミーゴ、ロープに走った三尾の足元に倒れこんで上半身をマットに叩きつける。両足を極めつつ立ち上がると三尾の背中にエルボーを叩き込んでいくアミーゴ。
首を掻っ切るアピールから復活のスリーアミーゴス(=ロコモーションブレーンバスター)を豪快に決めたアミーゴ、続けて三尾の両足を極めひっくり返すと両足・腰・首をまとめて極めるジャベ。福田のカットで助けられた三尾、アミーゴはここで清水と交代。
清水のブレーンバスター、背後に着地した三尾はスピンキックを狙うが、かわした清水がドロップキック。アミーゴが福田をカットすると、三尾に対してダブルのエルボーからヌカドーラで叩きつける。
勝機を掴んだ清水、三尾の両腕をクロスさせパイルドライバーの体勢で持ち上げると、両膝を付いて三尾の脳天をマットに突き刺す!観客にも戦慄が走ったこの技、クロスアーム式フロントツームストンとでも呼べば良いのであろうか。フォールは福田のカットで免れたものの、ダメージの深い三尾は続けて清水が決めたトップロープからのダブルアトミックボムズアウェイの前にフォール負け。
SECRET BASEへの復帰戦を白星で飾ったアミーゴ鈴木。祝福する清水、そこにベルトを防衛した豪がやって来る。
「鈴木さんの復帰を待ってましたよ。何故待っていたかと言うと……
僕がこのリングで負けた相手が三人いるんですよ。ベルトをもぎ取ってリベンジを果たしたベアー福田、今このリングにはいないけど小川内潤、そしてもう一人がアナタなんですよ。
もっとあの頃みたいにバリバリにコンディション整えて、僕のベルトに挑戦して来て下さいよ。」
と自分の保持するベルトへの挑戦を指名する豪。対するアミーゴは「豪、俺がいない間にチャンピオンになったなお前。よくあの福田を倒した。今、この復帰したての状態でお前のベルトに挑戦させろとは言わねぇよ。コンディション十分整えたら、お前のベルト獲りに行くから待ってろや!」
アミーゴもやる気は万全。固く握手を交わし包容する両者。SECRET BASEの絶対王者を目指す豪と、曲者アミーゴ鈴木のタイトルマッチはここから再び始まったのであった。
<試合後コメント>
アミーゴ鈴木
「いきなりキツい試合でしたね。福田と三尾のチョップで胸が真っ赤になっちゃいました。久しぶりに受けたからな〜。
一年ぶりだったけど、三尾はあまり変わってないような気がしました。俺も復帰したばかりであまり大きな事言えませんけど、またあの頃みたいに戻ってみせますよ。期待していて下さい!」
【記事提供/Photographer Samhan-Takashi】