永島勝司 ゴマシオ親父のつぶやきR[第10回]

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今日は、格闘技の話とは全く別に最近腹が立って仕方ないことがあるんだ。まあ、言ってみれば国と国との格闘技とも言えるよな。
この7月4日で、北朝鮮の日本人拉致問題のあるひとつの結論が出るはずだったのが、全くなしのつぶて。それに対して、俺が最も腹が立つのは日本の拉致被害者家族の会の対応だ。口から出る言葉は一つ。「日本政府は何をやっているんだ。何も進展しないじゃないか。早く私たちの家族を返してください」そればかり。
俺は思う。あなた達は自分の肉親を北朝鮮から返して欲しいという事について、いったい何をやったの? 横田さん夫妻にしても、増元なにがしという事務局長にしても、言うのは日本政府への愚痴ばかり。

今、俺が思うのはもう10年前になるかな。俺が内外タイムスの編集局長だった時、北朝鮮に行った猪木が帰国してすぐ、俺に言ってきたんだ。「向こうは、いつでも門戸を開いている。こちらに来てくれればいつでも彼らと会う用意がある。窓口は猪木さんに任せる」という、猪木のコメントを聞いて、俺はすぐ記者を拉致被害者家族の会に派遣した。
その時の向こうの代表(特に名は秘す)が言った言葉が問題だ。「何を猪木ごときが言っているんだ。そんなことをやったら北に利用されるだけだ。帰れ!」と言われて記者は帰ってきた。
その瞬間からこの被害者家族の会の裏には何かあるな?と感じた。俺は民間人として、猪木に次いで15回も北朝鮮に行っている男だ。向こうが信頼する猪木を通じてコメントを出したことを、なぜ信じられないんだ。俺は決して北の擁護をするわけではないが、一度信頼した人間に対して、絶対に裏切らないと今でも信じている。

拉致被害者家族の会の人たちが、自分の置かれている立場を全く解っていない。猪木も何とか助けようと努力しているのに解ろうとしない人達にあえて言いたい。
俺が一番好きな言葉に“一歩踏み出す勇気を持て”というのがある。今皆さんがいろんなところで国民に対して、解ってください、理解してください、応援してください。と、言い続ける前に自分達のやるべきことが一つだけあるはずだ。政府云々を言うより前に自分達で行動を起こすべきだろう。それが、“一歩踏み出す勇気を持て”ということだ。自分達で、北朝鮮に乗り込め。団長として、アントニオ猪木、馳浩、という最高のパイプを持った国会議員がいるじゃないか。あなた達が一歩踏み出さなければこの問題は100%解決しない。

格闘技の世界にも絶対不可能といわれることを可能にするには、一歩踏み出さなければ何も変わらない。俺は腹が立ってしようがない。
横田さん、一歩踏み出してみなよ!(敬称略)

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