松本浩代自主興行6.28新木場大会 ヒロヨの逆襲 松本浩代復帰戦 松本浩代vs.中島安里紗
ヒロヨの逆襲
日時:2015年6月28日(日)
開場:17:30 開始:18:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:315人(超満員札止め)
▼第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負
●SAKI(LLPW-X)
11分6秒 120%スクールボーイ
○小林香萌(WAVE、ASUKA PROJECT)
▼第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負
●星ハム子(アイスリボン)
8分24秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
○紫雷イオ(スターダム)
▼第3試合 タッグマッチ 20分1本勝負
○川村亮(パンクラスism)/将火怒(ZERO1)
12分36秒 変形ネックロック
●趙雲子龍(新北京プロレス)/ジェイソン・リー(ZERO1)
▼第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負
●永島千佳世(OZアカデミー)/水波綾(WAVE)
14分57秒 土蜘蛛
大畠美咲(WAVE)/○紫雷美央(ユニオン、OZ、WAVE、アイスリボン)
▼第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●松本浩代
23分14秒 ドラゴンスープレックスホールド
○中島安里紗(JWP)
“破壊する織り姫”松本浩代、約11か月ぶりの復帰戦で中島に敗れるが「ただいま!」
縁のある選手が出場し超満員となった初の自主興行!ヒロヨの逆襲はここからスタート
オープニング
まず最初に主催者でもある松本浩代が浴衣姿で登場。マイクを持った松本は「帰ってきたぞー!」と絶叫。大「松本」コールを感極まった表情で聞いていた松本は「皆さん、本日は本っ当にたくさんのご来場ありがとうございます! ヤバイ! 感動……早いよ! 今日は天候にも恵まれて?(苦笑)天候にも恵まれました! ちょっと怪しいかもしれないけど、そんなときはこちら(※松本浩代特製傘を広げながら)があるのでご安心を! も〜、こんなこと言いたかったんじゃないんだよぉ。今日のヒロヨの逆襲は私が今までお世話になった人や、関わってきた人たちに出てもらっています。選手たちは本当にプロフェッショナルな方たちばかりなので、全試合楽しんでいただきたいなと思います。詳しくはパンフレットをご覧ください。でもやっぱり注目していただきたいのは、松本浩代vs.中島安里紗。ケガをしてから11か月……流れていくプロレス界に置いて行かれそうになって怖くなったときもあります。けども、そんなときに応援してくれている人だったりとか、プロレス好きだって思いがどんどん強くなっていきました。さらに強くなっていきました。なので、たかが欠場期間11か月、そんなもん屁じゃないんですよ! 本当に今日、今から始まるヒロヨの逆襲にご期待していただきたいと思います。それでは開始したいと思いますが、もちろん私のあの合言葉で興行を開始したいと思います。分かりますか? 分かりますか? ぶっ壊すぞーなんですけど、これは皆さんと叫びたいです。皆さんがぶっ壊したいものを何か言ってください。会社の上司でもいいし、自分のお腹の脂肪でもいいです。それを言ってぶっ壊すぞーで興行開始したいと思いますので、皆さん用意はいいですか? いいですか? いきますよ。せーの、中島安里紗、ぶっ壊すぞー!」と叫んで大会を開始。
第1試合
LLPW-X/ブリバトのSAKIと、WAVEとASUKAのダブル所属の小林香萌のシングルマッチ。まずSAKIがショルダータックルでなぎ倒し、アームドラッグで投げていくが、小林もアームドラッグで投げ返す。
手四つの力比べになると、そこからSAKIが投げていく。そしてサーフボードストレッチに捉えたSAKIは、そのまま小林を両足で持ち上げていく変形のロメロスペシャルから逆片エビ固めへ。ロープに逃れた小林はドロップキック3連発で反撃。
さらに串刺しドロップキック2連発から「お返しだー!」と逆エビ固めへ。すぐにロープに逃れたSAKIはコブラツイストに捕らえると、逆エビ固めを狙うが、そこを丸め込んでいった小林。カウント2で返した先はショルダータックルで何度も小林を倒していく。
ダイヤル固めで回していったSAKIはそのままキャメルクラッチ。小林は後転してエビ固めを狙ったが、SAKIの足がロープにかかる。エルボー合戦になると、小林はことごとくSAKIのエルボーをかわしてエルボーを叩き込む。
ブレーンバスターを狙った小林だが、踏ん張ったSAKIは逆にブレーンバスター。ブブルズ・アンヘリートからリバーススプラッシュを投下したSAKIだが、かわして自爆させた小林はフィッシャーマンズ・スープレックス。カウント2で返されるとラ・マヒストラルを狙うが、SAKIは押し潰して抑え込む。
その後も小林は丸め込みを連発。SAKIも必死に切り返すと、走り込んできた小林をコブラツイストに捕らえる。さらにジャイアントスイングから逆片エビ固めに捕らえるが、小林はどうにかロープに脱出。
10分が経過し、今度こそリバーススプラッシュを投下したSAKIはブレーンバスターを狙うが、踏ん張った小林。SAKIはトーキックからロープに飛ぶが、小林はカウンターで120%スクールボーイで丸め込んで3カウント。
第2試合
当初出場予定だったコグマの欠場によりスターダムからは紫雷イオが参戦。そこでアイスリボンの星ハム子と約5年8か月ぶりの対戦が実現することになった。同じアイスリボンということでハム子のセコンドにはイオの姉である美央がつく。
ワンダー・オブ・スターダムのベルトを腰に巻き、コーナーから前宙してリングインしたイオ。いつも通り片膝立ちで握手を求めるハム子に戸惑いながらも応じたイオ。大「ハム子」コールが起こる中、ヘッドロックの応酬からロープに飛ばしたハム子。イオはリープフロッグでかわしていくが、ハム子は寝転んでセクシーポーズ。
するとハム子はイオにもセクシーポーズを要求。「オラ、やってみろ!」と挑発したハム子の前で一度は寝転ぼうとしたイオだが、「やるわけねぇだろ!」とフロントキック。さらにハム子の顔面やお腹を踏んづけていくイオ。それを見たセコンドの美央が「ハム子がブスになっちゃうよ!」。
怒ったハム子はお腹をぶつけていくと、コーナースプラッシュからお・し・り・だー!からのフェースクラッシャー。そして逆エビ固めの体勢で四股を踏んでからシャチホコ固めに捉える。逆片エビ固めにスイッチしたハム子だが、イオは辛くもロープに脱出。
走り込んできたハム子をカニ挟みで倒したイオは、ロープにハム子の顔を擦りつけてから619。さらにスワンダイブ式ミサイルキックで吹っ飛ばしたイオは、串刺しダブルニーを発射。コーナーに登ったイオだが、ハム子が背後から引きずり降ろす。チョップを返したイオだが、ハム子は走り込んできたイオに体当たりすると、シャイニングハラザード。
だが、ダイビング・ボディプレスをかわして自爆させたイオは倒立からダブルニーを落とすと、その場飛びムーンサルトを投下。ダルマ式ジャーマンを狙ったイオだが、ハム子がファイアーマンキャリーで切り返す。イオはエビ固めで丸め込もうとするが、押し潰したハム子はスライディングローラー攻撃でカウント3寸前まで追い込む。
しかしイオは側転フェイントからドロップキックで吹っ飛ばすと、ダブルアーム式フェースバスターで叩き付けてからムーンサルトプレスを投下して3カウントを奪った。試合後も片膝立ちで握手を求めたハム子に対し、イオも敬意を表してセクシーポーズ。そして2人揃ってのセクシーポーズを披露してみせた。
第3試合
ジェイソン・リーと趙雲の中国タッグと、ZERO1の将火怒とパンクラスの川村という超異色タッグが対戦。中国語で会話して(?)先発を決めた中国コンビ。趙雲vs.川村で試合開始。中国拳法の構えを見せる趙雲を見て思わずニヤリとする川村。お互いに牽制の蹴りを出していくと、趙雲がタックルを狙うがうまくかわした川村は将火怒にタッチ。
ジェイソンが出てきてZERO1対決になると、まずは将火怒がショルダータックルでなぎ倒してから、リープフロッグを狙ったジェイソンをキャッチしてパワースラム。将火怒の串刺し攻撃をかわしたジェイソンは丸め込んでからの低空ドロップキック。さらにカットに入ってきた川村をカニ挟みでロープに激突させると、趙雲が川村を踏み台にして場外の将火怒に向かってプランチャ。
ジェイソンも場外にダイブしてから将火怒をリングに戻す。将火怒を踏みつけながらロープに何度も往復した趙雲だが、将火怒は地獄突きからモンゴリアンチョップを返すと川村にタッチ。趙雲の足を蹴飛ばしていった川村はアキレス腱固めへ。さらに将火怒とダブルのレッグスプリット。
将火怒はヘッドバットを落とすと、コーナーに叩き付けてからヒザを押し付け、さらに顔面を踏みつける。趙雲も川村にチョップを打っていくが、受け止めた川村は張り手。だが、カンフーキックを返した趙雲はジェイソンにタッチ。ドロップキックを叩き込んだジェイソンは、将火怒を川村に投げつけると、ドロップキックで2人まとめて吹っ飛ばす。
さらに川村に掌底の連打から串刺しドロップキックを叩き込んだジェイソン。川村は左右の掌底からローキックでダウンさせると将火怒にタッチ。串刺しラリアットからブレーンバスターで投げた将火怒は水面蹴りからレッグドロップ。バックドロップを着地したジェイソンはソバットからドロップキック。
タッチを受けた趙雲は将火怒を踏み台にしてタッチしようとしていた川村にジャンピングエルボー。さらに将火怒の攻撃をかわしてカンフーキック。カンフー殺法からロープに飛んだ趙雲だが、将火怒はニールキックで迎撃すると川村にタッチ。
将火怒とトレイン攻撃を狙ったが、かわした趙雲は将火怒に串刺しキック。さらに川村にダイビング・カンフーキックを叩き込むと、ゴリースペシャルの体勢。そこにジェイソンがフェースクラッシャーで合体。さらにチャイニーズボムズアウェイを投下したが’カウントは2。が達攻撃を狙った中国コンビだが、将火怒がジェイソンをカナディアンバックブリーカー、川村が趙雲をフロントネックロックで捕獲。
そこから趙雲にトレイン攻撃を決めた将火怒&川村は、続けてダブルのブレーンバスター。さらに将火怒の阿波欄ぢゅほールドから川村がランニングニー。カウント2でジェイソンがカットすると、川村は趙雲にミドルキックを連打。趙雲もスクールボーイからの首固めで丸め込むと、走り込むが川村は掌底の連打からハイキック。倒れた趙雲を袈裟固めに捉えた川村はそのままネッククランチで絞め上げていってタップを奪った。
湘南からゆるキャラが応援に
休憩明け、味方冬樹リングアナから松本が『第65回湘南ひらつか七夕まつり』の織り姫に選ばれたので、湘南スターモール商店街のゆるキャラである「ひらつかナナ姫ちゃん」と「湘南ひこまるくん」が応援に来てくれたといって呼び込む。
花道にゆるキャラ2体が登場すると、スタッフの方から「リングとはまた違う松本さんの姿が見られると思います」と『第65回湘南ひらつか七夕まつり』をPRした。
第4試合
大畠&美央のプラスマイナス2015がOZの永島&WAVEの水波という松本と同じく靱帯を痛めて長期欠場した経験のある2人と対戦。なぜか入場するなり滾りまくっている水波を見て大畠は早々とコーナーに下がる。それを見た美央は「この人、そういうところがあるんですよ」。
すると美央が永島に攻撃していき、水波の背後から大畠が誘導灯で攻撃。さらに美央が誘導灯で殴打してから大畠がフェースクラッシャー。しかし水波はショルダータックルを狙った美央はショルダーブロックでなぎ倒すと、永島にタッチ。
キチンシンクからフットスタンプを落とした永島が美央をロープに貼り付けると、水波が腹の肉をつまんでいく。怒った美央は「調子に乗るな!」と永島にフロントキック。さらに大畠の低空ドロップキックと美央のサッカーボールキックのサンドイッチ攻撃から、大畠が踏みつけ式サーフボードストレッチ。
そして2人がかりで永島を踏みつけるが、永島も串刺し攻撃を狙った大畠にぶら下がり式腕十字。そこから大畠の両手を踏みつけた永島は、ロープにもたれ掛かる大畠の顔面にフロントキック。さらに水波が「美央の様子がおかしい」とレフェリーにチェックに行かせると、その間に大畠の手に噛みついていく。
さらに滞空時間の長いボディスラムからレッグドロップを落とした水波はキャメルクラッチ。そこに永島が入ってきて大畠の手の平を何度も踏んづける。しかし大畠も永島の串刺し攻撃をかわして回転エビ固め。さらに美央がエプロンから大畠を捕まえると、そこに突進してきた永島に張り手。
さらに大畠がクロスボディーを見舞っていくと、美央は永島と水波をまとめて女郎蜘蛛(=ぶら下がり式首4の字固め)に捉える。そこに大畠がドロップキックを叩き込むと、美央が永島にミサイルキック。だが永島もジャーマンを返すと、水波がスライディング式レッグドロップを投下。
水波の串刺しラリアットから永島がフェースクラッシャーを決めると、水波がレッグドロップ。しかし、美央もクモノス(=飛び付き式卍固め)を返すと、そこから回転エビ固め。STOを返した水波だが、美央は顔面へのフロントキックを叩き込んで大畠にタッチ。串刺し式クロスボディーからダイビング・クロスボディーを決めた大畠はC.R.B.(=足を極めない鎌固め)。
永島がカットすると、大畠は水波にエルボー。だが、水波もエルボーを返していくと、大畠はエルボーから走り込むが、カウンターのフロントスープレックスで投げた水波。大畠もジャーマンを返すとダブルハンマー。しかし3発目をブロックした水波はショートレンジラリアット。
両者タッチして誘導灯で殴りかかる美央を蹴り飛ばして誘導灯を吹っ飛ばした永島は裏投げで投げてからワキ固め。さらに腕固めにスイッチするが、美央はどうにかロープに脱出。カニ挟みで永島を美央が倒すと、エプロンから大畠が低空ドロップキック。さらに美央が619からフロントキック。だが、水波が入ってきてプラスマイナスにスピアー。プラスマイナスをコーナーに乗せた永島と水波は同時に雪崩式フランケン。
美央と永島がエルボー合戦になるが、打ち勝ったのは永島。しかし誘導灯で殴打していった美央。永島は美央の両足をすくって倒すと、そこに水波がダイビングギロチンを投下。さらに永島がフィッシャーマンバスター。カウント2で返すと、大畠のダブルハンマーから美央が延髄斬り。
しかし美央の蹴りをキャッチした永島はドラゴンスクリュー。さらにウラカン・ラナで丸め込んだが、大畠が顔面へのバラ鞭攻撃でカット。すかさず美央がエグ蹴り(=バズソーキック)から土蜘蛛(=首4の字固めに捕らえた状態からの丸め込み)で丸め込んで3カウント。
第5試合
2014年8月に左ヒザ十字靱帯断裂&半月板損傷という大ケガをしてから長期欠場していた松本浩代がいよいよ復帰戦を迎える。当初は木村響子を相手に復帰する予定だったは、木村の負傷欠場によりほぼ同期のJWP中島安里紗と約6年半ぶりの一騎打ちが実現することになった。
煽りVでは『ゴジラ』のテーマに乗せて、約6年半前の対戦からその後別々の道を歩み続けた両者……そして松本が約11か月ぶりにリングに帰ってくるこの一戦は、W-1の村山大値レフェリーが裁く。
高山善廣ばりに恐竜の鳴き声を“前奏”にしたテーマ曲で入場した松本。ハム子と欠場中の花月がロープを開けて待っていると、ゴジラのマスクを被って登場した松本は“雨女”らしく、自ら(背中に背負った噴霧器で)雨を振らせながら登場。リングサイドを1周してから花道に戻った松本は気合いを入れてリングイン。一方、その様子を見ることもなく天を仰いでいた中島。
ガウンを脱いだ松本はオレンジに獣の毛がついたワイルドなニューコスチュームを披露。すると中島から握手を求めていき、松本が応じて試合開始。首の取り合いからヘッドロックに捕らえた中島だが、これは松本が脱出。
手四つの力比べになると、ジリジリと松本が押し込んでいき、押し倒す。袈裟斬りチョップの乱れ打ちから中島をロープに飛ばして袈裟斬りチョップを叩き込んだ松本は、中島のクロスボディーをキャッチしてコーナー二段目に押し込むと、「中島安里紗、ぶっ壊すぞ!」とコーナースプラッシュ。
中島の顔面を踏みつけた松本はヘアーホイップで投げていくが、怒った中島も張り手からヘアーホイップをお返し。さらに松本をコーナー際で踏みつけた中島はサーフボードストレッチに捉える。さらにハンマーロックで絞りあげた中島だが、足をすくって上になった松本はマウントエルボー。
スイープしてエルボーを返した中島だが、松本はTKシザースから逆エビ固めへ。ロープに逃れた中島だが、串刺しニーを返す。松本もコーナースプラッシュをお見舞いするが、エルボーを叩き込んだ中島はニヤリ。松本も真っ向からエルボー合戦に応じるが、中島はDDTで切り返すと、松本の顔面にフロントキック。ダブルアームの体勢に入った中島だが、松本はリバースで切り返す。
そこを回転エビ固めで抑え込んだ松本だが、中島はゆりかもめに捉える。ロープに逃れた松本だが、中島はニーを連打するとまだ立ち上がれない松本の顔面にランニング・フロントキック。さらにミサイルキックを発射した中島はバックを取る。
エルボーで振り解いた松本だが、中島はニーリフトから走り込む。しかし松本はキャッチしてシュミット流バックブリーカー。さらにシュミット流バックブリーカー2連発から逆エビ固め。リング中央でどっしり腰を落とした松本だが、中島はジリジリとロープに這って行く。しかし松本はリング中央に引き戻すと、逆片エビ固めへにスイッチ。それでも中島は辛くもロープに逃れる。
10分が経過し、コーナーに登った松本は馬乗りナックル。さらにリングサイドカメラマンをどかせると、ファイアーマンキャリーで持ち上げた中島を場外に落とそうとしたが、背後に逃れた中島はジャーマンで投げ捨てる。だが、松本は東海道落とし(=アルゼンチンバックブリーカーからのストマックバスター)。
場外にエスケープした中島を追いかけた松本は、中島をひな段席後方まで連れていくが、中島も必死でエルボーを打っていく。中島のグーパンチにキレた松本は張り手。さらにお互いにイスを投げ合うほどエキサイトするが、松本は張り手を見舞ってからリングに戻ろうとする。背後からしがみついた中島はイスを投げつけて松本を場外に落とすと、コーナー最上段からダイビング・フットスタンプを投下。
場外カウント15で中島が戻ったが、松本はなかか立ち上がれない。19でどうにか生還したことで15分が経過。中島は立ち上がろうとする松本にミサイルキック3連発を発射すると、強引にジャーマンで投げたがカウントは2。
松本も急角度バックドロップを返してダブルダウン。村山レフェリーがダウンカウントを数えるが、カウント8で両者ともどうにか起き上がり、マットにヒザをついたままエルボーを打ち合う。そのまま立ち上がり激しいエルボー合戦に。そこからバックドロップを狙った松本だが、中島はサムソンクラッチからフットスタンプ。だが、松本もカウンターエルボーからC.T.B.(=クラッシュ・サンダー・バスター)のようなフェースバスター。
首をかっ斬るポーズからバックドロップを狙った松本だが、中島は回転エビ固めで切り返す。キックアウトした松本は片膝立ちの中島にラリアットを叩き込むと、急角度バックドロップ。カウント2で返されるとライガーボムを狙った松本だが、どうにか防御した中島はグーパンチ。
そこから中島が張り手を叩き込むと張り手合戦から張り手の相打ちに。中島がヒザをついたところに強烈な張り手を叩き込んだ松本。20分が経過し、松本はワンツーエルボー。だが、中島もエルボーからドラゴンスープレックスで投げ飛ばすと、松本に左右のエルボーを連打してから引き起こし、髪を掴んだままエルボーを連打。だが、ロープに飛んだ中島に松本はバックエルボーを叩き込むと、中島をコーナーの上に座らせる。
雪崩式バックドロップを狙った松本だが、中島は雪崩式回転エビ固めで切り返すとフロントキック。かわした松本だが、中島はランニングニーを叩き込む。返す刀でローリングバックエルボーを叩き込んだ松本だが、バックを取った中島はダルマ式ジャーマン。カウント2で返した松本だが、中島は間髪入れずドラゴンスープレックスで投げて3カウント。
エンディング
勝った瞬間、試合前同様、天を仰いだ中島。大の字に倒れたままの松本だが、その動きはほぼ完全復活と言っていいだろう。松本の前に座り込んだ中島だが、「松本ーーーーっ! 松本ーーーーっ! おかえり」と声をかける。それを聞いた松本は中島をしばらく見つめてからマイクを持ち「ただいま」と返事をしてから「悔しい……かな? 悔しいな! 悔しい、悔しい、悔しい。でも嬉しい! 正直、今日、中島と闘うまでは嫌だったよ闘うの。分からないけど、理由なんて分からないけど何となく。でも終わって、こんだけ悔しい気持ちにさせてくれるのはあんたっていうのが気に食わない! 気に食わないから私は絶対やり返す。絶対すぐに追い抜かす。これは……決めた。元から決まってたけど。それでもこの11か月、たかが11か月だけど私にとっては長かった。でもそれも1つの私のプロレスラー人生だと思ってる。楽しいときも悔しいときも、悲しいときも嬉しいときも全部このリングで感じられるのが、私は本当に幸せ! 私の人生そのもので、私はこのリングで人生を選んで本当によかったと思っています。私は絶対に諦めない! ネバーギブアップだ、この野郎! ……はい。皆さん本当に今日は…分からない。これも1つの私の逆襲だと思ってこれからも楽しみにしてください! ありがとうございした」と思いの丈をぶちまけた。
最後の記念撮影でも肩を組もうとする中島に対し、悔しさから拒否した松本。これには観客からも温かい笑いが起こる。記念撮影を終えて選手たちが引き上げていくと、最後に一人リングに残った松本は深々と頭を下げてからリングを降りた。
<試合後コメント>
松本浩代
ーー試合を終えていまの気持ちはどうでしょう。
「まぁ欠場期間11か月なんですけど、今こうやって闘いを終えて何か……闘う気持ちにブランクって関係ないんだなっていうのを思いました。リングに上がれば本当に欠場ことなんか忘れるし、本当に目の前にいる相手を倒したい、勝ちたいっていう思いしかないので。本当に欠場なんて関係ないなって思いました」
ーーってことはブランクをあまり感じず、肉体的にもすぐ戻ったって感じ?
「戻れたっていうか、今回こういう結果なので、戻れたか戻れてないかっていうのは……私にとって戻れたっていうのは勝ちってことなので。こういう結果なんで、戻れたとは言いたくないけど、それを言い訳にもしたくない。でも闘う気持ちは私にとってまったく衰えてなかったです。逆襲っていう言葉に思いを込めて今日来ましたけど……あぁ、こういう始まりかって感じなので。まあ今回こういうふうにリングに戻った意味、リングに戻りたいって思った自分の心、私は正直になってここに上がったつもりなので、自分の心に嘘偽りなくこのプロレス界で私は生きていきたいです」
ーーいち度木村(響子)選手との対戦が決まったが、木村選手がケガをしてしまって、対戦相手が中島選手になった理由は?
「闘いたくなかったからっていうのもあります」
ーー闘いたくなかったから敢えて(復帰戦の相手に選んだ?)
「闘いたくない相手ってやっぱり自分の心の引っ掛かりだと思うんで。今回リングに戻る決意をしたときに、その心に嘘をつきたくなかったからっていうのがあると思います。やっぱり一番を獲りたくてこのリングに戻るので、全員ぶっ倒す。その中でもやっぱこういう人を倒すのが自分にとっての始まりに相応しいのかなと思って指名させていただきました」
ーーいち番になるために、敢えて一番闘いたくない相手を倒さなければいけない、と。
「もちろん一番になるために戻ってきたんで! 本当に人生プロレス……こんなに好きになったものがない(※涙ぐむ)。私は本当にプロレスが大好きで、理由なんて分からないけど、ケガの期間でさえプロレスラーでよかったと思えるくらい好きで。周りを見る機会もあったけど、ほかのものに戻りたいなんて何も思わなかったです」
ーー試合をしてみてヒザのほうは?
「見ての通りです」
ーーこのあとは以前レギュラーで参戦していた団体を中心に上がる感じ?
「はい。今のOZでの復帰戦はアジャ・コング戦が決まっています。やっぱり私はシングル狙っていきたいんで。(横浜)文体も控えていて、アイツの参戦も決まってます。何か自分を中心にいろいろつなげていきたいです」
ーー復帰してみて具体的な目標はありますか?
「ざっくりと。私は証を残していく。自分のこのプロレス界に生きている証を深く刻んでいきたい。それがやっぱり一番になることに関して絶対的なことだと思うので。証っていうのはもちろんベルトだったり、プロレスラーとしての人間性、総合的なものだと思うので。すべてにおいて一番を獲ることが一番(の目標)です」
ーー今回、初めての自主興行でしたが、やってみてどうでしたか?
「フフフ……お〜。フフフ……いや……忘れました(笑)忘れました! でも忘れるぐらいの場所だったと思います」
ーーよく観客も集まったじゃないですか。
「本当にありがたいです。やっぱり欠場中も本当に支えが大きかったです。今日もたくさんの方から、もう引退式なんじゃないかってくらい連絡が来て(苦笑)。これはなんだっていう気持ちになったんですけど、そういう気持ちもやっぱりこれからにつなげていくのが恩返しだと思うので」
ーー例えば鈴木みのるさんに何て声かけられたんですか?
「……何か余計なこと言うと怒られそうなので(苦笑)。連絡はいただきました」
ーー6年半ぶりにぶつかった中島選手の印象はどうでした?
「印象……印象……何かやっぱスゲー嫌いですよ(笑)。好きにはなれない。でもやっぱり好きにはなりたくない、闘っていくから。……です!(苦笑)」