W-1 6.18後楽園大会 鈴木vs.近藤のW-1チャンピオンシップ、武藤vs.黒潮、new Wild order入団査定マッチ
WRESTLE-1 TOUR 2015 OUTBREAK
日時:2015年6月18日(木)
開場:17:30 開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1100人(満員)
▼第1試合 WRESTLE-1vs東京愚連隊 タッグマッチ 30分1本勝負
○大和ヒロシ/芦野祥太郎
6分45秒 首固め
NOSAWA論外/●MAZADA
▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○浜亮太
5分30秒 オオキドプレス→体固め
●中之上靖文
▼第3試合 WRESTLE-1vsDESPERADO タッグマッチ 30分1本勝負
○船木誠勝/アンディ・ウー
7分41秒 ハイブリッド・ブラスター→片エビ固め
KAZMA SAKAMOTO/●エル・イホ・デル・パンテーラ
▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
カズ・ハヤシ/●田中稔
14分48秒 S・K→エビ固め
○吉岡世起/ジェイ・フレッディー
▼第5試合 “new Wild order”入団査定 6人タッグマッチ 30分1本勝負
AKIRA/征矢学/●熊ゴロー
13分10秒 リバース・タイガードライバー→体固め
5代目ブラック・タイガー/○葛西純/村瀬広樹
▼第6試合 WRESTLE-1vsDESPERADO タッグマッチ 30分1本勝負
○KAI/TAJIRI
8分23秒 スプラッシュ・プランチャ→片エビ固め
河野真幸/●パニッシャー・ビッグ・ブルート
▼第7試合 Road to KEIJI MUTO スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
○武藤敬司
13分7秒 ムーンサルトプレス→体固め
●黒潮“イケメン”二郎
▼第8試合 WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
[王 者]○鈴木秀樹
19分25秒 ダブルアーム・スープレックス→片エビ固め
[挑戦者]●近藤修司
※第4代王者・鈴木が2度目の防衛に成功
近藤に苦戦したもののW-1王座V2の鈴木にKAIが自ら髪の毛を刈って“覚悟”の挑戦表明!
観客を味方につけた黒潮だが武藤が貫禄勝ち!new Wild orderに葛西と熊ゴローが加入
第1試合
Cheer♡1の前説のあと、スクリーンで1分前からのカウントダウン。オープニングVTRでカード紹介したあと、最後は「さぁ始めよう。俺たちのプロレス」のナレーション。
松岡修造風の格好をした大和は例によって歌いながら入場。そして「芦野、お前最近結果を出してないよな」と言った大和は「ハッキリ言って熊ゴローのほうが目立っているよな? 悔しいよな? 悔しいか? 今日、この場で変わってみせろよ! お前なら出来るよ! 生まれ変われるよ」と言って、「努力」と書かれたハチマキを手渡す。
2人してハチマキをして愚連隊を待ち構える大和と芦野。とにかく気合い入りまくりで先発を買って出た大和はいきなり論外にスピアー。さらに芦野とダブルドロップキックからのトレイン攻撃。
これを蹴りで迎撃した論外だが、芦野は諦めずに突進。しれでも蹴りで迎撃される芦野。大和も場外に追いやられると、愚連隊は芦野に連係攻撃。MAZADAが芦野をサーフボードストレッチに取れると、大和がドラゴンリングインして芦野に檄を飛ばす。
それを見た論外もドラゴンリングインしてMAZADAに檄を飛ばす。芦野もようやくカウンターでエルボーを返すとタッチしようとするが、大和は観客に向かって「応戦して!」と呼び掛けるのに夢中で芦野に気付いていない。仕方なく自力でMAZADAをフロントスープレックスで投げた芦野は大和に張り手でタッチ。
ロープに飛び乗っての一直線(=背面アタック式ヘッドバット)を見舞った大和は、串刺し式スピアーからカミカゼで叩き付けると、足を踏みならす。そこからコーナーに飛び乗った大和はダイビング式一直線。そこに芦野が入ってきてバックドロップで投げると、大和はダイビング・セントーンっを投下。
しかしこれをかわして自爆させたMAZADAは論外と合体式フラップジャックから合体式バックドロップ。さらにラリアットを叩き込むが、芦野がカウント2でカット。ならばと正田落とし(=フィッシャーマンバスターの体勢からの開脚式ドライバー)で叩き付けるが、これもカウントは2。もう一度正田落としを狙ったMAZADAだが、大和は首固めで切り返す。
カウント2で返したMAZADAは逆に首固めで丸め込むが、大和は反転して逆に抑え込み3カウントを奪った。
<試合後コメント>
大和ヒロシ&芦野祥太郎
大和「お前最高だな!」
芦野「ありがとうございました」
大和「ちょっと、全然ダメとかないんだよ。正解なんかあるわけないんだよ。いいか? 答えはない。答えがないから俺たちは一生懸命やるしかないんだよ。俺たちが答えを作るしかないんだよ」
芦野「はい」
大和「もしかしたら、それも答えじゃないかもしれない。でも、でも俺もそうだし、お前もそうだし、一生懸命やるしかない」
芦野「はい」
大和「な? 唯一正解があるとしたらそこだけだ。お前は今日そこに一歩近づいた。今日このWRESTLE-1にいる誰よりも真っ先に、一番早く! この答えに近づいたんだ」
芦野「はい」
大和「頑張れ! 頑張れ!(抱きしめる)」
芦野「はい!」
大和「行くぞ!」
芦野「はい!」
第2試合
浜から握手を求め、中之上が応じてから試合開始。まずはヘッドロックに捉えた中之上だが、ロープに飛ばした浜はショルダーブロック。さらにショルダータックルでなぎ倒した浜は、倒れた中之上の腰の上に乗っかっていくと、ヘッドバットとハンマーでコーナーに追い詰めてヒッププッシュ。
さらにコーナースプラッシュからスティンクフェイスを決める。中之上もエルボーを連打すると、回転エビ固めを狙う。浜はハマケツ(=雷電ドロップ)で潰そうとしたが、かわした中之上は後頭部に低空ドロップキック。
さらに串刺しラリアット2連発からランニングネックブリーカー。ダイビング・エルボードロップを投下した中之上だが、カウントは2。KNOCK AWAY(=ランニングエルボー)を食らっても倒れない浜。3発目を狙った中之上に体当たりした浜だが、中之上は返す刀でKNOCK AWAYを叩き込んでなぎ倒す。
しかし浜も走り込んできた中之上にラリアットを叩き込むと、エルボードロップを投下。どうにかカウント2で返した中之上だが、浜はオオキドプレスを投下して3カウント。
<試合後コメント>
浜亮太
「いや今日、久々に中之上選手とね、シングルマッチやったんだけどね、俺らもやっぱりプロレス入った時からの同期生だから、いや楽しかったね。久々にやったら確実に力つけてるし。やっぱ、昔から二人三脚でね、いい時も辛い時も2人で耐え抜いてきたからね、今があるわけで。やっぱ同期が一番いいよね、心が通じ合う。夫婦みたいなもんだから。彼もデビューするまで2年ぐらいかかってるわけだからね。できる我慢は我慢じゃない。できないことをね、我慢するのがほんとの我慢だから。その我慢を彼はしてきたから今があるわけで。これからも彼と一緒にタッグ組んでもいいからね、WRESTLE-1盛り上げたいですね。やっぱ同期が一番。楽しかった!」
第3試合
右足を負傷して欠場となった土肥だが、松葉杖をつきながらセコンドにつく。アンディとパンテーラの先発で試合開始。アンディをコーナーに乗せたパンテーラはチョップを打っていくが、ハリケーン・ラナで投げていったアンディは、アームドラッグで投げてからドロップキックを叩き込んで船木にタッチ。
ミドルキックを連打する船木だが、蹴り脚をキャッチしたパンテーラはサミングを見舞っていきKAZMAにタッチ。ミドルキックからアキレス腱固めに捉えた船木だが、KAZMAはロープに脱出。
ニーリフトからハーフダウンのKAZMAにローキックを叩き込んだ船木はアンディにタッチ。ダブルのミドルキックを叩き込むと、アンディがバックブロー3連発を叩き込む。しかしKAZMAも両手を突き出して「ちょっと待って!」と叫ぶと、面食らって動きが止まったアンディに延髄斬り。
そこから場外乱闘に雪崩れ込むと、客席にアンディを叩き付けてからリングに戻す。南部式ナックルから「ダスティ!」と叫びながらバイオニックエルボーを叩き込んだKAZMAはパンテーラにタッチ。カウンターエルボーからエプロンに出てアンディを抑え付けると、KAZMAが背中を引っ掻いていく。
しかしアンディもパンテーラに飛び付きフェースクラッシャーを返して船木にタッチ。御堂キック、ローキックを叩き込んでいった船木は胴絞めスリーパー。カットに入ったKAZMAはパンテーラとトレイン攻撃。さらにサンドイッチ式トラースキック。パンテーラをコーナーに登っていくが、そこに倒立で飛び付いたアンディが投げ落とすと、船木が蹴り飛ばす。
さらに船木はハイブリッド・ブラスター(=リストクラッチ式変型ツームストンパイルドライバー)を狙うが、背後に逃れたパンテーラはスクールボーイ。その間にアンディがKAZMAを場外に追いやって三角飛びプランチャ。カウント2で返した船木はパンテーラの攻撃をかわしてランニングローを叩き込むと、今度こそハイブリッド・ブラスターで叩き付けて3カウント。
<試合後コメント>
アンディ・ウー
「今日デビューしてから船木さんと……練習生の時厳しく指導してくれた船木さんと初めてタッグ組めて、そして勝てて幸せでした。次もう1回こういう機会があるなら、次回自分でとって、船木さんに成長したところを見せたいと思います。ありがとうございました」
第4試合
稔vs.吉岡のToo Sharp対決で試合開始。ロックアップからロープに押し込んだ稔だが、まずはクリーンブレイク。腕の取り合いから稔がグラウンドに持ち込むが、ヘッドシザースで切り返した吉岡。お互いにミドルキックを出すがブロックすると、ドロップキックは相打ちに。
続いてカズとフレッディーがリングイン。リストロックに捉えていったフレッディーだが、カズはモンキーフリップで投げていく。しかし手を離さないフレッディーはそのままモンキーフリップをお返しして再び腕を固めていく。
タッチを受けた吉岡もカズの左腕を蹴り上げるとワキ固めへ。稔がカットに入るが、フレッディーも入ってきて吉岡と同時にカウンターエルボーで稔とカズをなぎ倒すと、低空ドロップキックで場外に追いやってから同時にプランチャを投下。
カズをリングに戻すとフレッディーのキチンシンクかた吉岡がローキック、さらにフレッディーが顔面への低空ドロップキック。さらにブレーンバスターで投げたフレッディーは串刺し攻撃を狙ったが、かわしたカズはコンプリート・ショットでコーナーに叩き付ける。
タッチを受けた稔が入ってきてカズとサンドイッチ式低空ドロップキックから、カズがアラバマスラムで叩き付けたところに稔がニードロップを投下。さらにカズがライオンサルトを落とすと、稔はフレッディーを場外に放り投げる。すかさずカズが痛めつけてからリングに戻すと、稔が逆片エビ固めに捉える。
続いてカズがサーフボードストレッチからブラディーEX(=クロスアーム式スリーパー+バックブリーカー)へ。続いて稔は控えの吉岡にフロントキックを叩き込んでからフレッディーをコーナーに乗せる。
雪崩式ブレーンバスターを狙ったが、エルボーで叩き落としたフレッディーはミサイルキックを発射。10分が経過し、タッチを受けた吉岡はジャンピング・フロントキックからミドルキック。さらにシャイニング式カカト落とし。稔もロープに飛んだ吉岡にカウンターのドロップキックを叩き込むと、コーナー二段目からのミサイルキック。
吉岡も走り込んできた稔にカウンターのゼロ戦キックを叩き込むと、ハーフダウンの稔にS・K(=スライディング式レッグラリアット)を狙ったが、かわした稔はジャンピングハイを叩き込む。そこにカズが入ってきてトレイン攻撃。かわした吉岡だが、稔がハイキックを叩き込むと、カズがハンドスプリング・レッグラリアット。さらに稔がブレーンバスターからバズソーキック。
カウント2でフレッディーがカット。さらに場外に出されたフレッディーはカズのプランチャをかわすと、エプロンをダッシュして吉岡とサンドイッチキック。さらに吉岡がブレーンバスターで投げたところにフレッディーがダイビング・ヘッドバットを投下。続けて吉岡がファルコンアロー。カウント2だと吉岡はスワントーンボム。
かわした稔だが、吉岡はトルベジーノからのエビ固めで抑え込む。カウント2で返した稔だが、吉岡はS・Kを叩き込むと、がっちりとエビ固めで抑え込んで3カウント。
チャンピオンからピンフォールを奪った吉岡は「初めて稔さんから3つ取ったぞオラ! クルーザーのトーナメントで負けてから……違うな。タッグを組んでからこのタイミングを計っていたんですよ。稔さんを越すタイミングを計っていたんですよ! 次、いつでもいいぞ! そのWRESTLE-1クルーザーディビジョンのベルトをかけて俺と闘ってください」と4冠王の稔に対してクルーザーディビジョン王座への挑戦を表明。
それを聞いた稔は「世起君、キミの必殺技なかなかイテーじゃねぇか。今日、完全に3つ取られたからよ、俺の持っているクルーザーディビジョンをかけてやってやろうじゃねぇか。せっかくから近いほうがいいから7月4日新宿FACEでやってやろうじゃねぇか。決まったぞ、このスットコドッコイ」と吉岡の挑戦を受諾した。
<試合後コメント>
田中稔
「しんどかったですね。俺ああいう、イキが良くて先輩に遠慮しない後輩大好きなんで。あの、俺がタッグパートナーとして選んだの間違いじゃなかったですよ。ただ俺にミスがあるとしたら、俺に遠慮がなかったことだ。まあ、リング上で言ったとおり、7月4日新宿FACE、シングルでこいつ(=クルーザーのベルト)かけてがっちりやろうじゃねーか」
吉岡世起&ジェイ・ フレッディー
吉岡「センキュー。やりやすいよ。元々タッグパートナーだった稔さん、ちょこちょこ言ってたんですけど、タッグ組んでた理由、タッグベルト取りたかったですけど、それ以上に稔さんを越えてやろうと、吸収して越えてやろうっていう思いがあって。タッグ組んでて、今日はじめて3つとりましたよ、3カウント! これで、稔さん、超える可能性、全然あるでしょ。全然手応えありますよ。7月4日、新宿FACE、クルーザーディビジョン、とってやりますよ。WRESTLE-1で初のベルトとってやります!」
フレッディー「俺たちはもっともっと大きくなる。誰も追いつけないぐらい、吉岡世起とジェイ・フレディーはなり、1、2、3、でWRESTLE-1のチャンピオンになっていく。タナカとカズ・ハヤシのタッグチャンピオンも越えていく。俺ら若い世代が上に立つ時が来たんだ。俺はハングリーだぞ。吉岡がシングルのベルトを取って、すぐにタッグのベルトもとってやる」
吉岡「ベルトだベルト、クルーザーのベルトだ」
第5試合
new Wild orderの新メンバーを決めるプロレスラー版のワイルドオーディションとなるこの試合。髪に金のメッシュを入れていた村瀬、そして5代目のブラックタイガー、さらに葛西はテーブルを抱えて登場すると、コーナーに登って缶ビールを一気飲み。
先発を買って出る熊ゴローだが、征矢と小競り合い。その間隙を縫ってAKIRAが先発で出ていき葛西と相対する。ショルダータックルでなぎ倒した葛西は「ワイルド〜」と叫ぶと、「ワイルドだろぉ?」と聞き覚えのあることを言いながらAKIRAとスピーディーな攻防を展開。
ここでAKIRAは手を差し出す征矢を無視して熊ゴローにタッチ。ブラックは執拗に熊ゴローを指差して「反則だよ!」と主張すると、そのままリングを降りてしまう。村山レフェリーが「どこが反則なのか言ってみなさい!」と言うと、渋々リングに戻ったブラックはシレッと村瀬にタッチ。
ワイルドというよりはチャラくなった村瀬は、謎の決めポーズからエルボードロップを落としていく。しかし熊ゴローがアームホイップで投げていくと、征矢とAKIRAがカウンターの空手チョップ。だが、熊ゴローが征矢を突き飛ばしてAKIRAと一緒に決めポーズ。
怒った征矢が熊ゴローと小競り合いを始めると、そこに村瀬が襲いかかるが、3人はピタリと息を合わせて村瀬を迎撃。村瀬をスリーパーに捕らえた征矢は腰にエルボーを叩き込んでから熊ゴローにタッチ。エルボーからボディスラムで叩き付けると、AKIRAにタッチ。エルボー合戦からAKIRAは散々痛めつけてきた村瀬の左ヒザにストンピング。しかし村瀬は「ストイック!」と叫びながら征矢に逆水平チョップを打っていく。だが、「ワイルド!」と叫びながらの逆水平チョップで村瀬をなぎ倒した征矢。
だが、村瀬は征矢の串刺し攻撃を蹴りで迎撃するとスワンダイブ式ミサイルキックを返してブラックにタッチ。串刺しラリアットから征矢をコーナーに貼り付けたブラックは急所を蹴り上げる。そこからブレーンバスターを狙ったブラックだが、踏ん張った征矢が逆にぶっこ抜いて投げていく。
タッチを受けた熊ゴローはバックを取るが、ブラックは急所を蹴り上げてから葛西にタッチ。イスを振りかぶった葛西だが、キャッチした熊ゴローはイスを奪い取って逆に脳天を殴打。だが、余裕の笑顔で受け止めた葛西はラリアットでなぎ倒す。
そこにブラックと村瀬が入ってきてトレイン攻撃。そして村瀬がブレーンバスターで投げたところに、葛西はパールハーバー・スプラッシュを投下。ところがカウント2でブラックがカットし、ダイビング背面エルボーを投下。今度は葛西がカウント2でカットし、葛西とブラックが小競り合い。
そこに征矢が襲いかかっていくと、AKIRA、熊ゴロー、村瀬も入ってきて混戦に。するとAKIRAがテーブルを持ち込んできて、その上に葛西を寝かせる。コーナーに登ったAKIRAだが、村瀬が引きずり降ろすと、ブラックが征矢を場外に連れ出す。
ならばと熊ゴローがコーナーに登っていくが、起き上がった葛西がテーブルでコーナー上の熊ゴローを殴打してから、雪崩式ファイアーサンダーで叩き付けてテーブルクラッシュ。カウント2で征矢とAKIRAがカットしたが、葛西は脳天にイスを不利大須と、ロープで勢いをつけてのラリアット。
これを自力でキックアウトしてみせた熊ゴローだが、葛西はダメ押しのリバース・タイガードライバーで叩き付けると、ワイルドに筋肉ポーズをしながら体固めで抑え込んで3カウント。
マイクを持った審査員の征矢が「今日はですねnew Wild orderの新メンバーを決定する試合を行わせていただいたんですけど、それでは新メンバーを発表したいと思っております! 試合中ワイルドな、そして何と言っても勝利を収めた葛西純選手、ニューメンバーになりました! それともう一人、私個人的なこともありますが、試合には負けました。でもまだ彼は若い。ヤングワイルド、そんな奴が一人いました。熊ゴロー! お前も今日からnew Wild orderの一員だ。そして5代目ブラックタイガー、ストイック村瀬、君達今日はどうもお疲れ様でした! キミ(=村瀬)はそもそもワイルドじゃない。ストイックでしょ? それとあなた(=ブラック)の中身、高岩さんじゃないですよね? というわけで皆さん、今日からnew Wild order、この4人でやっていこうと思います!」と宣言。
「ひと言お願いします」とマイクを渡された葛西だが、「オイ学ちゃんよ、ひと言お願いしますって、全然ワイルドじゃねぇぞ! 俺らスポーツマンでもアスリートでもねぇんだよ。ワイルドレスラーなんだよ! 学ちゃんよ、俺っちが入団したからには『頑張ります』とか『応援よろしくお願いします』とか言わないんだよ。学ちゃん、おめーと俺っちがやるからにはよ、ここのテッペンだ。タッグタイトル狙っていこうじゃねぇかよ!」とアピール。それを聞いた征矢も「純ちゃん、純ちゃんがそこまで言うなら2人でタイトル獲ろうぜ。次のタッグタイトルマッチ、俺と純ちゃんで挑戦決定だ!」と、チーム246の持つタッグ王座への挑戦を表明。最後はAKIRA、熊ゴローも入れて新生new Wild orderの4人で記念撮影。
<試合後コメント>
new Wild order
征矢「new Wild order、4人でまた再始動してくからよ、よろしく頼むぞ!」
AKIRA「俺は? なんか、あの、呼ばれてなかったけど」
征矢「AKIRAさん元々new Wild orderじゃないですか」
AKIRA「だって俺、履歴書も送ったじゃねーかよ。テスト受けてくださいって言わなかった?」
征矢「言ってないですよ」
AKIRA「いや言ったよ!」
征矢「言ってないですよ」
AKIRA「言ったからテスト受けようと一生懸命で、ダメだったんだと寂しい思いしてたんだからさ!」
征矢「いやおかしいでしょ、始めっから。大変だったんですよ一人で選考するの」
AKIRA「何言ってんだよ! 俺さっきいたたまれなかったよお前! 泣きそうになったよ!」
征矢「いやいやいや、メンバーじゃないですか、二人で最初からやってた」
AKIRA「いいのか?」
征矢「いやいや、おかしいでしょ。そもそもなんでオーディション受けてるんですか?」
AKIRA「え?」
征矢「おかしいでしょ」
葛西「おかしい」
AKIRA「え〜! 葛西さんそっち側?」
征矢「絶対おかしいって」
葛西「おかしいよ」
AKIRA「じゃあ、いいよ」
征矢「欲張りでしょ」
葛西「出たがり出たがり」
征矢「出たかったんでしょ」
AKIRA「違うよ〜!」
征矢「いいよ、とりあえずじゃあ、new Wild orderこの4人で再始動してくからよ! これからよ、ワイルドに、そして、行くぜ!」
全員「ワイルドー!」
武藤ベアーが公式キャラ就任
第5試合終了後、WRESTLE-1公式マスコットキャラクターに就任した武藤ベアーが登場。大きな頭がロープにぶつかり、なかなかリングインできなかったため、コーナーからロープを乗り越えてリングイン。しかし、その際武藤同様にヒザを押さえて引きずるジェスチャー。
どうにかリングインした武藤ベアーはプロレスLOVEポーズ。武藤全日本時代はお馴染みのキャラクターだったが、これまで諸事情によりW-1に登場できなかったという。しかし晴れて公式マスコットキャラクターになったということで大歓声を浴びた。
<バックステージコメント>
高木三四郎CEO
「私がCEOに就任して真っ先に動いたのが、この武藤ベアー君を何とか公式マスコットキャラクターに就任されられないかってことで。それで動いてまして、無事に実現出来ることになりました。子供のファン、女性ファン、ファミリー層も含めてWRESTLE-1のファン層拡大のためにも必要ではないかと思いました。今後は会場で撮影会なども行って、他にもいろいろと展開していければと思っています。やっぱりキャラクターっていうのは大きいですよ。強いですよ。これから武藤ベアー君にはコキつか……いや、いろいろと頑張ってもらおうと思います。今後もいろいろやっていこうと思っていますので、WRESTLE-1よろしくお願いします!」
第6試合
鈴木秀樹に敗れ、ベルトも仲間からの信頼も失ったKAIと、DESPERADOから三下り半を突き付けらたTAJIRIがタッグを結成。KAIとTAJIRIはお互いに自分のテーマ曲でバラバラに入場。
一方のDESPERADOは南側客席の通路から水を撒き散らしながら入場すると、河野が葛西に襲いかかっていって試合開始。ブルートもTAJIRIにイスを投げつけると、逃げるTAJIRIを追いかけていく。
リングに戻されたKAIは河野にエルボーで向かっていくが、サミングを見舞った河野はブルートにタッチ。KAIをロープに押し付けて上から体重を乗せていったブルートは、さらにKAIを場外に連れ出すとKAZMAが羽交い締めにしたところに張り手。そこからリングに戻ると噛みついてからブレーンクロー。
どうにか脱出したKAIだが、カウンターのラリアットで吹っ飛ばしたブルートはジャンピング・ボディプレス。しかしラリアットを狙ったブルートに対してうまくかわしたKAIは延髄斬り。さらに河野が飛び込んでくるが、ドロップキックを見舞ったKAIは串刺しフロントキックで場外に蹴落としてトペを発射。
素早くリングに戻り、ブルートに串刺しフロントキックを叩き込んだKAIは延髄斬りからブレーンバスターを狙ったが、逆にブルーとが投げていくと、土肥がレフェリーを引きつけている間にDESPERADOのメンバーが乱入してトレイン攻撃。しかしTAJIRIが救出に入ってくると、KAIが河野に延髄斬り。
さらにTAJIRIが倒立キックで河野を場外に追いやると、ブルートにダブルの低空ドロップキック。さらにKAIがトラースキックを叩き込むが、河野が戻ってきてKAIにニーリフト。そこにTAJIRIが入ってくると、河野はストレッチボムを狙うが、TAJIRIはグリーンミストを河野の顔面に噴射。
河野を排除すると、KAIがブルーとにアリアットを連打。さらにTAJIRIのハイキックからKAIがトラースキックを叩き込む。そこからブルートの巨体をブレーンバスターで投げてみせたKAI。カウント2で返したブルートだが、KAIを突き飛ばしてレフェリーに激突させると、TAJIRIにチョークスラムを狙う。
だが、顔面にグリーンミストを噴射して防いだTAJIRIはバズソーキック。そこにKAIがスプラッシュ・プランチャを投下して3カウント。
試合後、KAIに握手を求めたTAJIRI。KAIが応じようとしたが、その手をスカしてニヤリと笑ったTAJIRIはそのまま退場。この2人、まだまだ本格的にタッグ結成というわけではいかないようだ。
<試合後コメント>
KAI
「これが意味するものは、なんなのか? やっぱイマイチTAJIRIのこと理解できないし、でも1%の可能性に今日かけてみて、結果よかったです。誰も倒してないね、WRESTLE-1のガイジン倒すことできたんで。もう俺は鈴木秀樹に負けた時点から、リベンジしか考えてないです。男はね、負けたまんまじゃいられないでしょ! 俺は最後に勝つまで言い続けますし、挑み続けますし、やりますよ」
――TAJIRIさんとのタッグはKAIさんとしては継続してもいいと?
「いや、わかんない。今日のね、タッグでこれ1%だったのが2%になっただけだから。まだまだちょっと、これはどうなるかわからない。これは作戦かもしれない。今日はこうやってやって」
第7試合
若手によるRoad to KEIJI MUTOトーナメントで優勝して武藤とシングルマッチで対戦する権利を得た黒潮は、いつも通り手鏡を片手にリングインしそうでしないたっぷりととした入場。さらにヒマワリ柄の赤いジャケットを脱ぎ捨てると、その下には水色地にイチゴ柄のジャケットを着ていた。そうやって観客を完全に味方につけた黒潮は大「イケメン」コールの中、満を持してリングイン。
だが、その会場の雰囲気を一気にひっくり返すほどの人気を誇る武藤が入場。コーナーで倒立し、両足で拍手をして「イケメン」コールを煽った黒潮は無駄にトリッキーな動きをしながら観客を煽る。
だが、黒潮のジャケットを掴んだ武藤は背負い投げで投げていくと袈裟固めへ。たまらず場外にエスケープした黒潮だが、武藤はコーナーに座って休憩。ジャンピングリングインした黒潮だが、ジャケットを掴むと奥襟を掴んでの払い腰から腕絡み。さらに体固めで体重を乗せていった武藤は送り襟締め。
これは反則になるため離した武藤はヘッドロックから投げていったが、スイープした黒潮。だが、武藤はショルダータックルでなぎ倒す。ヘッドスプリングで立ち上がった黒潮は、フライングメイヤーから掟破りのフラッシング・エルボー。だが、蹴り脚をキャッチした武藤はドラゴンスクリュー。
さらにヒザへの低空ドロップキックからアキレス腱固めへ。武藤は「イケメン」コールに表情を曇らせると、さらに極めていくが、黒潮はどうにかロープに脱出。右ヒザを傷めている黒潮だが、ドラゴンスクリューを狙おうとする武藤に張り手を連打。だが、ロープに飛ぼうとしても右ヒザのダメージで走れない。
すかさずヒザ裏に低空ドロップキックを叩き込んだ武藤は、またもドラゴンスクリューからアキレス腱固め。悶絶しながらも何とかロープを掴んだ黒潮だが、武藤はリング中央で足4の字固めへ。試合を決めにきた武藤にはブーイングが飛び、「イケメン」コールの大合唱。
これも何とかロープに逃れた黒潮だが、なかなか立てないでいると、武藤は右ヒザに低空ドロップキック。さらにドラゴンスクリューを狙うが、黒潮は延髄斬りを叩き込んで防ぐと、武藤の串刺し攻撃をかわしてもう一度延髄斬り。そして「フィニッ〜シュ!」と叫んでからアラビアンプレスを投下。
10分経過し、ブレーンバスターで投げた黒潮だが、武藤はカウンターでヒザへの低空ドロップキック。さらにシャイニング・ウィザードを発射するが、ブロックした黒潮はトラースキックからダイビング・ボディプレスを投下。
さらにもう一発トラースキックを叩き込むと、コーナー最上段からイケメンスパイラル(=捻りを加えたダイビング・ボディプレス)を投下。続けて高さのあるムーンサルトプレスを投下したが、武藤もカウント2でどうにか返す。トラースキックを狙った黒潮だが、キャッチした武藤はドラゴンスクリュー。さらにシャイニング・ウィザードを発射すると、狙いを定めてトドメのシャイニング・ウィザード。
だが、カバーにいかない武藤はバックブリーカーで叩き付けると、ムチを振り下ろすようなムーンサルトプレスを投下して3カウント。足早にリングを降りた武藤だが、持ち味を発揮した黒潮には惜しみない「イケメン」コール。四方に頭を下げた黒潮は、右足を引きずりながらも最後までイケメンらしく引きあげていった。
<試合後コメント>
武藤敬司
「まあなかなか苦戦したけど、なんとか、愛情ある気持ちで、まあ(黒潮の心は)折れちゃいないけど潰すことはできたかなって思ってます。なんか、あの、まあチャラチャラした部分ばかり目についたけど、ここ1ヶ月2ヶ月で船木と一生懸命やってきて、ちょっとこうね、最初グラウンドで攻めようと思ったけど、まだまだジャケット自体が邪魔になってるというか。あいつのさ、あの……実はね、グレート・ムタ戦以降、小川(直也)がジャケット(=柔道着)脱いだのと一緒で、やっぱりまだあいつにとってジャケットこなしきれてないというかね。あいつにとって攻める余地を与えるというか。それが今からの課題でもあるし、なかなかWRESTLE-1の未来を背負ったレスラーの一人でもあります」
――すごいイケメンコールと、武藤さんが攻めるとブーイングが起きるというあまりない現象が起きてましたが。
「まあ、所詮判官贔屓でしかとらえてないからさ。あとはあいつのパフォーマンスが若干受けてるだけであってさ。パフォーマンスっていうのはまだね、すぐお客さんも飽きるし、ただ彼らはもっともっと引き出しを増やせられる可能性のあるレスラー。だからようはそこのパフォーマンスだけで終わってほしくない、まあ攻めの中で若干そういう所を教えたつもりなんだけど、俺も俺で、まあまあ、動きがそんなにいいわけじゃないから、武藤敬司自身の。どこまで何をあいつにね、見せることができたのか俺自身もちょっと不安な所あるけど時間をかけてゆっくり。彼はまだいっぱいこれからプロレス人生待ってるわけだから。是非、今日の試合も一つの経験として笠にして欲しいですね」
――最後あえてムーンサルトを出した?
「ちょっと膝がよ、俺も攻めすぎて、こいつごときにムーンサルト出すのしゃくだなと思ったりもしたけどさ、一瞬迷ったんすよ。一瞬迷ったんだけど、仮にも俺の冠がついてる、Road to KEIJI MUTOを勝ち上がってきた敬意を表して。イケメン如きにムーンサルト出したくなかったけどよ、そこはあえて、あいつも皆俺の技二発ぐらい盗んできてるからな。あとでロイヤリティー請求してやるよ。あとはイケメンに聞いてやってくれ」
黒潮“イケメン”二郎
「強い、強いっすね。めっちゃ強い。全部、全部すごい。プロレス、僕、初めてきて、ほんとに自分の中での山場だと思ってたんですけど、山場というかこのプロレス人生で、今この三年半の中で一番山場だなと思って、今日武藤敬司選手と闘ったんですけど、すごかった。強い。強いというか強さだけじゃない! すごかった。強かったほんとに。イケメンワールドとかほんとに、目一杯こっちが気を張ってないと、1分でお客さんの空気流れて、5分以内になんもなくフラーっと試合終わってましたね。まだまだ、勉強することばかりです。でも今、この日本で、僕が今この日本で、やれるべき事というか、ちょっと今日出しきっちゃった気がしますね。これから先、ちょっと、考える事が課題が一つ出来ました。ただ感激です。武藤さんありがとうございました。フィニッシュ」
第8試合
W-1旗揚げ当初からヘビー級とジュニアヘビー級の階級の壁を取っ払った無差別級を掲げてきた近藤が、至宝奪還のため鈴木秀樹に挑むメインイベント。ベルトをリングに投げ込み、睨み付けるW-1セコンド陣を睨み返しながらリングインした鈴木。
村山レフェリーが拾ったベルトを肩にかけ、太々しい態度で選手権宣言を聞いた鈴木はボディチェックを受けながら村山レフェリーを睨み付ける。
ゴングが鳴ると前に出た鈴木は両手を上にあげて近藤を威嚇。近藤は逆に低い姿勢からタックルを狙うとするが、鈴木の防御が堅いと見ると手四つの力比べへ。ロープに押し込んでいった鈴木は殴りかかるが、かわした近藤。
ヘッドロックに捉えた近藤はロープに飛ばそうとする鈴木に対し、ヘッドロックを絞め上げて離れない。ならばとグラウンドに持ち込んで抑え込む鈴木だが、近藤は肩をあげながらヘッドロックで絞め続ける。ニーリフトでようやく脱出した鈴木は近藤を場外に投げ捨てる。
しかし素早くリングに戻った近藤は再びヘッドロック。ロープに押し込んだ鈴木はニーリフトからエルボー。これで近藤はヒザからガクッと崩れ落ちる。鈴木はキチンシンクから近藤の顔面を足蹴にしてからもう一発キチンシンク。しかし近藤は再びヘッドロックで捕獲。
ワンハンドバックブリーカーで叩き付けて脱出した鈴木はダブルアーム・スープレックスの体勢に。何とかコーナーに押し込んで防いだ近藤だが、そこから場外に雪崩れ込むと今度は鈴木がヘッドロック。そのまま客席に雪崩れ込んだ鈴木は、近藤を記者席前のステージに叩き付けると、「中に入れ!」と指示する村山レフェリーを睨み付けてから近藤にニーリフト。
リングに戻った鈴木は串刺しバックエルボーからコブラツイスト。そこからストレッチボムで叩き付けた鈴木は近藤の顔面を踏みつける。だが、その足を掴んで立ち上がろうとする近藤。だが、鈴木はエルボーを打ち下ろす。大の字にダウンした近藤にダウンカウントが数えられるが、カウント9で立ち上がった近藤。鈴木は顔面をニーリフトでカチ上げると、ランニングニーを叩き込む。
10分が経過し、鈴木は挑発するように近藤の頬を叩いていく。近藤は怒濤のニーリフトを連打すると逆片エビ固めへ。ロープに逃れた鈴木にマンハッタンドロップから低空DDTを決めた近藤はフロントネックロック。
ロープに押し込んでいった鈴木は、離れ際に鋭いエルボーを打ち込む。モロに食らってしまった近藤は前のめりにダウン。どうにか立ち上がった近藤をロープに振った鈴木だが、近藤は左ヒザに低空ドロップキック。さらに低空ドロップキック2連発からバックドロップ。ステップキックで顔面を蹴り上げていった近藤だが、これに怒った近藤は掌底を返していくと、顔面にドロップキックを叩き込む。
さらに背後からスリーパーで捕まえるが、近藤はロープを掴む。もう一度スリーパーを狙った鈴木だが、前方に投げて脱出した近藤は逆に胴絞めスリーパー。しかし鈴木の足がロープに届く。15分が経過すると、鈴木はエルボースマッシュから強引にダブルアーム・スープレックスを狙うが、リバースで切り返した近藤はもう一度胴絞めスリーパー。
だが、鈴木はそのまま立ち上がると背後のコーナーに叩き付けて脱出。しかし近藤はランサルセを決めてカウント2まで追い込む。串刺しラリアットからブレーンバスターで投げた近藤は右腕をあげてキングコング・ラリアットを狙うが、鈴木はボディへのヘッドバットで迎撃してバックドロップを狙う。
体を捻って押し潰した近藤はキングコング・ラリアット。ブロックした鈴木だが、近藤はショートレンジで後頭部ラリアットを叩き込むとスリーパー。だが、鈴木はショルダーアームブリーカーで切り返すと、エルボーから延髄斬り。さらに急角度バックドロップでカウント2まで追い込む。
大の字にダウンした近藤だが、鈴木が近づいてきたところを下から蹴り上げるとキングコング・ラリアットを狙う。かわしてバックを取った鈴木はフルネルソン。しかし払いのけた近藤はショートレンジラリアット。近藤はキングコング・ラリアットを狙うが、かわした鈴木はもう一度バックを取ってドラゴンスープレックスで投げ捨てる。しかし近藤も立ち上がって返す刀でキングコング・ラリアット。
お互いに両ヒザをついままエルボーとショートレンジラリアットを打ち合うと、立ち上がった鈴木がエルボー。さらにワンハンドバックブリーカーから必殺のダブルアーム・スープレックスで叩き付けて3カウント。
エンディング
勝ち名乗りを拒否し、ベルトだけ受け取った鈴木は村山レフェリーに腰に巻くように指示すると、そこにKAIが入ってきて、バリカンを手に「オイ鈴木! お前が覚悟、覚悟、覚悟っていうから俺の覚悟を見せに来たぞ」と言う。しかし前蹴りでKAIを吹っ飛ばした鈴木は「人の前で散髪見せるなバカヤロウ! 挑戦させろって言いに来たのか? そう言っていままでみたいに譲ってもらうか? なあ? 田中や船木、武藤に譲ってもらったように、俺にも譲ってほしいな。なぁ?」と挑発。
そこにトラースキックを叩き込んでいったKAIは「これが俺の覚悟だ!」と言って、倒れた鈴木の上で自らバリカンで髪の毛を刈っていく。場外に出た鈴木は「お前人気ないよ。
なあ? 面倒臭いな。お前、次やってもいいけど、お前やったら終わるぞ。関係ねぇ奴黙れ! お前のレスラー生命全部終わらせてやるからな! それでもいいんだな? もう誰にも気使ってもらえねぇぞ。エースの順番待ちさせてもらえないからな。次、やってほしい? やってほしいだろ? 大きな声で言ってみろやってほしいって!」と言い放つ。
KAIは「俺の覚悟見せただろ? やらせろ」と訴えるが、鈴木は「もういいや、じゃあな!」と帰ろうとする。KAIが「オイオイオイ、覚悟見せたぞ、覚悟!」と食い下がると、鈴木も根負けしたように「分かった分かった。やってやるから。お前に恥かかせてやるから」と吐き捨てて退場。
KAIはその後も自らバリカンで髪の毛を刈ってから「俺は覚悟見せたぞ! アイツ、覚悟見せたらやるって言ったよな? 言いましたよね、皆さん! 言いましたよね? 言いましたよ! ブーイングされて、もう構わないよ! 俺は誰が何を言おうと必ず、アイツから俺が(ベルトを)取り返す! 以上!」と絶叫。髪の毛を切ってまで鈴木にリターンマッチを求めたKAIだったが、観客の反応は後押しするというよりは、「まだやるのか?」と半ば呆れ気味。KAIはこの屈辱的な反応を覆すことが出来るのか?
<試合後コメント>
鈴木秀樹
――試合はいかがでした。
「いいんじゃないですか。どうっすか?」
――攻め込まれる場面もあったかと思うんですが。
「うん、でも立ち上がったのどっちですか? 僕ですよね。ゆっくり時間かけてやっただけですから。全てを出す前にやったらまた言い訳されるから。いいんじゃないですか、声援もあって。その上で僕が勝ったんだから。パワーはありますねやっぱりね。すごいパワーがあった」
――試合後KAI選手が出てきて覚悟と言って自分で髪を刈ったりと……
「だから、リングでも言ったんですけど、自分の散髪をね、人前で見せるなっていうの。だって人前じゃないところで普通は散髪するわけですから。しかもお金を払って見てもらうという」
――KAI選手は挑戦をアピールしましたが、鈴木選手としては受ける気持ちというのは?
「いや、あまりにもわからず屋ですからね(苦笑)。いやもう1回やってもいいんですよ。やったらたぶん彼、終わるんで。あの、別に引退しなくてもいいんですよ。ただ、魅力ありますかね? たぶんもうないと思うんですよ、ほとんど。僕が根こそぎ奪ってったんで。まあ、いいんじゃないですか? 奪われる覚悟でやるならやりますよ。さっき上でも言いましたけどね、次は、いつですか? 後楽園」
――7月12日。
「7月12日、ずいぶん開きますね。まあいいですよ、じゃあ。そしたらいい加減どうっすか? 僕の希望を少し、結構いっぱい(案を)あげたんですけどやってくれないですか? 銅像ない、『次は俺だ』は嫌だ、武藤とやらせろ、いっぱいあげましたけど、どれも却下されてるんですよ。次勝ったら一個ぐらい、検討してくださいよ」
――スタッフ「検討させていただきます」
「どれかやってくださいね。あれ(KAI)も次は俺だですからね。まあ、KAIよりは、今日の相手、近藤修司のほうがよかったですね。お客さんも沸いてくれたし。KAIとやった時はね、あいつのせいで僕、『えー』って言われちゃいましたから。僕のせいじゃないですからね、あいつが弱すぎてしょっぱいから『えー』って言われちゃった。やっぱり、船木さんのやつも言ったけど、プロレスは一人でやるもんじゃないなって。誰もKAIを止めに来る奴いないし。髪切ろうとしてるのに。止まったら時事的に面白かったですけど止まらなかったですからね。KAIでいいと思います? いいと思ってないですよね? つまんないんですもん。どうせまた同じの見せられて、ね? 誰がいいですか? 次やるの。誰とやればいいと思いますか? 誰とやったらいいですか? 誰だったら僕からベルトとれると思います? 誰ですか? 自分の意見言ってくださいよ」
――……。
「じゃあいなかったら終わりですよ。会社としてKAIが代表でいいんですか?」
――……。
「いいんですね。はい、ということです」
KAI
「もう1回見せましょうか?(※髪にバリカンを入れ始める)俺、覚悟見せましたよ。この覚悟を見せて、覚悟を見せろって言ったんだから、受けるか受けないか、それはもうチャンピオン・鈴木秀樹が決めるでしょう。でも言ったんだから、俺は覚悟見せたんだ。受けてもらわないと。俺はもう、ねぇ、ブーイングありましたよ、聞こえましたよ。俺がね、これはね、起こした、撒いた種なんで、何言われようと、誰からなんて言われようと、俺が取り返さなきゃ、いけないんですよ。俺が取り返さなきゃいけないんです(※改めて髪にバリカンを入れて坊主となる)」