【試合詳細】10・24 全日本プロレス後楽園ホール大会 【三冠ヘビー級】宮原健斗vsジェイク・リー 【世界タッグ】ゼウス&崔領二vsヨシタツ&ジョエル・レッドマン 丸山敦&鈴木鼓太郎vs岩本煌史&阿部史典

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『2019 旗揚げ記念シリーズ 【最終戦】』
日程:2019年10月24日(木)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1213人(満員)

▼全日本プロレス vs 大日本プロレス NEW GENERATION 6人タッグマッチ 20分1本勝負
○大森北斗/田村男児/青柳亮生
6分56秒 原爆固め
加藤拓歩(大日本)/●石川勇希(大日本)/兵頭彰(大日本)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
[EVOLUTION]岡田佑介/○佐藤光留(パンクラスMISSION)
4分52秒 捕獲式腕ひしぎ十字固め
●三富政行(PPP)/UTAMARO(フリー)

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
秋山準/西村修(フリー)/●SUSHI(フリー)
8分43秒 アックスボンバー→片エビ固め
○大森隆男/渕正信/ブラックめんそーれ

▼タッグマッチ 30分1本勝負
●丸山敦/鈴木鼓太郎(フリー)
8分4秒 孤高の芸術→片エビ固め
○岩本煌史/阿部史典(BASARA)

▼The Road to 2019 世界最強タッグ決定リーグ戦 スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負
●諏訪魔/石川修司/関本大介(大日本)/ボディガー(フリー)
8分11秒 首固め
野村直矢/青柳優馬/○TAJIRI(フリー)/KAI(フリー)

▼世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第86代王者組】○ゼウス/崔領二(ランズエンド)
17分27秒 ジャックハマー→片エビ固め
【挑戦者組/One World】ヨシタツ(フリー)/●ジョエル・レッドマン
※ゼウス&崔が初防衛に成功

▼三冠ヘビー級選手権試合
【第62代王者】○宮原健斗
33分19秒 シャットダウン・スープレックス・ホールド
【挑戦者/第7回王道トーナメント優勝】●ジェイク・リー
※宮原が8度目の防衛に成功

宮原が“ライバル”ジェイク・リーを撃破し三冠王座戦V8!“大阪vs世界”を制したゼウス&崔が世界タッグ防衛!名古屋の星・岩本と阿部が世界ジュニア王座決定T一回戦で対戦決定!

第1試合


 全日本プロレスと大日本プロレスの新鋭たちが激突する6人タッグマッチ。
 先発は亮生と兵藤でゴング。バックの取り合いから腕の取り合い、亮生が押し込んでエルボーを放っていくと兵藤も打ち返していき胸板を打ち据えるエルボーの応酬に。ショルダータックル合戦に競り勝った兵藤だったが、亮生は得意のドロップキックを叩き込み男児にタッチ。
 男児はボディスラムを狙うが兵藤は耐えて逆にボディスラム。加藤にタッチ。
 加藤はヘッドロックで絞り上げ、ショルダータックル合戦にも勝利。さらに首投げからスリーパーホールド、チンロックと移行。男児がブレイクするとエルボーの打ち合いとなり、男児が連打からボディスラムで叩きつけると両者タッチ。
 北斗と石川の対面となると、両者雄叫びを上げながらエルボーを打ち合っていき、石川が串刺しジャンピングエルボーで流れを掴むとドロップキック。加藤と兵藤が飛び出してきて北斗にトレイン攻撃を見舞うと、加藤と兵藤がダブルのショルダータックル、石川がスライディングキック。さらに石川はバックドロップを狙うが、ここに亮生がドロップキックで救出し、さらに男児が俵返で追撃。2人が石川を押さえる中で北斗がミサイルキックを発射。ここに加藤と兵藤が飛び込んできて北斗に集中攻撃をかけるが、2人を亮生と男児が同時のドロップキックで場外に吹き飛ばして追っていき、勝負を北斗に託す。
 北斗は石川をブレーンバスターで叩きつけ、最後はジャーマン・スープレックスホールドで3カウント。
 試合後も両軍は睨み合ってバチバチの空気を展開し、未来のメインイベンターの台頭を予感させた。

第2試合


 EVOLUTIONの2人が三富&UTAMAROの曲者タッグと激突する一戦。
 光留とUTAMAROでゴングが鳴ると、両者しばらく対角線で睨み合ってから距離をジリジリと詰めていき、光留がローキック、ソバット、ミドルキックと連撃。しかしUTAMAROはケロリと起き上がって見せ、飛びついてフランケンシュタイナー。さらにひらりとコーナーに上ってミサイルキックも光留はこれを回避し岡田にタッチ。
 岡田が出ていくとUTAMAROはサミングからロープに飛ぶが、岡田はドロップキックでカウンター。さらにブレーンバスターを狙うが、UTAMAROは岡田の髪を掴んで引き倒し三富にタッチ。
 三富は岡田へフラップジャックで叩きつけてからコーナーに押し付けてモンゴリアンチョップを連打。さらにスリングブライド、マンハッタンドロップ、サミングからの首固めと続けるがすべて2。岡田は起き上がりにドロップキックを放ち、両者エルボーの打ち合いに。これを制した岡田がドロップキックで追撃し光留にタッチ。
 光留は三富にミドルキック連打から延髄斬り。そして「投げるぞオイッ!」から水車落とし、岡田がダイビングボディプレス、光留がPKと続け、光留のブレーンバスターを返そうとする三富の腕を取って脇固めを狙う。三富が耐えると光留は腕へのジャンピングミドルを放ち、岡田がランニングヘッドバッドで追撃。光留はバックドロップからフォールし、フォールを返した三富の腕を取って腕十字、三富が身体を起こそうとすると即座に足もクラッチして逃げ場をなくし、そのままタップを奪った。

第3試合


 両軍が入場するとSUSHIが猛烈に先発を要求して秋山と西村を下がらせ、渕との対面でゴング。SUSHIは渕のロックアップをかわして「へいらっしゃい!」と挑発すると渕は苦笑い。渕のショルダータックルをSUSHIがガットショットで止めると渕は崩れ落ち、場内からはブーイング。さらにヘッドバッドを見舞うとさらなるブーイングがSUSHIを襲う。渕がSUSHIを起こすとサミングからヘッドロック、さらに伝統芸能のグーパンチからの「パー!」と見せると場内は大歓声で渕を支持。さらに渕は苦悶の表情を浮かべながらもヘビー級のSUSHIを滞空ボディスラムで叩きつけ、場内の渕コールに応えてもう一発を狙うが、SUSHIはこれをひらりとかわしてスワンダイブ式の攻撃を狙うが、案の定SUSHIはロープに足を引っ掛けて転んでしまい、渕はSUSHIのいなりに電気あんまを見舞ってめんそーれにタッチ。
 めんそーれはSUSHIにチョップからサミング。しかしSUSHIはめんそーれを転ばせてロープに引っ掛けると、牧歌的な619を見せ、場内からは笑いと応援の声が飛ぶ。SUSHIが落ち込む隙を見てめんそーれはオールドスクールからのブレーンチョップを狙うが、秋山がロープを激しく揺らしてめんそーれを場外に落下させると、恒例となった場外ボディスラム。SUSHIが笑顔で秋山に駆け寄ると秋山はSUSHIにも場外ボディスラム。
 リング上では西村とめんそーれの対面となり、西村はめんそーれへダブルアームスープレックス。そしてコーナー上からダイビングニードロップもめんそーれはこれを回避して大森にタッチ。
 大森と西村はかち上げエルボーを打ち合い、これに打ち勝った西村はスピニング・トゥーホールド。ここから渕がカットのためにコーナーに上がると敵味方と観衆が渕を止め、渕はリングに降りて耳削ぎチョップでカット。西村はSUSHIにタッチ。
 SUSHIは大森にニールキックを放つと、「秋山さん、来い!」とまさかの命令口調で連携を要求。秋山は「来いってなんだよ来いって」とぼやきながらもSUSHIとともにトレイン攻撃を決め、大森にランニングニー。さらにSUSHIがコーナー上からダイビングヘッドバッドを投下し、ラリアットを狙ってたっぷり時間をかけてアピール。満を持してロープに飛んでラリアットを狙うが、大森がカウンターのアックスボンバーを叩き込みカウント3を奪った。

第4試合


 阿部と岩本という元スポルティーバの名古屋タッグが鼓太郎&丸山の技巧派コンビと対戦。
 阿部と丸山でゴングが鳴ると、バックの取り合い、腕の取り合い、グラウンドでの首の取り合いからクリーンブレイク。両者タッチ。
 鼓太郎と岩本、世界ジュニアで同じ土俵に立つ両者の対面となると、ロックアップでの押し込み合いからリストの取り合い、鼓太郎がネックスプリングなどの軽やかな動きを見せて岩本の攻撃をかわしていくと、岩本はエルボー合戦を挑み、ロープに飛んでランニングエルボーを狙う。しかし、丸山が場外から岩本の足を引いて引きずり下ろし、暴行を加えてからリングに戻すと鼓太郎は岩本にエルボースタンプを叩き込み、丸山にタッチ。
 丸山は岩本をコーナーに押し付けて串刺し延髄斬りを2連発、さらにトラースキックでアゴを的確に捉えてからアトミックドロップ。鼓太郎にタッチ。
 鼓太郎は岩本にかち上げエルボーを見舞い、ブレーンバスターを狙うが、岩本はこれを着地しニーアッパー。阿部にタッチ。
 阿部が出てくると丸山も飛び出していってトレイン攻撃を狙っていくが、阿部は上手くかわして丸山にドラゴンスクリュー鼓太郎の突撃にはドロップキックでカウンター。さらに澤宗紀直伝のお卍固めを狙うが、決まり切る前に鼓太郎が振り払い、阿部がロープに振るとカウンターのビット。両者タッチへ。
 丸山と岩本はエルボーで打ち合い、これに打ち勝った岩本がコーナーへ振って串刺しバックエルボーからネックスクリュー。さらにジャーマンを狙うが、これを振り払った丸山が岩本を李日韓レフリーに向けてプッシュ。岩本はギリギリで衝突を避けて踏みとどまるが、丸山はその隙を逃さずバズソーキック、ジャーマン・スープレックス、バズソーキック、タイガースープレックス、後頭部へのバズソーキックと怒涛の連撃で勝利を狙う。そして再びタイガースープレックスの構えに入ると阿部が伊良部パンチで豪快にカット。
 岩本は大外刈、ドラゴンスープレックス、レフトハンドラリアット、孤高の芸術と大技ラッシュをかけ、3カウント奪った。

<試合後コメント>

岩本煌史&阿部史典
――やはりこのメンバーが揃うと世界ジュニアを争うという構図が見えてきますが?
岩本「そうですね。ワクワクするねぇ。どこ見ても強敵ばっかで。今日は新木場に続いて阿部が同じコーナーにいるけど。リング上で戦っていないにしても、勝ったんだよな。もう別人だよ。もともと俺の直の後輩だけど、もう下に見ることはない。対等。ほんとに楽しみ。もともと同じ場所(スポルティーバ)で組んだり戦ったりしてましたけど、組むのは違和感ないし楽しい。俺からはそれくらいかな。」
阿部「僕も岩本さんと同じですね。後楽園でタッグを組めてる。そこがまずうれしいし、ひとつ夢が。僕が目標としていたチェックポイントがそこだったんで、それが当たり前にできているという今の環境は、僕は当たり前だと思っていないし、ものすごくありがたいと思っています。
ただ一緒に立ちたいだけじゃなくて越えたい相手でもあるし、シングルやりたいし。小さなところでやっていたけど、大きなところでやりたいし、勝ちたいし。このアジアのベルトだって僕だってタッグパートナーがいるんでね。それだってほしいし、やりたいことはいっぱいある!」
岩本「そうだね。もともと俺らはお客さんが10人くらいしかいないところでやってたし。選手、スタッフよりもお客さんの方が少ない中で阿部対岩本とかやってたんですよ。そこから、その時から俺らの熱は1000人いる後楽園でのどこかのシングルマッチに負けていないですよ。やってることは変わんないから。」
阿部「ひとつ言うなら、いま”孤高の芸術”は必殺技ですけど、その練習台は俺ですから!それだけは忘れないでください!」
岩本「アハハ!よし!アジア(タッグ挑戦)も口に出したんだ。口に出し続けろ。何かあるかもしれないぞ。俺はウェルカムだ。出し続けろ。周りに認めさせろ。」

――世界ジュニア王座決定トーナメントに関する発表があると思うのですが?
 *ここで場内のスクリーンを使用しての発表の声が聞こえてくる
阿部「ちょうど聞こえますね!」
岩本「記者のみなさん、ここで待っていてくれるんですか(笑)?」
阿部「上に(発表を見に)行きたいですか(笑)?・・・いま発表されていると思うんですが、僕が願った通りであれば1回戦は岩本さんとやりたい!やれるでしょ、さすがに。」
岩本「あんだけ言ってね。阿部が新木場であんだけ言ってあれだけの行動を起こしてね。組まないんだったらどうかしてるよ(笑)。」

 *1回戦で岩本対阿部が発表されて
岩本「出た!決定だ決定!」
阿部「今これだけ長く喋っているけれど、今なら岩本さんに勝てる自信しかないということだけをお伝えしたいと思います!」
岩本「阿部が全日本に出れるようになったのは2年くらい前かな。そこからの2年間でのどっちの生きざまが勝つか。どっちが潰すとかじゃないよ。正々堂々。このベルトのことも忘れるな」
阿部「なにとぞ!」

第5試合


 世界最強タッグ決定リーグ戦出場者による前哨戦。ディランの出場が予定されていたものの、欠場となったため急遽ボディガーが参戦。
 青柳と野村がどちらが先発で出ていくか揉めているのにしびれを切らした関本が青柳の背後から組み付いてジャーマン・スープレックス。野村にはボディガーがラリアットを叩き込み、8人乱戦となる中でゴング。
 リング上では関本と青柳の対面となり、関本とボディガーがダブルのショルダータックルから関本がエルボードロップ、スリーパーホールドからスイングネックブリーカーと攻め立てて石川にタッチ。
 石川は青柳へハンマーパンチを連打も、青柳はエルボーで応戦。石川はノーダメージの様子で強烈なエルボー一発で黙らせると諏訪魔にタッチ。
 諏訪魔はボディスラムから逆エビ固め。これはTAJIRIが散歩に行くような気軽さでリングに入って諏訪魔をはたいてカットしコーナーへ戻っていく。
 ボディガーと青柳の対面となると、ボディガーが強烈な逆水平チョップを打ち込んでいき青柳は大苦戦。しかしエルボー連打で意地を見せドロップキック。耐えたボディガーは青柳をコーナーまで吹き飛ばすと野村が青柳にタッチ。
 野村はボディガーにスピアーで突っ込み、ノーザンライトスープレックス。さらにマキシマムを狙っていくが、ボディガーが耐えると再びスピアー。しかしボディガーはこれをキャッチする怪力を見せ、野村をそのままぶっこ抜いてブレーンバスター。続けてコーナーに振って串刺しマシンガンラリアットからエルボードロップ。ボディガーは正調ラリアットで決着を狙い、野村がエルボーでカウンターしても怯まずレフトハンドラリアット。両者タッチ。
 石川とKAIの対面となり、ショルダータックル合戦に打ち勝った石川が串刺しラリアットからダイビングフットスタンプ。さらに石川はファイヤーサンダーを狙うが、KAIがかわして延髄斬り。さらにラリアットの正面衝突から有利を得た石川がブレーンバスターを狙うが、KAIは逆にブレーンバスターで叩きつけTAJIRIにタッチ。
 TAJIRIは即座に体固めに入りごっつぁんフォールを狙うが、これを返されるとKAIとともに石川をロープに振ろうとする。石川はTAJIRIを振り返すが、TAJIRIはハンドスプリングエルボーを見舞い、KAIがトラースキックで追撃。しかしこの2発を耐えきった石川がダブルラリアットでTAJIRIとKAIをなぎ倒し諏訪魔にタッチ。
 諏訪魔は石川とともにTAJIRIへサンドイッチラリアットを決め、さらに諏訪魔が左ラリアット、バックドロップ、そして満を持してのラストライドを狙うが、これを着地したTAJIRIは追撃を狙う諏訪魔に対してレフリーを盾として突き出す。これで立ち止まってしまった諏訪魔にTAJIRIがグリーンミストを噴射すると、KAIが飛び込んできて延髄斬り。たたらを踏む諏訪魔をTAJIRIが首固め。これで3カウントが入り、リーグ戦を前にTAJIRIが前世界タッグ王者の諏訪魔から価値ある勝利を手にした。
 試合後、TAJIRIは詰め寄ってくる石川にもグリーンミストを噴射。KAIとともに嬉しそうに去っていった。

<試合後コメント>
TAJIRI&KAI
KAI「クリームソーダみたいになってましたね、ふたりとも(笑)。」
TAJIRI「ふふふ。こういうのをやった時が一番おもしろいな!」
KAI「この前のアジア戦も楽しかったですけど、ウチらのこういう戦いが・・・」
TAJIRI「まともにやったって・・・。」
KAI「そう!まともにやったって勝てるわけない(笑)。みなさんもそう思いましたよね?」
TAJIRI「逆に今年の最強タッグは俺たちにとってはやりやすいね。このメンツは。みんな同じだから。」
KAI「ウチらより小さいメンバーはいない?」
TAJIRI「いないいないいない。」
KAI「楽しみだなぁ。」
TAJIRI「ウチらは一番小さいという武器を持っているという気がしてきた!人生に行き詰っている人たちは俺たちKAI、TAJIRI組を見て逆転の極意を学びなさい!不利なものを有利に変える人生の極意を学びなさい。」
KAI「よく見ていなさい(笑)。それでは最強タッグ、よろしくお願いします!」

第6試合


 11月11日から開幕する世界最強タッグ決定リーグ戦に向け、タッグ戦線の今後を占う世界タッグ王座戦。レッドマンが紳士的に握手を求めるが、崔は軽く手に触れるだけに留める。
 ヨシタツが前に進み出ると崔が出ていきゴング。互いにキックや掌底で距離を刻んでいき、姿勢を低くしてタックルを狙い合うひりついた展開から一転、ヨシタツが崔のロックアップに合わせて飛びついて腕十字固め。これは崔が余裕を持って対処してクリーンブレイク。再び向かい合ってロックアップからヘッドロック、ショルダータックル合戦へと発展し何度もぶつかり合う。そして両者ともにハイキックを狙い、両者これをかわして距離を取りタッチへ。
 ゼウスとレッドマンの対面となり、ロックアップからゼウスが怪力で押し込もうとするが、レッドマンはローリングや首ブリッジなどのテクニカルな返し技で対抗。さらにゼウスがヒップトスを狙うと巧みに絡みついてバックスライドに移行し、コーナー上で倒立。ゼウスのラリアットを側転でひらりとかわしてニヤリと笑ったレッドマンは怪力無双のゼウスに手4つを挑む。ゼウスは雄叫びを上げながら押しつぶしていくが、レッドマンは倒れ込む勢いを利用してエビ固め。ゼウスが返しても何度も何度もエビ固めでフォールしスタミナを奪う。レッドマンはゼウスの突撃をかわしてドロップキックを叩き込むと、ヨシタツを呼び込んでコンビネーション低空ドロップキックさらにレッドマンが突っ込んでいくが、ゼウスはスパインバスターでカウンターし崔にタッチ。
 崔はレッドマンに串刺しブートを狙うが、レッドマンはこれを回避。しかし崔は無理やりコーナーへレッドマンを担ぎ上げると雪崩式ドラゴンスクリュー。さらにレッドマンを場外に放り出すとゼウスが鉄柵に叩きつけて追撃しリングに戻す。崔はレッドマンにスリーパーホールドも、レッドマンは脇からするりと抜け出してヨシタツにタッチを求める。しかし崔は足を掴んでこれを許さず、ゼウスとともにダブルのショルダータックル。ゼウスにタッチ。
 ゼウスはレッドマンの胸板に強烈な逆水平チョップ。さらにボディスラムで叩きつけ崔にタッチ。
 崔はレッドマンの胸板にミドルキックを叩き込み、さらに串刺しブートを狙う。しかしレッドマンはブートで止めてコーナーに上がるとダイビング錐揉みエルボー。ヨシタツにタッチ。
 ヨシタツは崔にミドルキックを連打し、さらに串刺しブートで座り込ませてから顔面ウォッシュ。さらに顔面にヒザを押し当てて痛めつけていく。しかし崔はこの足を持ったまま持ち上がり、足にハンマーパンチ。苦悶の表情を浮かべるヨシタツに袈裟斬りチョップを見舞っていき、ヨシタツのビッグブートをかわすと組み付いてジャンピングブレーンバスター。両者タッチへ。
 ゼウスとレッドマンの対面となり、ゼウスはエルボー連打で追い込んでからジャンピングラリアット。さらに串刺しラリアットからのベアハッグスープレックス。続けてリフトアップスラムを狙うが、これを着地したレッドマンが組み付いてバックドロップ。ここにヨシタツが飛び込んできてゼウスをコーナーに振りトレイン攻撃。さらにレッドマンのオクラホマスタンピートにヨシタツがスライディング式のネックブリーカーをあわせる合体攻撃。そしてレッドマンは必殺技のダイビングニードロップを狙ってコーナーに上るが、ここに崔が飛び込んできてコーナートップから雪崩式ブレーンバスター。そしてゼウスがフロッグスプラッシュで空爆。ヨシタツが崔をキチンシンクで蹴散らしてレッドマンの救出に入るが、ゼウスは突進してショルダータックルでヨシタツを吹き飛ばす。しかしヨシタツは延髄斬りを見舞ってからバッククラッカーで一矢報いると、リング上は4人が大の字に。

 先に起き上がったゼウスはレッドマンが立つのを待ってラリアットで吹き飛ばし、チョークスラムを狙っていくがレッドマンは飛びついて逆打ち。さらにサソリ固めに持ち込んで見せ、カットに来た崔はヨシタツがヨシタツ幻想で捕縛。ゼウスがブレイクするとレッドマンはロープに飛ぶが、ゼウスはカウンターのラリアット。続けてジャックハマーを狙うもレッドマンはこれを首固めで切り返し、キックアウトに合わせて起き上がってスナップスープレックスからコーナートップに上がりダイビングニードロップ。さらにブレーンバスターを狙うが、ゼウスが逆にブレーンバスターでレッドマンをコーナーまで投げ飛ばし、崔がリングに飛び込んできて赤川鉄橋。最高のアシストを受けたゼウスがレッドマンをジャックハマーで叩きつけて試合を決めた。

<試合後コメント>

ゼウス&崔領二
ゼウス「よっしゃあ!これで初防衛成功!まあ、石川&諏訪魔組から取ったから、今日の試合は自分らまだ余裕あったんちゃうかなと思います。なあ領二?」
崔「まあ、防衛やるって言い続けてきて、どういうわけかヨシタツとレッドマンに決まって、ちょっとパンチ効いたこと言うと、俺とゼウスも教わってきたプロレスが違うように、あのふたりとも全く違うと俺は今日感じた。だからアイツらのスタイルが、認めたいか、認めたくないかと言うと、俺と違うから認めたくない。正直。だから勝ったほうが正しい。それで行こう。なんかがアイツらとちょっと違う。やってて思ったし、間のとり方もなんか違う。けど多分、やって分かったけど、ゼウスと俺も違うし、アイツらとも違うし、4人共違うし、そういうぶつかり合いの中で何を見せるかっていうのが真のチャンピオンやなって、今日やってて思いました。楽しかったかって言われると、正直そんな余裕なかった。もういっぱいいっぱい。けど、まあ一つ言えるのは、やってよかったなって。勝ったから言えるわけじゃなくて。“違う”っていうことがどう化学反応を起こすかってことが分かったから。肌の色も人種も教わってきたプロレスも違う。まあ教育スタイルも違う。でもこうやってリングで戦えるわけやから、そういう色んな不思議な縁と可能性を正直感じました。でも今日はゼウスが取ったんで、ゼウスに話聞いてください」
ゼウス「ということで!人生は祭りやで~!ワッショーイ!×3」

ヨシタツ&ジョエル・レッドマン
ヨシタツ「俺たちは歴史を作った!なぁジョエル。今日は負けたけど、歴史を作った。これからは勝利の道を突き進んでいこう。」
レッドマン「そうだね。でももうちょっとだった。クソ!」
ヨシタツ「次は勝てるさ。」
レッドマン「タッグチームとしては最初だからね。経験を積んで行けば勝てるよ。タッグリーグではそれで結果を出す。」
ヨシタツ「俺たちはチャンピオンになる。今日はベストを尽くした。俺たちならできるさ!」

第7試合


 例年通りであれば今年最後となると思われる三冠ヘビー級王座戦。2019年のMVPを狙っており、王者として年を越したい宮原にとっては試練の一戦。
 ゴングが鳴ると両者動かずしばらく睨み合い、ゆっくりとリングを回ってから真正面からロックアップで押し込んで力比べ。ロープに押し込んでからの離れ際にジェイクが挑発すると宮原も得意のドロップキックコンビネーションを狙っていくが、ジェイクも必殺のヒザ蹴りをちらつかせながら応戦し、両者有効打が無いまま互角のクリーンブレイク。
 再び向かい合ってロックアップ、リストロック、ジェイクがロープに押し込んでいき離れ際にニーリフト。倒れ込んだ宮原ランニングサッカーボールキックで場外に蹴り出すといった非情な攻めを見せるが、宮原は場外まで追ってくるジェイクと入れ替わりにするりとリングインし、マッスルポーズを決めて余裕を露わにする。
 宮原もジェイクを追って場外に向かうが、ジェイクは宮原を鉄柵に叩きつけて串刺しのブート。ジェイクはリングに上って宮原と同じマッスルポーズを決める意趣返し。ジェイクは宮原を場外まで追撃し、ミドルキックを連打。さらに容赦のない鉄柵攻撃を見舞っていく。
 ジェイクは宮原をリング上で待ち受け、ネックロックからスリーパーホールド、チンロックとスタミナを奪っていく。宮原はなんとかロープにたどり着くが、ジェイクは立ち上がるのを待たずに宮原の胴体にローキックを刻んでいき、走り込んでランニングニーを狙う。
 しかし、この機を待っていた宮原はランニングニーをかわしてジェイクをエプロンに出すと顔面にドロップキック。場外戦となり、鉄柵へジェイクの喉が落ちるようホイップしたり凄まじい音が響き渡るヘッドバッドを連打したりと猛攻をかける。しかしジェイクもニヒルに笑いながらすっくと立ち上がると正面からエルボー合戦を展開。ジェイクの一撃がクリーンヒットして膝をついた宮原だったが、怒涛のヘッドバッド連打で意地を見せ、ジェイクをリングに戻してブレーンバスターの体勢からジェイクをうつ伏せでトップロープにぶら下げ、受け身の取れない状態で後頭部にドロップキック。
 それでもジェイクはすぐに立ち上がり、宮原と額を突き合わせて睨み合うと足を止めてのエルボー戦を展開。宮原は隙を突いてヘッドバッドを叩き込み、低空ドロップキック+ドロップキックのコンビネーションを決めてみせる。さらに串刺しブラックアウトを狙って走るが、ジェイクは突進してカウンターのキチンシンクを突き刺す。
 ジェイクは宮原へ串刺しバックエルボーからフロントスープレックス、エプロンに逃れる宮原を追って自身もエプロンに出ると、奈落式のブレーンバスターを狙う。宮原は腰を落として必死に耐えるが、ジェイクが奈落式DDTに切り替えて宮原の頭頂部を硬いエプロンに突き刺していく。
 ジェイクはエプロンから空対地PKを放つが、宮原は地対空フロントハイキックでジェイクの足へカウンターすると、下から奈落式ジャーマン・スープレックスを狙う。これを振り払ったジェイクが空対地PKを叩き込むと、宮原は場外でダウン。
 ジェイクが笑顔で右腕を突き上げて観客にアピールする中、和田京平が場外カウントを止めて宮原の意識を確認。なんとか這い上がってきた宮原へ、ジェイクは連続フォールからのPKと非情な攻めを見せるが、宮原は即座に立ち上がりエルボーから串刺しブラックアウト。しかしジェイクも食らいついてバックを取るとジャーマン・スープレックスで叩きつけ、ロープに走ってレッグラリアート。その後も両者は汗飛沫を飛ばしながらエルボーでゴツゴツと打ち合っていき、ジェイクが宮原の大ぶりの一撃にカウンター。うつ伏せに崩れ落ちた宮原に対し、即座にカーブストンプで追撃するという慢心のかけらもない非情な攻撃を見舞うと、宮原は力なくバタリとマットに倒れ込む。
 ジェイクは宮原を無理やり引き起こしてブレーンバスターを狙っていくが、ここで宮原が急に息を吹き返して逆にブレーンバスター。笑顔で舌を出して先程のダウンがブラフであったことを匂わせ、串刺しブラックアウト、ジャーマン・スープレックス、正調ブラックアウトと叩き込み、人差し指を天に突き立ててシャットダウン・スープレックスの体勢へ。

 しかしジェイクはこれを振り払うとキチンシンクを突き刺し、前かがみになった宮原の頭を掴んでジャンピングDDT、続けてPKからバックドロップを狙っていくが、宮原が空中で体勢を入れ替えてプレスし、キックアウトしたジェイクの後頭部へブラックアウト。さらにシャットダウン・スープレックスを狙っていくが、ジェイクはこれを振り払い、体勢を崩した宮原へジャイアントキリングを2連発からガットレンチパワーボム。さらに十分な距離を取って正調ジャイアントキリングを放つが、宮原はこれをかわしてバックを取り、ジャパニーズレッグロールクラッチ。キックアウトしたジェイクにブラックアウトを2発叩き込み、再びシャットダウン・スープレックスの体勢となるが、これを読んでいたジェイクは振り払いながら回転してハイキックを放つ。宮原はこれを回避して組み付き、シャットダウン・スープレックスホールド。必殺の一撃が決まるも、まさかのカウント2。

 驚愕の表情を浮かべる宮原はもう一発シャットダウン・スープレックスを狙うが、これを振り払ったジェイクが今度はハイキックをクリーンヒット。たたらを踏みながらも前に出る宮原にカウンターのハイキックを2発叩き込みバックドロップ。宮原がキックアウトするともう一発を狙っていくが、宮原は持ち上げられながらジェイクにヘッドバッドを入れて脱出すると、ジェイクのハイキックをガードしてブラックアウト。最後はこだわりのシャットダウン・スープレックスホールドで叩きつけ、壮絶な死闘に終止符を打った。

 試合後、両者は大の字になって天を仰ぐも、ジェイクが岩本の肩を借りて退場しようとすると宮原が匍匐前進でジェイクににじり寄り、互いに見つめ合って目だけで互いの思いを伝えあった。

宮原「これが、全日本プロレスの最高峰!宮原健斗vsジェイク・リーだ!宮原健斗、プロレスラー生活12年目。ついに、ライバルが現れた。ジェイク・リー、皆様もお気づきだと思いますが、間違いなく彼は……スターだ!そして、とっくの昔から皆さんお気づきだと思いますが、今、ここ(リングマットのロゴを指して)の、全日本プロレスの日本地図のど真ん中に立ってる男、宮原健斗も……スターだ!同じ場所に!2人、スターがいたっていいじゃねえか。まだまだこれからも宮原健斗とジェイク・リーの闘いは続きます!みなさんも、その2人から目を離すなよ!……忘れてましたが……V8たっせ~~い!!V8達成というのは、皆様どういう意味かわかりますか?宮原健斗の記録に並んだぞオイ!ということは!今まで散々『MVP候補ナンバーワン』と言ってきたが、V8達成だ。もう、今日、MVP確定だ!マスコミ・関係各位!よ~く書いておくんだぞ!2019年のMVPは、宮原健斗で決定だ!……以上です。(宮原が帰ろうとするのを観衆が健斗コールで呼び戻す)……後1ついい忘れてた!次!11月11日から何が始まるのか、みなさんご存知ですよね?何が始まるんですか?!(観衆から「世界最強タッグ!」の声)……だよね(笑)宮原健斗は、青柳優馬と初エントリーします!だが、まだ!だが、まだ!宮原健斗と青柳優馬の間には、キャリアの壁があります。キャリアの壁、乗り越えたいと思います。そのために俺は考えました。壁を乗り越えるためには何をすればいいのか。青柳優馬!俺は今日から!あなたのことを!“アオちゃん”と呼ぶ!アオちゃん!アオちゃんにも1つお願いがある!キャリアの、キャリアの壁を超えるためには、俺のことを今日から“ケンちゃん”と呼んでくれ!」
(青柳にマイクを投げ渡す)
青柳「……ケンちゃん!!」
(宮原が青柳に抱きつき、2人は固く抱き合う)
宮原「世界最強タッグは!NEXTREMEおよび“ケンちゃん&アオちゃん”が優勝いただきます!最後に!後楽園ホールの皆さんに聞きたい!全日本プロレス、最高ですか~ッ!」
(宮原が青柳に相談し、マイクを向ける)
青柳「……今日すごい聞こえるゥ~~!」
宮原「全日本プロレス、最高ですか~ッ!OK!ラスト!全日本プロレス、最高ですか~ッ?!後楽園ホール、最高ッ!!」

<試合後コメント>

宮原健斗
「よっしゃあ!V8達成!もうそのV8がすぐに出ないくらい、ジェイク・リーとの闘いは僕にとって重いものだった。それは見てる人も、おそらく沿う感じたんじゃないですかね。それは戦う前からビンビン伝わってきたし、身体に。やっぱり特別なものだと思います」

――これまで戦ってきたジェイク・リーの中で最強のジェイク・リーだったと思います
「強い。当たり前ですよね。彼はスター。スターは数えるほどしかいないから。ただね、この時代に同じ年齢でスターが二人いるってことは全日本プロレスにとっていいことじゃないですか?わかりやすくスターが二人いる。今日そう感じましたね。今まではね、『ジェイク・リーはライバル』という僕の言葉が先行していたように感じていた部分があった。それはマスコミの皆さんも、『いや、まだじゃないかな?』って感じも伝わってました。『僕が言っても響いてないな』って。ただ今日でね、スターが、新たなスターが誕生して、2人スターがいますよ。この全日本プロレスには」

――これでやっと宮原選手が望んだ環境が出来上がったということですね
「あぁ。望んでた。言わなかったけど、望んでたね。強がって、なんかね、望んでたとは言わなかった。正直心の奥底では望んでたんだ。ただ、そう望んでいたことが形になる。どっちが看板を背負って、どっちが先頭に立って、どっちの価値観が全日本プロレスの価値観になるかってことなんで。ホントの意味で、どっちが頭に立つのかっていう勝負が始まったんじゃないですかね」

――これで年内最後の三冠戦になることが予想されていて、おそらく三冠王者のまま年を越すことになります
「最後ですか?まあプロレスは何が起こるかわかんないですからね、それは95%くらいだと思います。だけどまあ、まだまだ。僕はどんな闘いだろうが全力なんで。まだまだ。今までと変わらないですね」

――年を越す前に最強タッグリーグが控えています
「まあ、タッグは11月入ったくらいに切り替わりますよ。僕はまた明日からミュージカルスター。おいなんだよ。週プロ、なんか質問無いのかよ。いいよ、質問。質問!」

――V8と前回の記録と並びましたが、前回はそこで途絶えました
「……なんだよ、そんなマイナスな。止まらないよ。まあでもね、宮原健斗の記録に並んだということは、自分自身、そのときの記録を持っていたとき以上に宮原健斗が最高になってるんじゃないですかね」

――最多防衛記録が近づいてきました
「まあ、それはもう俺しかいないでしょ。ジェイク・リーを破ったんだから。俺しかいないでしょ。……(週プロ記者へ)クエスチョン!」

――最強タッグリーグは青柳選手と……
「(言葉を遮って)ありがとうございました」

※ジェイク・リーはノーコメント

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