HEAT-UP 12.13王子大会 HEAT-UP対無宿三大シングルマッチ
HOT WINTER 2014〜年内最終戦〜
期日:2014年12月13日(土)
開場:18:00 開始:19:00
会場:東京・王子BASEMENT MON☆STAR
観衆:81名
▼第1試合 スクランブルインディーウォーズ タッグマッチ20分1本勝負
○山田太郎(666)/タケシマケンヂ(スポルティーバ)
9分31秒 急所攻撃→反則勝ち
円華(YMZ)/●柴山貴哉(フリー)
▼第2試合 王子版異種格闘技戦と言う名の同門対決〜空手vs空手〜 シングルマッチ15分1本勝負
○たけむら光一(王子空手軍)
8分18秒 左ハイキック→TKO勝ち
●中川達彦(王子空手軍)
▼第3試合 THE RED HEATS〜未来は僕らの手の中〜 タッグマッチ30分1本勝負
岩本煌史(スポルティーバ)/○服部健太(花鳥風月)
14分55秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド
●近藤洋史/兼平大介
▼第4試合 HEAT-UP対無宿三大シングルマッチI〜「奇」の戦い〜 シングルマッチ30分1本勝負
○PSYCHO(無宿)
11分05秒 逆さ押さえ込み
●渡辺宏志(夢名塾)
▼第5試合 HEAT-UP対無宿三大シングルマッチII〜「龍」の戦い〜 シングルマッチ30分1本勝負
○新井健一郎(無宿/DRAGON GATE)
8分53秒 ミノルスペシャル
●アミーゴ鈴木(フリー)
▼第6試合 HEAT-UP対無宿三大シングルマッチIII〜「熱」の戦い〜 シングルマッチ30分1本勝負
○田村和宏
15分02秒 バズソーキック→片エビ固め
●SHINYA ISHIDA(無宿)
HEAT-UP 2014年最終戦、正規軍対無宿の三大シングルは無宿の2勝1敗!
無宿の新たなる仲間は何と那須晃太郎!
オープニング
「宏志塾を始めて、最後まできちんとついて来られたのは彼が初めてです」大会終了後渡辺宏志はこう言った。開場後、デビュー前の練習生に対して必ず行われるようになった宏志塾。今回は山本裕次郎の出番となった。
まずはヒンドゥースクワット。近藤洋史も、兼平大介もこの試練を必死になって乗り越えてきた。ところが山本は500回、800回と繰り返されても一向にスクワットのペースが落ちることがない。
1000回踏破、蹲踞の時も形が崩れない。欲を言うならば渡辺に比べると腕の振り幅が若干少なかった所位か。プッシュアップボードを使ったヒンドゥープッシュアップ、首入れもフォームを崩すことなく続ける。
「敢えてプッシュアップのセット数を言わず、これなら大丈夫だと思って中断し次のメニューに進みました」と言った渡辺。コーナーを使ったブリッジ、そして受け身を山本に行わせる。
宏志塾終了、選手入場式に先立ち田村和宏が一人リングに立った。
①2015年5月16日(土)に開催される新百合ケ丘大会を、再び障がい者福祉チャリティー興行とする。協賛を来年1月より募集する。
(後日正式に発表、一口一万円。特典はパンフレットへの名前記載と自由席チケット2枚の配布。法人・個人問わず。問い合わせはHEAT-UP事務局 heatuppw@yahoo.co.jp まで)
②2015年最初となる1月12日(月・祝)北千住大会にて練習生・山本裕次郎の再デビューが決定。
▼山本裕次郎炎の再デビュー戦 シングルマッチ30分1本勝負
山本裕次郎
vs.
石川修司(ユニオン)
③HEAT-UP初の大阪大会、2015年2月11日(水・祝)の一部対戦カードが決定。
▼タッグマッチ
田村和宏/ビリーケン・キッド(フリー)
vs.
新井健一郎(無宿/DRAGON GATE)/無宿の「赤虎」
▼シングルマッチ
兼平大介
vs.
グルクンマスク(琉球ドラゴンプロレス)
▼タッグマッチ
渡辺宏志(夢名塾)/近藤洋史
vs.
くいしんぼう仮面(大阪プロレス)/カブキキッド(プロレスリング紫焔)
以上が田村和宏から告げられた。
選手入場式、先月大会で無宿の横槍が入り挨拶を噛んでしまった兼平大介がリベンジを果たすために再度挨拶を行う。結果は……
「今日の僕はピリピリしています。今日は初めて近藤さんとタッグを組むんですけども、必ず勝ちたいと…あぁぁ……(館内笑い、近藤「根性見せろ!」)
皆さん今日は、楽しんでいって下さい!!」
またもや大事な所で噛んでしまい円華・岩本・服部らに田村が突っ込まれてしまう結果に。兼平の試練は続く。
第1試合
入場するなり"スーパーJBOYS"がマイクを握ってアピール。
山田「…一体どうなってるんだい(苦笑)…
タケちゃん、俺達スーパーJBOYS、HEAT-UP第一戦、第1試合だよ。
まあねぇ、この〜、なんだ、関東・名古屋?のインディー行けば大体いるっていうねぇ。まあそんな外れた試合やらないし、ギャラも安いし(館内笑い)、まあ…ね、団体やってる人にとっては…まあ、なんだ、使い勝手がいい。
タケちゃん、こりゃ革命だよ。」
タケ「オイ!いいか?俺達JBOYSの"J"は!じゃがいもでもない!JAPANでもない!俺達の"J"はぁー!!」
肝心な所を言おうとした瞬間、円華の入場テーマが流れてしまう。果たしてJの意味とは...??
すっかり王子のリングで浸透した「シバヤマ!」「うっせぇオラっ!」のやり取り。円華もつられて「うっせぇオラっ!」と観客席に返すほど。「会場に来ているチビッ子達!特に君達のコールには思いっきり応えるぜ!」(試合後の柴山貴哉談)
試合が開始されるとコーナーで「ヤッマッダッ!ヤッマッダッ!」と声援を送るタケシマ。「ちょっと静かにしてろ」となだめる山田。円華と山田によるオーソドックスな展開を経て両軍交代。
アキレス腱固めのかけ合いから、柴山が逆片エビ固めに移行すると「ちょっとヤバい…」と言いながらロープに逃れたタケシマ。ダブルのレッグスプレットから円華の弓矢固め。タケシマが狙われる。
円華の逆水平を食らいながら、隙を見てスピアで反撃したタケシマが山田とタッチ。串刺し攻撃を仕掛けた山田だが、円華はビッグブーツでお返し。ブレーンバスターやライガーボムでフォールを狙う円華をタケシマが懸命のカット。
円華がタケシマをカット、その間に柴山が山田を攻め込む。ロックオンからの串刺しエルボーからブルドッキングヘッドロック。リバースDDTからネックロックで山田を絞め上げるが、これもタケシマがカット。
ダイビング・ボディープレスを自爆させた山田がラ・マヒストラル、首固め。ニーリフトで山田をストップさせた柴山だが、ロープに走ると反撃のエルボーバットを食らう。チャンスと見た山田がダイビング・ダブルニー。
しかし何を思ったのか、柴山をミスター村杉レフェリーと激突させる山田。隙を見て柴山に急所攻撃、悶絶する柴山の右腕を自分の股間に挟み込む山田。振り返った村杉レフェリーの目には山田の急所を掴んで離さない柴山の姿が。
注意しても聞かず、反則カウント5をカウントした村杉レフェリーは本部席にゴングを要請、スーパーJBOYSとして始動した山田&タケシマが反則勝ちとはいえ白星をもぎ取った。
ウィナーコールも受けずにそそくさと控室に戻る山田とタケシマ、納得いかないのは円華と柴山。村杉レフェリーに詰め寄るも判定は覆らず、後味の悪い結果となってしまった。
数々のインディーシーンをくぐり抜けてきた山田太郎とタケシマケンヂ、スーパーJBOYSがHEAT-UPマットの台風の目となるのか、ならないのか…
第2試合
王子(キツネ)空手軍とは何なのか。その存在を示すための試合、それがこの戦いだったのかも知れない。
たけむらのコール時、身体を斜に構えて相手に拳を突きつけるポーズ。道着ではなく、プロレスのコスチュームを着用している時の姿が頭をよぎる。
道場ではお互いに組手を行っているであろうが、HEAT-UPのリング上で二人の戦う姿が見られるのはこれが初めて。互いの両手をしっかりと握り試合、いやこの場合は"立ち会い"と呼ぶべきであろうか。
下段蹴りからお互いの距離を詰めていく両者、やがてそれは中段や前蹴りに変わっていく。下段から前蹴り、膝蹴りと放ったのは中川。コーナーで組み付いて膝蹴りを放つ中川、しかし一発の掌低でダウンを奪うたけむら。
仕切り直し、前蹴りを放つたけむらに対し、突きで応戦する中川。いつしか両者による突きの打ち合い、我慢比べが始まる。打ち合う、打ち合う、打ち合う二人。中川の突きが一瞬たけむらの上体を揺るがせる。
たけむらの中段を捌いて、中川の廻し蹴りがボディーに突き刺さる。コーナーを背にしたたけむら、トップロープを掴んで上段蹴りを叩き込んだ中川。たけむらダウン。立ち上がるたけむら、向かってくる中川に飛び膝蹴り。ダウンを奪い返す。
組み付いたたけむら、柔道の心得もある中川を裏投げで叩きつける。正拳突きから再び組み付いて投げを狙うたけむら、捌いた中川は膝蹴りから胴廻し回転蹴り。場外にエスケープするたけむら、ここはプロレス経験の差が出る。
熱気が漂うリング上、普段の組手とは話が違う。コーナーを背にして少々キツそうな表情を見せた中川。たけむらがリングインすると再び突きを浴びせかける。スタミナの切れかかった中川にたけむらの飛び膝蹴り。中川ダウン。
必死の形相で立ち上がってくる中川に対し、たけむらは非常なまでの中段、上段蹴りを叩き込む。上段蹴りでダウンした中川、村杉レフェリーはダウンカウントの途中でストップ。たけむらのTKO勝ちが告げられた。
互いに礼、ガッチリと握手。正々堂々の精神は観戦していた子供達の目にもはっきり映ったはずだ。今後の王子(キツネ)空手軍の行く末はどうなるのか。数々の壁もあるだろうが、常に正々堂々の精神で突き破ってくれる事に期待したい。子供達にとって、先生達はリング上で戦うヒーローの一人なのだから。
第3試合
HEAT-UP生え抜き選手である近藤洋史、兼平大介が初めてタッグを組む。しばらくの間田村和宏一人で守ってきたHEAT-UPの砦を守るため、リングに上がった二人の若き戦士達。場内からは大量の紙テープが乱舞する。
「お願いします!」いつものように前に出て気合い十分で服部に対峙する近藤、あまりのテンションの高さに一瞬たじろいだか。
先発は服部と兼平、ここで兼平は岩本に「出てこい」と手招きをする大胆な行動に出る。その熱さに応えるように交代、岩本が兼平と対峙する。
ロープブレイク時、クリーンに離れた岩本に対し兼平は胸板へのチョップ。しかし岩本は熱くなることなくヘッドロックで絞り上げる。先輩としての器を見せつけたか。
両軍交代、近藤は片足タックルで服部をテイクダウン。ロープワークからアームホイップ、先制のドロップキック。串刺し攻撃を狙った近藤をかわしてネックホイップで投げ飛ばす服部。
ここから近藤が右腕を攻められてローンバトルを強いられる。岩本、服部が代わる代わる近藤の右腕を攻撃するが、その場飛びのドロップキックを服部に叩き込んで窮地を脱した近藤はようやく兼平にタッチ。
ランニングエルボーを服部に叩きつけ、コーナーの岩本にも一撃。エルボー連打から服部にボディースラム。カウンターのドロップキックで返す服部、岩本にタッチ。
腰投げ→胸板へのニー→ランニング・ニードロップと繋げる岩本、兼平を担ぎ上げてハリケーンドライバー狙い。着地して反撃を試みた兼平だったが、岩本が大外刈り。再びハリケーンドライバーを狙うが、兼平がジャンピング・ニーでお返し。
拳を握ってアピールする兼平、岩本の背後に回ってスリーパー。ぐったりした岩本を座らせると胸板へのランニング・ニー。エルボー合戦で打ち勝った岩本、ロープに走るが兼平フラップジャック。岩本はカウンターの払い腰。
両軍交代、近藤の逆水平と服部のエルボーが交差する。制した服部が手裏剣エルボーからジャンピング・ハイ、座らせた近藤に低空ドロップキック。トップロープからのダイビング・ボディーアタック。近藤がピンチに。
カウンターのド根性ホームランで反撃する近藤、ブレーンバスターからフォールの体勢。兼平も岩本をカットするがカウント2。
ここで近藤と兼平の合体攻撃。ブレーンバスターの体勢で服部を持ち上げ、両足をキャッチする兼平。近藤が服部の首を持ち替えて、そのまま叩き落とす。スタナーと膝砕きの複合技"スカイラブハリケーン"(仮称・正式名称募集中)が王子の観客の前で初披露された。
フォールを岩本がカット、服部は近藤に蹴り足を取らせてハイキック。そして近藤の両腕と首を極めるスタンディングクラッチから丸め込む。カウント2で跳ね返されるととどめのジャーマン。服部は嬉しいHEAT-UPマットでの初フォール勝ちをスコア。
試合後も岩本に詰め寄る兼平、岩本が「まあまあ」となだめるが熱い気持ちは伝わったかも知れない。肩を組んで退場する近藤と兼平だが、うつむいたまま去っていくのはいけない。
近藤洋史よ、兼平大介よ、うつむかず前を向いて歩め。君達の存在がHEAT-UPの未来。再デビューを果たす山本裕次郎にも熱さを見せてくれ。
第4試合
HEAT-UP軍対無宿の三大シングルマッチ。両軍共出場する三選手が最初に入場し、それぞれシングルマッチで戦う。
最初は"静"の渡辺宏志に対し"動"のPSYCHO。試合序盤、渡辺の突進をリープフロッグでかわすPSYCHO。着地した瞬間左膝を押さえて場外に転げ出る。「どうした、終わりか?」渡辺が覗き込んだ瞬間場外に引きずり出し、リング内に戻ってスライディングキックを叩き込むPSYCHO。「ココが違うんだよ」とばかりに頭を指差すPSYCHO。
グラウンドでも渡辺をリードするPSYCHO、ヘッドシザースを脱出されそうになると顔面を掻き毟る隙のなさ。串刺しダブルニーから胸板への低空ドロップキック。徐々に"動"となっていくPSYCHO。
エプロンで渡辺の顔面を踏みつけるPSYCHOに対し、田村が抗議。これには反対側のエプロンに乗り出すアラケン。再び場外戦から串刺し攻撃を狙うPSYCHO、渡辺の反撃を切り返してひらりとトップロープに登った瞬間。狙いすましたかの如く、PSYCHOの左足にローキックを叩き込み撃墜!
ここから渡辺の左足殺しが始まる。レッグブリーカー、レッグロック、ニークラッシャー、自らも回転してロープに逃れさせる余裕を無くしてレッグロック。PSYCHOの表情が苦痛に歪む。
更に左膝へのニードロップから監獄固めのような体勢へ。PSYCHOも足を取られながら延髄斬りを放つが渡辺がかわしてまた左膝狙い。上手く回転して逃れたPSYCHOがスウェ〜ニョ。押しつぶして丸め込む渡辺。
スピニング・トーホールドを狙った渡辺を丸め込むPSYCHO。しかし左膝へのダメージが大きい。直角に膝を蹴り、マフラーホールドを極める渡辺。それを丸め込むPSYCHO。
逆襲のシザースキックを放つがかわされ、渡辺がバックを取るとてっしー手島レフェリーを突き飛ばして急所蹴り。そこから渡辺の両腕ではなく首を極める変形の逆さ押さえ込みに。もがいた渡辺だがカウント3。
渡辺が手島レフェリーに抗議するが後の祭り。PSYCHOが無宿に幸先の良い一勝目をスコアした。
第5試合
闘龍門時代の因縁があるアミーゴ鈴木と新井健一郎。いきなり右手を差し出すアラケン、ガッチリと握り返すアミーゴ…この場面で寝返るのか?
これには田村がリング内に入り、「どういう事だ?」とアミーゴに詰め寄る。してやったりの表情をするアラケン、田村を羽交い絞めにする。「しっかり持ってろよ」と確認、アミーゴがロープに飛ぶ…アラケンの背中にエルボーを叩き込んだアミーゴは田村とガッチリ握手を交わし、先程PSYCHOが見せた「ココが違うんだよ」のアピール。
今度はしてやられたと怒り心頭なアラケン、チョップを打ち込んでいくがアミーゴ入魂の一撃でダウン。ペンデュラム式バックブリーカー、倒れこみヘッドバット、コーナーに叩きつける等アラケンの腰に照準を絞るアミーゴ。
キャメルクラッチを指への噛み付きで脱出したアラケン、しかしエルボードロップと倒れこみヘッドバットを素早くかわすアミーゴ。逆に腰への倒れこみヘッドバット。元「新井中一郎」としてアラケンの動きは完全に読んでいる。
それでも無宿の首領としてここで敗れる訳にはいかないアラケン。アミーゴの串刺しエルボーを回避すると、アミーゴの髪を掴んで前のめりにさせ額への低空ドロップキック。コブラツイストへ。
アミーゴも同じ技で切り返すが、再びアラケンが極め返す。腰投げで振りほどいたアミーゴ、「行くぞブレーンバスター!」とアピールしスリーアミーゴス。コーナーに登ったアラケンに雪崩式ブレーンバスターと攻め込む。
アラケンを窮地に追い込んだに見えたが、マンハッタンドロップからジャンピング・パイルで一気にひっくり返されるアミーゴ。胸板へのチョップを受けトップロープを抱えた状態になると、ISHIDAが介入してアミーゴの腕にスタンガン。更にPSYCHOが腕へのイス攻撃!
左腕を痛めたアミーゴに対し、アラケンは腹部へのソバット。そこからアミーゴの腕を極めて回転させ腕十字...そう、田村の眼前でミノルスペシャルを極めてギブアップを奪ったのだ!
もう黙っていられない。勝負が決した瞬間リング内に飛び込んでくる田村。しかし背後からISHIDAが襲いかかりシングル対決三本目が始まる。これで無宿が無傷の二連勝をスコア。このまま勢いで無宿が完全制圧するのか?
第6試合
まだTシャツを脱いでいない田村に対し、ロープワークを逆手にとったISHIDAは顔面掻きむしりからロープへ飛ぶ。逆襲のドロップキックを放った田村、場外に出たISHIDAに走り込んでドラゴンロケット!
リング内に戦場が戻ると田村はチョップ、ミドルキックでISHIDAを倒すとチキンウイング・アームロックからアンドレ。ロープに逃げたISHIDAにミドルキックで追い討ちをかける田村。場外からアラケンが「反則だろ!」と抗議。
トップロープ越しに田村を場外に転落させるISHIDA。すかさずアラケンは手島レフェリーを釘付けにするとPSYCHOが場外乱闘に介入。助けに入った渡辺やアミーゴも巻き込んで会場内の壁に激突させていく。
すっかり自分のペースを掴んだISHIDA、かさにかかって田村を攻め込んでいく。その一挙手一投足はほぼヒールレスラーのものとなっていた。あざ笑うような表情でスリーパー、キャメルクラッチを繰り出すISHIDA。
ISHIDAのブレーンバスター狙いを切り返し、持ち上げてトップロープに固定した状態からネックスクリューをお見舞いした田村。かつてシングルで対戦した永田裕志の技を繰り出していく。
立ち上がろうとするISHIDAに対し、田村はトップロープから首筋にダイビング・ニードロップ。中森華子が得意とするディスティニーハンマー。直下式ブレーンバスターで追い討ちをかける。
場内にアピールし、コンビネーションからソバット。しかしISHIDAも田村の打撃を捌いてトラースキック。これを掴んだ田村が背後からスリーパー。腰を落としたISHIDAにドラゴンスリーパー!言うまでもなく新百合ケ丘大会で一騎打ちを行なった藤波辰爾の必殺技。かつて戦った者達の技を繰り出す。
ここで立ち上がったISHIDAは体勢を反転させ△(デルタ)ドライブへ!劣勢を一気にひっくり返したISHIDAに、アラケンとPSYCHOが加勢。串刺し攻撃でダメージを与えるとアラケン&PSYCHOによるスーパーパワーボム!
リング上で大の字に横たわる田村の髪の毛を掴み、憎しげな表情を見せるISHIDA。田村をフルネルソンに捕らえ、振り回した反動で田村の後頭部を思い切り叩きつける新技を見せたISHIDA!何とかカウント2で肩を上げた田村に対し、ISHIDAはパイプ椅子を振りかざす。
ここでHEAT-UPマットの番人、てっしー手島レフェリーが体を張ってイス攻撃を阻止。アラケンもエプロンから加勢しようとするが、この期に乗じた正規軍はISHIDAへの連続串刺し攻撃。相手のお株を奪うような乱入劇。
復活した田村はスリングブレイド。場外では渡辺とアミーゴが無宿の乱入を阻止する。立ち上がるISHIDA、田村と張り手合戦。打ち勝った勢いでロープに飛ぶが、お返しのアックスボンバーが火を噴く!
ランニング・ローからバズソー、フィッシャーマンバスターから再びバズソーキックを叩き込み、ISHIDAの意識を刈り取った田村がガッチリと片エビに捕らえるとISHIDAも返せず。最後で貴重な勝利を掴んだHEAT-UP軍。
エンディング
勝負が決まった瞬間、飛び込んでくるアラケン。乱闘になりかけるが岩本、近藤、兼平が加勢して事態を収拾させる。アラケンの前で勝ち誇る田村。
「オイ、オイ…見ての通り勝ったぞこの野郎!
オイ!ISHIDA!よく聞け。ISHIDA、俺はな、別にお前のこと嫌いでな、試合組んでんじゃねえよ。オイ…岩本も!ISHIDAも!名古屋だけじゃなくて、お前らがプロレス界の未来を担う存在なんだよ。
オイ…だからな、オイ!お前が嫌いな訳じゃねえよ。HEAT-UP立ち上げて、お前と岩本、必要だから呼んでんだよ。オイ、ISHIDA、よく聞けよ。ここに来てるみんなはな、プロレス見に来てんだよ。
オイ、第1試合だろうがな、第2試合だろうがな、メインだろうが関係ねえよ!オイ、みんなプロレス楽しみに来てんだよ。順番関係ねえよ!選手にはそれぞれ役割ってもんがあるんだよ。
オイ!ISHIDA!お前は無宿じゃねえよ。俺んとこ戻ってこい。俺らと一緒に強くなろうじゃねえか。お前はプロレス界を背負う人間なんだよ。オイ!戻ってこいISHIDA!」
手を差し伸べる田村、少しの間がありその手を握り返すISHIDA。アラケンは「つじつま会ってねえじゃねえか!」とISHIDAの行動に文句を言う。これで元の鞘に戻るか…岩本がISHIDAに近づいたその時、RKOが炸裂!!
不意を突かれた岩本は大の字に。HEAT-UP軍を蹴散らしニヤリと笑みを浮かべるISHIDA、してやったりの無宿。
「いやいやいやいや、田村さんあなたはいつまで経っても乗りが昭和だねホントに!えぇ!?俺より年上じゃねえかアイツ、アイツ50歳くらいじゃねえかホントに?古臭すぎるわなぁ、えぇ!?
って言うかお前、田村お前、何調子に乗ってんだお前?えぇ!?
だいたい、今日よ、えぇ?PSYCHOちゃん、ねえまあ今日ISHIDAちゃん取られたかも知んねえけど、オイ、2勝1敗だぞ俺らの。あぁ?どうすんだお前、えぇHEAT-UP、年内最終興行、我々無宿、王子で天下取ったぞお前!」
アラケンの言葉に対し、田村は
「『終わり良ければすべて良し』だ!!!」と地声で反論。館内は笑いと拍手の嵐で包まれる。
「お前やっぱり俺より年上だろ!(館内爆笑)テメェ屁理屈言いやがってこの野郎、でもどうすんだ、2勝1敗だからよぉ、俺らが提案する事なんて何もねえぞこの野郎。(マイクが1本しか用意されておらず)
マイク1本しかねえから仲良く共有して喋ってやろうじゃねえかこの野郎!!(館内爆笑)」
アラケンの言葉に田村が渋々マイクを握る。
「オイ、オイ納得いかないんだったらなあ、オイ、新井健一郎、そろそろ決着付けようじゃねえか。オイ。
来年一発目、俺と!シングルマッチだ!!」
ここで館内にいた一人の女性から『えぇっ!?』の声が起こる。これには田村も「何で『えぇっ!?』なんだ!」と感情を露わにする。館内は笑い。
「オイ!勝ったんだぞ今日!俺勝ったんだぞ!何で『えぇっ!?』って言われんだ!!!」一転、大人気ない言動となる田村に館内から田村コール。
「ねぇ〜お客さ〜ん。やっぱり俺らの方が実力も何からよお、マイクパフォーマンスも、客を引っ張ってんのは我々無宿なんだよ!そろそろ気付いて下さいよ。えぇ!?
それに何だお前、俺と一騎打ち?お前本気か?だけどなお前、今よ、プロレス界色々ありますけれど?何故だか知らないけれど、俺の元には『田村和宏と戦いたい』って奴らが、なぜか集まって来るんだよねぇ。えぇ!?
俺と一騎打ちやる前に、色々やってもらわないといけないカードがあるんと違いますかホントに?えぇ?」
そこに音も立てずに入ってくる無宿マスク。田村の背後に忍び寄ると不意打ちを食らわせる。ミドル連打から水面蹴り、ロープに走ってランニング・ローを放つ無宿マスク。どこかで見たような攻撃パターン...
「オイ!田村さん田村さん!えぇ!?今の蹴り、何か、見覚え無いですかねぇ?えぇ!?オイ!今まで散々お手伝い役で、便利屋で扱ってた無宿マスクは今日で終わるぞオイ!
なあ!オイ!来年から無宿マスクは!新しく生まれ変わるんだ!という事で、無宿マスクちゃん、そのマスクを取ってあげたらどうですか?」
無宿マスクがマスクを脱ぐ。館内からは驚きの声が上がる。
「オイ!まあまあ言いたい事は色々あるだろうけどよ!
HEAT-UP!立ち上がる前の二年前まで、田村和宏とSTYLE-Eで一緒にやってた那須晃太郎だ!!!」
そこに現れたのはU-FILEの那須晃太郎!!かつてSTYLE-Eで共に戦っていた那須。憎しげな表情でツナギの胸元を広げるとそこにはSTYLE-EロゴのTシャツが。高笑いするアラケン。
「いや〜那須ちゃん、二年前は?まだ田村和宏の下にいたペーペーだったけど、ねえこの二年間、色々と変わったんでしょ?無宿へ、いらっしゃい。」
アラケンの差し出した手をしっかりと握る那須。まさかの無宿入り。
「あ〜、久しぶりですね田村さん。二年ぶりですかね、STYLE-Eなくなって。
え〜HEAT-UPファンの皆さん、知ってるかどうかわかりませんが、僕、この田村和宏と同じ団体、このSTYLE-Eって団体で活動してました。
二年前、まあ5人しかいなかったですが、方向性の違いで別れることとなり、僕らU-FILE CAMPとHEAT-UPで分裂してしまいました。
当時二年前、一番下でペーペーだった僕、全て田村和宏が選手のオファーなり取り仕切ってて、話を貰って試合を行う体(てい)でやってました。だけど、あなたの元を離れてすぐに、IGFからオファーがありました。
で、アンタの元を離れて12月31日大晦日、両国で俺『INOKI-BOMB-A-YE』出場したんですよ。その後も全日本や、色んな所出て、それなりに自分の名前高めていったつもりです。
アンタまた西調布離れて、今度は王子で団体やってるらしいですけど、この二年間をかけて、僕はあなたの価値観超えたと思ってます!」
この那須の言葉に田村が激昂、感情むき出しで掴みかかる。たちまちリング内は大乱闘に。
「オイ何しに来たんだこの野郎、俺の元から去ったのはお前だろ!!!
俺はなぁ、お前ら抜けて、HEAT-UP立ち上げてな、一人でここまでやって来たんだこの野郎!!オイ!お前に何がわかるんだこの野郎!!
オイ!今更ここに来やがって何しようって言うんだこの野郎!!お前の枠なんてねえよ!帰れ!!」
激昂する田村に那須は「見りゃわかるだろ、ぶっ潰しに来たんだよ!」と挑発、再び那須に掴みかかる田村。乱闘が収まっても互いに罵倒し合う田村と那須。
「枠無ければなぁ、奪ってやるよ!いつまでも乱入してやるよ、お前のとこによぉ!ぶっ潰してやるよ!ハハッ、馬鹿野郎!!!
テメエとなぁ、俺のなぁ、格の差を見せてやるよバカ!!!
…無宿、楽しいね。じゃあ締めはダーイシ(ISHIDA)に任せようかな。」
無宿への参加、そして田村和宏への宣戦布告。那須晃太郎はISHIDAにマイクを渡す。
「今、名古屋ではスポルティーバが復活して。だけど、名古屋は名古屋。ここHEAT-UPでは今まで通り無宿としてやらせて貰う。そして無宿として、上を狙う。田村さん、今日の借りは来年絶対返しますよ。」
ISHIDAの言葉で去っていく無宿。
「…俺は、夢を持ってHEAT-UPやってるんだ。アイツ(那須)の入る枠はねえよ。俺はもっともっとHEAT-UP広めて、全国にHEAT-UPを広めるんだ。
こんなとこじゃ絶対立ち止まらねえぞ。今日、2勝1敗…1勝2敗か。関係ねえよ、負けたら這い上がればいいんだ。
そしてHEAT-UPどんどん大きくしていこう。あんな邪魔が入っても、俺らでちゃんと夢持ってやっていこう。よし!
ちょっと、こんな雰囲気になっちゃったけど、今日でHEAT-UP、2014年全ての興業が終了致しました!
なんとかこうやって一年間走り続けて、こうやって二人(近藤と兼平)デビューして、そして仲間もね。僕らまだ、これからです!
2015年は更に厳しい戦いが待ってます!だけど!みんなと力を合わせて、必ず俺らHEAT-UP広めていきたいと思います。皆さん来年も応援宜しくお願いします!!!」
2014年、旗揚げして二度目の年末を終えたHEAT-UP。まだまだ困難は続く。それでも夢を持って、彼らは走り続けるだろう。
大会終了後、アフターパーティーを開催したHEAT-UP。選手とファンの交流があちこちで行われ、楽しいひと時を過ごしていた。
玲央に酒を飲まされた田村は顔から上半身から全てが真っ赤になっていた。HEAT-UPのイメージカラーは燃えさかる情熱の赤。全身を赤に包まれた田村和宏の先は明るい、そう信じてもいいじゃないか。
【記事提供/HEAT-UP】