KO-D無差別級王者・平田一喜が『いつでもどこでも挑戦権』行使の彰人に薄氷の勝利で初V!「強くはならなかったんですけど、守りたい気持ちが強くなりました」

DDTプロレスが9月15日、北海道・札幌サンプラザで『けやきMelty Love 2025』を開催した。彰人が予告通り、KO-D無差別級王者・平田一喜に対し『いつでもどこでも挑戦権』(緑)を行使するも、平田が薄氷の勝利を挙げ初防衛に成功。平田はなんとか王者として帰京できることになった。
第4試合で前日に続き、平田vs彰人の『札幌名物試練のシングル二番勝負again・第二戦~札幌マラソン式デスマッチ』が行われた。これは2日間を通して勝敗を争うもので、試合形式は制限時間10分のうちに通常の3カウントフォール、ギブアップを奪った選手に都度1点が加算。相手を場外リングアウト(20カウント)に追い込んだ場合も1点が加算。反則行為を行った場合は2点の減点。札幌2大会での2試合の合計点で上回った選手が勝者となるルール。ただ、これだけでは平田が不利という彰人の判断により、メガネを装着し『TOKYO GO!』を流すことができれば1点、ダンスを踊り切ることができれば、さらに5点が加算される。前日を終えての得点状況は平田が0点、彰人が7点。
試合は彰人がアンクルホールドなどで、次々に得点を重ねていく。彰人はエプロンで平田の手を養生テープでロープに縛り付け、口も養生テープで塞ぐ。そこで彰人が『いつどこ』を行使。平田は動くことができず、口も塞がれていたため、これを回避することができず、急きょ試合中にKO-D無差別級選手権試合が行なわれることになった。

シブシブ防衛戦を行うことを受け入れた平田だが、徹底的に彰人から足攻めを食らう。アンクルホールドでタップ寸前まで追い込まれたが、どうにか耐えてエスケープ。その後も足攻めを続けていった彰人だが、足4の字固めを狙ったところを平田が奇跡を呼ぶ一発逆転首固めで丸め込んで3カウントを奪取。この時点でトータル10分を経過していたため、マラソン式デスマッチも終了となった。
無差別級王座の初防衛には成功した平田だったが、札幌マラソン式デスマッチの得点としては、最後の首固めでの3カウントで獲得した得点1だけで、彰人の14点には遠く及ばず。ベルトは防衛したが、2日間に及んだマラソン式デスマッチには敗れるという、なんとも不思議な結果となった。
試合後、彰人はかつて平田とのシングルマッチで平田がヒザを負傷して長期欠場したことがあったため、「いつか清算しなくては」という思いを抱えていたことを吐露。それがこの日の試合であり、平田も若手通信世代とKO-D無差別級のベルトを懸けてタイトルマッチができたことに感無量の様子。平田が「確かに強くはなってないけど、守りたいというものができたんで頑張れはしますね!」と言うと、彰人はエールを送った。
バックステージで平田は「回避はできなかったけど、8度目(自称)の防衛に成功しました! 真っ当なプロフェッショナル・プロレスリングで! (9・28)後楽園、見えて来たんじゃないでしょうか!? 後楽園のメインでヨシヒコとやらなきゃいけないんだよ。イヤでしょ! (いつどこを持ってる)あなたたち、終わるまで待とうよという話。今日使われてしまいましたけど…。強くはならなかったけど、守りたい気持ちが強くなりました」と安堵の表情。その後、遠くから見つめていた、『いつどこ』(青)保持者の上野勇希が、平田が去ったコメントブースに現れ、菓子を食べるも無言。
王座奪取ならなかった彰人は「獲りたかったけど…。悔しいというより、残ってる若手通信世代の僕と平田君でこうやって無差別のタイトルマッチができたっていう、うれしさの方が勝っちゃってる。それで負けたのかもしれない。試合中に感慨深くなったとこがあって。そのベルト持っててください。次はいつどこじゃなく、正式にタイトルマッチやりましょう」と話した。
なんとかかんとか王者のまま、帰京できることになった平田だが、今後も『いつどこ』を持つ上野と納谷幸男(赤)が行使のタイミングを図っているのは間違いない。平田は王者として、無事後楽園にたどり着くことができるのか?