ハードヒット6.27bayside-yokohama大会 佐藤光留主催第1回大会 光留vs.金原、川村vs.岩本、勝村&砂辺vs.清水&太田
ハードヒット
日時:2015年6月27日(土)
本戦開始:17:00
会場:神奈川・bayside-yokohama
▼第1試合 10分1本勝負
○関根龍一(KAIENTAI-DOJO)【1D0E0P】
3分36秒 裸絞め
●安藤純(超人クラブ)【1D0E0P】
▼第2試合 ダブルバウト 15分1本勝負
○原学(フリー)/中津良太(DNA)【1D0E0P】
12分47秒 ジャーマンスープレックス→K.O
小林裕(U-FILE)/●服部健太(花鳥風月)【1D1E0P】
▼第3試合 10分1本勝負
○入江茂弘(DDT)【3P0E0P】
4分56秒 3ロストポイント→T.K.O
●鶴巻伸洋(フリー)【1D1E0P】
▼第4試合 10分1本勝負
○スーパータイガー(リアルジャパンプロレス)【0P0E0P】
2分47秒 ローキック→K.O
●星誕期(DDT)【0P0E0P】
▼第5試合 10分1本勝負
△伊藤崇文(パンクラスism)【0D1E0P】
10分0秒 引き分け(時間切れ、残りロストポイント2-2)
△KEI山宮(GRABAKA)【0D1E0P】
▼第6試合 10分1本勝負
○青木篤志(全日本プロレス)【1D1E0P】
10分0秒 時間切れ、残りロストポイント2-1
●和田拓也(フリー)【1D0E0P】
▼第7試合 グラップリングタッグマッチ 15分1本勝負
○勝村周一朗(リバーサルジム横浜グランドスラム)/砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)
12分28秒 ニンジャチョーク
清水俊一(総合格闘技宇留野道場/HybridFighter)/●太田駿平(フリー)
▼第8試合 15分1本勝負
●川村亮(パンクラスism)【0D0E0P】
8分3秒 肩固め
○岩本煌史(スポルティーバ)【2D1E0P】
▼第9試合 15分1本勝負
●佐藤光留(パンクラスMISSION)【2D1E0P】
10分18秒 レフェリーストップ
○金原弘光(U.K.R.金原道場)【0D2E0P】
佐藤光留主催ハードヒット第1回大会のメインで光留が指を脱臼!「これが現実です」
川村は岩本に逆転負け!勝村&砂辺は清水&太田のグラップリングに苦戦するも勝利
オープニング
佐藤光留主催となり新体制のハードヒット。まずは主催者の佐藤光留が“前奏付き”の『moonlight』にのって登場し、「本日はご来場まことにありがとうございます。DDTの1ブランドとして生まれたハードヒットですが、この度DDTから独立致しまして、隅から隅まで、頭の先からつま先まで佐藤光留が仕切ることになりました。そんな今回のハードヒット、すごい重要な情報なんですけど、前売り券は売り切れたんですけども、何と当日券も売り切れました! ですが、まだ人があまり来ていません(※場内爆笑)。いきなりうまくいかないところがハードヒットなんですけど、それでもリング上はいままで以上にハードに当てていく、極めていく、今のプロレスで少し……まったくなくなったとは言いませんが、少し失われつつある部分を取り戻す闘いを選手全員してくれると思います。今日も熱い応援よろしくお願いします!」と挨拶した。
続いて井上マイクリングアナがこの日のカードを発表してから、ハードヒット公式ルールを説明。そして若手選手による反則行為のデモンストレーションが行われた。
第1試合
バトルトランクスにレガースなしの安藤に対し、関根は素足にレガース。関根は試合開始と同時に左右の掌底で前に出る。組んだり、突き放したりして防御する安藤は、スタンディングの肩固めに捉えると投げてテイクダウン。カメになる関根のバックマウントを取った安藤だが、スイープして上になった関根は掌底を打ちながらバックを取ってスリーパーを狙う。これを極めさせなかった安藤はスタンドになると、左右の掌底を関根の顔面に連続で叩き込んでダウンを奪う。カウント7で立ち上がった関根は気合いの雄叫びと共に掌底で突進。今度は逆にダウンを奪う。
カウント7で立ち上がった安藤に、なおも組み付いていった関根は強引に押し倒すとマウント掌底を連打。そこからカメになる安藤を胴絞めスリーパーに捉える。これがリング中央でガッチリと極まり安藤はタップアウト。
関根は嬉しい勝利。試合後は健闘を称え合い、敗れた安藤は潔く関根の腕をあげて勝利を称えた。
第2試合
ハードヒットのダブルバウトはカットプレーや合体攻撃が禁止のハードヒットルールによるタッグマッチ。服部のみレガースはなし。中津と服部の先発で試合開始。素早い動きで服部が片足タックルを仕掛けていくが、中津もよく動きについていき簡単にテイクダウンさせない。服部が相手コーナーに押し込んだところで原がタッチ。すると服部も小林にタッチ。
テイクダウンを奪った小林はマウントからサイドを取るが、すぐに脱出した原。だが、下になった小林はフロントネックロックを狙う。うまく首を抜いた原だが、マウントを取った小林は腕十字の体勢に。
クラッチした原はクラッチを切ろうとする小林に対し、その勢いを利用してアキレス腱固めに捉える。ここで小林は服部にタッチ。片足タックルを仕掛けた服部だが、ガブった原は服部を突き放して中津にタッチ。掌底からの蹴りを叩き込んだ中津は、ノーガードで挑発しておいて、タックルを仕掛けていた服部にミドルキック。
さらに押し潰してマウントを取ると腕十字の体勢に。うまくスイープした服部だが、スイープし返した中津はアームロックを狙う。服部が防御すると、ガブった状態で殴った中津は原にタッチ。
テイクダウンを奪ってサイドを取った原はテレフォンアームロックの体勢からマウントにパス。そこからガブった状態で中津にタッチ。ニーオンザベリーから掌底を脇腹や頭部に叩き込んでいった中津は、そのまま原にタッチ。左右のミドルキックからヒザ蹴りを叩き込んだ原だが、服部はそのまま原を抱え上げて水車落としで叩き付ける。
タッチを受けた小林は掌底からヒザをボディに叩き込むと左ハイキックでダウンを奪う。カウント9で立ち上がった原はソバットから左右のハイキックを返すと、脇を刺していって自軍のコーナーまで押し込んで中津にタッチ。掌底の連打から脇の差し合いになると、バックを取った中津が強引にジャーマンで投げていく。
ダウンカウント8で立ち上がった小林はボディへのヒザから顔面にアッパー掌底。中津も顔を下げながら掌底を返すが、小林はそこに飛び付き腕十字。中津はロープエスケープ。タッチを受けた服部は中津の両足をクロスさせると、レスリングのローリングから変形のクロスヒールホールドへ。
打撃で脱出した中津は後方回転してグラウンドに引き込むと、そのまま組み付いた状態で立ち上がってスロイダーで投げていく。タッチを受けた原はミドルキックを叩き込んで「オラ、どうした!」と挑発。服部も掌底を返していくが、原はヒザ蹴りからバックを取ると、踏ん張ると服部を見事なジャーマンで投げていく。レフェリーはダウンカウントを取るのを止めて試合をストップ。原がKO勝ちを収めた。
第3試合
W★INGのTシャツを着て入場した鶴巻。見るからにゴツイ両者だが、ガッチリ握手を交わして試合が始まると、鶴巻が牽制のハイキックからロー。バックステップでかわした入江だは、鶴巻の片足タックルも引き剥がす。もう一度片足タックルを仕掛けた鶴巻だが、一旦離れてローキックの連打にスイッチ。
そこから片足タックルでテイクダウンを奪った鶴巻はアキレス腱固めへ。思わず悲鳴をあげながらロープエスケープした入江。なおもインローを蹴っていった鶴巻は首相撲からのヒザ蹴り。だが、そのまま鶴巻を抱え上げた入江はブラックホールスラム(=旋回式スクラップバスター)で叩き付ける。
ダウンカウント8で立ち上がった鶴巻は掌底からのタックルを狙ったが、これはかわした入江。ならばとインローからミドルキックを蹴っていった鶴巻だが、入江は蹴り脚をキャッチしてショートレンジラリアット。かわした鶴巻だが、ロープの反動を利用した入江はビーストボンバーを叩き込んでダウンを奪う。
何とか立ち上がった鶴巻はローキックの連打でダウンを奪い返す。左腿を徹底的に蹴られた入江だが、何とか立ち上がる。そこにタックルを仕掛けた鶴巻だが、キャッチした入江はそのままパイルドライバー。だが、鶴巻はなおも入江の両足を抱え込む。すると入江は鶴巻の両腕ごと抱え込んでパッケージドライバーで叩き付ける。これで鶴巻はダウンし、3ロストポイントで入江が勝利。コーナーに登ろうとした入江だが、足を滑らせて転落した。
第4試合
誕期は浴衣姿で入場。一方、セコンドがレジェンド王座のベルトを抱えがながら入場したタイガー。誕期が浴衣を脱ぐと、何と黒のまわし姿。これには思わず場内からどよめきが起こる。力士vs.スーパータイガーという超異色対決。
軽く四股を踏み、蹲踞の体勢で睨み付けた誕期。ガードをあげる誕期にローキックを叩き込んだタイガーは、飛びヒザ蹴り。しかしキャッチした誕期はそのままコーナーまで押し込んでいく。ブレイクがかかると、タイガーはなおもローキックから飛びヒザ。しかしブロックした誕期は組み付くと、強引に上手投げで投げてから上から覆い被さり肩固めへ。
だが、完全には極まらずブレイクがかかる。タイガーはローキックを連打。左腿を連続で蹴られた誕期がロープにもたれ掛かると、レフェリーはエスケープを取る。誕期は掌底で前に出るが、タイガーはなおも左腿を蹴りつけてダウンを奪う。
どうにか立とうとする誕期だが、同じ箇所をひたすら蹴られたため足の踏ん張りが利かず10カウント以内に立ち上がることが出来なかった。
第5試合
かつては同じパンクラスismの仲間だったが、山宮はGRABAKAへ、伊藤はいまもismに残っている。そんな二人の対決がハードヒットで実現。山宮はシルバーのショートタイツにレガース姿で登場。2日後にZERO1の天下一ジュニアが控えている伊藤だが、気合い十分の表情でリングイン。
慎重に握手を交わしてからお互いにフェイントを入れながら相対する。山宮のタックルをかわした伊藤は逆にタックルを仕掛けるが、山宮が切って猪木-アリの状態に。組み付いていって立ち上がった伊藤。一旦離れると伊藤がタックルからテイクダウン。
立ち上がろうとする山宮の足をつかんでグラウンドに引き込む伊藤だが、山宮は立ち上がって猪木-アリの体勢に。伊藤も立ち上がってスタンドになると、伊藤はタックルからバックを取る。またも猪木-アリの体勢からサイドを取った山宮。カメになる伊藤の脇腹に掌底を入れてからローリングクレイドルのような体勢となった山宮はニーロックへ。
伊藤もその状態から腕十字を狙ったが、足首を極められてしまいロープにエスケープ。組み付いていった伊藤だが、バックに回った山宮はもう一度ニーロックを狙う。これを押し潰した伊藤はサイドから腹固めへ。ここで山宮がロープエスケープ。
自らマットに座って足をかけた伊藤はアキレス腱固めへ。上体を起こして上になった山宮はヒザ十字固めへ。残り3分となり、伊藤は必死に防御すると逆にヒザ十字固めへ。しかし山宮はうまく立ち上がると掌底で伊藤をコーナーまで追い込んでドロップキック。かわした伊藤はアキレス腱固め。山宮もアキレス腱固めを仕掛けていくと、伊藤はアンクルホールドにスイッチ。
さらにお互いその体勢から掌底を相手の顔面に叩き込んでいく。残り1分となり、ガブりながら立ち上がった伊藤はフロントネックロックへ。首を抜いて掌底を振り落とした山宮はアキレス腱固め。さらに上体を起こして掌底を叩き込んだ山宮。伊藤も下から掌底を返すが、ここで時間切れのゴング。残りロストポイントが2-2のため引き分けに終わった。お互いに「もう1回」と言いながら握手を交わした。
第6試合
第4代ウェルター級キング・オブ・パンクラシストの和田と元世界ジュニアヘビー級王者・青木の対戦。和田はプロのリング復帰戦。両者は高校時代にレスリングで対戦して青木の3戦3勝。
まずはお互いに牽制のローキック。青木は片足タックルでテイクダウンを奪うと、サイドに回ってからガブっていく。逆に上になった和田はマウントにパスすると、挑発するように掌底。スイープして上になった青木はオーバーハンドの掌底を叩き込むが、和田は下から足関節を狙う。
青木も足関節を狙うが、和田は立ち上がる。和田は右ローから左ミドル。そしてタックルを仕掛けるが、ガブって潰した青木。クラッチして持ち上げようとした青木だが、和田はそれを許さず、ヒザ十字固めへ。上体を起こした青木は強引に逆片エビ固めを仕掛けるが、和田は回転しながら脱出。
掌底からロー、さらにタックルから青木を抱え上げていった和田だが、青木はグラウンドに引き込む。すると和田は側転パスガードからガブっていき、バックマウントを取ると回転しながら腕十字へ。5分が経過し、クラッチした青木はサイドにパス。
立ち上がった和田はヒザ蹴りの連打からハイキック。これがクリーンヒットして青木は崩れ落ちるようにダウン。カウント8で立ち上がった青木は和田の打撃をかいくぐってタックルを狙う。どうにかテイクダウンを奪いサイドにパスした青木は腕十字へ。だが、クラッチして防御した和田は立ち上がる。
青木はローから胴タックルで組み付くとバックドロップで投げてダウンを奪う。カウント8で立ち上がったところで残り3分。ミドルを出す和田だが、蹴り脚をキャッチした青木は抱え込み式逆エビ固めのような体勢でステップオーバーすると、そこからテキサス・クローバー・ホールドへ。
和田がロープエスケープして残り1ポイント。すると、グラウンド状態から組み付いた和田は俵返しで投げていく。青木はそのままマウントを取ると腕十字を狙うが、スイープして上になった和田はマウントを奪い返してボディへのパンチから腕十字を狙う。クラッチする青木に対し、残り10秒で和田は一旦離してからスリーパーを狙ったが、ここで時間切れのゴング。
残りポイント2-1で青木が辛くも勝利。悔しそうな和田が人差し指を出して「もう1回」とアピールすると、青木も同じように人差し指を出してから握手を交わした。
第7試合
グラップリングルールによるタッグマッチ。メガネ姿の清水に対し、グラップリングルールだがレガースを着用していた勝村。まずは勝村vs.太田で試合開始。下になった勝村に対し、サイドにパスした太田だが、勝村も下から回転しながらコントロールすると、両足で挟んでからアキレス腱固めを狙う。回転して太田が逃れたところで両者タッチ。
メガネをコーナーに置いた清水はハイハイしながら砂辺に向かっていくと、続いて仰向けに座った状態で詰め寄っていく。しかし砂辺は側転パスガードから腕十字の体勢に。防御して立ち上がった清水は手招きして挑発。
相対した砂辺は勝村に呼ばれた気がしてそっちを向いてしまう。そこにタックルを仕掛けた清水はアキレス腱固め。「ギブアップ?」とレフェリーに聞かれ「NO! うるせー!」と応えてから脱出した砂辺は勝村にタッチ。すると清水も太田にタッチ。バックを取った持ち上げた太田だが、投げさせない勝村は足に絡みつきながらグラウンドに引き込む。
しかし太田はそこからぶっこ抜いて俵返しで投げていく。腕に絡みつきながらグラウンドに引き込んだ勝村だが、うまく脱出した太田はバックを取る。投げられそうになったところで勝村は砂辺にタッチ。太田からタッチを受けた清水はメガネをかけたままリングインしそうになる。
メガネを外してからリングインした清水だが、グラウンドに持ち込んだ砂辺は腕十字から三角絞めに。持ち上げようとした清水だが、砂辺は足に絡みついてヒザ十字固めへ。サイドに逃れた清水はマウントを取ると足関節と思わせおいてバックに回ってスリーパー。砂辺はどうにか勝村にタッチ。
逃げようとする清水のバックを取った勝村はグラウンドに引き込むとサイドを取るが、スイープした清水は立ち上がり、勝村は払い腰で投げてから変形のキーロック。脱出した勝村はスタンディングでアームロックを狙う清水を強引に持ち上げると、頭からマットに叩き付けて腕十字を狙う。ここで清水は太田にタッチ。勝村も砂辺にタッチする。
砂辺のタックルを切った太田はなおも片足タックルを狙う砂辺を強引にサイドスープレックスで投げていくが、どうにか着地した砂辺は勝村にタッチ。三角絞めで引き込んだ勝村だが、持ち上げてバスターで叩き付けた太田。勝村はたまらず砂辺にタッチ。砂辺に詰め寄った清水はスリーパーを狙うが、砂辺は防御。アームロックを狙った清水だが、砂辺は下から腕十字へ。
ここで清水は太田にタッチ。バックからクラッチした太田は強引に投げていくが、砂辺は勝村にタッチ。太田はタックルから水車落としで叩き付けるが、勝村はその状態からフロントネックロックに捉える。そのまま立ち上がった太田だが、勝村は逆に後方に投げると、そのままハーフダウンの太田をニンジャチョークで絞め上げていきタップを奪った。
スリリングかつトリッキーな動きも多い、見応えのあったグラップリングタッグマッチ。試合後、両チームが健闘を称え合うと砂辺がマイクを持ち、「ヤバかったな(苦笑)。でも俺と勝村さんなら大丈夫だろうと思って、実際この結果になったでしょ。いや、キツイな。なんだっけ? 7月5日! 来週日曜、パンクラス。さっきKEI山宮選手とやったいるかな? 伊藤崇文選手、伊藤さんとパンクラスのリングで、パンクラスルールで、無差別級で僕が闘います。元々パンクラスもね、Uの流れをもって無差別級でやっていたから俺もあの人のパンクラス愛にしっかり打ち勝とうと思っているので、時間ある人はというか、時間を作って皆さんパンクラスに来るように。どうもありがとう」とマイクアピール。
第8試合
スポルティーバエンターテイメント所属でハードヒット常連の岩本が、パンクラスismの川村と対戦するセミファイナル。岩本はレガースなし。掌底で前に出る岩本だが川村はスウェーでかわしていく。バックステップで下がりながら岩本の脇腹にミドルキックを叩き込んだ川村は、さらに掌底で岩本の顔を下げさせたところにミドルキックを叩き込んでダウンを奪う。
どうにか立ち上がった岩本だが、川村はなおも掌底からのミドル。ノーガードのまま詰め寄っていく川村に対し、組み付いていった岩本だが、脇を差した川村。一旦離れた岩本は掌底を打っていくが、川村は冷静に狙いを定めて左ミドルを脇腹に叩き込んだダウンを奪う。
岩本は残り3ポイント。
組み付いてのヒザを叩き込んだ川村を押し込んで倒した岩本はアームロックを狙う。だが、極めさせずにサイドを取って上になった川村はハーフガードでしのぐ岩本に掌底を入れていく。一旦離れようとした川村のバックを取った岩本だが、逆にマウントを取った川村はストレート掌底を顔面に打ち下ろす。
膠着したためブレイクがかかると、組み付いた岩本に対して脇を差してから押し倒した川村は袈裟固めへ。これで岩本はロープエスケープ。残り2ポイント。川村は左右の構えをスイッチしながら岩本にボディブローを入れていくと、ガブっていく。そこから一旦離れて左右の掌底を叩き込んだ川村。
飛びヒザを出した川村だが、キャッチして払い腰で投げた岩本はそのまま肩固めに捉える。これが見事に極まり、何と川村がタップアウト。岩本のセコンドについていた入江と関根が岩本を抱え上げて祝福。まさかの番狂わせを起こした岩本に対し、川村は呆然としながら引き上げていった。
第9試合
新体制ハードヒット第1戦のメインは主催者である佐藤光留が、Uの大先輩であり今でも強い金原弘光と対戦する一戦。自身が主催した『U-SPIRITS』のTシャツで入場した金原に対し、光留は久しぶりに『サバンナチャンス』に乗って入場。
握手を交わしてから試合が始まると、金原がまずはミドルキック。キャッチしてグラウンドに持ち込んだ光留は足関節を狙うが、金原は防御して多胎上がる。ミドルを飛ばした金原に対し、光留もミドルを返す。金原のローには光留もロー。金原のカカト落としが光留の顔面をかすめたが、組み付いていった光留はコーナーに押し込む。
ガブって潰した金原は後方回転してマウントを取ると、サイドにパスするが、光留もうまくタイミングを合わせて回転して立ち上がる。左ミドル2連発を叩き込んだ金原はさらにボディへのヒザから左右のハイキック。ハイキックはブロックした光留だが、グラウンドになった金原はバックに回ってスリーパーを狙う。
うまく逃れて上になった光留はガードポジションの金原にパンチを落とすが、金原は下からアームロックを狙う。しかし光留は金原の左足に飛び付く。回転しながら上になった金原はニーオンザベリーからヒザ十字固めへ。ここで光留はロープエスケープ。
5分経過し、金原はローキック2連発からインロー。さらにミドル、ソバットからジャンピングスピンキックを出すが、これは当たりが浅い。しかしグラウンドに持ち込んだ金原は腕十字を狙う。うまく上になった防御した光留はサイドからマウントへのパスを狙うが、金原がそれを許さずブレイクがかかる。
ミドルから掌底、ハイキックを叩き込んだ金原は右のストレート掌底を顔面に叩き込んでダウンを奪う。カウント9で立ち上がった光留だが、金原は左ミドル。これがクリーンヒットすると、組み付いて後方回転してグラウンドへ。しかし光留はアキレス腱固めに捉える。悲鳴をあげた金原はロープエスケープ。
右ローから掌底を打った金原だが、うまくかわした光留が逆に掌底を叩き込む。グラウンドに持ち込んだ金原はマウントからボディへのパンチ。脇を差しながら立ち上がった光留は掌底からミドル。だが、キャッチした金原はストレート掌底を叩き込んでダウンを奪う。カウント9で立ち上がった光留だが、残り2ポイント。
ミドルからヒザ蹴りを叩き込んだ金原は組み付いてきた光留をグラウンドに引き込む。裏腕十字のような体勢に捕らえた金原だが、光留はクロスヒールホールドに捉える。これで金原はロープエスケープしたが、その直後試合が一旦ストップ。ドクターが呼ばれると、光留の左手薬指が変な方向に曲がっていたためレフェリーストップ。
エンディング
悔しさから「うわーーーーーーっ!」とうめき声をあげた光留を後ろから見つめる金原。そんな光留に観客からは「いい試合だったぞ!」「また見たいよ!」といった声と共に拍手が贈られる。嗚咽しながら金原と握手をした光留だが、指を押さえながら悔しさでいっぱいの様子。
金原が引き上げると光留は「僕は……僕の育ってきたUはどんな条件や、どんなアクシデントがあっても結果には関係ない! 勝った奴が正しい! 負けた奴は何があっても正しくないという教えだけで生きてきました。さっきいい試合だと言ってくれた人もいましたが、それはプロレスが…プロレスが…プロレスが大きくなっていくためには必要なのかもしれませんが、人間は限界を感じて自分からギブアップするときもあれば、全身動くのに指だけが外れて動かなくなることもあります。でもそれを含めて人間がやるプロレスだと思ってます! 今日は佐藤光留主催のハードヒット第1回目ですが、これが現実です! 皆さんの見たもの、これから伝えて誰かが感じることが現実です! それをすべて受け止めてこれからもハードヒットは続いていきます! 約束します! 絶対に終わらせません!(※場内拍手)今日、勝って全選手出てきてもらって、ハードヒットこれからもいい大会だなって感じで終わることが僕の勝負での勝ちでした。でも今日、勝てませんでした。これで『もうハードヒット行かねぇよ』っていう気持ちになったら、それはそれが勝負です。でも絶対にやめなければ可能性は少しだけでもありますから。生きるっていうことは可能性ですので、ちょっと手は動かないですけど、手以外のもので明日を掴んで生きていきたいと思います! 今日は本当にありがとうございました!」と思いの丈をぶちまけた光留は四方に頭を下げた。
<試合後コメント>
佐藤光留
――指は脱臼ですか?
「はい、生まれて脱臼して、いや試合中にアレッ?って思ったら、左手の薬指が小指に引っかかって、動かなくなってて。とりあえず残りの3本で足極めてたんですけど、その後も自分の力じゃ外れなくて、そこで初めてあぁ脱臼してるんだと思って。なんとか真っ直ぐに伸ばそうと思ったんですけど、もう何も動かなくて…。いや、でもこれ(=指の脱臼)だから、試合が終わったんじゃなくて、それは自分の弱さですね。僕が負けたんで、ドクターストップで。これは僕が負けたって事ですね」
――DDTから外れての1回目でしたが大会全体を振り返っていかがでしょう。
「…いやもう自分が良くなかったら良くないですね。やっぱり、DDTっていうのは、緩衝材だったと思うんですよ。でも、皆で必死にやって、僕も、僕の力でやってると思ってましたけど、でもやっぱり緩衝材で居てくれたんで……」
――前売り券も完売し、当日券も完売して札止めになった。佐藤光留主催のハードヒットに期待するファンが多かったということだと思うが。
「まあ川村も負けたし僕もコケたんで、自分たちで上げたハードルを超えれなかったというのが事実じゃないですか。これをたった1回と思うか、今日が最後だと思うか、だと思うんですけど、それでも僕は、生きていれば嫌な事だってあるんですよ。それを、一切受け入れない今のプロレスは嫌いです。お客さんを満足して帰らせるのは当然だと思います。それはもう否定しないです。だけど、人が闘ってるんだから、必ず全部ハッピーエンドっておかしいじゃないですか。お前らじゃあ毎晩今日は良い1日だったって生まれて死ぬまで寝てんのかよ? 悔しくて寝れねぇ日はなかったのかよ? 涙が止まらなかった日はないのかよ? 言葉にならなかった時はないのかよと思いますよ。ただ、負けです」
――次回大会に関しては?
「ほんとは勝ってリング上で発表しようと思ってたんですけど、9月に、去年の8月にやったグラップリングの大会をやろうと思ってて、今日勝って、皆集めて驚かしてやろうと思ったんですけど、一旦白紙ですね」
――次回興行を一回白紙に戻すと。
「はい……去年大晦日で、手を試合中に骨折して、折れたのわかったんす。でも、折れた手で殴ってんですよ。だから今日は、指が外れて、自分の手が神経通ってなくて、隣の指に挟まって動かなくなった自分の指を見て、起きれなかったですね。だから完全に自分の負けですね……今思い出したけど8月にパンクラスもあるんだ…僕はもう、すいませんでしたって言うのもなんか、自分が負けたのが自分のせいじゃなくなるみたいで嫌だったんですよ。なんか違うもので負けて、皆様にご迷惑をかけましたすいませんでしたって嫌いだったんで言わなかったんですよ。だってすいませんでしたって言っても言わなくてもハードヒットこんなもんかって思ったら来ないですもん次。そうじゃないんです、だから次も見に来てくださいっていう意味があって僕すいませんって言うと頭の中でリング上で思ったんで、だから今日言わなかったです。でもリング上で言ってることは全部ほんとに思ってる事なんで。白紙には戻しますけどでもやめないです」