全日本プロレス両国大会で山本小鉄さん追悼セレモニー。武藤や船木、西村が小鉄さんの思い出を語る

100829_Kotetsu-1.jpg 元プロレスラーで新日本プロレス顧問の山本小鉄さんが、28日の午前6時42分に低酸素性脳症のため死去した。享年68。
 29日に両国国技館で行われた全日本プロレス『2010プロレスLOVE in 両国 vol.10』では、第1試合の前に山本小鉄さんの追悼セレモニーが行われた。選手たちがリングを取り囲む中、新日本プロレス時代に山本さんの指導を受けた武藤敬司が遺影を持ち、その横に元新日本プロレスの西村修、船木誠勝、鈴木みのるが並び立った。アナウンサーが小鉄さんの経歴を紹介したあと、10カウントゴングが鳴らされ、最後にはテレビ朝日スポーツテーマ『朝日に栄光あれ』が館内に鳴り響いた。

 武藤は「(小鉄さんが)ケガをしたとか、病気をしたとか、情報が一切ない中、急にだから。あまりにも急というか、俺が聞いたの今日なんですけど、一番最初この業界に入って面と向かって挨拶というか、話をしたのは山本さんですね。プロレスの面接をしてくれたのが山本さんで、最初にテストやってくれたのが山本さんで、そのまんまコーチしてくれたのが山本さんで。一週間ぐらいで案の定『練習が厳しいので辞めますわ』って言った時に、山本さんが『ちょっと待ってろ』と。『お前、もう少し待ってろ』という言葉があったから、俺、いまここにいたっていうね。ほかのレスラーは『辞めます』って言ったら『あ、そうか』でバイバイだったんだよね。でも俺に限って『辞めます』って言ったら『ちょっと待て!』って感じで。そこになんか山本さんに存在を認めてもらってるんだっていう嬉しさ......その嬉しさのお陰で、いま今日プロレスやってられるっていうかさ。
 ただもう、そういう師弟関係は新日本から全日本に飛び出てアレしたけども、その中でも去年の両国大会をたぶん(テレビ)解説してもらってるのかな? 山本さんに。そのほかにも全日本に来てからも仕事したりとかも何回かあってね。まぁそういう本当にプロレス界の貴重な先輩というか......。なんていうかな......俺ら本当に山本さんにコーチを受けた最後の弟子というか、最後の選手っていう感じかな。その中で、山本さんがやらせるのは理不尽な練習も多かったんだよ! だけどすごい貴重な部分っていうかな。プロレスの文化というか、そういうものは俺らが最後だから。俺らが最後だったと思うし、そういう部分っていうか、そういう文化はいまの若い奴らに伝えていきたいなと思っております」とコメントした。

 西村は自分の試合を終えたあと、「私がプロレス入るキッカケになったと言うか、すべての扉を開いてくれた恩人というか。もう本当にいまだに信じられないし、言葉が出ないですよね。(泣きながら)あの人がいなかったら、もう、全日本はおろか、無我ワールドもそうですし、新日本の16年も確実になかったわけで。本当に、本当に(新日本に)入ってから猪木さんと坂口さんと、やっぱり山本さんっていうのは特別な、雲の上以上の人で。プロレス学校の時は本当に自分の育ての親というか、この世界に入ってみてあれだけ雲の上の人物だったので、ゆっくり話すこともできなかったし、『ありがとう』の言葉さえも言えなかったですね。もう1回でいいからゆっくり、お酒を飲みながら話をしたかったですよ」と涙ながらに語った。
 船木は「昨日の夜に前田(日明)さんから留守電が入ってたみたいで、朝起きた時に聴いてすごく驚きましたね。どういう状況で亡くなったのか前田さんもまったく分からなかったんで。ただ今日は試合がありましたんで、あまりその感傷に浸ってられないです。さっきでもセレモニーの時はちょっと、いろんなこと思い出しましたね。入門してから......一番最初に怒られたこととか、試合勝ったのに怒られたこととか、説教、説教の記憶しかないですね。ただそれがトラウマみたいに残っているので、そのあとどうやってこの業界で生きていくかというのを、道しるべにすごくなったと思います。怒られてよかったですね。怒られてよかったです」と噛みしめるように語った。

100829_Kotetsu-2.jpg また29日の昼に後楽園ホールで行われたDDTプロレスリング『夏休みの思いで 2010』に出場した新日本プロレスの田口隆祐と、セコンドとして来場していたプリンス・デヴィットも小鉄さんへの思いを語った。
 田口は「僕は入門してから新弟子の頃、実際にトレーニングを教わりましたし、デビューしたあとは、試合のあとにアドバイスをいただいたりして。最近まで一緒にトレーニングする姿を見てましたんで......。急なことですごい驚いてますけど、信じられない気持ちですね」と語り、デヴィットは「小鉄さんは新日本で一番の先輩だった。ガイジンレスラーでも家族のように扱ってくれて、すごくいい扱いをしてくれた。道場に来て練習をしていると、いつもアドバイスをくれたし、すごい親切だった。先週も道場に来てアドバイスをしてくれていた。9月3日はIWGPタイトルマッチとともに、小鉄さんのいままでの功績を祝うことができればと思う」と語った。

リンク: 諏訪魔がついに鈴木から初勝利をあげて三冠王座奪取!復活したムタは"世界のKENSO"に敗れる!
リンク: 両国を終えてまた動き出したDDT...鶴見亜門GM誕生!男色尻侍タッグ王座奪取!KO-D無差別級初挑戦の佐々木が大健闘!ケニーはIWGP挑戦へ!

2010年8月30日 00:00
このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体