諏訪魔がついに鈴木から初勝利をあげて三冠王座奪取!復活したムタは"世界のKENSO"に敗れる!

100829_AJP-1.jpg全日本プロレス
2010プロレスLOVE in 両国 vol.10
日時:8月29日(日) 開始:16:00
会場:両国国技館

 29日、両国国技館で行われた全日本プロレス『2010プロレスLOVE in 両国 vol.10』。当初は三冠ヘビー級、世界ジュニアヘビー級、世界タッグ、アジアタッグの4大タイトルマッチが行われる予定だったが、ランス・ケイドさんの急逝やレネ・デュプリの負傷欠場により、世界タッグ戦は中止となった。
 メインでは鈴木みのるの持つ三冠ヘビー級王座には新世代軍のリーダーである諏訪魔が挑戦。前哨戦のタッグマッチでは鈴木からフォール勝ちしている諏訪魔は世代交代に燃えるあまり「俺が負ければ新世代軍を解散してやる!」と自らを追い込む。対する鈴木は前哨戦で諏訪魔が痛めた首を攻撃し続け、新世代軍のフラッグを引き裂き、ベルトをぞんざいに扱うことで諏訪魔を徹底的にヒートさせた。

 煽りVでは「今日勝ってその先の全日本は大丈夫なんだっていうのを見せたい」と語る諏訪魔に対し、「いまの全日本プロレスは鈴木の時代だ!」と叫ぶ鈴木が紹介される。諏訪魔にはとって鈴木はこれまで4戦4敗という高い壁。新世代軍のメンバーである河野真幸、真田聖也、征矢学、浜亮太をセコンドに従えた諏訪魔に対し、鈴木は単身リングへ。
 そして試合が始まると諏訪魔は鈴木の左ヒザを集中攻撃。鉄柵を使っていためつけたり、足を持ってジャーマンで投げたり、ショルダーレッグブリーカーを決めたりしていく。完全に動きを止められた鈴木は、前哨戦のときから集中的に攻撃していた諏訪魔の首を攻撃。ヘッドロック、フェースロック、ルックヘッドシザース、キャメルクラッチのほかにもSTFやバタフライロック、ストラングホールドβといった珍しい技まで繰り出して諏訪魔の首を攻撃。首の付近のテーピングまで剥ぎ取った。
 試合時間20分が経過し、鈴木の首攻撃を何とか堪えた諏訪魔はダブルチョップで反撃を開始すると、串刺しラリアットやベリートゥベリー。さらに鈴木の左ヒザの裏にスピアを叩き込むと、一気にアンクルホールドへ。さらにショートレンジラリアット、オクラホマスタンピートからラストライドを狙うが、鈴木は必死に堪える。諏訪魔はコーナーに登っていくが、追いかけていった鈴木はコーナー上で卍固め。ここから逃れた諏訪魔はパワーで一気に鈴木を抱え上げようとしたが、鈴木は空中でフロントネックロックに切り返すと、30分が経過したところで必殺のスリーパーで捕獲!
 だが、落ちるのを堪えた諏訪魔は足へのジャーマンからキャプチュードで投げると、ショルダーレッグブリーカー2連発からアンクルホールドを狙う。これを鈴木がスリーパーで切り返すと、浜がタオル代わりに新世代軍のフラッグを投げ込もうかどうか慎重に様子を伺う。だが諏訪魔はスリーパーで落ちず、ゴッチ式パイルドライバーを食らってもカウント2で返す。鈴木の往復ビンタをかんぬきでキャッチした諏訪魔はかんぬきスープレックスで投げると、ドロップキックで吹っ飛ばしてからぶっこ抜きジャーマン!
 そして最後の力を振り絞ってラストライドで叩き付けていったが、王者・鈴木はまたもカウント2で返す。ならばと諏訪魔はフロッグスプラッシュを投下したが、何とこれもカウントは2。レフェリーに「3つ入っただろ?」と抗議する諏訪魔の背後からスリーパーで捕まえた鈴木は逆落としからスリーパーで絞め上げるが、諏訪魔はバックドロップで切り返す。さらに40分を経過し、お互いにマットにヒザをついたまま殴り合い、ヘッドバットを打ち合う。立ち上がった諏訪魔はショートレンジラリアットで殴り倒すと、「全日本、かかってこんかい!」と叫ぶ鈴木に向かってラリアットを叩き込む。これもカウント2で返した鈴木だが、諏訪魔は完全無欠のバックドロップ・ホールドで3カウントを奪った。

100829_AJP-2.jpg ついに鈴木に初のフォール勝ちを収めた諏訪魔を新世代軍の仲間が祝福。そして河野が諏訪魔を肩車すると、諏訪魔は両腕を突き上げた。このシーンは1990年6月の故三沢光晴さんが、当時"怪物"と言われていた故ジャンボ鶴田さんから初フォール勝ちを奪った際に、超世代軍の仲間だった川田利明が三沢さんを肩車したシーンを彷彿させた。
 マイクを持って「やっとやっと鈴木みのるに勝つことが出来ました! これから一緒に新しい全日本を作っていくんで期待していてください。今日はありがとうございました!」と叫んだ諏訪魔は、インタビュースペースで「(鈴木は)やっぱ強いっすわ。全部返された。俺だって背負ってるものが人と違うわけだから、何があっても意識は変わらない。3カウントやらないよ。(観客からは)まだ鈴木みのるをチャンピオンでいさせてというのも感じたよ。でもそれも今回の試合でひっくり返すんだよ、考えを! これから俺の時代なんだよって、それを分からせたかったですよ」と語ると、中央大学の先輩であり、フィニッシュホールドのバックドロップ・ホールドといえばジャンボ鶴田さんを彷彿させるが、「まだまだ鶴田先輩には敵わないけど、もっと背中っていうのは追っていきたいですね。普通だったら鶴田さんが乗り移ったとか言うかもしれないけど、俺はあの『WRESTLE-1』が忘れられねぇんだよ。一回戦(のザ・プレデター戦)でバックドロップホールドで勝って、その時もよぎったよ。あの(2回戦で鈴木と)初めてやった時、コレしかないと思ったね」と意外なことを語った。
 そして最後はアジアタッグ王座を奪取した真田&征矢と共に、浜の音頭でビールで乾杯。諏訪魔は実にいい表情で頭からビールを浴びて、仲間たちからの祝福を受けた。そんな諏訪魔に対し、この日河野を戦慄のハイキックでKOした船木誠勝が挑戦表明してきたが、諏訪魔は「いくらでもやるよ。あのハイキック、俺は見てたからね。河野にやったハイキック。あれ覚悟なんだろ? 俺、受け止めてやるよ」と受けて立つ構えを示した。

100829_AJP-3.jpg 先シリーズ、ブードゥー・マーダーズの新メンバーとして久しぶりに日本マットに帰ってきたKENSO(鈴木健想)。いきなりヒザの手術による長期欠場中だった武藤敬司を襲撃したKENSOは、両国大会の対戦相手にグレート・ムタを指名! ムタ戦を"アジアナンバー1レスラー決定戦"と位置づけたKENSOは、TLC(テーブル・ラダー・チェア)マッチを要求。ムタがこの要求にどう応えるか注目されたが、8・15後楽園大会に突如姿を現したムタはラダーでKENSOを襲撃し、TLCマッチを承諾した!
 『SYMBOL』の和風バージョンに乗って登場したムタは、インディアンの酋長がつけるような動物の骨で出来た仮面を装着し、杖をつきながらリングイン。するといきなりその杖でKENSOを襲撃。KENSOも持参したロープでムタの首を絞めていくが、ムタはうまくKENSOを場外に追いやると、今度は場外でムタがKENSOの首を絞め上げる。その不気味な光景にリングサイドにいた赤ちゃんは大号泣!
 ムタは鉄柱攻撃でKENSOの額を叩き割ると、リングに戻ってドラゴンスリーパーから足4の字固めへ。しかし、何とかロープに逃れたKENSOはブッグブーツから葉隠れ2で反撃すると、ブードゥーのメンバーが介入してムタをコーナーに逆さ吊りにし、その前にラダーをセットしてイスで殴打! さらにKENSOはラダーを持ってムタに向かって突進。これを間一髪でかわしたムタはKENSOに向かって毒霧を噴射。
 さらにKENSOにイスをパスしてイスごと閃光魔術で吹っ飛ばすと、イスを踏み台にしての閃光魔術。さらにヒザの手術による長期欠場からの復帰戦というのに、倒れたKENSOの上にテーブルを乗せ、その上に月面水爆を投下していった! だが、これでも3カウントが奪えず、ムタはコーナーにテーブルを立てかける。するとそこにKENSOがスピアを叩き込んでテーブルクラッシュ。またもブードゥーのメンバーが介入してラダーとイスでムタを攻撃すると、MAZADAがラダーに上っていくが、ムタはKENSO、さらにラダー上のMAZADAにも毒霧を連続噴射!
 ムタ絶好のチャンスと思われた瞬間、KENSOがスピアを叩き込んでムタを倒すとダブルニーを投下して3カウント! あまりに呆気ない幕切れに場内からブーイングが起こるが、インタビュースペースに戻ってきたKENSOは「最高だね。いま最高! しかも喜ばしいことに、ケンゾースズキ(全日本と)3年契約! もう喜ばしいね、今日は。3年間、いつでもどんなことでも受けますから。これが俺の家、全日本プロレスが俺の家だから。そのへんよろしくお願いします」と意気揚々と語った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○西村修/渕正信
10分57秒 アバラ折り
大和ヒロシ/●アントニオ・トーマス

▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
近藤修司/KAI/○BUSHI
7分41秒 火の鳥スプラッシュ→片エビ固め
稔/●ヘイト/MAZADA

▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
太陽ケア/○曙
9分26秒 ボディープレス→体固め
浜亮太/●スペル・クレイジー

▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○船木誠勝
13分9秒 左ハイキック→レフェリーストップ
●河野真幸

▼第5試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]●TARU/ビッグ・ダディ・ブードゥー
22分40秒 垂直落下式デスバレーボム→片エビ固め
[挑戦者組]真田聖也/○征矢学
※第83代王者組が2度目の防衛に失敗。真田&征矢組が第84代王者へ

▼第6試合 スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
●グレート・ムタ
10分30秒 ダブルニー→片エビ固め
○KENSO

▼第7試合 世界ジュニア・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○カズ・ハヤシ
18分30秒 パワープラント→片エビ固め
[挑戦者]●ジミー・ヤン
※第28代王者が14度目の防衛に成功

▼第8試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●鈴木みのる
44分24秒 バックドロップホールド
[挑戦者]○諏訪魔
※第42代王者が2度目の防衛に失敗。諏訪魔が第43代王者へ

リンク: 全日本プロレス両国大会で山本小鉄さん追悼セレモニー。武藤や船木、西村が小鉄さんの思い出を語る

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