永島勝司 ゴマシオ親父のつぶやきR[第9回]

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今月の3日に、ある出版社の企画で新日本プロレスの後楽園大会を観戦した。今の新日本プロレスを生観戦するのは実は初めてだった。同じ客席に新間寿大先輩、大塚直樹氏、木村健吾品川区区会議員、現役の西村修文京区区会議員、それに東京スポーツの大先輩である桜井康夫氏、等々錚々たるメンバーとご一緒に観戦させて頂いたが、いやあ、凄まじい時代の変遷に驚いてしまった。
全7試合、全てがタッグマッチでどんちゃん騒ぎ、これでいいのかなぁ、これも時代の流れなのかなぁ、なかば呆れながら試合を見ていた。が、何故か気になったのは、彼らはどこを見て試合をしているのか、これが、定まっていない。全てとは言わないけれどもお客さんの声、それこそ、耳で試合をしている。

その時、俺はふっとアントニオ猪木の事を思い出した。彼は後楽園ホールの試合においても全く不特定多数のリングサイドのお客さんの中から、一人だけを選んで、「その人の目を見て、俺は試合をした」という言葉を思い出した。
これは猪木に聞いたことだけど、奥さんだった大女優、倍賞美津子さんが芝居をするとき客席にいるお客さんの一人だけの反応をみて芝居をした、というのを参考にした猪木の凄いプロフェッショナル魂だろう。我々凡人には簡単に解りきることではないが、これがあの猪木の魔性のプロレスの根源だと思っている。

だからと言って、今の新日本プロレスが駄目だとは言っていない。その2日後に21年ぶりの大阪城ホールの試合で空前絶後の超満員のファンを動員した。その試合の前哨戦だったことを考えればあの“学芸会”も納得がいく。時代の流れというものは、恐ろしくもあり、おかしなところもあるよな。

21年前、俺と猪木は大阪城ホールで初めてイベントをやりUWFを使ったり、女子プロレスを使ったり、橋本と蝶野をメインに据えていろんなことをやった。それでも今の新日本プロレスの勢いに負けたんだよな。しかし、プロレスの原点は絶対に崩れないよ。第一試合に出た永田裕志を見れば根本的なプロレスというものを解る時があるだろう。
ただ一つ俺が驚いたのは、プロレスの試合が終わってもお客さんが一人も席を立たない。いったいこれは何なんだ? 今の新日本プロレスには、得体も知れない魔物が取り付いているのかなあ?
しかし、奢るなかれ新日本プロレス!!

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