WWEネットワークの散歩道 7回目

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まずは本編のテーマとは別に、前回の最後に紹介したシーンが使われている番組を紹介しましょう。『エッジ&クリスチャン・ショー』の第一回目です。記念すべき第一回目にわざわざショックマスターの中の人を呼び出して、登場シーンのやり直しをさせてあげていました。それが彼にとっては幸せなのかどうかはともかくとして・・・。エジクリ・ショーをちゃんと見たのは初めてでしたが、本人及び制作スタッフの悪ノリが面白い方向でヒドく、機会があればこちらもちょこちょこ紹介していくようにします。

【エッジ&クリスチャン・ショー#1:2016年2月21日】
http://network.wwe.com/video/v543682883
<おすすめのシーン>
キャラクターあて対決(19分くらい)
ショックマスター再チャレンジ(21分くらい)

さて、くだけたシーンの紹介からスタートしましたが、今回はちょっと重めのテーマで。レスラー同士の感情のもつれが出てしまい、試合が破たんしたり、結果その団体にいられなくなる・・・なんてことは日本だけでではなく、カッチリと管理されていると思われているアメリカのメジャー団体でも起きる話なのです。その最たるものはブレット・ハートとショーン・マイケルズによる1997年のサバイバー・シリーズでの『モントリオールの悲劇』でしょう。TV番組上ではテレビアナウンサーだったビンス・マクマホンが悪のオーナーとして最重要の登場人物となり、試合のフィニッシュのコピーやモチーフ、オマージュが各団体で行われるなど、あの試合が業界に与えた衝撃と影響はかつてないものでした。
今回はその『モントリオールの悲劇』についてではなく、破たんまではいかないもののちょっとおかしな方向になってしまった試合をいくつか紹介しましょう。問題試合というほどその後に大きな影響は与えたわけでもなく、不穏試合とするほど試合が破たんしているわけでもありませんが、見た人の心にちょっとしたひっかっかりを残してくれる試合です。

まずはゴールドバーグ対ロード・スティーブ・リーガル。当時は無敵のスーパールーキーとして連勝街道をばく進していたゴールドバーグに、リーガルが業界の先輩としてお灸をすえたかのような試合になっています。ゴールドバーグの名勝負集は公式にWWEから発売されていますが、この試合が含まれていないのはちょっと想像力をかきたてられますね。ちなみにこの試合のしばらく後にリーガルがWCWを解雇されたところから、この試合ぶりへの制裁では?と一部で言われたようです。

【ナイトロ126:1998年2月9日】
http://network.wwe.com/video/v417973483

<おすすめの試合>
ディスコ・インフェルノ対ユージ・ナガタ(35分くらい)
エディ・ゲレロ、クリス・ジェリコ対ディーン・マレンコ、チャボ・ゲレロJr(43分くらい)
ゴールドバーグ対ロード・スティーブン・リーガル(1時間03分くらい)
ハルク・ホーガン対ランディー・サベージ(1時間39分くらい)
ケビン・ナッシュ、スコット・ホール対リック&スコット・スタイナー(2時間04分くらい)

次はスティング対ディーン・マレンコ。スティングの人間性について悪く言われる話は聞いたことがないので、どこでどうなってこのような試合になったのかはわかりません。番組上ではメインイベントだったので、マレンコがちょっと張り切りすぎたのかな~。ただこの試合の後にオフィスにスティングから「もう彼とは試合をしたくない」との要望が出されたそうで、記憶する限りではその後に組まれたことはないようです。こちらも当時の格付けや流れからいって、これだけスティングが攻め込まれ、フィニッシュも力強さがないのはかなり不思議な試合でした。

【ナイトロ11:1995年11月13日】
http://network.wwe.com/video/v35533833
<おすすめの試合>
スティング対ディーン・マレンコ(33分くらい)

最後はハルク・ホーガン対ショーン・マイケルズの一戦。復帰後はバリバリのベビーフェースとして活躍し、DXとしてトリプルHと好き放題やる時にも、例えばエロチックなセグメントではまるで関わらないといった姿勢を見せていたマイケルズ。憧れの存在であったはずのホーガンとの一戦では、マイケルズ自身はベビーフェース同士の立場での対戦を希望したものの、ホーガンからの強い要望で、ベビーフェース対ヒールとしての対立構造で試合が行われることになったのだそうです。
試合前にはホーガンを老人扱いする挑発を繰り返していましたが、試合が始まるとショーンはホーガンに対して小馬鹿にするように、徹底的に技を大げさに受けまくることを繰り返します。「や、や、や、やられたぁ~」と棒読みのセリフが聞こえてきそうなほどで、そんな言葉があるのかも知りませんが受け殺しているかのようです。
当時のファンの感覚は80年代リバイバルとして、ホーガンの昔ながらの試合ぶりをお約束を楽しむように見ていたと思うのですが、そこにただ乗っかるだけなのをよしとしなかったマイケルズのプロ意識から出た試合なのかもしれないですね。

【サマースラム:2005年8月21日】
http://network.wwe.com/video/v31352275
<おすすめの試合>
ハルク・ホーガン対ショーン・マイケルズ(2時間15分くらい)

今回はちょっともやもやする試合を紹介したので、日本人選手の試合映像は華やいだものを、ということでグレート・ムタを。WCWに登場し、無敵の活躍ぶりを見せていたムタがテリー・ファンクと組んで、フレアー、スティング組と対戦した試合です。武藤さんは「俺はブルーノ・サンマルチノとも絡んでるんだから」と自慢していたこともありましたが、この試合でそのブルーノが特別レフェリーを務めていますね。この頃のムタは魔界というよりもオリエンタルなスティングというイメージでファンも捉えていたのではないかと思います。抜群の身体能力でリングを縦横無尽に動き回るムタを見て、今回のもやもやを吹き飛ばしてください。

【ハロウィーンヘイボック:1989年10月28日】
http://network.wwe.com/video/v31588987
<おすすめの試合>
リック・フレアー、スティング対テリー・ファンク、グレート・ムタ(2時間10分くらい)

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