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松本浩代を緊急直撃!ヒロヨの逆襲【前編】

松本浩代を緊急直撃!ヒロヨの逆襲【前編】

ヒロヨの逆襲特集_前編

「松本浩代がパンクラス道場で練習をしているらしい」という話を聞きつけ、松本にパンクラス道場での練習の模様を取材させてほしいとオファーしたのが昨年2014年の6月だった。そこで松本はパンクラス道場に通いはじめた理由を「闘う者、プロレスラーの原点でもある“強さ”が必要だと気付いたから」と語り、鈴木みのると1時間に及ぶスパーリングを行ったことも話してくれた。
松本はエスオベーションに所属はしているが、事実上フリーとして様々な団体に上がっている。それだけに松本に関する情報をどこかの団体が発信することがなかなかなかったため、この記事は大きな反響を呼んだ。ところが松本はこの記事が出た直後の同年8月に左ヒザ十字靱帯断裂&半月板損傷という大ケガをしてしまい長期欠場となってしまう。

そこで欠場してから約4か月後の昨年12月に再び松本を取材したところ、この記事も非常に反響が大きかった。あれから約半年、松本は今年2015年6月28日、東京・新木場1stRINGで初の自主興行『ヒロヨの逆襲』を開催し、そこで木村響子を相手に復帰戦を行うことを発表した。
ところがこのカードを発表した直後、木村が試合中に左手首を骨折。注目の一戦が消滅してしまったが、代替カードとして発表されたのがJWP・中島安里紗との一騎打ち。そこで松本浩代を緊急直撃! 中島との間にある“因縁”、なぜ約6年半もの間このカードが実現しなかったのか、核心部分をズバリ語ってもらった。
【取材・文/佐瀬順一】

ーーいよいよ復帰まで1か月を切りました。復帰戦のカードも木村響子選手とのシングルマッチに決まって、会見もやって、さぁあとは当日の試合を待つばかりとなったところで木村選手がケガをしてしまうという……

松本 すごい運命ですね、ホントに(苦笑)。木村選手と試合をすることしか考えてなかったし、もちろんその先も見据えていた部分はあったんですけど、私もケガをした身なのでこればかりは仕方がない。木村選手にはしっかり治してもらって。

ーーいつか実現してほしいカードです。

松本 なかなかフリー同士がシングルマッチをメインでやるっていうのは、いろいろと頑張っていかないと実現しないとは思います。私はエスオベーション所属ですけど、フリーみたいなものなのでシングルプレイヤーとしての価値を高めていって、どこのリングでもシングルでメインを張れるようになるつもりです。ベルトも含めてそのつもりで復帰しますからね。だから木村選手ともいつかまたどこでやる可能性は大いにあると思っています。というか、復帰後にやらなければいけないことのひとつですね。

ーー今回は松本選手、初の自主興行ということですが、いきなり自身の復帰戦であり興行のメインカードが消滅したっていうのは、主催者としてはどうでしたか?

松本 ほげーっ!(笑)

ーーアハハハハ、まぁそうなりますよね!

松本 木村選手から直接電話をいただいたんですけど、本人の気持ちが手に取るように分かるというか、自分が約1年前に経験した気持ちなので。なので主催者というよりは、やっぱり同じ経験をした選手としての気持ちのほうが強くて、ほげーとは思いましたけど、意外と冷静に「なるほど、そう来たか」って感じでしたね。

ーーこれが試合の3日前とか1週間前とかだったらもっと慌てていたと思うんですけど、不幸中の幸いというか試合まで1か月以上あったこともあって、割と冷静に対処出来た感じですか?

松本 それはありますね。

約6年半もの間、松本vs.中島が実現しなかった理由

ーーとはいえ、木村選手は同じフリーの選手の中でもいろいろな団体で活躍しているし、松本浩代vs.木村響子っていうフリーの大物同士が当たるってことで反響も大きかったと思います。それだけに代替選手も木村選手に負けず劣らずのビッグネームを探してこなきゃいけなかったと思うのですが、自分の頭の中に何人か候補はあったんですか?

松本 はい、いましたね。で、最終的に中島安里紗を選んだんですけど、中島との対戦を考えたのは今回が初めてじゃないんですよ。同期ですし、闘う機会は何度かあったんですけど、今度の対戦が6年半ぶりなんですよ。中島はいなくなった時期があったんですけど(※2009年4月から長期欠場〜5月31日付けで引退。2012年4月に復帰)、帰ってきてからはいろんな人から「いつやるの?」って言われていたんですね。

ーー欠場する前まで対戦していましたから、それを期待する人はいたでしょうね。

松本 でも自分の中では一度いなくなった中島に対していろいろな思いがあって、まだその辺の整理がついていなくて。「今かな?」「いや、今じゃないのか?」っていう葛藤みたいなのがあって、結局6年半もの間対戦する機会がなかったんですよね。

ーーいち時期中島選手がJWPのチャンピオンになって、スターダムで当時赤いベルトの王者だった紫雷イオ選手とか、アイスリボンの王者だった藤本つかさ選手とか、フリーの華名選手とか、ひと通りトップどころと対戦していた時期がありましたけど、そこで「じゃあ私もやってやる」的な気持ちは沸かなかったんですか?

松本 う〜ん、不思議となかったんですよね。何なんですかね? きっと人間的に絶対合わないんですよ(笑)。

ーーまたハッキリ言いますね(苦笑)。

松本 レスラーとしての魅力は分かりますけど、人間的にはお互いに一生認め合うことはないと思うんで(苦笑)、そういう部分で惹かれないっていうのかな。私が今まで闘ってみたいと思った人って、アジャ・コングだったり、里村明衣子だったり、高橋奈苗だったり、人間としても尊敬できる人だったんで。中島はそういう人たちとはまた違うんですよね。

ーーう〜ん、なるほど。

松本 ずっと「中島と今やらないといけないかな?」っていう思いがあって、それよりもやるべき相手がいるというか、出ている団体で結果を残すほうが先だっていう思いがあったんですね。でも今回、リスタートっていう意味合いの試合をすることになって、ようやく中島戦っていうのが必要なんじゃないかって思えるようになったと言うか……ここで(中島と)闘い合うこと、結果を残すことで、またレスラーとして踏み出すことが出来るのかなって思えましたね。

ーー松本選手にとって中島選手は若手の頃は対戦する機会もあったし、同期のライバルだったと思うんですけど、ある時期からわだかまりみたいなものが出来てしまって交わることなく月日が経った。だけど、このタイミングで運命のいたずらというか、再び相まみえることになった。もしかしたらこの一戦を機にまたライバルとして闘い合うかもしれないし、やっぱり合わないと別々の道に行くかもしれない。

松本 フフフ……それはね、私も分からない(苦笑)。闘ってみなきゃ分からない部分だけど、人間的には合わないと思うし、何年も中島に触っていないので(苦笑)。触れるというか闘ってみてぶつかり合うことで、またどういう気持ちになるのか……ファンの人たちも気になっている人はいると思うんですよ。

ーーこのインタビューを読んだらますます気になってしまいますよ!

松本 中島は一度いなくなって、JWPに帰ってきてからチャンピオンになった。一方の私はフリーでずっとやってきて、辞めることも移籍することもなくずっとエスオベーションでやってきたけど、シングルのベルトは(息吹で中島に勝って奪取した)ジュニア王座以来巻いていない。じゃあ、どっちが強いの?っていうのは気になる部分だと思うんですけど、私はいくら中島がベルトを巻いても、私のほうが下だとは一度も思ったことないので。1年休んでますけど、それでも中島の下だと思いたくないし、思われたくもないし! 純粋のどっちのほうが強いかをファンの人には楽しみにしてほしいですね。

どこか世IV虎vs.惡斗を彷彿させる松本vs.中島…

ーー中島選手との関係を聞いていると、どうしてもスターダムでの世IV虎vs.安川惡斗のいわゆる喧嘩マッチを連想させる部分がありますね。あの2人も人として合わないというか、腹に一物持った状態で試合をした結果、ああいう事態になった。別にプロレス界で気が合わない者同士が試合をすることは珍しいことじゃないですけど、松本選手と中島選手の試合もああいう展開になる可能性を秘めているのでしょうか?

松本 あぁ……。そもそも6年半前の(息吹での)ジュニア二冠戦で、中島にグーパンチやられてますからね! たまたまかもしれないですけど(笑)。まあ拳で顔面殴られて、唇が裂けて大流血したけど、その時は私が勝ちました! それで私がベルトを巻きましたから、やられても私のほうが強かったってことですよね。

ーーいくら顔面を殴られようが、切れて大流血しようが、強ければ勝てるし、事件になるようなこともない、と。

松本 私はいくら殴られようとも負けない! 勝つ自信があるから試合を組んだんです。強さ、強さって言ってますけど、体力とか体の強さだけじゃなくて、心の強さもあるし、プロレスってそういういろいろな強さが集まる場所じゃないですか。総合的に強かったほうが、最後リング上で立っているだけのことだと思うので。反則ならレフェリーが止めるべきだし、負けたくないなら自分が強くなるしかない。私たちはそういう場所と分かってこの世界にいるつもりです。

ーー以前、松本選手を取材した際、松本選手はZERO1でのプロレス練習のほかに、闘う者として、プロレスラーの原点でもある“強さ”が必要だからとパンクラス道場に出稽古に行くようになったと話していたのが印象的でした。強さにもいろいろあると思いますが、松本選手は技術的にも精神的にもプロレスに強さが必要だという意識がある?

松本 ありますね。あるし、「もうダメだ」とか「もう頑張れない」とか、そういう挫折の心を味わえる場所っていうのは確実に自分を強く出来るので。自分を殺してくれる場所を求めているというか……正直言えば嫌ですよ! 毎回ボコボコにやられて、「もう嫌だ」って思うんですよ。でも生きているんで、また頑張れるんです。挫折した分だけ立ち上がるし、その分強くなれるんで。それを知っているので、強くなりたいから求めているというか。この世界で生きていきたいんで……

ーープロレスのリング上は常に危険というか、ケガをする可能性だって、命を落とす可能性だってある。リングに上がる以上はたくさん練習して体と心を鍛えてあげ、覚悟を持って上がるべきだってことですよね。

松本 もちろん。そういうものだと思っていたので、私は何をされても大丈夫だっていう気持ちでリングに上がります。何も怖いと思わないというか、何かを怖がってリングに上がりたくはない。

【後編につづく】

松本浩代(まつもとひろよ)

松本浩代

1985年11月6日、神奈川県平塚市出身。2006年7月、新宿FACEでの小林華子戦でデビュー。息吹、プロレスリングWAVE、アイスリボン、NEO、センダイガールズなどに参戦。
2008年1月にOZアカデミーでアジャ・コング、AKINO、輝優優と「ジャングル・ジャック21」を結成。のちに同じエスオベーションの中川ともかも加入。
2011年からはスターダム、2012年から我闘雲舞にも参戦するようになる一方、SHIMMERなど海外の団体にも積極的に参戦。
主なタイトル歴はJWP認定ジュニア王座&POP王座、OZアカデミー認定タッグ王座、NEO認定タッグ王座、SHIMMERタッグ王座、アーティスト・オブ・スターダム王座、アイアンマンヘビーメタル級王座など

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