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YMZインタビュー

YMZインタビュー

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プロレス界で団体に所属しない“フリーランス”のレスラーは多い。基本的には1つの団体に縛られることなく、いろいろな団体にあがれるというのがフリーレスラーの魅力のひとつだが、各団体側やファンに呼んでもらえるようなレスラーでなければ生き残れない。その辺は実にシビアだ。
そんな中、長年所属していた老舗女子プロレスJWPを退団した米山香織と、KAIENTAI−DOJO退団後は主戦場となる団体こそ決まっていなかったが、ジュニアヘビー級の実力者としてメジャークラスでも活躍することがあった円華が、ある日突然「よねやまどか」というタッグチームを結成。
ミックスドタッグチームが定着するのは非常に珍しいことだが、このよねやまどかは約1年間続いていて、さらにいつの間にか謎のマスクウーマン・初日の出仮面が加わり「YMZ(よねやまどかだぜ!)」という名称の“集団”に発展。あれよあれよという間に大会を開催したり、道場を開設したり、新弟子が入っていたりと規模が大きくなっていったが、当バトル・ニュースPREMIUMで公開されている「夏合宿」や「ファンクライブイベントプロレス」の模様をご覧いただければ分かるように、YMZはいい意味で“緩い”!
この緩さは団体やプロダクションなどの“ちゃんとした”組織にはなかなか出せない雰囲気であり、自由こそがフリーの特徴だと考えればYMZはやはり根本的にはフリーランスなのだろう。今後、日本マット界のフリーランスの中で面白い存在というか、もしかしたらビジネスモデルになる可能性もあるYMZに話を聞いてみた。
【取材・文/佐瀬順一】

ーーよねやまどかだぜ!、略してYMZっていうのは、そもそも団体ではないんですよね?

米山 はい、集団です。

ーー団体内ならユニットとか軍団っていうのがあるし、団体には所属していないけどプロダクションに所属するレスラーっていうのはいましたけど、フリーランスの選手が集まって集団として活動していくっていうのも珍しいですよね。いつ頃、どうしてこう形でやっていこうとなったんですか?

米山 なんだっけ?(笑)えーと、我闘雲舞でよねやまどかっていうタッグを組むにことになったんですよ。去年かな? 2013年に。で、我闘雲舞のさくら(えみ)さんの知り合いで、円華センパイと元々同じバンドのメンバーで、私がグッズの製作をお願いするようになるマサキさん(=パシフィックトラスト株式会社代表取締役社長。サウンドクリエイター)を含めた3人で会ったら、何かこう意気投合して……あ、そうだ! メタルバンドを結成したんだよね!
円華 そうなんですよねぇ。メタルバンドだったんです。
米山 それでゲリラライブとかやり始めたら、どんどんゴキゲンなことをやりたくなって。気付いたら試合もしてたし、練習生を募集したりもしてたし、今日(※2014年8月21日)なんてリングを借りて大会開いちゃったり(笑)。
円華 でも今日はYMZの大会じゃないからね。米ちゃんのファンクラブのイベントだから。
米山 そうなんだよー。円華センパイ、なつやすみだからって旅に出ちゃって音信不通だから。LINEが既読にもならないし……。当日来てくれるのかなって思っていたら、2〜3日前に今日のことをツイートしたやつをリツイートしてくれてたから、ああこれは来てくれそうだ!って。

ーー興行の主催者としては、こんな不安な選手もいませんね(笑)。

円華 さっき帰ってきました。

ーー確か米山選手は前にいた団体を辞めたあと、当時まずはタイで我闘雲舞を立ち上げようとしていたさくらさんからタイに行こうって誘われて、円華選手は臨時コーチみたいな感じでタイ行きを打診されたんですよね。それまでお二人って接点みたいなのはあったんですか?

米山 ないですね!
円華 別に仲良くもなかったし、何なら米ちゃんは僕のことがあんまり好きじゃなかったっていう……
米山 ああ、そうそう(苦笑)。たぶん挨拶もしたことなかったし、我闘雲舞でタッグ組むことになったときも、あまり乗り気じゃなかったっていう(苦笑)。

ーー個人的には円華選手は、言い方が悪いですけど“群れる”っていうイメージがあまりなかったので、意外なんですよね。KAIENTAI-DOJO時代からクールっていうか、真霜拳號選手とのタッグは印象的でしたけど、どちらかというとシングルプレイヤーのイメージのほうが強いし、K-DOJOを離れてからはさらにフラリとどこかに行ってしまう感じが……

円華 あー、そうですね。
米山 よくいまもいなくなってます。さっきも言ったけど、なつやすみって言って連絡も取れなくなるし。

ーー放浪癖があるんですね(笑)。そういう円華選手がこの1年くらい、コンスタントにYMZとして活動しているのは、何か不思議な感じですよね。

円華 そうですね。別に(YMZは)団体っていう体(てい)を取っていないので。
米山 縛りはないよね。
円華 はい。縛りがないんでねー。最初も何となく面白そうだなって。
米山 「ゲリラライブやろうぜー!」とか「海行こうぜー!」「富士山行こうぜー!」って思いつきと勢いだけで……
円華 まあノリですね。
初日の出 \(^o^)/

出入り自由! YMZはフリーランスにとってのシェアハウス?

ーー米山選手の場合は長年所属していた団体を辞めて、フリーとしていろいろな団体に参戦すようになっていました。その中でフリーランスの難しさとか不安とかもあったと思いますが、主戦所となる団体というか、どこかの団体に定着するよりは、このノリで結成されたYMZのほうが合っている感じですか?

米山 そのときは不安とかもあったとは思うんですけど、あんまり考えないようにしていたのかもしれないですね。いまはYMZが帰れる家って感じなので。別に帰りたくなければ帰らなくてもいいし、帰りたいなら帰ってきてもいいよ的な感じなので(笑)。

ーー出入り自由というか、さっきも出ましたけど縛りがないっていうのがYMZの特徴ですよね。

米山 そうですね。(※ここで米山のケータイが鳴る。このインタビューは米山のファンクラブイベント開始前に収録したため、主催者の米山は何かと忙しい)

ーー電話、出ていいですよ。

米山 スミマセン!(※電話に出た米山が中座する)

ーー忙しそうですよねぇ。

円華 忙しいですよね。だから僕、絶対に自主興行はやらないって思っているんです。こんな面倒臭いこと絶対にやらない!
初日の出 \(^o^)/

ーー円華選手のファンクラブっていうのはないんですか?

円華 ないです。基本的に面倒臭いことは嫌なんで。
米山 (※ちょうど戻ってきて)米山ファンクラブに円華ファンも入っているんです(笑)。
円華 まあまあ、そうですね。
米山 米山イベントやると円華来るから……でも「今日は円華呼んでなかった! ごめんなさい」ってときもあるんで(笑)。

ーー面倒くさがり屋の円華選手としては、アレコレやっている米山選手に便乗というか、乗っかっている感じ?

円華 うーん……
米山 乗っかっているというよりは、私が無理矢理巻き込んでいるところもありますね。初日の出さんもそんな感じだし。
初日の出 \(^o^)/
円華 別に僕に限らず、倉垣(翼)さんとかPSYCHOも片足ツッ込んでいる感じですしね。

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インタビューを収録した日は第1回米山ファンクラブイベントプロレスの日。北千住でリングを使用した大会を開催した

ーーいま各団体が頑張ってプロレスブームの再燃を感じることも多いですし、業界再編っていう感じで増え続ける一方だった団体も少し統合や整理されていく流れもあります。フリーの選手にとってはいい部分も悪い部分もあると思いますが、みんなバラバラにやっているよりは、フリーの選手もYMZのような“束ね役”というか、さっき米山選手が言ったような“家”みたいなものがあるっていうのは面白い形だと思います。

米山 とくに何も考えてはいないんですけど、フリーでゴキゲンだと波長が合う人と一緒に行動したら面白いかなとは思うし、そこはあくまでもフリーなんでお互いに縛りもせず、来たいなら来て、来たくないなら来なくていい。でもなるべくなら一緒に楽しいことやろうよ!的な感じですね。

ーーよねやまどかだぜ!っていう名前だけど、円華選手がいないときもあるし、米山選手がいないときもある、と。

円華 もう当然!
米山 YMZっていっても私が試合していないときもあるし、円華センパイが試合していないときもあるし。
初日の出 \(^o^)/

ーー話を聞いていると本当に自由というか、縛りがないがないのがYMZの最大の特徴だというのはよく分かります。その一方で、米山&円華組で我闘雲舞のミックスドトーナメントで優勝したり、米山選手と初日の出仮面+倉垣選手のトモダチメイニアでスターダムの6人タッグ王座を奪取したり、いまやプロレス的にも結果を出している集団になっているわけですが、YMZとしての目標みたいなものってあるんですか?

米山 あー、ミックスのタッグチームって正式なところってないじゃないですか。だからナンバー1のミックスドタッグチームに……まあ、もうなってるんですけどね〜! なっちゃったからね〜!
円華 よねやまどか以上のミックスドタッグはいないですよ。だから日本にある女子団体を制覇したいですね。
米山 円華センパイ、いろいろ出てるんだよね! OZ(アカデミー)も出たし、ディアナもタッグじゃないけど出たし、我闘雲舞では優勝したし。スターダムも出たいね!
円華 出たいねぇ。REINAも出たいな。
米山 仙女!
円華 (仙女に)男子は出たことあるんですかね?

ーーあー、あるんですかね? でもそれだけ参戦することが出来たら、間違いなくよねやまどかは日本プロレス史に残るナンバー1ミックスドタッグでしょうね。円華選手からそういう目標が出て来るのが、また意外でした(笑)。ミックスドタッグは楽しいですか?

円華 そうですね。男女っていうのは全然違いますからね。楽しいですよ。
米山 今年、ミックスでいろんなところで試合したもんね! 大阪プロレスでも試合したし。いろいろなところで試合が出来るのは楽しいよねー。
初日の出 \(^o^)/

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我闘雲舞で2014年5月に行われた1DAYミックスドタッグトーナメントで優勝したよねやまどか

絶妙なバランスで成り立っているのがYMZ成功の秘訣?

ーーでも初対面の印象が悪かった米山選手と円華選手が、ミックスドタッグでナンバー1になるほど仲良くやっているっていうのは不思議なものですねぇ。

円華 まあ……そんなにお互いを干渉しないから(笑)。あんまりベタベタし過ぎると嫌になるから。だから、そんなには仲良くないです!
米山 アハハハハハハ! 結構、適度な距離感を常に保ってますね。

ーーいや〜、中にはこの2人は付き合っているんじゃないかって思っている人もいると思います(笑)。

円華 いやいや。お互いに基本的には一人が好きなんですよ。YMZっていうのは3人目のメンバーであるマサキさんがいるから成り立っているんですよ。2人だけだったらさっさと喧嘩して終わりになってますよ!
米山 そうです、そうです。3人なのがちょうどよかった。いまは日の出さんも、倉垣さんも、PSYCHOさんもいてくれてるんで、円華センパイとも何とかやっていける(笑)。
初日の出 \(^o^)/

ーー当バトル・ニュースでは夏合宿に密着させてもらったんですが、そういう感じでYMZが成り立っているのがよく分かりました(笑)。でも夏合宿のときも思いましたが、やはりこういう企画を団体側に「○○選手とやりたいんですけど」ってお願いすると、キチンと内容も決めないといけないし、もろもろ確認を取らないといけないことも多い。だけどYMZは基本的にはフリーの集団なので、お願いしてから決定まで早い!

米山 はい! YMZのいいところは身軽なところです! 「じゃあロケ行こうぜー!」ってなったら、どこにでもすぐ行ける。ゲリラライブなんかまさにそんな感じ。フリーの人はそこがいいですよね。スピード勝負ですよ! ゴキゲンなことをスピーディーに!
円華 そうだね。

ーー歌は今後もやっていくんですか?

米山 そうですね。アルバム出すんだよね?
円華 はい。まあインストアルバムですけどね。
米山 インストアルバムってなに?
円華 インストゥルメンタル。歌なしの入場テーマ曲集みたいな感じですね。入場テーマ曲集が欲しいっていうリクエストがあるんですよね。日の出さんの曲が欲しいですとか、YMZで使っているあの曲が欲しいですって結構言われるんですよ。

ーーでは最後に、バトル・ニュースでも夏合宿に行ったりしましたが、今後またバトル・ニュースと一緒にでもいいですけど、YMZとしてやってみたいゴキゲンなことはありますか?

米山 絶対、実現したいのが秋合宿です!
円華 どこで?
米山 それはまたこれから決めるけど、夏合宿のときに(佐藤)光留さんが「また秋に」って言ってくれたじゃない?

ーー円華選手のやりたいことは?

円華 とりあえずYMZって面白そうだな、一緒にやってみたいなって思ったら声をかけてくれたら来る者が拒まずなんで。
米山 わぁ! 何か真面目なこと言ったねー! ビックリした!
円華 練習生も募集しているんで。米山センパイが優しくイチから指導してくれるし。
米山 いや、練習は結構円華センパイが……
円華 人が増えれば増えるほど、僕の負担も減るんで。
米山 そこか!(笑)
円華 旅に出る機会も増えるんで。なのでデキる人、募集中です。

ーーなるほど! では最後に初日の出仮面選手のやりたいことは?

初日の出 \(^o^)/

ーーありがとございました(笑)

この項終わり

米山香織(よねやまかおり)
1981年神奈川県逗子市生まれ。1999年にJWPでデビュー。2010年に高橋奈苗を破りJWP認定無差別級王座を奪取。その後10度の防衛に成功するという偉業を達成。一度は2013年12月23日のJWP後楽園大会で引退するつもりだったが、10カウントゴングの途中で前代未聞の引退撤回。2012年にさくらえみと共にタイに渡り、我闘雲舞旗揚げをサポート。2013年1月27新宿大会を最後にJWPを退団。フリーとして我闘雲舞、スターダムなどに参戦。

円華(まどか)
1983年愛知県松山市出身。2002年2月にプエリトリコでTAKAみちのく相手に初代シルバー・ウルフとしてデビュー。その後、X No.2のリングネームでKAIENTAI−DOJOに旗揚げ戦から参戦。2006年にマスクを脱ぎ、リングネームを円華とする。2007年には真霜拳號とのタッグで、HARASHIMA&飯伏幸太を破り第三回ディファカップで優勝。2008年いっぱいでKAIENTAI−DOJOを退団。フリーとして新日本プロレスにも参戦し、その後さくらえみの要請を受けて我闘雲舞の臨時コーチとしてタイに渡る。

初日の出仮面(はつひでのでかめん)
2014年1月1日の初日の出とともに生誕した謎のマスクウーマン。2月に我闘雲舞に初参戦したあと、スターダムやアイスリボンに参戦。8月にはスターダムで米山香織、倉垣翼とのトリオでアーティスト・オブ・スターダムを奪取。髪の毛がパサパサ。

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