プロレス・格闘技ニュースサイト『バトル・ニュース』の会員専用プレミアム版

Kouzyロングインタビュー【第3回】

Kouzyロングインタビュー【第3回】

140514_Interview-Title.png

TOKIOの山口達也さんの実弟、バンドのボーカルとしてCDデビューしたにも関わらず、突如プロレスラーに転身したKouzy。
ちゃんと団体に所属し、1若手として下積みから始めたKouzyだが、所属した団体は暗黒プロレス組織666。666には「新宿二丁目プロレス」というブランドもあり、ここでKouzyはTOKIOの歌を海パン一丁で歌ったり、某アニメキャラのコスプレをしたりと、ほかのプロレス団体ではなかなか味わえない体験もしている。
そこで気になるのは、実はプロレス好きだという兄の達也さんをはじめとする家族の反応。
そして、キャリアも4年目に突入したKouzyは、この先プロレス界で何を目標にやっていくのか、ズバリ聞いた!
【タイトル写真/吉田みちこ 取材・文/佐瀬順一】

ーー666に入団してからは普通に新弟子としてセコンド業務とかやってましたもんね。坊主にこそしなかったけど(笑)。

Kouzy 自分もレスラーですけど、1ファンの心が抜けきれないところがあって、「こんな間近に試合観られて、チョーおいしいんだけど」って思っちゃうときありますね。そういうときってセコンド業務が止まっちゃうんで(苦笑)。本当に楽しいっすね! あ、プロレスをやる1年くらい前は坊主だったんですよ。急に坊主にしたくなって、バンドのメンバーに「坊主にしていい?」って聞いたら「してもいいけど、単に坊主にするだけなのはつまならいから」って真ん中だけ残して。マジでエクステつけて弁髪にしてラーメンマンになってました。ライブ中、グルグル回してましたね。

ーーKouzy選手は2011年2月にプロレスデビューして、その年の8月に新宿二丁目プロレスに参戦していますね。ここでいきなり綱引きをしている横で、芸能人水泳大会ばりに歌を歌っていたKouzy選手ですが、海パン一丁でTOKIOの曲を歌っていました(笑)。こういうところがいかにも666っぽいですよね。

Kouzy 面白いなって思いましたけど、複雑ですよねぇ……兄貴の歌っていうよりは、歌っている人は別のメンバー(長瀬智也)だしなぁとか思ったりして(苦笑)。

ーーそっちの複雑なんですか?(笑)

Kouzy はい(笑)。なかなかない経験ですよね。長男の結婚式で三兄弟で歌った以来でしたよ。

ーーそれは身内での微笑ましい1コマですが、新宿二丁目のど真ん中で海パン一丁で歌う経験はなかなか出来ないですよね。また、衝撃的だったのが綾波レイのコスプレでした! カワイイ、似合うと大評判でしたが。一応聞いておきますが、女装癖とかはないですか?(笑)

Kouzy ないですね(苦笑)。あれは会社から支給されたんですけど、最初見たときに「これ、綾波だよなぁ。誰が着るんだろう。まぁ俺だよなぁ」なんて思いながら着てみたんです。まぁ良き経験でした。

ーー「こんなことするのがプロレスラーじゃない!」とか思わなかったんですか?

Kouzy それがプロレスラーうんぬんよりも、あの場に出てなければゲイの方と知り合う機会もないだろうし、女装をする機会もない。もう感覚が麻痺してくるというか、「俺、もしかしたらゲイなのかなぁ?」とか一瞬思うこともあって。で、「いや、違う! 違う!」って(笑)。ネットにも「Kouzyのケツ、●●てぇ」とか書いてあるし。

ーーで、いざ試合になると男色ディーノ選手に襲われて、ガッチリ脱がされてましたね(笑)。

Kouzy はい。「もういいかなぁ」って思いましたね(笑)。

140514_Interview-1.jpg
新宿二丁目プロレスでは綾波レイのコスプレ(左)をしたり、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」を熱唱したり…

Kouzyがプロレスをやっていることを家族はどう思っているのか

ーーアハハハハ! Kouzy選手がこういうことをしているっていうか、プロレスラーをやっていることをご家族はどう思っているのですか?

Kouzy 俺の生き様を観に来いよって感じですよね!(笑)実の息子がここまで汚れているんだぞって。写真は全部見せていますけど。そもそもプロレスラーになったときも両親は恐らくやるだろうなって思っていたと思うんです。格闘技をやっていたし、父は元々空手家なので格闘技とプロレスの違いを分かっているんですけど、母は分からないので、(師範として)教える仕事を辞めてお客さんの前でやる側になったんだなくらいに思っていると思いますね。うちは両親ともにSなので、「あんたがやられる姿は見たくないわ。だからやれるようになってからもう1回呼んで」って言われました。

ーー要はチャンピオンクラスとかメインイベンター級になってから会場に呼べってことですか(笑)。

Kouzy なかなか厳しいですよね(笑)。俺はどっちかと言うと勝つとかより、技をバチーンと食らって、やり合うほうが好きなんで。やられっぷりとか、そこから立ち上がる姿を見てほしいですよね。柴田(正人)さんみたいな120kgぐらいある人がトップロープから俺の身体に乗っかってくるところを見てほしいんですよ。息が出来ないどころじゃないですからね! アレはキツイですね。2回食らいましたけど、アレほどキツイのはなかったですね。でもあの瞬間、自分のことを応援してくれているお客さんの「キャー」っていう叫び声を聞くと「いま俺、仕事してるな!」って思いますね(笑)。

ーーご両親に伝わるかどうかは微妙ですけど(苦笑)、Kouzy選手をプロレスの道に誘い込んだお兄さん(山口達也さん)は、Kouzy選手がプロレスラーになったとき、どういう反応だったんですか?

Kouzy そこですよ! 兄貴は絶対にプロレスがやりたかったはずなんです!

ーーおぉー! 歌手になる夢は先を越されてしまったけど、プロレスラーになるっていう部分でついにKouzy選手のほうが先をいった、と。

Kouzy やっと来たましたよ! だから「俺、プロレスラーになったよ」って言ったときに、絶対「チッ」とか「悔しいな」とか思ったんですよ。「でもプロレスを先に好きになったのは俺だからな」とか負け惜しみを言ってくるかなとも思ってたんですけど、実際は「お前は一体何がやりたいの?」って……

ーーアハハハハ! 兄として冷静に言われてしまいましたね。

Kouzy コイツ、弟の潰し方知ってるな!って思いましたよ(苦笑)。チョー勝ち誇ったように「プロレスラーになったぜ」って言ったのに「お前は何がやりたいの?」って淡々と言われちゃったんで、「一度音楽を休んでプロレスやろうと思って……」って言ったら「へぇ。まぁ頑張れよ」って(苦笑)。でも、そうは言いながらもずっと応援はしてくれています。

ーー新宿二丁目プロレスでディーノ選手に襲われるKouzy選手をどう思っているのか、ぜひ聞いてみたいですね(笑)。

Kouzy そうですねぇ〜。興味はあると思うんですけどね(苦笑)。ディーノさんは走ったらたぶん俺のほうが勝てると思うんですけど、あのときばかりは蛇に睨まれた蛙の気持ちが分かりますね。

4年目突入! プロレスラーKouzyの今後は?

ーー最近の666は新人選手もかなり増えてきましたし、若手選手中心の大会『YOUNGプロレスわっしょい!』なんかもあります。Kouzy選手もキャリア4年目に入って、後輩も出来ましたが、プロレスラーとしての生活はどうですか?

Kouzy 音楽をやっているときは、もう中間管理職的ポジションなんですよ。上の人からも言われるし、下の人には「なんとかしてくださいよ」みたいに言われて。もう自分が何かを教わったりするポジションではないんですけど、プロレスではまたイチからやらせていただいて、まだ修行をさせていただいている最中なんですけど、後輩から「Kouzyさん」って言われるのがすごく新鮮で、音楽のときとはまた違う道を歩んでいるだなって実感しますね。体育会系の年功序列というか、やっぱり音楽業界とは違う雰囲気があるし、音楽は長いあいだやってきたんで、直属の後輩みたいなものが長くいなかったっていうのもありますけど。

ーーまた選手としては決して身体が大きいほうではないし、空手や少林寺仕込みの蹴りを武器にはしていますが、まだ相手を倒すほどの武器まではなっていない。なによりケガが多い印象があります。4年目ということで、そろそろ若手の枠から抜け出して、1つ上のステージにいきたいところだと思いますが、自分には何が足らないと思いますか。

Kouzy やっぱりそこ(=肉体の強化)ですね! プロレスは甘くないですね。そこは本当に実感します。自分が以前やっていた格闘技なら(攻撃が)来たらかわせばいいんですもん! ケガしないようにかわす技術を身に付ければいい。でもプロレスはそうはいかない。入ったときに忍さんにまず言われました。「プロレスは甘くねぇよ」ってひと言。一番最初に聞いた言葉だったんで重かったっすよ。「勝ちとか負けだけじゃなく、もっと違うものがプロレスにはあるから。今までお客さんとしてKouzyが見ていたものとは、また違う視野があるから」って。

ーー忍選手も決して身体が大きいほうではないし、どちらかというと細身の選手ですけど、蹴りも空中技も出来るし、当たりも強いですからね。

Kouzy はい。

ーー本来であればKouzy選手がもっと上の選手に噛みついていかないといけないのかもしれないのに、下手したら下から抜かれてしまう可能性もあるわけですからね。

Kouzy もう、その恐怖はすごくありますよ! たぶんどんな仕事でもそういうのはあると思うんですけど、いい人・出来る人が現れたら、やっぱりそっちは使いたがるだろうし、自分とキャラが被っている人がいて、その人のほうが使われたりする可能性だったあるし。だからもうひと皮剥けなきゃって思いますね。

ーーもうひと皮剥けるために、例えば他団体に出てみるとか肉体改造に取り組むとか、いろいろな方法があると思いますけど、何か考えていることはありますか?

Kouzy まず自分はボクシングやキック(ボクシング)のような身体作りをしてきてしまったので、いま重量を増やしているんです。デビューからは8kgくらい増えているんですけど、まずは肉体改造ですよね。ほかの団体の人たちとぶつかっても押し巻けないような身体を作るための基盤をいまは作っていかないと、と思っています。僕がよく行くジムに某ベテランのプロレスラーの方がたまにいるんですけど、トレーニングを見てもらったりしたことはあります。

140514_Interview-2.jpg
666は基本的に無差別級のため、柴田正人のような巨漢レスラーと対戦することもある。それだけに肉体の強化は必須だ

ーーそれでは最後に、“プロレスラーKouzy”としての目標はなんですか? メジャー団体に出るとか、チャンピオンになるとか、いろいろあると思うし、「あのTOKIO山口達也の実弟」ってだけでやりようによってはもっと注目を集めることも出来ると思います。音楽をやりながら、666という団体に所属しているいまのKouzy選手が目指すものをお聞きしたいです。

Kouzy うまく伝えられるか分からないんですけど、今年4年目に入ってまだプロレスラーとしての目標がハッキリしない部分も多いんですけど、例えば「○○選手にようになりたい!」っていうのはいっぱいい過ぎるんですよ(苦笑)。だから漠然としていますけど、昔の仮面ライダーみたいにはなりたいなとは思っています。

ーーそれは具体的にどういう意味で?

Kouzy 最近の仮面ライダーはいっぱい武器というか、アイテムがあるじゃないですか(苦笑)。そうではなくて、大した武器はないけどやられてもやられても立ち上がってきて、最後にはライダーキックで敵を倒してくれるだろうっていう、昔のライダーが理想ですね。いまの子たちって諦めちゃうことが多いじゃないですか。仕事しててもすぐに諦めちゃうし、もっとどんどん挑戦して、失敗して砕けてもいいじゃんって思うんですよ。自分も散々喧嘩とかしてきましたけど、負けてもいいんですよ。どんな状況でもとりあえずチャレンジすべきですよね。だからいまの子たちが、俺の試合を見て「アイツ頑張ってるな」と思って、そいつが明日からの仕事でもいしい、夢に向かってでもいいし、頑張るために何らかの力になれたら最高っすね!

ーー「TOKIO山口達也の弟がプロレスやってるって聞いて、興味本位に観に来てみたけど、アイツ身体が小さい割にガッツがあって、いい試合するな」って思われるような存在になれれば素晴らしいと思います。

Kouzy はい! 仮面ライダーもそうだし、俺にとってそういう存在はやっぱり三沢(光晴)さんだったと思うんですよ。まだプロレスのことなんて何も分からずに、無理矢理兄貴に見させられていたのに、いつの間にか三沢さんのやられてもやられても立ち上がる姿に元気をもらっていたんだと思います。残念ながら俺は三沢さんにはなれないと思いますけど、俺なりに“プロレス界の仮面ライダー”にはなりたいなって思っています! まぁ三沢さんはタイガーマスクでしたけど(苦笑)。

この項終わり

Kouzy(コージー)
本名:山口公次。埼玉県草加市出身。2009年にメタルバンド「theCYCLE」に加入し、ボーカルを務める。2011年2月25日に新木場1stRINGで行われた暗黒プロレス組織666が主催した音楽とプロレスのコラボイベントに出演した際、プロレスラーとしてデビュー。その後theCYCLEからは脱退し、666所属となる。

【期間限定掲載】

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional