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Kouzyロングインタビュー【第1回】

Kouzyロングインタビュー【第1回】

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TOKIOといえば日本を代表するアイドルグループのひとつ。そのTOKIOのメンバーである山口達也さんの弟が現役プロレスラーということはご存じだろうか?
元々バンドのボーカルを務めていて、どちらかといえば兄と同じ芸能畑にいた弟のKouzy(コージー)だったが、2011年2月に暗黒プロレス組織666主催の音楽とプロレスのコラボイベントに、当時所属していたバンドで出演したKouzyは、なぜかその日プロレスラーとしてのデビュー戦まで行った。
有名アイドルの実弟がプロレスデビューといえば、世間的にもかなり注目を集めそうなものだが、いわゆる“企画もの”と思われたのか、正直思ったよりも話題にならなかった。その後も666所属となって地道に続けてきたKouzyのレスラー生活は、今年の2月で丸3年を迎え、4年目に突入。
そこでデビュー戦はもちろん、その後もKouzyの試合を報じてきた当バトル・ニュースだからこそ、改めてKouzyにじっくり話を聞いてみることにした。
【カメラ/吉田みちこ、取材・文/佐瀬順一】

ーーそもそもKouzy選手がプロレスに興味を持ったのはいつ頃、どんなキッカケだったんですか?

Kouzy 僕の時代はまだK-1とかはなくて、中学のときの保健体育の教科書の裏に「思春期になるとプロレスに興味を持ちはじめる」とか書いてあって。

ーーえぇ! そんなことが書いてあったんですか?

Kouzy はい、書いてあったんです(笑)。それぐらい思春期の頃にはプロレスに興味を持ちはじめるっていうのが一般的なことだったんで、僕も同じように興味を持ったって感じですね。

ーーKouzy選手が中学生の頃って、もうゴールデンタイムではプロレス中継はやっていないですよね?

Kouzy やってないですね。

ーー深夜とか夕方とか、微妙な時間帯でしたよね。

Kouzy そうです、そうです! 兄弟は夜中の中継を見ていたんですけど、最初、僕は興味を持っていなくて。無理矢理起こされて、強制的に見させられてました。

ーーKouzy選手のお兄さんといえば、あのTOKIOの山口達也さんですが、お兄さんはプロレス好きだったんですか?

Kouzy もう大好きですね。キン消しとか流行ったじゃないですか。アレで顔だけが本物のプロレスラーだったやつとかが当時あったんですよ。アレをすげー持っていて。僕は最初、「なんだ、このオッサンたちの消しゴムは?」って思ったんですけど。

ーーあー、当時ありましたね(笑)。じゃあお兄さんの影響でプロレス好きに?

Kouzy でも当時は次の日が恐怖でした。深夜にプロレス中継を見て、翌朝技の実験台にされるんで、いかに早く起きて学校に行くかって感じでしたね。

ーーいかにも男兄弟って感じですね。じゃあどの辺からプロレスに興味を持つようになったんですか?

Kouzy まぁ兄弟の影響はありましたけど、中学に行った辺りから周りの奴らもプロレスに興味を持っていたんで。休み時間にプロレスごっことかをしはじめたので、僕も興味を持つようになりましたね。やっぱり兄弟でプロレスごっこするのと、友達同士でやるのって違うじゃないですか。兄弟同士は明らかに悪意があるんですよ(笑)。友達同士だとプロレスの面白さを追求してやるんで。でも友達とプロレスごっこやるようになって、プロレスってもの自体のことがよく分かっていなかったことに気付きましたね。

ーーそれは具体的にどういうこと?

Kouzy 3歳から格闘技をずっとやっていたんですけど、何か不思議な感覚というか、なぜトップロープからの攻撃を避けないんだとか、すっごい疑問でした。

ーーなるほど。ずっと格闘技をやっていたら余計にそういうことが不思議に思えるかもしれないですね。

Kouzy もうその頃には三沢(光晴)さんのファンになっちゃっていたんですけど、そういう疑問が徐々に分かってくるというか、やっぱり技がビシッと決まればファンは嬉しいし、プロレスの魅力のひとつに“(技を)受けてナンボ”っていうのがあるってことに気付きましたね。そうやってプロレスのことを分かりながらプロレスごっこをやっていくんですけど、面白いですよね。アレでSかMか分かるんですよ。

ーーアハハハハ! そういうものですか?

Kouzy やっぱり(技を)かけ好きな人とかけられ好きな人がいて、僕は高いところから攻撃してくる相手に対して、胸を突き出して待っていましたね。その頃からドMでした(笑)。いまは危険だからとか言って、学校でプロレスごっこなんて出来ないらしいですけど、僕らの頃は友達同士のあいだであくまでも安全に、相手をケガさせてはいけないっていう信頼関係みたいなものがありましたからね。だから相手が左腕をあげてサポーターを直すポーズをしたら、アゴを引いてラリアットを受け止める準備をしましたね。

ーーなるほど。Kouzy選手はかけ好きじゃなくて受け好きだったんですね(笑)。三沢さんのファンだったとのことですが、当時は全日本プロレスでの四天王プロレスの頃ですか?

Kouzy そうですね。中学から高校くらいまでですね。激しかったですね。自分がいた中学が埼玉県の草加なんですけど、隣が越谷で三沢さんの出身地なので熱いですよね! 桂スタジオもまだあった頃で、まだ頻繁にプロレスもやっていたんで(小声で)覗きに行きました(苦笑)。何とかして見てやろうと思って行ったんですけど、「お前ら、何やってんだ!」って見つかったりしました。

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どちらかというとお兄さんのほうがレスラー並にがっしりとした体型だが、顔はよく見ると似ている!?

3歳の頃から格闘技をはじめた理由は親が…

ーー3歳の頃から格闘技をやっていたとのことですが、やっていた格闘技は何だったんですか? あと、格闘技をはじめたキッカケは?

Kouzy 元々は合気道から入って、そのまま少林寺拳法に移りました。僕って小さい頃、口より先に手が出る子だったんで、見かねた親が礼儀作法を教える幼稚園を探してきたんですよ。それが合気道を教える幼稚園で、そこに強制的に入れられました。

ーーじゃあ強くなるとかじゃなくて、まずは礼節を教え込むみたいな感じで武道をやらされたんですね?

Kouzy そうですね。また、そこに怖い人たちがいっぱいいて、幼いながらに「こりゃダメだな」って思いました(笑)。

ーー世の中には怖い人がいっぱいいるから、無闇に殴ったりしちゃいけないことを学んだんですね(笑)。でも聞いた話では、学生時代はかなりやんちゃをしていたらしいですね。

Kouzy やんちゃっていうか、そんなDQNなわけでもないし、どちらかというとやりたくないことはやりたいくない、やりたいことをやりたい……っていう連中で集まっていた感じです。校則に「靴下は必ず白でなくてはならない。ただしワンポイントはOK」みたいなことが書かれてあるのを見て、意味が分からない! 屁理屈というか、そういう意味が分からないことが多過ぎて、学校ってものがあまり好きじゃなかったんですよ。そういう同じような考えも持った人たちと……

ーー無理矢理ソフトに言おうとしてますね!(笑)ようはガッチガチのヤンキーとかチーマーとかではなかったってことですか?

Kouzy そうですね(苦笑)。自分はどちらかと言うと、絡まれるほうでした。当時、少林寺以外に別の格闘技もやっていたんですけど、やっぱり格闘技やっていると絡まれても「手は出しちゃいけない」って思っていたんですよ。でもある日、同じ門下生が傷だらけで来たんですよ。で、先生が「どうしたんだ?」って聞いたらケンカでやられたと言うんですね。「お前、手を出したのか?」って聞かれたら「いえ、自分は格闘技をやっているんで、相手を傷つけてはいけないと思って」って言った瞬間に「バカ野郎!」って殴られて(笑)。「お前、うちの看板背負っているのに、負けて帰ってくるとはどういうことだ!」って怒られているのを見て、自分から決して手を出してはいけないけど、やられたらやり返すっていうのも時には必要なんだと学びました(笑)。

ーーアハハハハ! なるほど。じゃあ絡まれても先に手は出さないけど、売られた喧嘩は買うと。

Kouzy ほぼ買ってましたねぇ。もう「あ、これ来るな」って分かるんですよ。別に第六感ってわけじゃないですけど、絡まれるときって大体分かるんですよ。酷いのもあるんでうしょ。歩いていて、石ころ当てられて、飛んで来たほどを見たら「何、見てんだよ」って絡まれて(苦笑)。でも格闘技やっていたからっていうのもあるんですけど、相手を殴って、まぁ多少なりともケガをさせてしまったときって、すごく空しく感じるんですよ。自分は喧嘩が好きなわけじゃないんですよ。あくまでもど突き合いが好きなんです。

ーー根本が格闘技の精神だから、相手を傷つけることが好きなんじゃなくて、どちらが強いかを戦って決めるっていう考えなんでしょうね。

Kouzy それが最高ですよね。パコーンと殴って相手がケガをして勝ったっていっても空しい。やっぱり対等な状況でやりたい。そこで気付いたんですよ。プロレスの面白いところって階級もなければ、不利な状況での闘いも多いけど、小さい者が大きい相手に勝てる術だってちゃんとあるじゃないですか。いま思えば、その辺からプロレスをやりたいっていう思いがあったのかもしれないですね。とにかく喧嘩をしても、格闘技で賞を取っても空しい思いがありましたね。

ーーなるほど。徐々にプロレスにつながっていく過程みたいなものは見えてきましたが、Kouzy選手といえば音楽も外せない要素です。音楽と出会ったキッカケみたいなものは?

Kouzy 音楽はずっと好きでしたね。小っちゃい頃から歌が好きで、ずっと歌っていて歌手になりたいって思ったのは小学校5〜6年のときですね。で、兄貴がBOOWY世代だったんでバンドってものを知っていて、高校に入ったときにバンドに誘われたんです。

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3歳からはじめた格闘技。少林寺拳法特有の蹴り技は、プロレスラーKouzyとしても持ち味になっている

知らないあいだに兄貴がジャニーズ事務所に入っていた!

ーーあー、そこでもお兄ちゃんの影響を受けていたんですね。お兄さんの達也さんが芸能界っていうかジャニーズ事務所に入ったのって、Kouzy選手がいくつぐらいのときですか?

Kouzy えーっと……兄貴は少年隊が好きって言っていたんですけど、俺も好きだったんです。そこは譲れないってくらい(笑)。小学校4年生のときくらいかな? でもその頃って少年隊がジャニーズ事務所(の所属タレント)とかって分からないじゃないですか。

ーーいまでこそ子どもたちでもジャニーズって知ってますけど、Kouzy選手が子どもの頃は所属事務所の意味がよく分からないですよね。

Kouzy でもちょっとマセた女の子だと、3〜4年生の頃には「ジャニーズの誰々がカッコイイ」とか話しているんですよね。だからその辺りから周りの女の子たちが俺を見る目が変わったんですよ。「アイツの兄ちゃん、ジャニーズらしいぞ」って感じで。でも俺自身は「ジャニーズってなんだよ?」って全然分からなくて。

ーーあっ、身内がジャニーズに入ってもKouzy選手本人はまだジャニーズっていうものが何なのかは分かっていなかったんですね(笑)。

Kouzy 全然! それで聞いてみたら「そういうところで(芸能活動を)やっているんだよ」ってことだったんで。そこで初めて兄貴のほうが少年隊に近づいたというか、先を越されたってことに気付きました。

ーーKouzy選手はジャニーズに入ろうとか思わなかったんですか?

Kouzy 実はそういう話をいただいたことはあったんですよ。でも母親が断ったんです。兄弟で同じところに入っても成功しないって。もう兄貴が先に入っていたから俺にはやめておけって。いまにしてみれば、それでよかったと思いますけど、当時は「クソー、兄貴だけなんだよ! 安定路線じゃねーかー!」って思ってました(笑)。でも兄貴はいつも「俺は歌をやっていなくてもよかったんだよ。別に明日からコンビニの店員になったっていいよ」って言うんですよ。そう言われるとムカ〜ッとしますね(笑)。

ーー兄貴ならではの上から目線というか余裕の発言ですよね(笑)。でもKouzy選手も高校に入って、ようやく自分がやりたかった音楽活動が出来るようになったわけですよね。

Kouzy ですね。でも兄貴はすごい華やかなキラキラした舞台ですけど、俺の場合はそこら辺にいたときに「お前、ちょっと歌ってみない?」みたいな感じで歌わされただけだったんで。

ーーそういうときって、「お前の兄貴ってTOKIOの山口なんだろ? じゃあお前も歌ってみろよ!」みたいな冷やかす感じで?

Kouzy いや、兄貴たちのキャラクターって、あの頃からあまり冷やかされる感じじゃなかったんですよ。コテコテのアイドルって感じじゃなくてマルチな感じだったし、男から見てもいっつも頭にタオル巻いている肉体派ってイメージもあったじゃないですか。

ーーあぁ、確かにそうですね。身体を張って見るからに大変そうなことをしているグループっていうイメージが強いですね(笑)。じゃあ女の子からモテモテだったんじゃないですか?

Kouzy たぶん自分がかっこよくなりたいっていうキャラだったらモテていたのかもしれないですけど、どうしても自分で自分を汚しちゃうんですよね。おいしいって思うことをやっちゃうんですよ。ここでパンツ脱いだら面白いだろうなって思ったら脱いじゃうんですよ!

ーーえー、芸人さんの発想じゃないですか(笑)。アイドルの弟でイケメンでバンドのボーカルやってたら、モテないはずがないじゃないですか!

Kouzy 道、間違ったなぁ〜(苦笑)。どっかで間違えましたねぇ。

第2回につづく

Kouzy(コージー)
本名:山口公次。埼玉県草加市出身。2009年にメタルバンド「theCYCLE」に加入し、ボーカルを務める。2011年2月25日に新木場1stRINGで行われた暗黒プロレス組織666が主催した音楽とプロレスのコラボイベントに出演した際、プロレスラーとしてデビュー。その後theCYCLEからは脱退し、666所属となる。

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